学校施設における非構造部材の耐震対策の推進に関する調査研究(第10回) 議事要旨

1.日時

平成26年2月24日(月曜日) 13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省旧庁舎6階講堂

3.議題

  1. 調査研究報告書(案)について
  2. 屋内運動場等の天井等落下防止対策事例集(案)について
  3. その他

4.出席者

委員

岡田主査、宇留間委員、壁谷澤委員、坂本委員、清家委員、山田委員、齋藤委員

文部科学省

関文教施設企画部長、新保技術参事官、山下施設企画課長、奈良施設助成課長、平井計画課長、富田防災推進室長、廣田防災推進補佐

5.議事要旨

議事に先立ち事務局より資料について説明。
平成26年1月28日に行われた天井の脱落被害再現実験について、防災科学技術研究所より説明。
                                       
(1)調査研究報告書(案)について
ア.非構造部材に関する被害調査分析について

○校舎・体育館の全数に対する被害率がわかるとよい。地震動との関係やIs値などとの関係もわかるとよい。
○母数並びに被害率については調査を通じた統一的なものが出せなかったので文章中で各々表現している。地震動については、屋内運動場は敷地の影響も受けることもあるので、構造性能と併せて構造の震動被害との関係で整理した。わかったことは、構造の健全さや構造被害の有無に関わらず天井の被害が発生したということである。なお、調査対象5県は大体強い揺れと言える。
○必ずしも原因の分析まで至っていないのではないか。補強された耐震天井と未対応の天井とで被害はどうだったかなど。通常、この後に「ここがこう危ないのでこう補強する」と続くが、そのための定量的な根拠が少ないのでは。
○設計図書等でわかる範囲内で調査したもので限界あり。特に被害がなかったものについては情報がない。
○校舎は被害のあったものを中心に分析。個別事例の分析についても、飽くまで典型的な事例に着目して被害分析を行い、そこから得られる対策手法を検討し、次章に示した。
○東日本大震災以外の震災の写真にはその旨を明確にすることが必要。


イ.第2編 第3章 非構造部材の耐震対策手法の検討
○p.46に「天井の対策に当たっては手引が参考となる」とだけ書いてあるが、もう少し記述の補足があるとよい。全部取り替えて新しい天井にすればよいのか、今のもので補強できるのか留意点がもう少し書かれているとよい。
○手引は天井撤去中心のルートとなる。既存の天井を補強することは困難であり、対策について報告書の中で補足したい。
○コンクリートブロック壁の点検手法として、鉄筋探査器が示されているが、アンカーの状況は鉄筋探査器では判明しない。その旨を明記してもらいたい。
○p.46の階高の高い大空間の天井について、特定天井に該当しないものも技術基準が参考となる旨記載されているが、実際に天井高6m超、200㎡超でない天井まで対策するのは困難との声もある。特定天井に当たらない天井でも被害が生じていると示すために、P.31の被害事例について、高さ、広さの情報を追記するとよい。
○天井高6mを超えなければ大丈夫だという誤解を生まないよう、天井面積が小さくても、天井高が低くても、脱落する危険性があるということの注意喚起が必要。
○今回の報告が非構造部材全体の耐震対策の報告である旨を明確化してはどうか。
○対策手法は新築施設でなく既存施設を対象としたものである旨を明記してはどうか。


ウ.第3編 今後の推進方策について
○「特定非構造部材」の定義について、耐震性がないものを特定非構造部材と呼ぶのは論理矛盾していないか。「特定非構造部材」の中に、耐震性があるもの、耐震性がないものが含まれるという関係ではないか。

 

(2)屋内運動場等の天井等落下防止対策事例集(案)について
○既存天井に斜め部材を入れる補強事例があるが、予期しない応力に対し鉛直部材そのものが耐えられるのか、吊り材そのものの耐力を検討する必要がある。振動実験結果でも、まずは鉛直部材の破壊が起点になった。既存天井の補強については、相当注意が必要である。
○手引の時点から天井の補強はないと考えているが、理論上の選択肢として提示しておく必要がある。事実上困難な旨はきちんと強調したい。
○天井の再設置の事例は時期的に掲載できるものがないが、引き続き事例を収集していく必要がある。
○(防災科学技術研究所のフェールセーフについて)今回の振動実験の試験体のフェールセーフは基本的に国土交通省の設計例に則って設計し、天井質量の2倍以上の耐力をみて、ワイヤの寸法と設置数を決定した。苦労した点は、80 cmに1本の間隔でワイヤーを入れなければならなかった点、既存構造に対して吊り材や曲げ材等をどう仕上げるかなど。
○壁際やステージ周りは構造体が露出していないため、ネットを支える手掛かりが確保できず、天井を外さないとネットを設置できない。

 

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