高等学校施設部会(令和元年~)(第6回)議事要旨

1.日時

令和3年2月24日(水曜日)10時00分~12時00分

2.議題

  1. 今後の高等学校施設の在り方について(報告書案の検討)
  2. その他

3.出席者

委員

(委員)  伊藤俊介,岩井雄一,加茂紀和子,北村公一,柴田功,高際伊都子,多々納雄二,長澤悟,牧田和樹,山口直人,𠮷田宏(敬称略)
(特別協力者) 丹沢広行(敬称略)

文部科学省

【大臣官房文教施設企画・防災部】 森施設企画課長,廣田施設企画課企画調整官,木村施設企画課課長補佐

オブザーバー

【初等中等教育局】 工藤参事官(高等学校担当)付中高一貫教育支援係長,新見教育課程課企画係長
 

4.議事要旨

・事務局より、会議資料の確認
・事務局より、資料2に基づき報告書素案の第1章、第2章、第3章について説明

(○委員の発言,●事務局の発言)
○ ユニバーサルデザインとバリアフリーという言葉が混在している。既にある指針に合わせるために、バリアフリーという言葉を使わざるを得ないのかと思うが、今、学校として求めるのは、ユニバーサルデザインである。

● これまでの部会の中で、この2つの言葉をどのように整理するかという意見をいただいたことはないが、指摘いただいたように、バリアフリーというよりはユニバーサルデザインという考え方、価値観に立つべきという点では、学校施設もユニバーサルデザインをしっかりと目指していく必要がある。
  他方で国交省が定めているバリアフリー法との関係で、学校施設のバリアフリー化の視点を残さざるを得ないという事情もある。
   この点については、いま一度、言葉の使い分けがしっかりと整理されているかどうかという目線で、チェックをさせていただく。

○ インクルーシブを考えたときに、ユニバーサルデザイン、誰にでも優しい環境づくりを進めるというのは当然大事なことだが、一方で、言葉の使い分けだけではなく障害者差別解消法等にある合理的配慮を考えると、特定の障害のある人にも対応が必要な状況が出てくることに学校施設としてどう応えるかということまで踏み込めないか。
  合理的配慮をするための指針が出ており、様々なところから出ている指針などをどのように整理していくかは、課題である。

○ 資料2の18ページの情報化や国際化の進展に対応できる施設整備に関して、情報化と国際化の2つは、やや違う角度の話だと思うがひとまとめに書いてしまって良いのか。
  また、「3.情報化や国際化の進展に対応できる施設整備」に、国際化に対応できるための施設整備という方策が具体的に出てこないのであれば、見出しに国際化と入れる必要はない。
  同じパートの情報化の部分について、学校のインターネットのセキュリティーを考えるときに、ファイアウォール等の設備的な手当は重要だが、情報環境を運用できる専門家を配置する必要がある。

● 第2章は、1から5の柱から構成し、「これからの高等学校施設の在り方」として示しており、現行の指針も踏まえた上で、整理していく必要がある。情報化や国際化の進展に対応できる施設整備という柱は、現行の指針の総則に示されている。報告書においてはGIGAスクールもあり、情報化に注力した議論、あるいは記述ぶりとなっているが、既存の指針との関係で、国際化の視点を加えている。
  実際に、指針の中でどのように反映しているかというと、資料2の34ページに、「国際理解の推進のための施設」という項目がある。情報化だけでなく、国際理解を推進していくためにどのような施設整備を考えていく必要があるか記載されているものの、それをさらに深掘りするような議論は、これまでは意見としてはなかったので、情報化という部分に力点を置いて整理をした。

○ 趣旨は分かった。恐らく国際化の話は直接施設の計画に結びつけにくく、それぞれの学校がどういう国際化のプログラムを取り入れるかによって、計画の仕方が違うだろうということと思う。

