平成27年1月14日(水曜日) 15時30分~17時30分
文教施設企画部会議室(旧文部省庁舎4階)
荒木康弘、飯島泰男、石出好子、稲山正弘、長澤悟、古谷誠章、山田憲明、横山俊祐(敬称略)
関文教施設企画部長、新保技術参事官、山下施設企画課長、後藤専門官その他関係官
(農林水産省) 林野庁林政部木材利用課 高野需要開発企画係長 林野庁林政部木材産業課 木材製品技術室 北代木材製品調査担当専門職 (国土交通省) 大臣官房官庁営繕部整備課木材利用推進室 会田課長補佐
(○:委員、●ワーキング委員(事務局))
技術資料(案)について
・資料1、資料2について事務局から説明があり、続いて技術資料(案)について資料3に基づき横山委員、稲山委員からの説明の後、意見交換を行った。その際の主な意見等は以下のとおり。
○技術資料(案)はじめにの3.JIS A 3301の適用範囲で桁行のスパンが12メートルを超えるものは適用外となるなど、記載できないか。
●12メートルを超えないことや、耐震壁や柱は上下階で一致させるといったことはJISに記述があるので、それから外れると対象外になるという記載はしていない。適用外について記述すべきかどうか検討する。
○技術資料(案)第1章1.2.1の図1.2.1.2は何を示している折れ線グラフなのか不明である。
●改築までの平均年数を示したグラフであるが、タイトルが抜けているので修正する。
○技術資料(案)第1章1.1.1の防耐火に係る法規制について、現在、木造校舎に関する建築基準法等の改正が進められているが、それについてはどのように取り扱うのか。
●今回のJISは耐火建築物若しくは準耐火建築物の適用を受けない範囲のものを対象としている。木造3階建ての校舎については、現在、耐火から準耐火に規制緩和する法改正が行われているが、そこには触れない建築物が対象となるため、改正法が施行されても特に取扱いを変えるような状況は生じない。
○技術資料(案)第1章1.2.1(12ページ)の(a)フレキシビリティの確保について、学校として長く使うための留意点、学級数の変動、学校施設の一部を用途変更した複合化に対する記述をもう少し丁寧に記述できないか。
●記述するよう検討する。
○技術資料(案)第3章の「計画事例は、設計の基準を示すものではない」ということを「はじめに」で示す。
●「はじめに」に記述する。
○防耐火計画と構造計画の関係について、国土交通省の別棟通達に基づいてRC造を挟んでその両側に木造を建築する場合に、それらの建築物の接続部にエキスパンションジョイントを設けるか、あるいは接続させるかといったことによって構造計画に直接的に影響してくる場合があるが、本技術資料(案)ではどのような扱いとなっているのか。
●本技術資料(案)では、こうしなければならないといった記述はしていない。ただし、RC造と木造との接続部には原則エキスパンションジョイントを設けることとしているため、その部分の納まりを2章の図2.2.7.7に示している。
○RC部分を耐震コアとして使ったようなケースについては、今回の技術資料(案)からは外してある。そのあたりがしっかりと記述してあると、使う人が分かりやすいのではないか。
○JISの規定を超える場合の対応方法について、例えば、規定を超える場合であっても構造計算をすれば適用可となり、一応このJIS規格内ということが書かれているように見受けられるが、この構造計算というのは、局部的な構造検討か、あるいは許容応力度計算全体を指すイメージなのか。
●建物の規模により異なるが、例えば、延べ面積が500平方メートルを超えると、建築基準法第20条第1項第3号の建築物となるため、JISを適用した場合であっても、法的には確認申請のときに構造計算書を提出しなければならないので、その場合には全体の許容応力度計算が必要となる。ただし、500平方メートル以下の小規模な建築物については、同第4号の建築物となるため、構造的な検証が必要な部分のみ部分的な構造計算で安全性を確かめ、残りのJISどおりの部分については、JIS策定時に構造計算を行って各部の仕様が出来上がっているので、そこは省略しているとしても法的には問題ないと考えている。
○今回のJIS改正及び技術資料(案)を策定するメリットとしては、建築基準法施行令第46条第2項ルート等の規定が外れるということと、施行令第48条関係の規定が外せるという、この2つがメリットか。
●その他に、地方へ行くと木造の構造計算書は確認が難しいといった話を聞くが、JISの規定に基づき設計した建築物については、構造計算書を添付して確認申請を行うことで、割とスムーズに建築主事等が内容確認等を行うことができるのではないかと考えており、この点が最大のメリットと考えている。
○技術資料(案)第3章3.1.1(115ページ)の設計概要とコンセプトについて、その3行目に「職員室、図書室、ランチルームは、ダイナミックなスケール感を味わえる大空間」と記述されているが、例えば、図書室、ランチルームはダイナミックで構わないが、職員室はむしろ自由度の高い空間とダイナミックな空間といった両方を目標として記述する方がよいのではないか。
●記述内容について検討する。
○技術資料(案)第3章3.2.1(145ページ)の設計概要とコンセプトについて、「オープンな多目的スペース」とあるが、オープンな多目的スペースという意味が伝わらないため多目的スペース又はオープンスペースのどちらかの記述とすべき。
●オープンスペースに統一する。
○技術資料(案)第3章3.3.2(例えば194ページ)のユニットプランの組合せ例について、図面の壁線の使い分けの違いがわからない。例えば、少人数という室は実線で囲まれていて、オープンスペースのところは破線で表示されているが、線の持つ意味が不明確。構造の区分を表す大事な線と、オープンスペースと廊下を区別する線とでは意味合いが違うので、この技術資料(案)に合った線の使い分けをすべき。
○壁線の凡例を記載し整理する。
課長 山下 治(内線2286)、専門官 後藤 勝(内線2592)