小中学校施設部会(平成30年度~)(第2回) 議事要旨

1.日時

平成30年8月8日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

大臣官房文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 視察報告
  2. 小・中学校施設整備指針改訂に向けた検討
  3. その他

4.出席者

委員

【委員】天笠茂,小泉治,長澤悟,野中陽一,樋口直宏(敬称略)
【特別協力者】森政之(敬称略)

文部科学省

山川施設企画課長,金光施設企画課企画調整官,浅野施設助成課長,西村施設企画課課長補佐

5.議事要旨

・事務局より資料1,2に基づき,現地調査の実施方針及び視察報告(前半)について説明。
・各委員より,補足説明等。

○ 各学校において「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け様々な試みがなされており,また,教室と廊下の間に壁が無いオープン型について肯定的な意見が多かったことも印象深かった。

○ つくば市立学園の森義務教育学校は,今年4月につくば市で開校した義務教育学校3校のうちの1つ。先行する義務教育学校「春日学園」における課題等を踏まえた改善が随所に見られる。

○ 土浦市立都和小学校は保健室に工夫が見られた。外部から直接出入できるものを含め計3箇所の出入口を持ち,様々な場面を想定した対応が可能となっている。また,千代田区立神田一橋中学校については,屋上に設置された光ダクトから効果的に自然光が採り入れられることにより,中廊下式でありながら非常に明るい光が入っていた。

○ 視察を通じて感じた点が2つ。1つは情報化が進み,投影するため必然的にホワイトボード等が必要となってきているものの,依然として先生方には黒板が根強い人気だということ。もう1つは,アクティブ・ラーニングなど学びの質向上に向けた取組が進んできているものの,机や椅子は旧来のものからほとんど変わっていないということ。

○ 千代田区立神田一橋中学校について,教室や職員室に作り付けの収納棚等が多く設けられており,とてもすっきりと片付けられていた。学校生活を営む上で”モノ”はいっぱいあるので,どのように効率的に収納していくか,ということは重要なことであると感じた。

○ 今回改訂された学習指導要領の目指すものの1つである「質の向上」は大変大きなテーマ。先生方が授業の質的な深まりを具現化していくとき,施設面からどのようにサポートできるのか,という視点が重要となってくる。視察事例についても,それぞれのスペースをどのように工夫して使っているのか,そこにはどのような学習環境づくりの方針があるのか,という部分まで読み取っていけると良い。

○ 小学校の英語教育について,スペースの作り方等,施設面の工夫や改善事例も取り上げられると良い。

○ 家具などの什器には,その空間をどのように使いたいか,という思いがよく表れる。今回の視察では,空間と什器との関係が良く考えられた事例も多く見られた。

○ 教室を考えるとき,ゆとりのある空間にして家具も工夫してアクティブ・ラーニング等の多様な活動に対応できるものにする,というニーズと,一斉授業を行いやすいものにする,というニーズが併存する。これらに応えるためには,教室自体を変えていく,という考え方と,教室の回り等に多様な活動に対応できるスペースを用意する,という考え方がある。多様な活動に対応できるスペースとして,図書館とコンピューター室とを合わせて情報センターにするような新しい空間づくりも必要になるかもしれない。

○教室を整った環境にするためには,教室周りに,収納や子供たちの作品を置けるような場所も必要。

○地域の方が普段からいられるスペースを用意することも重要であるが,そのためには,計画の段階から,その必要性や活用の方法について議論をしておくことが必要。

○今後は改修が多くなると思うが,その際の手順等についてまとめられるとよい。

○ 職員室には,打合せやリフレッシュができる,また,様々な資料を広げて作業ができるような多目的に使える共有スペースがあると良いと感じた。

○児童生徒の持ち物が大きくなっていたり,ICT機器が増えたりしているので,教室内がやや窮屈になっている印象があった。

・事務局より資料3に基づき,前回の議論における主な意見について説明。
・各委員より,資料3等について意見交換。

○ 現行の学校施設整備指針において,義務教育学校としての留意事項がしっかりと盛り込まれているか確認した方が良い。

○ 今回改訂された学習指導要領では「カリキュラム・マネジメントの実現」が打ち出されており,経営資源の効果的な投入が重要となってくる。施設整備についても,環境の整備を通して学校の教育活動にアプローチするという面からすると,このカリキュラム・マネジメントこそ,施設面の改善と教育の質の向上,ハードとソフトをつなぐ格好のものと考えている。今回の報告書において,ハードの面からのカリキュラム・マネジメントの在り方ということについての提起があってもよいのではないか。

○ 現在,教員の働き方改革が大きな話題となっているので,今後の学校の在り方において,職員室等で教員がリラックスできる環境の構築は重要な視点。また,セキュリティ面での課題はあるが災害時において学校の設備を地域住民に開放するといったことや,教室の情報化において,無線化や配線が見えないような設計は重要なのではないか。

・以上で,意見交換を終了。
・事務局から,資料4に基づき,今後のスケジュールについて説明。

―了―

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(大臣官房文教施設企画部施設企画課)