国立大学法人等施設の長寿命化に向けたライフサイクルの最適化に関する検討会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成30年2月27日 火曜日 15時30分~17時30分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎4階

文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 国立大学法人等施設の長寿命化に向けた基本的な考え方の整理について
  2. 今後の進め方について
  3. その他

4.出席者

委員

齋藤委員、佐藤委員、鈴木委員、髙井委員(主査)、高草木委員、玉上委員、中西委員、中埜委員、名和委員、野口委員、山本委員(五十音順)

文部科学省

山﨑技術参事官、藤井計画課長、富田計画課整備計画室長、笠原参事官、松下参事官補佐、加賀谷国立大学法人支援課課長補佐

5.議事要旨

【議事】(○:委員、●:事務局)


議題(1)国立大学法人等施設の長寿命化に向けた基本的な考え方の整理について

・事務局より資料1に基づき、国立大学法人等施設の長寿命化に向けた基本的な考え方の整理(案)について説明


○14頁に関して、長寿命化のライフサイクルに沿って建物を100年間使用した方が、細かく手を入れずに30年や50年で建て替えるよりもコストが削減できるエビデンスはあるのか。


○14頁の図では、上の図は予防保全的に3回手を入れて100年間使うイメージ、下の図は事後保全的に1回手を加えて改築するイメージだが、上の図の方がライフサイクルコストは安くなる。


○特に、下の図のように施設全体に支障が発生するような状況になると、改修は技術的にも困難を伴い、改築と同程度の金額がかかるため、支障が生じる前に手をうつ方がコストを抑えられる。


○長寿命化によりライフサイクルコストが削減できるということを書いた方が良い。また、建物を長く使い続けることで、愛着を持たせ付加価値を生むということも書き込んだ方が良い。


○建物を長持ちさせて愛着を持たせることは重要。施設のトリアージをして的確なマネジメントを行うには、学長のリーダーシップとマネジメント力が必要であり、この仕組みを作っていくためには建築学科等の果たす役割が重要。


○キャンパスの景観や教育研究の設備環境は、大学のパフォーマンスとして非常に大切。


○キャンパスを造るには、単に建物や景観だけでなく、トータルで建築を見る必要がある。そのような意味では、学長のリーダーシップとマネジメントにより、大学が何を強みとするのか全体の意見を調整しながら決めていく事が必要。


○キャンパスマネジメントは、国立大学の魅力を増すものである。今後、そこに対する費用は経常的にある程度なければならないとも考えている。


○施設に係る費用は、国に頼るだけでなく、国立大学内でも考えなくてはならない。


○大学独自だけではなく、国大協や地域等、何かと一緒に行うということも大事ではないか。


○今回の基本的な考え方の整理の内容について、各大学で行った取組の結果をフォローできる仕組みも大切。


○国立大学は法人化したが、全国の施設をきちんと維持管理していくという機能は文部科学省でも持った方が良いのではないか。


○ESCO事業等の民間企業の活用や、各研究室にある冷蔵庫の入替え等によって光熱費を削減するといった工夫もある。


○大学のキャンパスは、社会の縮図・モデルとして、新たな試みを行える実験場でもあるという意識が重要に思えるので、そのような主旨の文言を加えてほしい。


○また、土地の活用が制度上は可能になったが、実際に活用する際には、他の制約があって活用しづらい場合もあるため、そのような制約がありうることも分かるように書いた方が良い。


○14頁のイメージ図について、構造体や躯体に関しては20~25年間隔で性能維持、40~50年間隔で機能向上を行うという考え方で良いと思うが、設備については維持をするという考え方だけでなく、快適性等を考慮し更新していくという要素も加えてはどうか。


○機能と性能は切り分けにくい。建物の機能は設備が担う部分が大きいため、部分的な機能向上は20~25年のサイクルで入ってもいいのではないか。


○実施体制の充実について、教職協働や産学連携等の考え方も加えてはどうか。


○文教施設に関する業務をアウトソーシングできるような受け皿が欲しい。民間企業のノウハウや最新の技術を活用することで、経費が削減できるのではないか。


○学内の講義室の仕様を統一化するなど、ファシリティマネジメントを行うことで、費用の削減ができる。


○施設のトリアージ等の考え方は、既存の施設だけではなく施設を新設する際にも活かすことが出来るため、その旨を書き込んだ方が良い。


○丁寧に改修を行ってきたために、きれいに維持されている施設への予算措置が後回しにならないようどのような施設に予算をつけるのか、公平に評価する指標作りが大切ではないか。


○建物を新築する際、施設の作品的な魅力と維持管理のしやすさのバランスが難しい。100年使うための方策について検討が必要。


○建物を取り壊す際の資金について支援する仕組みがあれば、各大学も取り組みやすいのではないか。


○ある施設を取り壊すことによって、キャンパス全体の機能が向上するという考え方もある。


○大学改革支援・学位授与機構の施設費事業の中に、そのようなことに対応しうる制度を位置づけることを考えても良いのではないか。


○施設のトリアージにより、床面積を減少させようとしても、使っていない部屋が複数の建物に分散している等、実際にトリアージを行う上での課題もある。


議題(2)今後の進め方について

・事務局より資料2、資料3に基づき今後の進め方(案)について説明

・髙井主査より、本検討会ワーキンググループの立ち上げについて提案、了承

・山本委員をワーキンググループの主査に選任


議題(3)その他

・事務局より資料4に基づき今後のスケジュール(案)について説明


○ワーキンググループの検討事項が主に物理的な内容となっているが、ハード面とニーズが合っていないと使いづらい施設になってしまうため、その点も検討してはどうか。


○ワーキンググループの検討事項として、物理的な話だけでなく、ソフト的な観点からの施設マネジメント促進策も加えた方が良いのではないか。


― 了 ―

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部参事官(技術担当)

管理企画係
電話番号:03-5253-4111(内線2550)

(大臣官房文教施設企画部参事官(技術担当))