第1章 総則

第1節 学校施設整備の基本的方針

1  高機能かつ多機能で変化に対応し得る弾力的な施設環境の整備

教育内容・教育方法等の変化などに対応して,多様な学習内容・学習形態やコンピュータその他の高度な教育機器の導入などを可能とする高機能かつ多機能な学習環境を確保し,更に,今後の学校教育の進展や情報化の進展等に長期にわたり対応することのできるような柔軟な計画とすることが重要である。

2 健康的かつ安全で豊かな施設環境の確保

生徒等の学習及び生活の場として,日照,採光,通風等に配慮した良好な環境を確保するとともに,障害のある生徒にも配慮しつつ,十分な防災性,防犯性など安全性を備えた安心感のある施設環境を形成することが重要である。
また,生徒がゆとりと潤いをもって学校生活を送ることができ,他者との関わりの中で豊かな人間性を育成することができるよう,生活の場として快適な居場所を計画することが重要である。
さらに,それぞれの地域の自然や文化性を生かした快適で豊かな施設環境を確保するとともに,環境負荷の低減や自然との共生等を考慮することが重要である。

3 地域の生涯学習やまちづくりの核としての施設の整備

地域住民にとって最も身近な公共施設として,まちづくりの核,生涯学習の場としての活用を一層積極的に推進するためにも,施設のバリアフリー対策を図りつつ,必要に応じ他の文教施設や高齢者福祉施設等との連携や地域の避難所又は緊急避難場所(以下「避難所等」という。)としての役割を果たし,また,景観や町並みの形成に貢献することのできる施設として整備することが重要である。

第2節 学校施設整備の課題への対応

第1 子どもたちの主体的な活動を支援する施設整備

1  多様な学習形態,弾力的な集団による活動を可能とする施設

(1) 多様な学習内容・学習形態による活動を可能とする施設として計画することが重要である。その際,生徒の主体的な活動を支援する工夫や生徒の持つ豊かな創造性を発揮できる空間として計画することも重要である。
(2) 一斉指導による学習以外に,ティームティーチング(複数教員による協力的指導)による学習,個別学習,少人数指導による学習,グループ学習,複数学年による学習等の活動及び生徒の学習の成果の発表などに対応するための学習メディア等が活用できる多目的な空間を計画することが重要である。
(3) 選択学習の幅が一層広まり,生徒の特性等に応じて行われる課題学習,補充的な学習,発展的な学習等の多様な学習内容・学習形態による活動に対応できる空間を計画することが重要である。
(4) 快適に学習・生活ができるよう,場に応じた材料,色彩計画,適切な室内環境や吸音・遮音性等を備えた施設環境を確保することが重要である。
(5) 多様な学習内容・学習形態に対応するとともに,豊かな生活の場とするため,充実した家具を施設計画と一体的に計画することが重要である。

2 情報環境の充実

(1) 生徒の主体的な活動及び自らの意志で学ぶことを支え,高度情報通信ネットワーク社会において生きる力を育てる学校環境づくりや,校務情報化の推進に資するため,校内の情報ネットワークの整備やコンピュータ,プロジェクタ等の情報機器の導入への対応について,積極的に計画することが重要である。
(2) 情報を効果的に活用したり,生み出したりするためには,様々な情報を管理できるセンター機能の整備が重要である。

3 理科教育の充実のための施設

(1) 多様な教材,教具等を使用した授業など多様な教育方法に対応するため,理科教室と図書室,視聴覚教室等との連携に配慮して計画することが重要である。
(2) 特に観察,実験の重要性を踏まえ,様々な実験器具,情報機器等を教員及び生徒が活用できるよう施設環境を計画することが重要である。
(3) 複数の教員等の指導による学習など多様な学習形態への対応も考慮した計画とすることが望ましい。
(4) 自然体験活動を支える空間として,動植物の飼育,栽培のための施設・環境を計画することが重要である。

4  国際理解の推進のための施設

(1) 外国語の指導,外国人生徒の受け入れ,日本の伝統文化や異文化理解等の学習活動への対応を考慮した施設の計画を行うことが重要である。
(2) 国際文化の理解,交流のために,和室など日本の伝統的な空間を計画することも有効である。