● 専門家の配置ということについてのご指摘は担当課との間で相談する。

○ 確かに、3の大きな見出しで国際化があって、それを受け止める項目が括弧以下にない。そのことについての指摘だと思うが、国際化という表現をどうするかという今の話と、関連した記述を少し追加していくということなども含めて、総合的に検討したい。
 国際化というときには、外国人生徒への対応なども入ってくる。ある学校では、外国人生徒と共に学ぶことに対して、食は文化を表しているということで、生徒が自分の国の料理を作ってみんなで食べ、食を通して国際理解や交流を深める場として家庭科調理室を積極的に位置づけていた。施設的なテーマとしてどのようなことが記述できるか検討していけるとよい。

○ 12ページの第2章の5段落目のこの短いパラグラフに、今回の報告書のエッセンスが凝縮されている。ここをもう少し強調し、柔軟性・可変性というのが、これからの大きなテーマだということを示せると良い。

○ 先ほどの国際化のところだが、情報化とセットでということであれば、県立高等学校で海外の学校との姉妹校提携を結び、交流をしている事例があり、修学旅行等で実際に現地の高校を訪問しているような高校では、現在コロナ禍の影響で、それらの活動ができなくなってしまったので、ICTを活用し、ZoomやWebexなどの会議システムを使って生徒同士が交流したり、その他にも、海外の教育機関や国際機関等の講師から話を聞いたりするなど、情報化の進展で国際交流がより円滑にできるようになるという観点で記載できないか。

○ 資料2の14ページの高等学校改革を踏まえた施設計画の専門学科を有する学校についてということで、「最先端の職業教育を行う上で必要となる」というところがある。専門高校で、どういった機器を整備するかを具体的に検討するときに、デジタル技術、ICT技術を駆使していることが大事ではあるが、その前に老朽化している旧式の例えば旋盤なり、そういった測定機器が、デジタル化でどのような工程が便利になったのかや自動化されたのかを学ぶという観点も必要。
  旧式のものと最先端のものを比べることによって、どういう技術をどういう考え方で開発していったのかという観点も必要であるため、原理原則もしっかりと学習した上で、その最先端の職業教育に使う施設の整備が重要であるという記載があれば良い。
  それから、16ページの一番下のところで、各教科への対応と教科等横断的な学習への対応が記載されているが、いわゆるカリキュラム・マネジメントをしていくために、教科を超えた教職員間のコミュニケーションや調整が求められる中で、ここには最後に例示として、特別教室とか教科教室の計画において、「一体的・連続的な利用が出来るように配置や間仕切りを工夫する」というのがあるが、そもそもその特別教室や教科教室がない教科もあるため、職員室自体に職員全員を集めてしまえば、職員同士の交流、コミュニケーションが進むという考え方もあるので、職員室1か所に集めてコミュニケーションを促進するのも一つの方法であるし、教科教室等の間で連携を図ることも重要であるという観点があれば良い。
  それから20ページ、「安全でゆとりと潤いのある施設整備」の「健康への配慮」の中に「トイレについて洋式便所を採用するなど」とあるが、衛生環境改善の観点からは、床の乾式化も重要であり、できれば加えていただきたい。
  逆に学校施設整備指針では、乾式は書いてあるが洋式化が書いていないので、両方記載があると良い。資料2の81ページに、最初の(1)に便所は水洗式とし、乾式を採用すると記載があるが、20ページの報告書の部分では、水洗はあるが乾式の記載がないので、そういった観点を入れて欲しい。

● 国際化の部分の記述の追記ということについて、意見を踏まえ検討する。
  専門学科を有する学校について、先ほどの説明の中で、老朽化という部分に、専門高校における施設・設備の整備、改修ということを追記させていただいたが、先ほど意見をいただいた趣旨がどのような形で反映できるのか検討させていただく。
16ページの教科横断的という部分については、教科の教室に限定されない書き方は必要と考えるので、その点は、既存の施設、既存の職員室も有効に活用した形でのコミュニケーションの充実ということも触れさせていただく。
  トイレについては、乾式化について、報告書の提言の中に加えさせていただきたい。整備指針の対応については、63ページの平面計画の中で洋式便器を採用するということを書いており、各室の中で繰り返しは言及していないが、この点は小中学校の指針の記載との並びで整理をさせていただいており、いま一度取扱いについて再確認をしたい。

