中間まとめ(骨子案)

  • 東日本大震災で天井等落下被害が多いこと、国交省において天井落下防止の技術基準の検討がなされていること等を踏まえ、協力者会議を設置し必要となる対応方策を検討しているところだが、当面の措置として、緊急的に点検・対策すべきことを提言。
  • 学校施設の性能を適切に確保するためには、構造・非構造一体的な検討を行った上で、必要な対策を講じる必要があり、まずは、現時点で判明していることをベースに、既存施設における天井や照明器具等の落下防止対策を中心に提言。

学校施設が備えるべき耐震性能の考え方

  • 従前より学校施設は、その特性を考慮し設計用地震力等を割増し積極的に耐震化を推進してきたところ。
  • しかしながら、天井等については今回の震災でも甚大な被害が発生。天井等の地震被害の発生メカニズムが明確ではない中で、同震災から得られた知見等を出来る限り生かし、必要となる性能を検討。
  • 学校施設が備えるべき耐震性能としては、大地震動後でも重度の損傷や大規模な落下等による人的被害を起こさず、児童生徒の安全を確保し、かつ、避難所として利用可能とするとともに、地震後の教育活動の速やかな回復を図ることができるレベルを想定。

天井等落下防止対策推進の考え方

  • 致命的な事故につながる恐れの大きい屋内運動場等の天井等の落下防止対策は、緊急性をもって優先的に実施。
  • 天井等の落下危険性の点検等は設置者である市町村教育委員会等が実施。技術職員がいない場合等は、専門的な知識を有する専門家に依頼して実施。
  • 点検・対策に当たっては、安全面をはじめ、室内環境の諸条件を総合的に検討。
  • 天井等と構造体の一体的な点検・対策が必要。今後の設計・施工には構造設計者が関与。

天井等落下防止のための対応方策

  • 総点検の実施と対策優先度の判断
    • すべての屋内運動場等の天井等の実態について、総点検を速やかに実施。
    • 各施設の危険度や対策の優先度を総合的に判断。
      (建設年代、構造形態、架構種別、室面積、天井単位重量、本体構造の剛性など諸条件から整理)
  • 天井落下防止対策の実施
    • 総点検の結果を踏まえ、必要となる以下のような落下防止対策を実施。
    • 天井材の撤去
    • 天井材の軽量化(軽い素材による天井材に改修し落下被害を防止)
    • 耐震対策の実施(クリアランス、振止め、ハンガー・クリップの固定など)
    • 天井が脱落しても人的被害を防ぐ対策(ワイヤーロープ、落下防止ネットなど)
  • 構造体側の対策の実施
    • 天井等落下防止対策とあわせて、構造体側の被害分析等を踏まえた対応方策を実施。
  • 余震等に備えた緊急点検の実施
    • 避難所としての使用可否を市町村教育委員会等が判断するため、余震等に備えた緊急的な点検の方法・項目等を提示。市町村教育委員会等は本震後、速やかに点検を実施。

天井等落下防止対策を推進するための方策

 

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