木造3階建て学校施設に係る手引作成検討会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成28年1月18日(月曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 木造3階建て学校施設に係る手引(素案)について
  2. その他

4.出席者

委員

加来照彦、小倉匠、小林道和、鈴木淳一、高村秀樹、成瀬友宏、安井昇(敬称略)

文部科学省

(文教施設企画部)山﨑技術参事官、山下施設企画課長、後藤課長補佐、その他関係官

オブザーバー

(国土交通省)住宅局住宅生産課木造住宅振興室 佐々木開発係長

5.議事要旨

(○:委員、●事務局・請負者)

・手引作成業務の請負者である株式会社長大より、資料1及び資料2について説明。

 

・資料1 検証のための設計図書(素案)

○防耐火の構造制限をどうしているか。

●メディアセンターを含めて全体を一時間準耐火構造一棟として設計した。

○内装制限について

●内装制限がかからない設計を基本としている。3階教室が無窓の居室にならないように天窓等用意することで対処予定(提出図面は未調整状態である)。

教室等は梁をあらわしにしている(A-04.天井伏図参照)

○区画について

●3,000㎡区画についてはA-21図参照。面積区画は基本的にフロア毎に水平区画して構成している。一時間準耐火構造の床でつくることが即ち面積区画になるという考えである。

○避難の考え方

●建物全体を一棟で設計しているので、建物全体に対して歩行距離に配慮している。

○上階延焼防止の考え方

●基本的に天井を不燃化することで対応している。手引でその他の上階延焼防止について触れていきたいため普通教室棟(2)にはバルコニーをつけ天井を木仕上にしている。

○天井を不燃化する場合は基本的に天井から梁をあらわしにはできないと考えた方がよい。どうしても梁あらわしにしたい場合は天井面積の1/10以内に限るが、見付面積ではなく天井からあらわれてくる梁全面が対象であるため困難である。

●モデル設計なので壁等を3ヶ所3タイプ盛り込んでいる。

壁等につく防火設備について、壁の両側にEXP.Jがあり常開にしたくても戸袋が納まらない。そのためモデル設計では防火シャッターとしている。

壁等といいつつ厚みがあるため床・天井ができている。告示などで構造を示してもらった方が設計が混乱しないで済むと思う。

○壁倍率はどの程度で考えているか。

●確認します。

○構造設計は成立しているか。

●構造設計者に確認を取りながらまとめている最中である。壁等とのエキスパンションも当初一律300mmとしていたが、構造検討の結果、コアタイプと壁タイプ(H4m)は100mm、壁タイプ(H15m)は200mmとなった。施工性を考慮し、モデル設計は一律200mmとしている。

○壁等の配置について、建物が折れ曲がるつけ根に近い位置に配置すると延焼防止には効果が少ない。2m以上突出させるのは壁等を超えての回り込み効果があるだけである。したがってあえて突出させる意味(効果)はない。

●モデル設計として全てのタイプを盛り込もうとした背景がある。

理想のプランを考えたわけではなく、留意事項を浮かび上がらせることを目的にプランニングしているという背景もある。

○2m以上突出する場合の検証プランとしては一文字校舎の真ん中につくることが望ましいということか。モデルプランの中に望ましい場所はないか。

●壁等の位置を検討する。

 

・資料2 木造3階建て学校施設に係る手引作成(素案)

○2階建てと3階建ての違い(柱梁の断面が大きくなる、被覆が増えたり厚さが増えたり等)分かる方がイメージしやすくないか。

○技術的な内容(柱梁の構造等)が前面に出るつくりでない方がよい。3,000㎡を超える学校施設を木造でつくる内容を先に、木造3階建て校舎を木造でつくる内容を後にする構成の方がイメージしやすい。

○これまでは面積規模が大きな木造建物をつくる時は『別棟』にしてつくってきた。法改正により別棟にしなくてもつくることができるようになったことを先に謳い、その手段として一時間準耐火構造の説明をするという流れか。

○「1.法改正の概要」のページが固いイメージがある。法改正でできるようになったこと、2階建てから変わることを見開きページにして大きくし分かりやすく書けば、現在のページ構成のままでもよいと思う。

○建築関係以外の方にとっては読み込むのはつらいかなと思う。最初の3~4ページくらいで手引全体が分かるようなつくりにしたらどうか。

○文章表現について、「できない」、「しなければなりません」という表現が目立つ。 「こうすればできる」といった表現にできないか。

●ページにもよると思う。検討する。

○木造3階建て学校施設に対する文科省を立ち位置を明確化し、冒頭の部分(はじめに)を検討してもらいたい。

●木材利用促進、学校施設での木材利用の有効性は理解されている内容である。この点を強調し、その上で今回の法改正の概要を伝えるという内容がいいのではないかと考えている。検討する。

 

・その他

●「6.床・間仕切壁・天井」でどこまで木質化ができるかということを示したい。

「11.木材調達及び工期の設定等」では、これまでの木造と比べて調達量が増えること・RC造の校舎の設計・建設に比べ時間がかかることを伝えたいと考えている。木造はRC造と違い地域性がある。

○木を活かす建築推進協議会にて、木材調達・発注について調査中で報告書作成中である。フィードバックできることがないか調べてみる。

○大量に木材を使用する場合は、工事と並行して木材調達について考える必要があるということをこのページでは表現したらよいのではないか。

●単年度発注・複数年度発注など誘導するわけには行かないが、木造の場合は発注前段階で日数がかかることがあるので注意が必要である、といった内容は表現してもらってもよい。

●国産材を推しているようにみえる書き方ではなく、外材も含めた広い意味での「木材」として表現すること。

●コストについては検討するが、手引には表現しない。

○表紙について、実大実験の室内写真などを提供するので検討してほしい。

●外壁に木材を使用できることは本当にいいのか。

○木材を使用してはいけない部分については告示等で記してある。燃え抜けはしないが、燃え広がりは起きるので配慮が必要である。

○防耐火の問題よりはメンテナンス性で木材使用は決まると思う。トピックスで触れておいたらどうか。

●多目的スペースの天井高さが低い。手引の技術資料として2.5mは低く感じる。

○階高を4m程度にしないと天井高さ2.7mを確保できない。

 

・次回は3月16日(水曜日)15時~

・資料についての意見や、検討途中経過など関係者全員に共有して進めてもらいたい。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

指導第二係
電話番号:03-6734-2292

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)