はじめに

 「学校施設整備指針」は,学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために,計画及び設計における留意事項を示したものである。

 これまでの「小学校施設整備指針」は,平成4年に策定し,その後,少子高齢社会への移行や情報通信技術による変革などの社会状況の変化や,学習指導要領の改訂による教育内容・教育方法等の変化に対応するため,平成13年3月に全面的に改正している。また,平成15年8月の改正では,学校施設の防犯対策の推進,既存学校施設の耐震化の推進,建材等から放散される化学物質による室内空気汚染の防止対策等に関連する規定を見直している。平成19年7月の改正では,特別支援教育を推進するための施設整備の基本的な考え方を示し,学校施設全体のバリアフリー化に関する記述や,児童の障害の特性に応じた具体的な計画・設計上の留意点を充実させ,平成21年3月の改正では,学校施設を巡る事故が後を絶たない状況を踏まえ,事故防止対策に関する記述を充実させている。

 さらに,平成22年3月の改正では,小学校学習指導要領の改訂や,社会状況の変化への対応を踏まえ,外国語活動が適切に実施できる空間に関する記述や,理数教育環境の充実のための記述,環境面からの持続可能性への配慮に関する記述などを充実させている。

 今般の改正では,東日本大震災において顕在化した課題や,学校施設に係る新たな課題に対応するため,「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」における審議を経て,学校施設の津波対策及び避難所としての防災機能の強化,学校施設の老朽化対策などに関する記述を充実させている。

 既存施設の改修を含めた学校施設の今後の整備に際し,この「小学校施設整備指針」が活用され,設置者の創意工夫の下に,児童の教育の場にふさわしい豊かな環境が全国で形成されていくことを切に願う次第である。

 【本指針を活用するに当たっての留意事項】
 ○整備指針の位置づけ
   本指針は,学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために,計画及び設計における留意事項を示したものである。
   地方公共団体等の学校設置者は,学校施設の計画及び設計に当たり,安全上,保健衛生上,指導上その他の学校教育の場として適切な環境を確保するため,関係法令等の規定に基づくことはもとより,本指針の関係留意事項に十分配慮すること。

 ○整備指針の適用範囲
   本指針は,学校施設を新築,増築,改築する場合に限らず,既存施設を改修する場合も含め,学校施設を計画及び設計する際の留意事項を示したものである。

 ○整備指針の表現
   本指針は,おおむね次のような考え方で記述している。
「~重要である。」:学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために標準的に備えることが重要なもの
「~望ましい。」 :より安全に,より快適に利用できるように備えることが望ましいもの
「~有効である。」:必要に応じて付加・考慮することが有効なもの

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