平成23年6月20日(月曜日)10時~12時
新霞が関ビル LB階 NISTEP会議室
[委員]安部和則、伊香賀俊治、上野淳、片田敏孝、壁谷澤寿海、長澤悟(敬称略) [特別協力者]新保幸一(敬称略)
[事務局](文教施設企画部)辰野文教施設企画部長、岡技術参事官、長坂施設企画課長、野口企画調整官、金光課長補佐 他
(国土交通省)住宅局建築指導課:田尻構造係長 (消防庁)国民保護・防災部防災課:東災害対策官、小野山震災対策専門官 (初等中等教育局)初等中等教育企画課:廣野校務改善専門官 (スポーツ・青少年局)学校健康教育課:石田課長補佐
【議事】(○:委員の発言、●:事務局の発言)
(1)東日本大震災を踏まえた学校施設の整備に関する検討について
・事務局から、資料1、2、3に基づき、学校施設の被害状況、学校施設における津波対策、学校機能再開までに必要と考えられる施設設備等について説明。
(資料1について)
○国土交通省が示しているガイドラインに基づく天井材の落下防止対策を行っていたものの被害の状況がどうだったのかということが示せれば、自治体の参考になるのではないか。
(資料2について)
○学校施設(ハード)の物理的な安全対策だけでなく、地域の安全・安心のよりどころ、のようにもう一歩踏み込んだ防災対策のビジョンを示して欲しい。
○津波対策については、原則、津波の被害を受けない場所に建築するということについて異論はない。しかし、その他の対策を「やむを得ない場合」と打ち出してしまうと、ネガティブな印象を与えてしまう。「やむを得ない場合」の対策も立派な対策であり、記述の工夫が必要。
○資料にある図を見ると、盛り土により学校施設のみ安全確保するというふうに見える。学校施設単体の視点ではなく、地域一体としての広域な視点から災害に対する安全性を検討するべきではないか。
○今回の津波は1000年に1回の確率とも言われている。それに対して安全を確保しようとすると、それ以外の対策は不十分ということになりかねない。今回の検討においては、安全確保のレベルをどこにおくのかが課題である。
(資料3について)
○今回の震災では、防寒が1つのポイントであった。避難所の室内環境の向上が重要。生命確保期に必要な施設機能として、断熱性能の確保があるのではないか。特に学校体育館は対策が不十分ではないか。
○また、防寒設備(石油ストーブ、毛布など)の備蓄についても追記が必要ではないか。
○生活確保期では医療的機能が重要である。
○今回の震災では、避難所における教員の役割は重要であった。現状では、避難所における教員(学校)の役割が不明確であり、教員に甘えているといった状況ではないか。この点については、どこかで触れるべきではないか。
○今回の検討会が、東日本大震災の被害を踏まえたものであるならば、原子力災害についても取り上げるべきではないか。
○生命確保期の一段階前に救命的な時期があり、生命確保期と分けて整理することが必要ではないか。
・事務局から資料4に基づき、「東日本大震災を踏まえた学校施設の整備について」(素案)について説明
(資料4について)
〔一章について〕
○非構造部材の安全対策については、日頃の点検が重要。現場の教職員が安全性を点検できるポイントを示すなど工夫が必要ではないか(昨年文科省がまとめた非構造部材の報告書が長岡市の学校現場では活用されている)。
〔二章について〕
○コミュニティ施設との集約については、設置者への押しつけのないよう表現するべき。
○安全対策のために学校施設を高台に建設することや、高層化することは重要な観点だか、適切な通学距離や、低学年での校舎とグラウンドとの連続性の重要性など、通常学校施設を整備する際に留意すべき一般的な留意点と齟齬がないよう表現を工夫すべきではないか。
○救命期の視点としては、学校施設からより安全な場所に避難するといった視点と、地域住民等がより円滑に学校施設に避難できるといった視点の2つがある。この2つの視点について対策を検討すべきではないか。
○他の施設との複合化については、平時の子どもたちの安全確保の問題が重要であり、兼ね合いを考えなくてはいけない。
○複合化については新設のものだけでなく、既存施設の事例についても示すべきではないか。
○病院との複合化については、子どもが感染症などの病気に対して弱者であるといった視点に立ち、慎重に検討すべきではないか。
○施設単位の複合化だけでなく、学校と公園の併設など、土地利用の複合化についても検討するべきではないか。
〔三章について〕
○既存のエコスクール化の記述があるが、エコスクールの水準を上げて整備することが災害時にも役立つといった視点が重要。その趣旨が伝わるよう整理した方がよいのではないか。
○この夏を目指した応急的な取り組みと長期的な取り組みを区別して示した方が良い。
〔全体について〕
○本報告書が伝えるメッセージは、被災地の学校施設の復旧・復興の推進と、全国の学校施設における防災機能の向上の2つであると考える。このことを「はじめに」などで明確にする必要がある。
○対策については、新築と既存の対策を書き分けるべきではないか。
(2)その他
・事務局から資料5に基づき、今後のスケジュールについて説明。
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2291)、03-6734-2291(直通)