熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成28年7月27日(水曜日)10時00分から12時00分

2.場所

東海大学校友会館(阿蘇の間)

3.議題

  1. 熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備について
  2. その他

4.出席者

委員

【委員】上野淳、片田敏孝、壁谷澤寿海、鎌田正樹、小林賢一、清家剛、長澤悟、中埜良昭、中村仁、山田哲(敬称略)
【特別協力者】磯山武司、梶原浩一(敬称略)

文部科学省

【事務局】山下文教施設企画部長、山﨑文教施設企画部技術参事官、杉浦施設企画課長、深堀施設企画課防災推進室長、西村施設企画課課長補佐 他

オブザーバー

【内閣府】中村政策統括官(防災担当)付参事官(被災者行政担当)
【総務省】田中消防庁国民保護・防災部防災課災害対策官、多鹿消防庁国民保護・防災部防災課震災対策専門官
【国土交通省】松本住宅局建築指導課建築物防災対策室企画専門官、峰水管理・国土保全局下水道部下水道企画課企画調整係長
【文部科学省】志賀高等教育局私学部私学助成課専門官、田中研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室室長補佐、一言スポーツ庁参事官(地域振興担当)付参事官補佐

5.議事要旨

議題(1)熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備について

・事務局から、資料1、資料2に基づき、緊急提言(案)について説明

主な意見は以下の通り

(○:委員の発言、●:事務局の発言)

○2ページの検討範囲の図表について、東日本大震災以降の対応について作成したものをさらに熊本地震に対応するよう修正した図であることを明記すべき。

○5ページの「少数ながら高所から重量物(コンクリートの塊やトラス部材など)が落下する被害も確認された」について、これは体育館だけなのか、校舎も含めるのか。

○体育館特有の構造形式における被害と認識している。

○9ページの「今後の施設整備の方向性」について、「学校設置者は」など、何らかの主語を入れておくべきではないか。

●9ページの「今後の施設整備の方向性」では、学校設置者のみならず文部科学省も含めた全体的な方向性を示しており、そのために「国が」「設置者が」どうすべきかを第3章で記述しているところ。

○10ページのインフラ設備に関する記述について、「都市インフラが生きているかどうか」「敷地内の設備がダメージを受けているかどうか」「備蓄があるかどうか」の3つのフェーズがあることを明記すべきではないか。

○9・10ページの「非構造部材の耐震対策」について、天井以外の非構造部材の耐震設計はまだ科学技術的な視点で確立されていない。また、構造体と一体とした検討についてもよりどころとすべきものが明確でない。

○その点については、ガイドブックが紹介されているが、これは点検のポイントを示したものであり、耐震対策の手法を示したものではないため、何かしらの記載があるとよいのではないか。

○18ページの「『避難』の考え方」について、それぞれの段階で求められるものが違うということを追記すべきではないか。

○20ページの「関係者の連携強化・定期的な訓練」について、文部科学省として掲げる、より上位の目標があれば記述した方がよい。

○22ページで削除されている電子錠について、この緊急提言で削除されるのは構わないが、停電の際の鍵の取扱いに関する意識が低いため、どこかで指摘してもらいたい。

○15ページの国研の調査結果の引用部分について、市区町村単位の数字と学校単位の数字が混在しているため、補足して正確な記述としてもらいたい。

○体育館そのものの老朽化が一番の問題であり、老朽化対策は教育施設としても避難所施設としても大切な部分である。

○学校というのは文教施設であり、災害時において重要な機能を有する施設であるため、文教予算だけではなく防災面からもその機能維持・更新に努めるべきであることを主張していくべきではないか。

○学校建築というのはそもそもユニバーサルデザインであるべきであって、公共施設の最も基幹的なものである。これができていれば、避難所となってもベーシックな状況には耐えられるというのが学校建築のあるべき姿であり、学校が避難所となるから気を付けるべきというのは本来とは順序が逆である。

○老朽化対策について、「早急に」行う必要があるという表現と、「計画的に」行う必要があるという表現とが混在しているため、考え方を整理すべき。

○体育館の構造体について、耐震基準を満たすものでも被害は発生しており、耐震化が完了すればそれで終わりではなく、避難所として継続的に仕様するというのは別の議論である。地震後にたまたま使える施設を避難所として使うというのではなく、地震後でも使えるよう技術的に整備できるようすべきではないか。

●本緊急提言では、緊急的にやるべきことについて提言をいただくものと考えており、今後検討しなければならないものについては今後の課題として整理した上で、早急に取りまとめたい。

○24ページの「老朽化対策を行う際には、学校施設は避難所となることも踏まえ、断熱性の確保など、基本的な建物性能を高めて計画する」という部分に、避難所となったときに多様な利用者が使うことも考慮して「ユニバーサルデザイン」という言葉を追記してはどうか。

○25ページの「避難所の運営体制(避難所開設の可否判断の手法、教職員の役割分担を含む)」の「教職員の役割分担」という部分について、「地域」の役割分担についても付け加えてもらいたい。

○「長寿命化」という言葉が出てこないのは、「老朽化対策」という言葉に包含されているという考えでよろしいか。

●長寿命化対策については、今回の熊本地震とは直接的に関係するものではないということで盛り込まれていないが、老朽化対策を行う際には建物自体の機能性能を高めることが必要である旨の記述が第3章にあることから、この中で長寿命化について言及するようにしたい。

○今回の検討会でおおむね取りまとめができたことから、本日の意見を踏まえた調整及び文部科学省への報告については座長一任としてもらうことでよいか。

議題(2)その他

・事務局から、今後のとりまとめのスケジュールについて説明

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)