学校施設の非構造部材等の耐震対策の推進に関する調査研究協力者会議(第3回) 議事要旨

1.日時

平成21年6月11日(木曜日)17時30分から19時まで

2.場所

文部科学省旧文部省庁舎4階文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 学校施設の非構造部材耐震対策マニュアル骨子案について
  2. その他

4.出席者

委員

石橋委員、磯山委員、伊藤委員、中埜委員、藤村委員、矢崎委員

文部科学省

岡技術参事官、藤井防災推進室長、山本施設企画課専門官 他

5.議事要旨

○委員発言 ●事務局発言

事務局より資料の説明を行い、各委員より発言があった。

1.前回議事概要(案)について

内容が確認され、了承された。

2. 学校施設の非構造部材耐震対策マニュアル骨子(案)について

○マニュアル等の基準類は関東地方や近畿地方を中心に考えてしまいがちだが、地域よる差異があるかもしれないので工夫をするべきではないか。

●例えば「学校施設の評価の在り方」においても、全ての点検項目をチェックすべきとは示されていない。点検項目は、設置者や学校の判断で適切に取捨選択されるものであり、本マニュアルにおいても記述の工夫の仕方はある。

○専門家しかわからないような専門的な項目もある程度記述しなければ、本質的な部分が伝わらないことがある。

●学校が運営面、設置者(の依頼する専門家)が状態面を確認するなど、担当区分を勘案して対応する必要がある。教職員に対しては危険性を示して意識を高める必要がある。

●教職員自体が点検できない専門的な知識を必要とする部分についても、危険な部分(部位)が何かを教職員に知ってもらえるようなマニュアルとしたい。

○タイトルについて、「天井材」に限らず、教職員等のより身近にある家具等を想定し、「落下物・転倒物から子どもを守る」等とした方がよい。

○天井材の耐震化の方法については、有識者の中でも意見が割れているところであり、確立されたものがないことから扱いが難しい。

3.学校施設の非構造部材耐震対策マニュアル(共通編)等(案)について

○「子どもたちが一日の大半を過ごす」とあるが、子どもが学校で過ごす時間は年間の約4分の1程度(睡眠時間を含むと約6分の1程度)であり、語弊がある。

○「教職員や学校設置者」と「学校設置者や教職員」という2つの表現があるが、まず学校設置者が方向性を定め、学校が適切に実施するため、「学校設置者や教職員」という順番に記述する方がよい。

○体育館のギャラリー上部に吊り下げ式のエアコンは、地震時の危険性が高いと考えられるため、エアコンの影響度を「高」としではどうか。

○地震は子どもがいない時間に偶然起きているが、今後子どもがいる時間帯に発生してもおかしくないことを示す表現があった方がよい。

○影響度は、被害件数ではなく、人に直撃した際に想定される被害を考慮したものとした方がよい。

○被災時に確保するものとして、安全性、機能、財産価値の3つが考えられるが、本マニュアルでは安全性を重視したものとするということでよいか。その上で避難所としての機能を付加することも考えられる。

○影響度が「高」としている「防火扉」は直接的な人的被害は想定されず、他の「高」の対象と比べて少し異質である。

●防火扉は、扉の不具合により避難経路が塞がれる二次災害を引き起こすものとして入れている。

○避難経路の確保という観点であれば、防火扉ではなく避難扉とした方がよい。

○家具・書棚は壁等に固定することが主な対策となるが、全ての家具や書棚を固定することは、簡単に配置換えが出来ないなど非常に不便である。学校生活において使いづらいものとなってしまうのではないか。

○重いものや中身が散乱すると危険なもの(薬品を扱う場所等)を優先するなど、一定の基準のもとで対策を立てればよい。

○家具等を固定する壁自体が適切なものかどうかという確認も必要となる。

4.学校施設の非構造部材耐震対策マニュアル(点検・対策編)(案)について

○システム天井は、オフィスと体育館とでは全く別物である場合がある。学校施設で使用しているタイプを整理する必要がある。

○実際は学校の体育館では天井は張っていない場合が多く、張っている場合は在来天井が多い。

○天井材の耐震化は重要であるため、項目として掲げるのはいいが、システム天井と在来天井は分ける必要は無いかもしれない。

○天井材の耐震化については、例えば天井材と周囲の壁とのクリアランスが有効かどうか見解は分かれており、具体的な対処方法を示すことはなかなか困難である。

○実際の天井がどういう状況か調査することはできない。学校施設の標準的なタイプがどのようなものかわかれば、対応は可能だと思う。標準的なタイプを調べ、対策案をまとめてはどうか。

●最低限注意すべきこと、または部分(部位)を示すことが重要と考える。

○本調査研究において、耐震対策自体の善し悪しを判断するものではない。最新の資料も参考として引用する形でまとめることが適切と考える。

○建築防災協会の「実務者のための既存鉄骨造体育館等の耐震改修の手引きと事例」は参考になるだろう。

○関連資料から抜き出した点検項目を本マニュアルの点検チェック項目として挙げるかどうかについて、重要性の大小により判断できるかがポイントとなる。

○民間の施設で起きた被害で、点検すれば簡単に防げたものも多々ある。そのような、簡単に防げるようなポイントをまとめたものとしてはどうか。

○点検チェック項目を見て設置者や教職員が点検できるか疑問である。危険を予知する視点が必要であり、天井は落ちてくるものとして、安全な箇所に避難するなどの現実的な対策が必要ではないか。

○現実性の観点から、実際の天井材を見なくても、設計図から確認することはできないか。

○施工図を確認しなければ判断できないだろう。しかし設置者は施工図を保存していないのではないか。

5.今後のスケジュールについて

・本マニュアルの「体育館編」は、年度末に予定している「校舎編」と併せたマニュアルの取りまとめ以前に作成し、出来る限り早急に各設置者等へ周知するため、「体育館編」のみを文部科学省ホームページに掲載する。

・具体的な点検チェック項目等については、ワーキンググループの設置等によって、より詳細・具体的に検討する。なお、ワーキンググループのメンバーについては主査に一任とする。

・現地調査は、二人の委員の協力を得ながら7月3日に板橋区立高島第一小学校等、8月に長岡市立の学校にて実施する。

・次回(第4回)の会議は9月中下旬を予定している。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課防災推進室

(大臣官房文教施設企画部施設企画課防災推進室)