学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議(平成28年度~)(第12回) 議事要旨

1.日時

令和3年7月16日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンラインにて開催

3.議題

  1. 新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について(中間報告(案))
  2. その他

4.出席者

委員

(委員) 天笠茂,伊藤俊介,岩井雄一,上野淳,江田明弘,織田克彦,片田敏孝,加茂紀和子,後藤ひとみ,斎尾直子,高際伊都子,田原優子,長澤悟,中埜良昭,野中陽一,樋口直宏,山重慎二,吉田純二,吉田信解(敬称略)
(特別協力者) 齋藤福栄(敬称略)

文部科学省

【大臣官房文教施設企画・防災部】 山﨑文教施設企画・防災部長,笠原技術参事官,磯山施設企画課長,廣田施設企画課企画調整官,小林施設企画課課長補佐,栗本施設企画課課長補佐

5.議事要旨

・事務局より、会議資料の確認
・長澤部会長より、資料1-1に基づき、新しい時代の学校施設検討部会における検討の経緯について説明
・事務局より、資料1-3に基づき、新しい時代の学校施設検討部会における中間報告(案)の第1章及び第2章について説明

(○委員の発言,●事務局の発言)
○ 小学校、中学校において、コロナの影響により家庭で学習しなければならない状況に対しての対応が、必ずしも公平に行われなかったという話を聞いている。GIGAスクール構想では学校の中でのICT活用が主に想定されているが、家庭とのつながりに関してはあまり見えないと感じており、パンデミックのときや、自宅で宿題や課題に取り組むとき、あるいは病気になったときに学校とつながりが持てるように、学校と家庭を結ぶオンライン環境は、どう想定されているのか教えていただきたい。

● 1人1台端末の環境を整備し、学校内の高速大容量ネットワーク通信環境を整えることがGIGAスクール構想の大きな柱であり、コロナ禍の中で常に学びを保障していくという観点から、校内だけではなく、1人1台端末を自宅に持ち帰って使える環境を整えていく必要があることが、これまでも議論されてきた。自宅のWi-Fi環境が整っていない場合においては、ポケットWi-Fiを貸し出すということも含めて、その環境を整備するということがこれまで示されており、国として、補正予算における対応などもさせていただいている。

● 報告書にどの程度書き込む必要があるかどうかについては、事務局でも検討させていただく。

○ 新しい時代の教育改革ということで、働き方改革、教職員の研修、あるいは職員室や管理部門のIT化の促進といったことも書き加えていただきたい。子供たちの学びをどうするかという側面に加え、子供たちの学びを支える教職員が使用する施設についても、GIGAスクール構想では欠かすことのできない重要な観点であり、第1章に、教職員がICT教育に携わるのに必要な支援である校務の適正化についても記載していただきたい。

● 令和3年の中教審の答申の中でも、働き方改革を着実に推進していくことが示されており、ICTの活用に向けた教職員の資質、能力の向上という観点も含めて、これからの時代の学びに教職員も対応していく必要があるということも整理されている。ご指摘を踏まえつつ、記載について検討する。

○ 公立小中学校の95%が地域の避難施設としての指定を受けている現状に対応する記載が見当たらない。学校施設において、子供たちの安全への配慮はなされていると思うが、多くが地域の避難所として利用されている中で、例えば防災予算などを文教施設の整備にどれだけ取り込んでいけるかは、財政面において非常に重要なポイントだと思う。
 中央防災会議では要配慮者、特に知的障害をもつ子供や特別支援学校に通っている子供の避難について議論が出ている。多くの人がいるところに障害をもつ子供がなかなか行けない、あるいは連れていけないという問題もあり、実質、避難ができない状況の中で、要配慮者のために福祉避難所が指定されるようになっている。知的障害のある子供にとっては、長年通った特別支援学校は心が落ち着いて避難しやすく、また、福祉避難所はあらかじめ受入れ対象者を特定することになっていることから、特別支援学校を福祉避難所として利用することで、障害のある子供が落ち着いて避難所に行ける環境を整えることが重要だと思う。
 報告書では、避難所としての役割の記述が少なく感じるので、非常時の学校の利用といった点で、防災面や避難施設としての利用について記述した上で、それに応じた学校施設の在り方を記載する必要があると思う。