5 総合的な学習の推進のための施設

(1) 多様な学習内容・学習形態に弾力的に対応するため,普通教室,特別教室との関係や一斉指導による学習のための空間とグループ学習・個別学習のための空間との関係,生徒の動線,学習空間の吸音・遮音性等を考慮し,計画を行うことが重要である。
(2) 体験的な学習に対応するため,地域社会や自然環境等との連携に配慮して施設・環境を計画することが重要である。

6 特別支援教育の推進のための施設

(1) 教育上特別の支援を必要とする生徒に対して,障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うため,一人一人の生徒の教育的ニーズを踏まえた指導・支援の実施を考慮した施設環境を計画することが重要である。その際,発達障害※を含めた障害のある生徒の障害の状態及び特性を踏まえつつ,適切な指導及び必要な支援を可能とする施設環境を計画することが重要である。
 ※発達障害・・・・「LDやADHD,高機能自閉症等」を含め,「発達障害者支援法」の定義に基づく「発達障害」を意味する。なお,LDは学習障害(Learning Disabilities),ADHDは注意欠陥多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)を意味する。
(2) 障害のある生徒と障害のない生徒とが,各々の生徒の教育的ニーズに応じ,安全かつ円滑に交流及び共同学習を行うことができる施設となるよう計画することが重要である。

7 中高一貫教育校における施設

(1) 中高一貫教育の実施形態は,3種類あるが,それぞれの種類ごとに,一貫教育の内容に応じた計画を行うことが重要である。
(2) 中高一貫教育校のうち,中等教育学校では,これまでの中学校に対応する前期課程において,特色ある教育課程が編成されるとともに,選択教科がより幅広く導入されるので,後期課程と連携する学校組織や運営方式等を十分検討し,これに対応できる計画とすることが重要である。
(3) 中高一貫教育校のうち,併設型の中学校では,特色ある教育課程が編成されるとともに,選択教科がより幅広く導入されるので,必要に応じ,併設する高等学校の施設・設備の相互利用を図る中で,これに対応した施設計画とすることが重要である。
(4) 中高一貫教育校のうち,連携型の中学校では,これまでの施設計画における対応のほかに,高等学校との連携や交流を支援できる計画を導入することが重要である。

第2 安全でゆとりと潤いのある施設整備

1 生活の場としての施設

(1) 生徒等の学習のための場であるのみならず,生活の場として,ゆとりと潤いのある施設づくりについて計画することが重要である。
(2) 生徒等の行動範囲,動作領域,人体寸法を考慮するとともに,心理的な影響も含めて施設を計画することが重要である。

2 健康に配慮した施設

(1) 生徒の健康に配慮し,校内の快適性を確保するため,採光,通風,換気等に十分配慮した計画とすることが重要である。
(2) 生徒の心と体の健康を支えるため,保健衛生に配慮した施設計画とすることが重要である。
(3) 生徒の体力向上に資するよう,運動のための空間を利用のしやすさに配慮し,計画することが望ましい。
(4) 建材,家具等は,快適性を高め,室内空気を汚染する化学物質の発生がない,若しくは少ない材料を採用することが重要である。
(5) 新築,改築,改修等を行った場合は,養生・乾燥期間を十分に確保し,室内空気を汚染する化学物質の濃度が基準値以下であることを確認させた上で建物等の引渡しを受け,供用を開始することが重要である。