○ 欄外の注釈をたくさん入れていただいて、高等学校の課題は相当たくさんあるのと、やることが幅広なので、非常にこれは参考になり、ありがたい。ぜひこんな形でおまとめいただきたい。
  それから前回の指針が改訂される少し前に、恐らく学校教育法が一部改正されて、特別支援教育制度が始まって、ここにかなり記述がなされたが、今回さらに、例えば条約のことや、インクルーシブ教育のことなど、かなり内容も書き込まれているので、後段のほうに、高校での通級についても相当書き込まれているが、大きな制度変更なので冒頭の8ページのところに少し触れることができないだろうか。
  それから、さっきバリアフリーとユニバーサルデザインの話をどう考えるかという話があったが、基本的には障害のある方がどう社会参加をしていくかと考えていったとき、それを妨げるような障壁をどのように取り除いて障害者の社会参加を進めていくかがバリアフリーと結びつくのではないか。
  ユニバーサルというと、どうしても誰にでも優しいような環境づくりをしていくと捉えられる。むしろ差別解消法とかと結びつけて考えると、バリアを取り除くことが、今の状況の社会では必要なことだという捉え方ができるのではないか。

● 確かにインクルーシブというところの記述の中で、高校の通級の制度化の話をしっかりと捉えるべきという指摘もそのとおりで、今回の提言の中にも、第2章のところには書いてあるが、第1章にしっかりと触れられていないという点は追記をさせていただきたい。

○ ある学校では、インクルーシブ教育実践推進校ということで、知的障害の生徒を受け入れている。その中で工夫されていることは、例えば職員室と書いても、その字が読めなかったり、案内図で職員室がどこか分からなかったりすることもあるので、全て校内の案内表示をピクトグラムで表している。今回視察に行った学校の中にも、そういう工夫をしている学校が結構あった。
  報告書に幾つかサインとか案内図という言葉が出てきたが、それは外部の人向けの案内図の話であって、これからインクルーシブな学校づくりをする中では、「生徒に対してもその場所が分かるようなピクトグラムを導入するなど、校内の案内表示を工夫するのが望ましい」といった表現があると良い。
  それから、これからの社会は、障壁を取り除くだけではなく、全てが同じ環境で学べることや、同じ通路を通れることが望ましいので、バリアフリーを目標にするのではなく、ユニバーサルデザインを目標にすることを書いたほうが良い。

● 後ほどの指針の最初の整備のところにも出てくるが、学校施設整備指針は、この小中学校等のそれぞれの学校種別の指針だけではなくて、バリアフリー化推進指針も先般改訂しており、そこの中にピクトグラムも含めて、かなり詳細な配慮事項が記載されている。
  高等学校施設整備指針の中に事細かな配慮事項を全部書き込むことが難しい面もあったので、バリアフリー化推進指針も一緒に参照してほしいことを、最初の取扱いの中に書き込むことによって処理をさせていただいた。その一つ一つの事柄の重要性においては、高校の指針そのものに書き込んでいくという整理をしている部分もあるので、いま一度意見を踏まえて検討させていただきたい。

