国立大学附属病院施設の防災機能強化に関する検討会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成27年9月15日(火曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 防災機能強化や防災関連設備整備の考え方について
  2. 委託事業の内容について
  3. その他

4.出席者

委員

長澤主査、石田委員、筧委員、金谷委員、小松委員、塩崎委員、山下委員

文部科学省

新保技術参事官、平井計画課長、森整備計画室長、山下計画課企画官、野口防災推進室長、中西整備計画室長補佐、新保参事官補佐

5.議事要旨

■事務局:
資料1に基づき、第1回検討会議事要旨(案)について確認行い、了承された。
■筧委員:
資料2に基づき、災害拠点病院の震災対策の現状と課題について説明した。
■事務局:
資料3に基づき、国立大学附属病院施設の防災機能強化の現状について説明した。

(以下、委員からの主な御意見等)
■委員:
免震性を有する病院施設であっても、長周期地震動に対しては建物の揺れが大きくなり、万全とは言えない。また、高置水槽も地震の周期によっては挙動が大きくなり配慮が必要となる。
■委員:
災害時は既存通信網が使えなくなるため、通信手段の確保が重要と認識している。附属病院において通信不能となった場合の影響は大きいと思料する。
また、災害時は対策本部として(院内の)一箇所に集まって情報収集を行う必要がある。情報収集を行える場所は通常の会議室などでは狭く大空間が必要となるので、その確保が課題となる。また、その場所には電源や情報端子など情報収集のための設備も必要である。
災害時において、災害拠点病院等には地域の関連病院等から要望が集中する。このため、日頃から周辺の大学や病院、地域との連携が重要となる。他の病院で不足する医療材料などを運送することを見込んで備蓄量を確保しておくなどの工夫も検討しておくことが重要である。
■委員:
附属病院が被災地の中心に位置するのか、周辺に位置するのかで災害時に担う役割が変わってくる。それぞれの附属病院の機能・役割に応じた整備を行う必要がある。
■委員:
(委員の御意見に加えて、)各地域で想定される災害を踏まえた上で事業継続を検討しておく必要がある。
■委員:
災害時であってもCTやMRIなどの医療機器を用いた診断が必要になるが、かなりの電気容量が必要となる。非常用電源容量は、どういう医療機器を使用するかなど具体的な使用量を踏まえて検討しておくことが必要である。
災害時は車両の通行が不能となって、ヘリコプターにより搬送するケースが多いが、屋上に設置されているヘリポートなどは、地震動によりエレベーターが停止してしまうと患者の搬送が困難となることに留意しておくことが重要である。
多くの患者を受け入れることになれば、患者数に応じて光熱水量も増加するため、患者の受入れについても事前に十分検討の上、エネルギー量や水の容量を決める必要がある。
■委員:
阪神淡路大震災の場合には、病院を中心とする半径2キロ圏内の患者が大半であった。これは通常の3割程度の数である。したがって、非常用電源容量が全体の60%というのは必ずしも少ないとは言えないのではないだろうか。
■委員:
名古屋大学では、被災後3日目で20キロ圏内の医療スタッフのうち6割程度は出勤可能である。災害時には医療スタッフの確保が重要となるので、日頃から被災時に参集できる人数などを把握しておくべきである。
■委員:
大学病院は最後の砦として、地域内で医療行為を継続できることが求められている。周囲で医療行為を果たせなくなった病院の代替機能も担っていることを認識しておくべきである。
なお、東北地方では被災病院が完全に元の状態に戻るまで2年程度かかっており、それまでの間、周囲の病院が医療をサポートしていたと聞いている。

■事務局:
資料4に基づき、附属病院施設における主な防災関連設備の整備事例に関する調査研究・仕様書(案)について説明した。
■委員:
ルート図を掲載するだけではあまり意味がない。地震による幹線の破断対策など、工夫している部分を分かりやすく書き込むべきである。
■委員:
その病院がおかれている地域性とか、想定被害についても調査項目に加えるべきである。
■委員:
空調機器が対象になっていないようなので、調査対象に含めるべきである。
■事務局:
本日出た意見について検討の上、仕様書(案)を修正し再度確認することとしたい。

■事務局:
資料5に基づいて、今後のスケジュールを確認した。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部計画課整備計画室

(大臣官房文教施設企画部計画課整備計画室)