2.特別支援学校施設整備指針の改訂について

 前述の2.課題(1)~(3)を改訂の主な方向性として,別冊の「特別支援学校施設整備指針の改訂について」の通り取りまとめた。その要旨は以下の通りである。

1.制度転換後の取組への対応

(1)一人一人の教育的ニーズへの対応

 多様な学習・生活集団の編成等に対応できるよう,フレキシブルな空間を計画する際,教材・教具等の収納に配慮することとした。
 また,情緒障害や自閉症,ADHD等の障害を併せ有する幼児児童生徒への対応として,落ち着きを取り戻すための小空間を計画する際には,安全性や外部からの刺激等に配慮することが重要であるとした。
 さらに,各空間を計画する際,幼児児童生徒の体格等を十分考慮することが重要であるとした。

(2)企業等との連携による職業教育の充実等に資する空間の整備

 職業教育のための諸室については,企業等との連携等について十分分析・把握し,必要な施設機能を設定することが重要であるとした。
 また,作業学習関係諸室については,販売や接客,清掃等の多種多様な活動が実践的に行える空間を各分野の専門家等の助言を得ながら計画したり,座学と実習とを一体的に行える空間を計画したりすることが有効であるとした。

(3)学習・生活空間の質の維持・向上

 学習・生活空間について,良好な環境条件を確保できるよう配慮すべきものとして,日照,採光等に加え,室温,音の影響等も明記した。
 また,幼児児童生徒が休憩,交流等に利用できるスペースをラウンジ,廊下等に計画することとした。

(4)連携に配慮した職員室等の整備

 職員室を計画する際には,教職員同士の交流が促されるよう配慮するとともに,外部の専門家等との連携にも配慮することが重要であるとした。
 また,必要に応じ,職員室や保健室等の一部又は隣接した位置に看護師のための室・空間を計画することとした。

(5)センター的機能の充実や地域交流への対応

 センター的機能充実のための空間として,保護者等に対する相談対応・情報提供を果たすための空間が重要であることを明記した。
 地域住民等との連携が促されるよう,多目的教室等を計画する際には,地域との交流等における利用を考慮することが有効であるとした。また,休憩,談話等のためのラウンジ等を計画することが有効であるとした。

2.学習指導要領等の改訂への対応

(1)幼・小・中・高との共通事項

1.理数教育環境の充実

 多様な教育方法に対応するため, 理科教室と図書室,視聴覚教室等との連携に配慮して計画することとした。また,理科教室は,演示実験が実施しやすい空間として計画することが望ましいとした。

2.言語活動のための環境の充実

 各教科等の発表,討議,レポート作成等の様々な言語活動に対応できるよう,普通教室,特別教室等と図書室,講義室,ゼミ室等の連携を考慮して配置を計画することとした。

3.外国語活動に係る空間の確保

 外国語関係教室の計画に当たっては,体を動かす活動や床に座っての活動などに対応できるよう計画することが重要であるとした。

4.運動環境の充実

 屋内運動場の計画に当たっては,通風,換気及び採光を十分確保するとともに,室温に配慮して計画することが重要であるとした。
 また,便所,更衣室,シャワー室等の附属施設について,利用する幼児児童生徒の障害の状態や特性等を踏まえ,利用状況等に応じ,適切に計画することとした。

(2)情報環境の充実

 情報化の進展に対応するため,各室・空間において,障害の特性等に応じた情報保障を図るよう,また,学習活動に利用できるよう,将来の更新や増設等も考慮しつつ,コンピュータ等の情報機器や校内ネットワークの導入に配慮した計画とすることとした。

3.社会環境の変化への対応

(1)特別支援学校の幼児児童生徒数の増加への対応

 関係機関と連携し,障害のある幼児児童生徒の数の推移と将来動向,地域内の小学校及び中学校の特別支援学級の在籍児童生徒数,特別支援学校高等部への進学の状況,特別支援学校の整備計画等から,現状及び将来の学校規模を的確に把握して,適切な規模の計画とすることが重要であるとした。
 また,高等学校等の既存施設を特別支援学校に転用する場合には,当該既存施設の特性を踏まえつつ,幼児児童生徒一人一人の障害の状態及び発達の段階や特性等を的確に把握・分析して,必要な施設機能を設定するとともに,屋外運動施設等の既存施設の機能を積極的に活用するといった視点にも配慮することとした。

(2)環境面への配慮

 環境負荷の低減や自然との共生等を考慮した施設環境について,温室効果ガス排出量の削減や環境教育の教材としての活用など,一層の充実を図ることとした。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

課長 長坂 潤一(内線2286) 課長補佐 瀬戸 信太郎(内線3181) (特別支援学校)指導第一係長 野口 公伸(内線2291) (高等学校)環境施設企画係長 小林 和弘(内線2288)
電話番号:03-5253-4111(内線2291)

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)

-- 登録:平成23年05月 --