● 現在の中間報告案では、第2章で学校施設の現状を記載しており、第3章の25ページに学校施設の防災機能をどう強化していくかという、これからの在り方の部分について、自家発電設備やWi-Fi等の通信環境、避難所としてのバリアフリー、水害、土砂災害への対応といった様々な災害への対応という観点から記載している。
 また、福祉避難所のご指摘については、福祉避難所の確保・運営ガイドラインを内閣府防災が改定しており、この中で、特別支援学校を福祉避難所とする場合について記述されている。今回の報告の中でどこまでの取扱いとするかについては整理が必要だが、現状としては、これからの在り方のところに記載しているのと併せて、他のガイドラインなどにおいても福祉避難所としての扱いを記載している。

○ インクルーシブ教育を進めていく上での、老朽化した校舎での対応の難しさや普通教室周りに小部屋等の様々なタイプの空間が必要になるといった課題については、第2章でも第3章でも必要な観点ではないか。
 また、これからますます様々な新しい話が現場に入ってくることで教職員が対応に戸惑う場面が想定されるので、ICTの技術についてだけでなく、多様な学習タイプにおける新しい空間の合理的、効率的、有効な使い方についての丁寧な研修など、教職員へのサポートについても考えていかないといけないと思う。

● 中間報告案の7ページで、これからインクルーシブ教育システムの構築に対応していく必要性を言及しているが、施設の現状については、10ページのバリアフリー化の状況で記載している。現状の調査では、車椅子使用者トイレ、エレベーター、段差等の限定された現状把握となっているため、普通教室周りにある小空間等の実態までは把握できておらず、第2章では記載されていない。第3章の20ページでは、多様な教育的ニーズのある児童生徒への対応の中で、発達障害や落ち着いて学習していく必要がある子供たちへの対応として、教室回りや落ち着いて学習できるスペース、クールダウンできるスペース、医療的ケアの実施に配慮されたスペースなどの個別の指導に対応していく環境を整えていく必要性について言及している。ご指摘を踏まえ、第3章のこれからの在り方に対応する部分として、インクルーシブ教育に対する空間の整備が課題である点について第2章に追記する。
 また、教職員へのサポートという観点でも、第3章の19ページに「教職員の働き方改革を推進し、パフォーマンスを最大化するための執務空間」とあるが、第2章にも、しっかりと現状を押さえ記載したい。

○ 防災面について、古い学校においては、現代の大きなサイズの消防車等が、有事の際になかなか入っていけないような造りになっている現状がある。

● 現状、防災面の記述は中間報告案の中にはないが、学校施設を整備する際には非常に重要な視点だと捉えているので、取扱いについて検討する。

○ 中間報告案の7ページ、8ページに関わる部分について、多様な教育ニーズといったときに、医療的ケアを必要とする子供たちの受入れが普通学校でも進んできているが、場所の確保が非常に難しい。また、現状の保健室は、代替の部屋や仕切りを置くなど感染症対策に対応するにはあまりにも狭い状況である。加えて、養護教諭がパソコンなどを用い、健康情報を発信するなど健康教育の場としての機能も十分に有していない。そのため、今後、教室の狭さのみならず、保健室の整備も考えていただきたい。
 また、医療的ケアの子供を普通学校に受入れている現状について、障害を持つ子供とは別に言及があってもいいのではないか。

● 第3章には医療的ケアの必要性についての記載はあるが、現状、課題というところについても記載を検討する。

○ SDGsは世界の共通言語となっており、全国の自治体の施策事業も、SDGsと紐づけがなされている。「新しい時代」を語る上で、SDGsを念頭に置いて記載した方がいいと思う。


・事務局より、資料1-3に基づき、新しい時代の学校施設検討部会における中間報告(案)の第3章について説明

○ 特別支援学校の避難場所について、実際に福祉避難所として対応している学校の実態を第2章や25ページ辺りに記載しておくと、今後の対応がしやすいと思う。また、特別支援学校は都道府県立であるのに対し、実際の災害避難は市町村が行うので、連携をうまく取る必要がある。
 加えて、20ページのインクルーシブ教育に関する記述の中に、答申を踏まえ、交流及び共同学習という記述を入れていただけると、通常の学校と特別支援学校の間で地域の学校に交流に行くことを配慮された施設になり、インクルーシブ教育につながると思う。
 医療的ケアの話について、高等学校の施設整備指針にも保健室の機能について加えるとのことだったので、中間報告書でもぜひ触れていただきたい。

