国立大学附属病院施設整備の事例集作成に関する検討会(第1回) 議事要旨

1.日時

平成26年5月23日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 国立大学附属病院施設整備の事例集作成に関する検討について
  2. 国立大学附属病院施設整備の取組について
  3. その他

4.出席者

委員

長澤委員,石田委員,金谷委員,小松委員,竹田委員,山下委員

文部科学省

関文教施設企画部長,新保技術参事官,平井計画課長,森整備計画室長,堀田計画課企画官,中西整備計画室長補佐,板野整備計画第一係長

5.議事要旨

□主査選出

□資料説明

□事例発表
名古屋大学,新潟大学,佐賀大学

□自由討議
■委員:
3件の大学病院の事例について,それぞれで特徴があり大変参考になった。
新潟大学では「再開発計画の基本方針」とあるが,これをどのように実現したのか,又は運用的な手法で解決したのかなどのプロセスの事例を事例集としてはどうか。
また,病院だけではなく学部も含めて仮説を立てて検証してはどうか。
例えば,整備を行うに当たって,当初に計画したとおりに運用されているのかや,整備後に新たな課題が発生していないかなど,大学病院の取り組みを検証してはどうか。

■委員:
将来に使用可能なスペースを余裕をもって整備することができないため,整備面積に不足が生じる場合は増築で対応するしか方法がない。
よって,限りあるスペースの有効活用などの病院の全体的なマネジメントについて,施設担当者も含めて検証していく必要があるのではないか。

■委員:
東日本大震災以降,都市病院と地方病院では整備の基本方針のコンセプトが変わってきており,地方病院では,BCP対応として備蓄等の必要確保日数など,機能維持に必要な状況は病院の立地により異なる。震災時は余震がありエレベータが使えなくなることから,ヘリポートを屋上ではなく地上としている例や,階段を用いた移動を考慮し,踊り場を広く計画している例もある。
また,地方病院は高齢者が多く,災害時は在宅医療の患者も病院へ集まることから酸素の使用量が多くなるなど,備蓄量を考慮しなければならない場合もある。
よって,事例の収集に当たっては,病院の規模だけでなく,地域の特殊事情についても切り口として加えてはどうか。

■委員:
大学病院として高度医療に対する整備を行う一方で,2年に一度改定される診療報酬等に対応しつつ,運営コストの削減にも取り組む必要があり,うまく対応した大学の例があれば示してはどうか。

■委員:
これからの整備は,改築よりも,ローリングさせながら改修と増築の組合せで進めることが中心になると思われる。
大学病院のインフラ設備は多くの場合建物の中を通っており,整備に着手する際には事前に建物内を通るインフラ設備のルート変更が必要になることが多く,そのために多額の費用を必要とする場合がある。
マスタープランの作成時にはインフラ設備のルートを独立させることも考える必要があるのではないか。
また,例えば,全体の整備費用が30年ごとに200億円程度で再開発を行うのではなく15年ごとに100億円,5年ごとに30億円程度で実施する方が,大学病院を取り巻く状況の変化のスピードに対応できるのではないかと思われることから,そのような事例を収集できると良い。

■事例発表者:
国立大学病院の財務構造上,減価償却費の積立てができない。
そのため病院収入で過去の借入れの償還を繰り返しながら,新たな借入れを行って次の整備を行っている。これを止めると収入が途絶える。
なお,次の整備を行う際には過去のデータを分析し,これを施設整備に反映していく必要がある。

■事例発表者:
再開発整備は長期にわたる。特にインフラ設備と建物の改修周期が異なるため,インフラ設備の老朽化が早く進むことへの対応が課題となっている。
また,病院は,重要なインフラ設備の定期的な更新が必要である。更に組織体制の整備が大事である。
地域医療については,新潟大学がカバーする面積が広く山も島(佐渡)もあるといった特徴を有しており,ドクターヘリを活用している。
時間や天候に左右されるので,1日1件程度。また,テレビシステムを利用し,医療支援も行っている。

■事例発表者:
病院整備は,経営目的だけで整備しているわけではなく,県の保健医療計画等,ニーズに基づいて整備をしている。
インフラ設備の独立したルートの確保については,佐賀大学は地下水が高く共同溝として設置することが困難な状況である。
経営状況を保つには,データを収集・分析して,エビデンスに基づいて行うことが大切。

■委員:
共有しておくべき失敗事例について,もしわかるようであれば情報が欲しい。

■委員:
組織名,個人名がわからない形であれば可能であろうか。

■委員:
基幹・環境整備のインフラルートがわかるとよい。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部計画課整備計画室

(大臣官房文教施設企画部計画課整備計画室)