○ 全体的にLGBTQについての記載、多様性の重視や男女参画の課題など、先ほどピクトグラムの話題もあったが、あらかじめ男の子と女の子と決めて様々なものが進んでしまう現状があるので、子供たちが生活する学校という場については、多様性を意識して、施設整備を考えていただきたい。
  産業構造の変化によるのか、高校生の多様化によるのか分からないが、高校生の多様化によるものであれば、性の多様性を持つ子への支援になる。産業構造の変化によるものであれば、日本が世界から指摘されている課題といった指摘になるが、この点についてもう少し踏み込んでもいいのではないか。
  ICT関係については、社会基盤と一体になった整備が求められる。学校だけで独立して議論できないので、一体でなければ継続的なメンテナンスも必要になるという理解が進むのではないか。
  それから、7ページのイメージ図は、遠隔地や不登校、入院している生徒さんといった対応がメインになっているが、実際大半の生徒は、対面授業を受けている。だから体験活動やキャリア教育など、オンラインを活用して社会とつながっている活動のイメージを加えると、より多く生徒たちにとって、新しい時代の教育のイメージが分かりやすいのではないか。
  18ページに、「ファイアウォールなどの設置機器」とあるが、これは機器ではないのではないか。人体行動や監視体制といったソフト面での対策というような書きぶりを加えていただきたい。学校施設整備指針についても同様で、健康的かつ安全という点では、生徒の精神的な安定、安全も大事な要素なので、多様な生徒を受け入れるという視点を書き入れていただきたい。
  資料2の81ページで、LGBTQについての配慮が有効と表現しているが、当たり前だという意識を持つという点では、重要と書き入れるほうが良い。

● 関係課との調整をさせていただいて、指摘いただいた点をどのように反映できるか検討させていただきたい。

○ 1点目としては、12ページ、23ページ、24ページに、専門スタッフ、多様な人材の関わりについて表現されており、この記述が社会に開かれた教育課程を実現する上で大切な観点だと思っているが、24ページ、心理や福祉に関する専門スタッフなど、現在学校に関わっている方々の例示はあるが、これから多くの学校で重要人材と考えているのはコーディネーターであり、特色・魅力化を進めるコーディネーターという例示がどこかであるとありがたい。
  コーディネーターを含め、多様な人材が学校現場に関わっていくことが、これからますます求められているので、そうした方々の居場所や関わりがしやすい設備などの観点はこれからも大切である。
  2点目としては、27ページのインクルーシブ教育システムの構築、生徒の多様化への対応について、インクルーシブ教育システムと生徒の多様化と、同じくくりにしていいのか。
  特に生徒の多様化は、様々なレベルがあり、インクルーシブ教育の主たるところは障害のある方と障害のない方の関わり合いが中心だと、認識しているが、多様化とインクルーシブシステムの親和性の高さがどこまであるのか。
  例えばある県では、自県に出自を持つ子供たちのみならず、他都道府県からたくさんの生徒たちが高校に入学してくる。これも多様化の一つだと思っており、インクルーシブ教育と一緒になって話されるということはどうなのか。

● 1点目のコーディネーターという視点については、24ページの3つ目のポツ、「コミュニティ・スクールと」と書いてある中で、「地域と学校をつなぐ地域学校協働活動推進員」という言葉がある。社会教育法に位置づけられているが、今まで学校と地域をつなぐコーディネーターと呼んで全国展開をしていたものを、法律用語で示そうとすると、この地域学校協働活動推進員という言葉になり、表現が分かりづらくなっている。
  並列で書くと、推進員にコーディネーターを含まないような表現になってしまうので、どのような工夫が考えられるか、「コーディネーターを含む」と書くのがいいのかも含めて、関係課と相談をさせていただきたい。趣旨としては、コーディネーターの存在も含めて多様な人材ということを表現したい。
  インクルーシブ教育システムと生徒の多様化という視点について、実はこの報告書上、障害のある方々だけではなくて、先ほどの話の中にもあった、外国籍あるいは日本籍でも、日本語が十分でない生徒への対応、あるいはLGBTの方々も含めた多様な性への対応ということなども含めて、このくくりの中で表現していたという部分がある。どのような整理が最適なのかという観点については、引き続き関係課とも相談させていただきたい。

