国立大学法人等施設整備に関する検討会(平成27年度)(第1回) 議事要旨

1.日時

平成27年4月27日(月曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省旧庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 国立大学法人等施設整備に関わる動向について
  2. 次期5か年計画に向けた事業評価・選定プロセスの見直しについて
  3. 平成28年度国立大学法人等施設整備の方向性及び事業評価及び事業選定の方法について
  4. 平成28年度国立大学法人等PFI事業の考え方について
  5. その他

4.議事要旨

4,議事概要 (○ 委員,● 事務局)
主査,副主査の選出について

主査,副主査を選出した。

議題(1) 国立大学法人等施設整備に関わる動向について
事務局より,「国立大学法人等施設整備に関わる動向」について説明を行った。
主な意見は以下のとおり。

○ 「施設マネジメント」という視点は画期的である。その中でも,コストの視点は,国立大学経営において,より一層必要とされるものであり,今後,各大学においては,いかに施設マネジメントを行い,コストの観点を含め,PDCAサイクルを機能させていくかが重要である。

○ 国立大学法人においては,減価償却の考え方に関して民間企業とは異なり,コストの視点が入りづらい仕組みとなっている。

○ 近年の傾向として,例えば図書館は,従来の図書館の機能に加えて,自主的な勉強のための学修空間など一体的な施設整備が進められており,教育の質の向上や変化に対応した施設整備が進んでいることを重要だと考える。

● 図書館等でアクティブ・ラーニングの導入が進んでおり,約半数の大学がアクティブ・ラーニングに対応した学修空間を整備している。一方,海外の大学と比較すると,よりイノベーションを起こしやすい交流スペースの獲得や研究室の配慮など講義棟・研究棟における創造的な教育研究環境の整備は遅れている。
     
○ 現状の施設整備においては理系学科の施設に重点が置かれているように感じるが,文科系学科の施設について,より充実を図っていくべきではないか。

○ 国立大学法人制度において,中期目標期間を超えて,施設整備費などを繰り越しできるようになっているのか。

● 目的積立金は,病院再開発や学生宿舎整備のためであれば中期目標期間を超えて繰り越すことができたが,次期の中期目標期間に繰り越せる積立金の使途の整理を行い,新たに,長期修繕計画に基づくライフラインの整備など,より柔軟に繰り越すことが制度上,可能となった。
 
議題(2) 次期5か年計画に向けた事業評価・選定プロセスの見直しについて
事務局より,「次期5か年計画に向けた事業評価・選定プロセスの見直し(案)」について説明し,見直しの方向性について了承された。
主な意見は以下のとおり。

○ 各大学からの施設整備の要求の提案数を厳選させたいとのことだが,施設マネジメント上のPDCAサイクルの構築や,施設整備と成果・目標の因果関係が明確にわかるように記述させ,それらを検討会で審査するようにすれば,提案数を絞ることができるのではないか。
教育学部のもとにおかれている附属学校などについては,文系学部の施設であるというバイアスがかかり,評価上,劣位におかれる傾向にあることや,附属学校に対する国策の方向性のぶれが生じていたことなどが影響し,総体として附属学校施設のメンテナンスや整備の充実が遅れている状況にあるので,他の施設整備とは別の枠組みになるよう配慮が必要である。
施設については,経年劣化によってその資産価値が減ずることは当然であるが,国立大学の場合,法人化の際に,施設整備は国の施設整備補助金によって行うことを基本としたため,民間企業における減価償却の視点がほぼない。現行の制度はうまく機能している面も多く,企業会計モデルを完全に導入することは現実的ではないと考えるが,今後の評価において施設マネジメントを重視することなど,さらなる工夫を期待したい。

○ 最近の大学には,ラーニング・コモンズ等建物をいかに使うかに工夫が見られる。以前は施設整備というとハードを作ることに着目しがちであったが,今後はソフトと組み合わせた整備要求を行うことが重要ではないか。この工夫についての記述を含めて事業評価プロセスで加点してはどうか。

○ 施設整備に係る各大学の努力,工夫を評価するとのことだが,どのように評価していくのか。
 
● 技術的には以前から大学全体やキャンパス単位の施設マネジメント上の工夫については評価を事務局において行ってきた。しかし,個別事業との関連性の中での評価は行ってこなかったため,今回の見直しによって今後,個別事業においても施設マネジメント上の工夫を評価していく仕組みとしたい。
また,減価償却の視点は制度の根幹に当たる。大学側の国に要求すればいいという文化は変えていく必要があるが,一方,国立大学にはコストだけでは語れない点がある。
       
○ 効果とコストの関係で評価していくことが必要である。

● 事業評価の傾向として,教育研究棟は,評価が高く,整備も充実している傾向にあるが,一方で,全学的な施設や図書館などの教育研究そのものでない施設については,附属学校も含め,高い評価を受けづらい傾向もあるため,国立大学施設整備の全体のバランスを見て,支援の在り方を検討していく必要があると考えている。
また,施設整備に当たっては施設の利用の在り方と合わせて考えていくことが重要であるとの視点は御指摘の通りであり,例えば,大学側において新しい教育研究活動のするために施設整備事業の提案がある場合,施設マネジメント上の観点からはクオリティの視点からの工夫として評価を行うとともに,コストやスペースとの関係でのバランスも考慮しながら,工夫を尊重して,評価を行っていくことが必要であると考えている。
 
○ 施設マネジメント上の取組として,研究データや資料のアーカイブ化などの情報管理の観点も含めてほしい。

議題(3) 平成28年度国立大学法人等施設整備の方向性及び事業評価及び事業選定の方法について
事務局から,「平成28年度国立大学法人等施設整備の方向性(案)」及び「事業評価及び事業選定の方法(案)」について説明を行い,原案どおり了承された。

議題(4) 平成28年度国立大学法人等PFI事業の考え方について
事務局より,「平成28年度国立大学法人等PFI事業の考え方」について,PFI検討会で了承された内容について,報告した。

○ 検討会において了承された事業について,順調に進んでいるのか。

● 概(おおむ)ね順調にいっている。平成15年度から26年度まで16大学で34事業採択されており,現在,京都大学と筑波大学の事業が手続中である。また,大学の独立採算で行う事業に,筑波大学のグローバルレジデンス事業があり,入札手続を行っている。

議題(5) その他
事務局より,今後のスケジュール等について説明した。

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