3 地震,津波等の災害に対する安全性の確保

(1) 地震発生時において,生徒等の人命を守るとともに,被災後の教育活動等の早期再開を可能とするため,施設や設備の損傷を最小限にとどめることなど,非構造部材も含め,十分な耐震性能を持たせて計画することが重要である。
(2) 学校施設が,津波等※による被害が予想される地域に立地している場合においては,生徒等が津波等から緊急避難場所※へ安全に避難できるよう,周辺の高台や津波避難ビルへの避難経路※の確保又は校舎等建物の屋上や上層階への避難経路の確保を検討し,実施することが重要である。
これらの対策によって安全性が確保できない場合においては,高台への移転又は高層化※を検討し,実施することが重要である。
※津波等・・・・・・津波,洪水,高潮等及びこれらに起因する火災
※緊急避難場所・・・災害が発生し,又は発生のおそれがある場合にその危険から逃れるための施設又は場所(災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第49条の4関係)
※避難経路・・・・・ある場所から避難目標地点まで最短時間で,かつ安全に到達できる道筋。一方,避難路とは,避難経路となる道路,通路,避難階段そのものをいう。
※津波等対策における高層化・・校舎等建物の屋上や上層階を生徒等の緊急避難場所とするために,屋内運動場との重層化や他の公共施設との複合化等により,本来,教育機能として必要な階数以上の階を有する建物を整備することをいう。
(3) 学校敷地に津波等による被害が予想され,津波等に対する安全対策として,生徒等が校舎等建物の屋上や上層階への避難を行う場合においては,当該場所が想定される津波等の水位以上の高さとすること,当該場所までの有効な避難経路を確保すること及び当該建物が津波等により構造耐力上支障のある事態を生じないものであることが重要である。
(4) 学校施設は,災害時には地域の避難所※としての役割も果たすことから,想定される避難者数や,起こりうる災害種別のリスクを十分に考慮し,あらかじめ学校設置者と防災担当部局※との間でお互いの役割を明確にしながら,避難所として必要となる機能を,障害者,高齢者,妊産婦等の要配慮者の利用も踏まえ計画することが重要である。その際,教育活動の早期再開が可能となるよう計画することが重要である。
※避難所・・・・・・災害の危険性があり避難した住民等や,災害により家に戻れなくなった住民等を滞在させるための施設(災害対策基本法第49条の7関係)
※防災担当部局・・・避難所の指定は市町村長が行うこととなっていることから,原則として,学校の所在する市町村の防災担当部局をいう。
(6) 学校施設の防災対策は,運営体制や訓練等のソフト面での取組と一体的に実施することが重要である。その際,防災担当部局,学校設置者,学校,自主防災組織,地域住民等と連携しながら取組を進めることが重要である。
(7) 施設自体が防災教育の教材として活用されるよう,各階に標高表示を設置する等,日頃から生徒等に津波等災害の危険性の意識づけを考慮して計画することが重要である。

4 安全・防犯への対応

(1) 生徒の安全確保を図るため,学校内にあるすべての施設・設備について,生徒の多様な行動に対し十分な安全性を確保し,安心感のある計画とすることが重要である。
  その際,事故の危険性を内包する箇所は特に安全性を重視した分かりやすい計画とすることが重要である。
(2) 事故を誘発するような明確な構造的な欠陥はもとより,生徒が予測しにくい危険を十分に除去しておくことが重要である。
  また,可動部材,特に機械制御のものは十分に安全性が確保されていることを確認することが重要である。
(3) 生徒の多様な行動に対して,万が一事故が発生してもその被害が最小限となるよう,配慮した計画とすることが重要である。
(4) 外部からの来訪者を確認でき,不審者の侵入を抑止することのできる施設計画や,事故も含めた緊急事態発生時に活用できる通報システム等を各学校へ導入することが重要である。
(5) 敷地内や建物内及び外部からの見通しが確保され,死角となる場所がなくなるよう計画することや,特に不審者侵入の観点からはどの範囲を何によってどう守るかという領域性に留意した施設計画が重要である。
(6) 学校や地域の特性に応じた防犯対策及び事故防止対策を実施し,その安全性を確保した上で,地域住民等が利用・協力しやすい学校施設づくりを推進することが重要である。
(7) 既存施設の防犯対策及び事故防止対策についても,図面や現場等において点検・評価を行い,必要な予防措置を計画的に講じていくことが,関係者の意識を維持していく面からも重要である。
(8) 学校施設の防犯対策及び事故防止対策は,安全管理に関する運営体制等のソフト面での取組と一体的に実施することが重要である。その際,家庭や地域の関係機関・団体等と連携しながら取組を進めることが重要である。

