平成28年5月13日(金曜日)16時30分~18時
文部科学省旧庁舎4階 文教施設企画部会議室
(○:委員、◎:大学、●:事務局)
● 国立大学等の施設は、人材育成のみならず、イノベーション創出や地方創生を支える重要な基盤。本検討会では、その基盤整備の大きな方向性を御議論頂くものであり、委員の皆様におかれては、本検討会における事業評価に日頃よりお力添えをいただき感謝。
今年3月に「第4次国立大学法人等施設整備5か年計画」を文部科学大臣決定し、国立大学には、安全・安心や機能強化に資する整備を重点的に行うと同時に、大学経営の一環として戦略的な施設マネジメントの推進を強く求めているところ。
本日は、概算要求事業の選定の方向性をご議論頂く予定。5か年計画を踏まえた安全面・機能面での対応に加え、その整備の際には、省エネ改修を含む老朽対策による維持管理コストの削減、多様な財源を活用した施設整備など戦略的な施設マネジメントの取組を進めている事業を中心に選定するとしており、忌憚のないご意見を頂ければ幸い。
設置要綱に基づき、互選により主査・副主査を選出した。
事務局より、資料1「平成28年度国立大学法人等施設整備費予算」及び資料2「第4次国立大学法人等施設整備5か年計画」について報告を行った。
事務局より、資料3「大学の取組事例の紹介」について説明し、その後、各大学から資料3-1~資料3-3について説明を行った。
主な意見は以下のとおり。
<宇都宮大学による事例紹介>
○ 具体的な施設整備の工夫と研究実績など成果との因果関係はどのように考えているのか。
◎ 従来は教員がそれぞれの実験室で別々に実験をしていたが、オープンラボを整備することで一緒に研究することが可能となり相乗効果が生まれるなど、施設整備の成果があったと思われる。
<新潟大学による事例紹介>
○ 図書館の増築・改修の工事を行うにあたり、図書館機能はどのように維持しながら工事を進めたのか。
◎ 3階建ての図書館であるが、各階ごとに順番に工事を進めていった。
<名古屋大学による事例紹介>
○ ライフサイクルマネジメントについて、どのような方針で改修を進めていくのか。
◎ 例えば、空調設備は15年で耐用年数を迎えるが、一度に全ての空調設備を更新することはできない。一定の期間で全ての空調設備を更新できるような計画を立て、部局ごとの予算の一部を本部で一括して管理し、その更新計画の費用に充てる。
○ 看護師宿舎のPPPによる整備事例の紹介があったが、これは民間事業者が建設・運営を行い、賃料収入により民間事業者が建設コスト等を回収できるため、大学は建設費を負担しないで済むということか。
◎ その通り。
○ 民間事業者が参入しやすいように工夫が必要。収益施設について、国立大学法人法の関係で大学の事業としてやりづらい。
○ こういった取組が他の施設でも出来ると良い。3大学の説明は今後の評価の参考とさせていただく。
事務局より、資料4「平成29年度国立大学法人等施設整備の方向性(案)」について説明を行い、了承された。また、資料5「平成29年度国立大学法人等PFI事業の考え方について」報告を行った。
主な意見は以下の通り。
○ 予算が厳しく維持管理費が少なくなっているのに施設保有面積が増大している。大学は適切な施設マネジメントの推進など本方向性の整備をしっかり進めてもらう必要がある。文科省は事業選定する際、何を優先的に選ぶのかはっきりと大学に伝えるべき。
● 5月23日に全国の国立大学法人等の施設担当者を対象とした説明会を予定しているので、そこでしっかり説明したい。
○ 厳しい財政の中、十分な改修予算等が手当できていない。法人化の際に施設整備については国が予算措置することになったが、企業会計のように施設の減価償却費を予算に反映することも考えられる。例えば、人件費と同様に、施設には維持管理や改修コストが経常的に必要となり、減価償却分として要求していくことも考えられる。こういった考え方について文科省はどのように考え、予算を確保していくのか。
● 国立大学における減価償却の考え方については施設だけにとどまらない話なので、議論が必要。
○ その考え方での予算要求では、各大学において経年や老朽化の状況、今後のメンテナンス費用など施設の現状をしっかり把握してもらうことが必要であるが、それが出来ていない大学も多い。
○ 熊本地震による大学の状況はどうなっているのか。
● まだ余震も続いており、被害の評価には時間がかかる。今後、有識者会議などにより検証していきたい。
大臣官房文教施設企画部計画課