● 特別支援学校も含めた特別支援教育に対応した学校施設の在り方については、これから特別支援学校施設部会で議論いただく予定である。
 本報告書については、今後、特別支援学校の集中的な議論を見据えつつ、最終的にうまく両方をシンクロさせていくことが必要である。現状においてはこのような記述だが、指摘のあった点の中でも、交流及び共同学習というのは、まさにインクルーシブ教育の実現の中でも重要な柱であり、医療的ケアにおける保健室の役割などについても記述の追記を検討する。

○ 15ページで「平均面積64㎡の教室では、学級規模によっては空間的な余裕がない」と記載されており、注釈に「国庫補助基準では普通教室を74㎡として積算している」とあることから、もっと広く作って良いというメッセージが読み取れる気がするが、もしそういう意図であれば、はっきり書いたほうが良いと思う。
 17ページ「多目的な空間の活用を促進するための働きかけ・工夫例」の箇条書き4つ目「各学級におけるより積極的な活用を想定し、中間領域をつくる」という記載について、ここまで限定的に書いてしまうのはよくないのではないか。学習空間のつくり方の部分は、もう少し柔軟に考えるという趣旨のため、担任の裁量でも使用しやすい共用空間の計画を考えるといいかもしれない、という位の表現にして欲しい。
 21ページの上から2つ目の項目において、不登校児童生徒の支援に対して保健室、教育相談室、適応指導教室が挙がっているが、今後、図書室がこの役目の一部を担うことができるかもしれない。不登校の児童生徒には、学習意欲や関心はあるけれども、教室とか学級という環境が合わない児童生徒が一定数いる。公共図書館が誰でもくつろげる場として変わりつつあるように、ラーニング・コモンズのような図書室が、そういう子供の学習場所になりうるのではないか。

● 教室空間の平均面積等に対する国庫補助の注釈について、これからの教室サイズの検討の中では、1人1台端末環境等、活動内容を踏まえた整備が有効であることも意識してはいるものの、直接的な表現にはなっていないため、再度、事務局の中で検討する。
 働きかけ・工夫の例の箇条書き4つ目では、ほかの3つに比べて、中間領域をつくるというところがかなり限定的な表現になっているというのはご指摘のとおりであり、ご提案いただいた内容を踏まえ、表現ぶりを検討する。
 図書室が学習場所になるかについては、関係局にも話を聞きながら、どのような対応ができるのか検討する。

○ 新しい学校の在り方の中で、ICTなどはかなり強調されているが、例えばビオトープや子供の遊び場といった屋外施設についても重要度が高いと思う。室内の整えられた環境ではない、自由度のある、そういう意味での屋外環境についての記載を入れていただきたい。

● 屋外環境という観点について、現状では特段その視点を織り込んではいないため、追記について検討する。

○ 保健室について、感染症対策など多数の児童生徒が来室したときの環境整備として、採光や照明、暖房、換気だけではなく、一定の広さの保障も必要である。健康教育や健康情報を発信できるICT環境もあるような未来型の保健室イメージを考えていただきたい。また、医療的ケア対応の施設を、保健室とは別に用意する必要があることを考えていただきたい。

● 医療的ケアを行う施設が保健室と同じではないという視点については、現状、20ページ「インクルーシブ教育システムの構築」の2つ目の丸において、保健室とは別に、医療的ケアの実施に配慮されたスペースの必要性を述べているところである。また、保健室そのものの広さが必要であることについては、保健室の在り方自体の記述が詳しくここの中で盛り込まれているものではないので、検討させていただく。

○ GIGAスクール構想の中で、中山間地の学校との協働や、海外の学校との交流、大学、地域、その他外部の方との協働でオンラインを使った効果的な集団的な学び、協働的な学びの機会をつくる際に、ハウリングの問題や使用できるマイクが整っていないなどの機材の関係で遠隔の人たちとのつながりに障害が出て上手く活用されないことも考えられるので、学校の中にオンライン環境が整った部屋を準備する、ノウハウをほかの学校と共有するなどといった取組は必要だと思う。