5 施設のバリアフリー対応

(1) 障害のある生徒,教職員等が安全かつ円滑に学校生活を送ることができるように,障害の状態や特性,ニーズに応じた計画とすることが重要である。その際,スロープ,手すり,便所,出入口,エレベーター等の計画に配慮することが重要である。
(2) 学校の教育活動への地域の人材の受入れなど様々な人々が学校教育に参加すること,地域住民が生涯学習の場として利用すること,地震等の災害時には地域の避難所としての役割を果たすこと等,高齢者,障害者を含む多様な地域住民が利用することを踏まえて計画することが重要である。
(3) 既存学校施設のバリアフリー化についても,障害のある生徒の在籍状況等を踏まえ,所管する学校施設に関する合理的な整備計画を策定し,計画的にバリアフリー化を推進することが重要である。
(4) 学校施設のバリアフリー化に当たっては,施設の運営・管理,人的支援等のサポート体制との連携等を考慮して計画することが重要である。

6 環境との共生

(1) 環境負荷の低減や,自然との共生等を考慮した施設づくりを行うことが重要である。
(2) 施設自体が環境教育の教材として活用されるよう,また自然と触れ合う機会が増えるよう計画することが重要である。
(3) 学校施設における温室効果ガスの排出量を削減するため,断熱化や日射遮蔽等の建物性能の向上を図るとともに,照明や冷暖房等の設備機器の高効率化を図ることが重要である。
(4) 太陽光や太陽熱,風力,バイオマス※など再生可能エネルギーの導入,緑化,木材の利用等については,環境負荷を低減するだけでなく,環境教育での活用や地域の先導的役割を果たすという観点からも望ましい。
  ※バイオマス・・・動植物に由来する有機物である資源。(原油,石油ガス,可燃性天然ガス及び石炭を除く。)
(5) 断熱化や日射遮蔽等の建物性能の向上,設備機器の高効率化,再生可能エネルギーの導入等は,災害時に避難所となる場合においても,良好な温熱環境を確保する観点から有効である。

7 カウンセリングの充実のための施設

保健室,教育相談室(心の教室),適応指導教室,保護者等のための相談スペース等については,カウンセリングの機能を総合的に計画することが重要である。

第3  地域と連携した施設整備

1 学校・家庭・地域の連携協力

(1) 学校施設の計画に当たっては,学校・家庭・地域の連携に基づく生涯学習の基盤として,学校・家庭・地域等の参画により,総合的に計画を行うことが重要である。
(2) 地域住民等のボランティア活動による学校の教育活動を支援する取組や保護者・地域住民等が学校運営を支援する取組など学校における活動への地域の協力を促すための諸室についても計画することが重要である。
(3) 他の文教施設等の整備状況等を勘案しつつ,必要に応じ,これらの施設との適切な役割分担や施設等の相互利用,共同利用等を通じ有機的な連携について計画することが望ましい。また,他の文教施設等との情報ネットワークを構築することも有効である。
(4) 他の学校や公共施設との間で,避難所としての防災機能の分担を行うことも有効である。

2 学校開放のための施設・環境

(1) 生徒や地域住民が有効に活用できる施設となるよう計画することが重要である。
  また,学校や地域の特性に応じた防犯対策を実施し安全性を確保した上で,必要に応じ,地域住民の積極的な利用の促進を図ることができるよう,地域住民との共同利用のできる施設として計画することも重要である。
(2) 様々な利用者に配慮した,快適,健康,安全で利用しやすい施設であるとともに,学校開放の運営と維持管理の行いやすい施設となるよう計画することが重要である。

3 複合化への対応

(1) 学校と地域社会との連携を深めていく上で,社会教育施設や高齢者福祉施設等との複合化について計画する場合は,施設間の相互利用,共同利用等による学習・生活環境の高機能化及び多機能化に寄与すると同時に,学校施設における生徒の学習と生活に支障のないよう計画することが重要である。また,地域の避難所等としての機能を計画する場合は,学校施設における生徒の学習と生活に支障のないよう計画することが重要である。
(2) 多様な利用者を考慮し,防犯対策等の安全管理,バリアフリーに配慮した計画とすることが重要である。
(3) 学習環境に障害又は悪影響を及ぼす施設との合築は避けることが重要である。また,学習環境の高機能化及び多機能化に寄与しない施設との合築についても慎重に対処することが重要である。

