平成25年1月18日(金曜日) 10時00分~12時00分
文部科学省 旧文部省庁舎4階 文教施設企画部会議室
荒木康弘、飯島泰男、稲山正弘、中川貴文、長澤悟、古谷誠章、山田憲明、横山俊祐(敬称略)
(文教施設企画部)長坂技術参事官、新保施設企画課長、野口企画調整官その他関係官
(農林水産省) 林野庁林政部木材産業課 青井 課長補佐 林野庁林政部木材利用課木造公共建築物促進班 緒方 需要開発企画係長 (国土交通省) 大臣官房官庁営繕部整備課木材利用推進室 会田 課長補佐 住宅局建築指導課 岩崎 構造係長 (経済産業省) 産業技術環境局産業基盤標準化推進室 川崎 土木・建築一係長 (社団法人日本建築学会事務局) 研究事業グループ 榎本 氏
(○:委員、●事務局)
・横山委員よりワーキンググループでの検討状況の報告があり、続いて事務局より資料1、資料2について説明の後、木造校舎の構造設計標準(JIS A 3301)の今後の在り方について議論を行った。
○ 「構法は軸組構法を基本とする」と書かれているが、JISに規定する構法として枠組壁構法(ツーバイフォー)は検討したのか。
○ 軸組構法以外の構法は、必要に応じて技術的資料の「計画・設計に関する事項」や「JIS A 3301を応用する場合の留意事項」に記述することとしてワーキンググループで整理した。
○ JISに規定する構法として、集成材ラーメン構造は検討したのか。
○ 「JIS A 3301を応用する場合の留意事項」に記載する代表的なものの一つとしてラーメン構造を想定している。
○ 技術的資料に記載する計画、設計に関する事項として「木材調達」とは具体的にどのような内容を想定しているのか。また、国産材と外材や、樹種等はJISに規定するのか。
● 「木材調達」に関する記載内容は、今後の検討によることとしている。また、JISには樹種等をどのように規定するかは未定である。
○ 使用する材は、JAS基準を満たす材(JAS材)とするのか。
○ JIS A 3301ではJAS材の使用を明記していないが、構造耐力状主要な柱及び横架材は建築基準法施行令第46条第2項第1号に定める基準に従い、告示の規定を満たすものが必要となる。
○ ユニットプランのBタイプ(片廊下型で廊下と多目的スペースを分ける構面が入っているもの)について、教室と廊下の間の構面に耐力壁があり、廊下と多目的スペースの間の構面に耐力壁が無く柱のみとする図が示されているが、耐力壁は廊下とオープンスペースの間に配置し、教室と廊下の間を柱のみの構面とするもののほうが計画的にニーズは多いのではないか。
○ JISに示す耐力壁の種類と配置は、その示したものに限定するものではなく、原則としてそのユニット内に示された壁量を確保すれば柔軟に位置を変えられるものとして示すこととしているので、ご指摘のようなニーズには対応可能と考えている。
○ JISで示すユニットプランの耐力壁のバリエーションについては、今後の検討による。
○ 今回提示された案は、現行のJISと比べて壁倍率がかなり大きな耐力壁を使っているがなぜか。JISには一般化した構法や技術を規定するべきだが、壁倍率10倍や15倍の耐力壁はあまり一般的には用いられていないのではないか。
○ 高倍率の耐力壁を使用すると、水平構面や柱頭、柱脚の接合部をそれに見合った強じんなものにする必要があるが、これらについてはどう対応するのか。
○ 教室のサイズが大きくなっていることに加え、遮音性能等を考慮して2階の床にALC版を使用するなど固定荷重を大きく設定していることや、地震力に係る重要度係数1.25を適用していることで、必要壁量が多くなっている。
○ 校舎のような大空間や大きな荷重条件が要求される建物では、一般的に使用される壁倍率5倍までの耐力壁による場合、壁が多くなりすぎ、プランニング上の制約が多いので、15倍相当の耐力壁を規格化することが必要と考えている。また、接合部等についても耐力壁の性能に応じたものにする必要があると考えている。
○ 来年度以降、10倍、15倍相当の耐力壁についてオープンに使用できるよう、柱脚や柱頭の接合部や水平構面も含め、その仕様を提示できるよう検討を行うこととしたい。
○ 大小のユニットプランを組み合わせることで、必ずしも単体のユニットプランで示すほどの耐力壁の量や高倍率の耐力壁は必要とはならないのではないか。
○ 原則としてJISにはユニットプラン単体で構造的に成立するものを示すことで、設計時に参考かつ省力化につながることを意図している。構造計算の結果不要と判断される耐力壁は抜くことができる。
○ JISは、構造的にユニットの自重はユニットの中の耐力壁で負担することとして整理している。サイズが大きいユニットであっても構造的に成立できるよう高倍率の耐力壁を配置しているため、小さいユニットでは高倍率の耐力壁を使わなくても良い場合もあるが、大小のユニットを組み合わせることをJISとして標準化してしまうと、プランの自由度が阻害されるおそれがある。
○ 大小のユニットを組み合わせることで高倍率の耐力壁を使わなくても構造的に成立する可能性があることを、技術的資料に設計例を示してはどうか。
○ JISは自由度の高い形で示すことが望ましいが、いろいろな工夫が考えられることをJISの中で示してはどうか。
○ JISの中でどのように示すかについては、議論を踏まえてワーキンググループにおいて検討する。
・事務局より資料3について説明の後、報告(骨子案)について議論を行った。
○ 6ページの2.(2)で「学校施設の今日的課題」について項目として記述されているが、これらの課題と木造化とのつながりがわかるように書くと、木造の良さをより広く伝えることができると思うので、検討してほしい。
・次回は3月8日に検討会(第4回)を行い、報告書(案)について議論することとなった。
課長 新保 幸一(内線2286)、専門官 真野 善雄(内線2592)、指導第二係長 島田 智康(内線2292)