● GIGAスクール構想における状況については、現状、18ページの「ⅴ)設備や家具の工夫による多様な学習活動の展開・教育環境の充実」というところに記載がある。1つ目に、GIGAスクール構想の実現に伴う端末の環境、ネットワークなどを書いた上で、2つ目に、1人1台端末に対応した教室用机の整備と大型提示装置、充電保管庫、カメラなどの通信装置等の遠隔会議システム、統合型校務支援システムの導入ということなどを記載している。「カメラなどの通信装置等の遠隔会議システム」にはマイクも含めているが、教室内だけではなくて遠隔地とやり取りをすることを考えたときに、必要な環境整備の一環として、遠隔会議システムを記載している。また、具体的な事例のノウハウの横展開という観点に関しては、国としても、様々なノウハウ、アイデアを横展開するためのプラットフォームの構築ということも考えていく必要性が部会において指摘されているため、第4章で記載しているところである。

○ 20ページ、21ページにある児童生徒の多様化への対応に関して、不登校の児童生徒あるいは外国籍の児童生徒の並びに、特定の分野に特異な才能を持った児童生徒についても加えてはどうかと思う。令和の答申やその下の教育課程部会での審議のまとめでも注視して挙げているので、子供たちへのまなざしも注いでいるということから、不登校の児童生徒以下のところに加えることを検討していただきたい。
 また、第3章に記されたことは、第一線で授業をしている教職員にも共有していただきたい情報である。これまで、現場の教職員には伝わりきれていなかったので、教室あるいは学校という空間の物的環境の工夫や授業に合わせた様々な工夫や取組といった情報を学校設置者までではなく学校の教職員まで伝え共有できるように情報の発信の仕方について、検討いただきたい。

○ 16ページの「教室空間の改善・充実の例」、19ページの「創意工夫の例」について、それまでに未来の学校として、GIGAスクール構想について記載が多いため、従来型でない場合の創意工夫例を入れたほうがいいと思う。
 教室では、教卓や教職員のワークスペースについて、PCや教材を置いても授業に差し支えないくらいのスペースを確保することが重要である。職員間での創意工夫の例として、不登校の生徒が教室に行かずに授業に参加したいような声が現場に強く寄せられている。スタジオで授業をつくって配信するのではなく、リアルな学校の様子を配信できるようなハイブリッド授業を教室の創意工夫例として入れても良いかと思う。

● 15ページの「ⅱ)多様な学習活動を展開できる教室空間」の一番下で、少人数の議論や個別に集中した学習ができるような、個人で集中したり、オンラインの活動を快適に行えるようなパーソナルスペース(小空間)を用意したりすることも有効であるという記述を加えている。どこまでこの空間を整備できるかという課題はあると思うが、通常の教室空間に加えて、個人で集中できるようなパーソナルスペースを有効に活用しながら、ハイブリッド授業や教室の中に入ることができない児童への対応といった様々な工夫をどのように記載していくかについて、引き続き検討していく。
 また、学校設置者だけでなく学校の教職員まで共有していくことについて、第4章の中では、学校関係者の参画によって豊かな学びの環境を整備するということで、学校設置者の推進方策の中には、学校設置者において関係者に対して有効活用のノウハウやアイデアを共有することの必要性、重要性は指摘しているが、国における方策の中で、現状、学校関係者まで浸透していけるような記載ぶりまではされていないため、どのような形で対応していけるのかについて、事務局の中でも検討していきたいと思う。


・事務局より、資料1-3に基づき、新しい時代の学校施設検討部会における中間報告(案)の第4章について説明

○ 学校関係者の参画が大切だと思うが、30ページの「④学校関係者等の参画により、豊かな学びの環境整備を推進する」の2つ目では、これから計画・設計する段階で、つくる学校について関係者が話し合うような記載になっている。実際、現状の施設の設備や新しい機材等の導入についてどのような議論ができるのかは、教育方法の考え方から教職員にとっても必要だと思う。教職員の研修や養成の場においても、学校施設や設備について学ぶ機会を積極的に設けることを提案し、知識を得る場を設けるといったことを書いて学校現場に伝える必要があると思う。GIGAスクールのように施設についても教職員の養成研修のカリキュラムの中に入れ込むことができればと思う。