第3節 学校施設整備の基本的留意事項

1 総合的・長期的な計画の必要性

(1) 当該地域における中・長期の中学校施設整備計画や他の文教施設等の整備計画との整合性を図り,多様な学習活動の実施,安全性への配慮,環境負荷の低減,地域との連携を考慮し,総合的かつ長期的な視点から学校の運営面にも十分配慮した計画を策定することが重要である。
(2) 人口の自然増減や社会増減を検討して当該地域における生徒数の将来動向を適確に推計し,学級編制の標準に関する将来の動向も考慮しつつ,計画を進めることが重要である。
(3) 増築,改築,改修等の場合においても,学校施設整備の基本方針,新たな課題への対応を踏まえ,総合的かつ中・長期的な視点から計画し,これに基づき,計画的に実施することが重要である。
(4) 施設部分等により予算科目,所管部課,整備時期等が異なる場合においても,相互に十分に調整し,総合的に計画することが重要である。

2 施設機能の設定

(1) 特別教室型※,教科教室型※等の運営方式を比較検討しつつ,必要とする施設機能の設定を行うことが重要である。
  ※特別教室型の運営方式・・通常は普通教室において授業を受けるが,特別な装置等が必要な場合は特別教室において授業を受ける学校運営方式。
  ※教科教室型の運営方式・・教科毎に専用の教室があり,生徒が時間割に合わせて各教科の教室に移動して授業を受ける学校運営方式。
(2) 生徒数の現状等により決定される学校規模や多様な学習形態による活動規模を考慮しつつ,各施設の面積規模と運営方式に応じて,室構成,室数等を決定することが重要である。その際,障害のある生徒の在籍状況又は他校からの通級による指導※の実施状況を考慮しつつ,室構成,室数等を決定するとともに,障害の状態や特性等に応じ必要となる環境条件等を適切に把握して,必要とする施設機能を設定することが重要である。
※通級による指導・・小学校又は中学校の通常の学級に在籍している障害の軽い児童生徒が,ほとんどの授業を通常の学級で受けながら,障害の状態等に応じた特別の指導を特別な場(特定の小学校,中学校又は公共施設等)で受ける指導形態。一部通級による指導の担当教員が特別の場に出向く場合や児童生徒が特別支援学校等に出向く形態等もある。
(3) 学習指導の内容及び方法について,指導計画の分析等により現状を詳細に把握し,また,将来にわたるそれらの展開等も検討し,必要とする施設機能を弾力的に設定することが重要である。
(4) 教科教室型を導入する場合においては,特別活動における学級活動や学習以外の時間における生徒の居場所,総合的な学習の時間等の運営方法,教室間の移動等について十分検討することが重要である。
(5) 教科教室型を導入する場合においては,生徒のホームルームへの帰属とその場の設定について検討することが重要であり,生徒たちの生活・交流・憩いの場としてホームベース等について計画することが重要である。
(6) 情報技術・機器の進展等も踏まえ,教育機器,教材等の種類,校内配置形態,利活用の方法等を検討し,情報技術・機器の進展等も踏まえ,必要とする施設機能を弾力的に設定することが重要である。
(7) 生徒の人体寸法や動作領域に適合した家具の導入を考慮し,施設機能を設定することが重要である。また,学校開放などの際に使用する大人用の家具の導入についても計画することが望ましい。
(8) 生徒の校内生活について,当該地域の気候風土や気候の季節的な変化への対応を考慮しつつ,生活行動及び生活領域を具体的に検討し,必要とする施設機能を設定することが重要である。
(9) 体育系及び文化系の各部活動について具体的に把握し,必要とする施設機能を設定することが重要である。
(10) 会議等の回数及び規模,教務事務の内容について検討し,必要とする施設機能を設定することが重要である。
(11) 学校事務の内容,執務方式,使用する事務機器の種類,台数,配置及び利用の方法等を教育委員会事務局との役割分担等にも留意しつつ検討し,必要とする施設機能を設定することが重要である。
(12) 学校開放への要請の内容等を十分に分析し,学校教育への影響に配慮しつつ,学校開放の対象とする施設部分,時間帯等を決定し,柔軟に対応できるよう施設機能を設定することが重要である。