○ 専門学科の観点で記述をしていただいて、本当にありがたい。資料2の10ページでは老朽化した施設への対応を、14ページでは最先端の職業教育ということも記載をしていただいている。ここについては本当に、これから進めていかなければならない。それらに最先端の例えばパソコンを入れても、5年になれば更新しなければいけないという観点で言えば、「計画的な整備に対応した施設計画とすることが重要である」という形で記載されていて、そこも含まれている。
  12ページの「第2章これからの高等学校施設の在り方」で、最後の段落の部分、親会議でお話をされたということだが、「今後の高等学校改革などの動きを捉えた目指すべき高等学校施設のビジョンとして」と記載があるが、「目指すべき」という考え方は必ずしもそこまでいかなくても良いという捉え方をしてしまうところがある。「目指すべき」では少し弱いのではないか。

・事務局より、資料2に基づき報告書素案の第3章、指針改訂案の第1章総則について説明

● 先ほど第1章、第2章に関して御指摘があった点に関連して、通級が制度化されたということを踏まえると、実際第2章以降に通級のことが書かれてはいるが、例えば、資料2の33ページ第1章の総則の中で、特別支援教育というところが書かれている。
  通級については、この総則の中では実は出てきていないという状況があり、通級指導への対応や、場合によって医療的ケア児への対応など、今、高校の特別支援教育において対応しなければならない課題については、総則の中にも書き加える点、第1章の修正と併せて検討させていただきたい。

○ 今まさに社会も国も様々な課題に対して大きく動いている状況の中で、それを踏まえて新たに書き加えられた文言等がある。例えば改訂案の32ページの職業教育のところで、デジタル・トランスフォーメーションという言葉が出ているが、前段として報告書の中にも記述しておくようにしたい。それにより注釈をつけることもできるので、報告書の記述と指針改訂案との整合をうまく取っていただきたい。

・事務局より、資料2に基づき指針改訂案の第2章以降について説明

○ 前段の第2章のところで、先ほど意見があったが、性同一障害に関することや、多様性を認めるという趣旨の記述について、「有効である」よりも「重要である」という記載するべき。整備指針の中で、便所や更衣室が出てくるが、「男女別に」という言葉がまずあり、あえて男女別という言葉が必要なのか。
  この改訂指針は、基本的にはそれぞれ地域に特色のある学校をつくっていくことが前提の、許容力を持った指針であって良いと思うので、限定するような言葉は全体的に見直すということが必要ではないか。

● この指針の議論ではないが、バリアフリー化推進指針の議論の中でも、同様な男女別というところについての議論はあった。ただ、トイレ全部を男女の区分けがなく、全てを統一してしまうということに対しては慎重な意見がある中で、男女別としながらも、一方で男女が両方使えるようなトイレへの配慮の議論もあったところで、どのように配慮して記載するのがいいのかは、引き続き検討させていただきたい。

○ 前半の議論の最後のところで、インクルーシブ教育と多様化を一緒の場所で扱うことに関して意見があった。
  それはそのとおりで、後半部分の話で、33ページの第1章、第2節、第2の5、「特別支援教育の推進のための施設」というところで、ほぼ特別支援教育とインクルーシブ教育の話だが、その後半に「さらに、国籍や性別等に関わらず、共に育つ」というのが付記されている形になっており、この書き方だと、知的障害や身体的障害、発達障害があるといった、障害がある生徒がどういうふうに学べるようにするかという話と、バックグラウンドが多様であるという話を特別支援教育という見出しの下にまとめてしまっているのは、ざっくりし過ぎている。
  恐らく包含関係が本当は逆で、インクルーシブ教育、国籍、性別への配慮、言うならば全ての生徒が学べる環境をどうつくるかという話の中に出てくる項目で、それが特別支援教育という、その中の一つが見出しになって、そのサブカテゴリーに国籍、性別が入っているという概念的な構成はおかしいのではないか。国籍とか性別に関係して配慮が必要な点というのが、一種の障害のカテゴリーに見えてしまうので、ここは書き方か構成を少し変えたほうが良い。
  もう一点は、学校をこれだけICT化したら、サーバー室が必要ではないか。後半の個別具体的に施設を造ったほうがよいと書いている部分に、ICTのためのバックアップのための部屋が要るというのは書いておいたほうが良い。