● 学校設置者の側で学校関係者に対しての理解を深めていくためのノウハウ、アイデアの共有に加え、国における立場についても、現場に対してどのようなアドバイスができるかについては、32ページ、「④学校施設整備・活用推進のためのプラットフォームの構築」という中で、学校建築アドバイザーなど専門家の相談体制に加えて、技術的・専門的なアドバイスの中に、多様な専門性を有した有識者・実務経験者等による相談体制の構築や設置者の相談に応じた助言、専門家あるいはワークショップにおけるレクチャー、ファシリテートといった様々な機能を書いている。検討部会での議論の中で、学校建築の専門家以外にも、カリキュラムに通じた専門家や実務経験者なども含めて、多様な方々が学校現場に対してノウハウやアイデアを共有していく体制も重要であるという指摘があった。

○ ゆとりある教室の整備については、事例も含め掲載されているが、都市部の学校では、児童生徒数の増加に伴い、特別教室を転用して、普通教室を1つ捻出するなどの状況が生じているので、全国の小中学校の一律の指針等を示す場合には、全国自治体の意見も広く聴取した上で、取組を進めてもらいたい。

○ 学校において、日常の地域開放空間を使う地元の住民たちが、学校を使いながら、非常時における対応や、学校施設の通常のメンテナンス、学校を改善するときにも関わっていくことができるといった、避難所に特定しない地域とのつながりについての記述をどこかに入れることができたらと思う。

● 23ページにある第3章の3つ目の柱の「③地域や社会と連携・協働し、ともに創造する共創空間を実現する」複合化のところに、多様な世代との交流や地域コミュニティーの強化につながっていく計画とすることが重要であると書いている。部会の中でも、地域の方々が共にその施設を利用する中でコミュニティーが高まっていくというご意見はいただいている。ただ、非常時における対応や、学校施設のメンテナンスまでの記載とはなっていないため、どのような形で記載していけるか検討していきたい。

○ 内閣府の検討の中で、防災は地域の取組としてあり、地域の中に学校があるという位置づけがされている。教職員が異動などで替わっても地域の学校としてずっとやらないといけないものとして防災がある。防災教育の推進は、これまで学校に任せる形で教職員が担ってきたが、地域で取り組む防災を学校が継続的に支援するといった、学校外で支援員をつくることも議論されている。そのような配慮もどこかでできると良いと思う。

○ 第2章の8ページで、片廊下や一文字型の画一的な学校施設が、昭和の時代の学校施設急増期に一斉に整備されたという記述になっているが、急増期で背に腹を変えることができず、画一的な学校施設を整備していた時代から一回りした中で、学校施設を個別最適化にどうする対応させていくかが今回の目指すところであるという趣旨が後の展開と関わってくるため、この記述の仕方についてはもう一段工夫が必要だと思う。急増期に建てられた多数の学校建築を、全体を通しての趣旨に応じて変えていくことにターゲットがあるという立場と決意を、しっかりと明示することが重要だと思う。

○ 13ページにある第3章のキーコンセプトの下の2つ目に「子供たちが集い」という言葉が出てくるが、実際に会って切磋琢磨し、肩を寄せ合って話をするということが子供たちの成長にとって重要で、集って学ぶことが必要ということについて、もう少し説明を入れた方が良いと思う。

○ 13ページのキーコンセプト“Schools for the Future”の説明の中の「明日また行きたい学校」という表現について、学ぶ空間は人間の発達、成長にとってとても重要であり、未来志向で実空間の価値を捉え直して、学校施設全体を学びの場として創造していくというしっかりとしたコンセプトが打ち出されたのは良いと思う。
 また、自治体としては、社会保障費が大変増大する一方で、将来の人材育成という面での教育にはしっかりとお金をかける必要があるため、より一層、自治体にとって使いやすい補助や国からの補助についても、検討部会での意見が中間報告案で反映されていると感じた。

・中間報告の今後の修正については主査、部会長、事務局に一任された
・事務局より、資料2に基づき、今後のスケジュールについて説明
・事務局より、参考資料5及び参考資料6について説明



―― 了 ――

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大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課

指導第一係

(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)