3 計画的な整備の実施

(1) 当初に,企画,基本設計,実施設計及び施工の各段階について十分な期間を確保した年次計画等を策定し,これに基づき,計画的に整備を進めることが重要である。特に,企画から基本設計へ至る段階については,十分な計画を行うことが望ましい。
(2) 企画から施工に至る整備の各段階において,各段階相互の内容的な連続性,整合性等を十分に確保することが重要である。
(3) 完成後には施設に係る評価を定期的に行い,今後の改修・改築等の計画に生かしていくことが重要である。
(4) 施設の整備を段階的に行う場合は,将来に渡る施設全体を,総合的に計画することが重要である。

4  長期間有効に使うための施設整備の実施

(1) 学校施設を常に教育の場として好ましい状態に維持するためには,日常の点検・補修及び定期的な維持修繕が必要であり,これらを行いやすい計画とすることが重要である。
(2) 建物構造体を堅固につくり,室区画や室仕上げは将来の学習内容・学習形態の変化に応じて変更可能なように計画する等,長期間建物を有効に使う計画を行うことが有効である。
(3) 情報技術の進展等,今後のニーズの進展による既存施設の改修整備を見込んで,改修整備をしやすい施設となるよう計画することも有効である。
(4) 改築より工事費を抑えながら改築と同等の教育環境を確保でき,排出する廃棄物も少ない長寿命化改修※を積極的に取り入れていくことが重要である。
※長寿命化改修・・・物理的な不具合を直し建物の耐久性を高めることに加え,建物の機能や性能を現在の学校が求められている水準まで引き上げる改修方法。

5 関係者の参画と理解・合意の形成

(1) 当該地方自治体や学校において実施しようとする特色ある学習内容・学習形態等を反映したものとなるとともに,地域と連携した学校運営が行われるよう,企画の段階から学校・家庭・地域等の参画により,総合的に計画することが重要である。また,より効果的・効率的な施設運営を行うためには,施設の完成後においても継続的に施設使用者との情報交換等を行うことが重要である。
  このことは,設計当初の施設機能が十分に活用され,利用実態の面から安全性を確保する上でも重要である。
(2) 開放施設の利用内容・方法,管理方法及び当該学校施設が周辺地域に及ぼす騒音・交通・塵埃等の影響,災害時の対応などについて,事前に地域住民等と十分協議することが重要である。特に,避難所となる場合は,避難所開設時における学校施設の利用方法や,教育活動の早期再開に向けた対応について,地域住民や防災担当部局と十分協議することが重要である。

6 地域の諸施設との有機的な連携

(1) 当該地方公共団体における全体的な中・長期の行政計画,文教施設整備計画との整合を図りつつ,これらの施設との有機的な連携について計画することが望ましい。
(2) 学校と地域社会との連携を深め,また地域防災力を強化する観点から,社会教育施設や高齢者福祉施設等との施設間の相互利用,共同利用等による学習環境の高機能化及び多機能化に寄与する複合化について計画することは有効である。その際には,生徒の学校施設における学習と生活に支障を生ずることのないよう計画し,設計することが重要である。

7 整備期間中の学習・生活環境の確保

(1) 全面改築等の場合においては,整備期間中,適切な方法により,学校教育に必要な環境を確保することが重要である。
(2) 増築,一部改築,改修等の場合においては,工事に伴い生徒の心身の健康及び安全並びに学習及び生活に支障の生じることのないよう十分留意することが重要である。特に,発達障害のある生徒がいる場合は,騒音,振動等の刺激によるパニックや多動・衝動性等に十分配慮することが重要である。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

指導第一係
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2291),03-6734-2291(直通)

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)

-- 登録:平成26年08月 --