● 既存の施設整備指針の中でどのように対応していくかという中で、苦肉の修正というところはある。複数の委員から意見をいただいているので、どのような整理が一番分かりやすくなるのかについては、関係課と検討してまいりたい。

○ 先ほどからの意見も踏まえて、総合的に検討する。

○ 特別支援教育は基本的に障害のある子一人一人に対して、その障害に対応した指導や支援を指している。インクルーシブ教育というのは、さらにそういう障害のある子も含めて共に学ぶ環境をつくっていく、そういう整理の仕方だと思うので、一緒にして、このまま上下で並んでいくというのは、整理の仕方を工夫する必要がある。
  関係部局と相談して、確かに共に生きていく共生社会を目指す、その一環としてインクルーシブ教育システムを構築して一緒に学んでいく、これも大事なことであり、一人一人にどう対応していくかという特別支援教育も大事なので、そこは書き分けていただきたい。

○ 今、先生方から指摘いただいたとおりで、性別や国籍に関する話は、個別具体的ではなく、学校の全ての部屋、全ての場所で考えるべきだ。
  どうしても生徒についての事柄と捉えられがちだが、例えば保護者や先生にも多様な背景を持つ方はいるでしょうし、建物全体としてそういう配慮は重要で当たり前でなければ、学校そのものが差別を容認しているように思われてしまうので、これはぜひ総則のところできちんと打ち出したほうが良い。
  もう一点、感染症対策でトイレや手洗いというのがすごく注目されており、今学校がすごく苦労している場所なので、それについて何かいいアイデアがあったら、この後事例が出るのであれば、そういったところがあるとタイムリーではないか。
  また、これだけ教育が大きく変わると、先ほども指摘があったように、今ない部屋が必要になる。すごく書きにくいと思うが、これからの変化に備えて、学校の中を、特定の部屋は特定の目的だけではなく、流動性が要るということがすごく重要だというので、その辺りがうまく総則に入ると良い。

● 関係課と検討する。

○ 資料2の33ページ3項(2)の書き方について、「就職を含む進路の相談やインターンシップ等」とつながっているが、インターンシップというのは、高校生等が企業や大学等に出かけていくことをイメージするのであれば、その前の相談、その後のカウンセリング、ガイダンス機能と、あまり関連性が高くない気がしたので、インターンシップをわざわざ書く意図が分かりにくい。
  また、80ページ、寄宿舎について書いてあるのは大変良い。ただ、昨年度の高等学校部会における視察においてもそのような事例があったが、寄宿舎の持つ重要性を認識された委員も多かったのではないか。
  この80ページの8番の書き方だけで寄宿舎が止まっていいのかどうかということ、特に避難所としての扱われ方や、地域との交流の場であることなど、いろいろな重要性の観点がこの数行で盛り込み切れるのかは、非常に課題感を持っている。先ほどから話題に出ているLGBTQの話も、当然関係してくるところであるし、いろんな意味で寄宿舎というところを大切に考えなければならない観点から、他の部分にも絡めて寄宿舎の考え方を定めていくことが望ましいなど、いろいろ関わってくるということをお伝えしておきたい。

○ 多様な観点から多くの意見をいただいたので、それを反映すべく修正をしていきたい。その修正結果については、掲載写真の選定も含めて、一度修正案として確認する機会を設けたいと考えている。

・事務局より、資料3に基づき今後の会議のスケジュールについて説明

―― 了 ――

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大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課

指導第一係

(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)