災害に強い学校施設づくり検討部会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成25年7月30日(火曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

文部科学省旧庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 避難所としての学校施設の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

【委員】淺川賢次、上野淳、及川康、佐藤健、長澤悟、松高正俊、山田あすか、矢守克也(敬称略)
【特別協力者】齋藤福栄(敬称略)
【発表者】大船渡市教育委員会生涯学習課 伊藤課長補佐

文部科学省

【文教施設企画部】関文教施設企画部長、長坂文教施設企画部技術参事官、新保施設企画課長、小林課長補佐

オブザーバー

(内閣府)藤井政策統括官付主査
(総務省消防庁)中道国民保護・防災部防災課震災対策専門官
(文部科学省)
【文教施設企画部】
(施設企画課防災推進室)岩井防災推進係長
(施設助成課)錦課長補佐
【スポーツ・青少年局】(学校健康教育課)佐藤安全教育調査官

5.議事要旨

(○:委員の発言、●:事務局の発言)

(1)避難所としての学校施設の在り方について

・松高委員より、資料1に沿って、東日本大震災を踏まえた学校施設の在り方について説明。
・矢守委員より、資料2に沿って、防災教育及び避難所の環境の在り方について説明。

○ 地域住民が自らの避難ルートの安全が確保されているかをチェックすることが重要であり、そのためにも学校と地域の団体が日頃から話し合う仕組みが必要である。また、災害避難時の児童生徒のケアについて今後検討していくことが大切ではないかと考えている。

○ 障害者である児童を含めた全員の避難を実現するためにはどうしたら良いかを児童と一緒に考えながら避難訓練を行う等、普段から関係を作っておくことが、避難所生活での障害者への配慮につながると考える。被災前から避難所を出た後までの時間軸で捉えて避難を考えることが重要。

○ 高台移転による住民の居住地と移転後の赤崎小学校は近接しているのか。また、赤崎小学校の防災機能を十分に発揮するために、学校と周辺地域の関わりをどのように役割分担することを考えているのか。

○ 赤崎小学校の移転先は、防災集団移転促進事業により高台移転する居住地に近接しており、学校を含む地域全体が高台に移転するものである。現在は、震災前のコミュニティが機能していないため、高台移転が完了し、地域コミュニティが形成してからでないと、災害発生時における対応の取り決めは難しいと考える。なお、非常時を見据えた学校の鍵の管理は課題となっている。

○ 学校に子どもが通う保護者以外の住民が地域内のつながりを作りやすくするために、他の公共施設の老朽化のタイミングをとらえ、学校を地域の図書館や公民館等の公共施設と複合化することが良いのではないか。

○ 越喜来小学校から市道に出る避難橋の設置は誰が要望したものなのか。また、要望を実現につなげられた要因は何か。大きな災害想定が出て、住民が投げやりになる問題が出ないようにするための良いアイデアはあるか。

○ 避難橋の設置は、ある市議会議員の要望である。実現した要因は、議員の熱意にあると思われる。

○ 住民が避難をあきらめてしまうことがないようにするためには、防災を防災だけで終わらせない工夫が重要である。日本一想定津波高さが高い高知県黒潮町では、特産品としての備蓄物資を作るなど、大きな想定津波高さを逆に利用していこうという取組も行っている。また、黒潮町の興津地区では、津波のシミュレーションなどの説明会を小学校で開くことなどにより、高齢者世代が地域とつながるきっかけとなっていると感じる。

○ 特に、学校施設が福祉避難所になるような場合には、地域でこの学校が避難所になった場合には、どこの医療施設や、他の特別支援学校と連携をとるのかという連絡体制を事前に決めておくことが重要である。また、ケアが必要な避難者については、普段では失礼なことと考えられるが、首にどのようなケアが必要であるかを示したカードを提げることで、周囲の理解が進むのではないかという話があった。避難所の温度管理については、寒さ対策だけでなく、暑さ対策も併せて考えるべきである。鍵の管理については、緊急時には自動的に鍵が開く、パニックオープンの仕組みを導入することは考えられないか。

○ 大船渡市は、赤崎小学校の移転検討において、教育委員会と市の防災部局との役割分担を教えてほしい。また、避難所の運営主体については、内閣府の「避難所における良好な生活環境の確保に関する検討会」において話し合われたか。

○ 大船渡市では、防災部局は多忙なため、教育委員会主導で学校施設の計画を進めざるを得なかった。学校の防災機能向上のために予算はあまり使っておらず、むしろ、設計の工夫により対応している。

○ 内閣府の検討会においては、避難所運営について人的資源や専門知識の観点から、学校職員を中心として考えておくことは難しいので、平時より市町村の防災関係部局などが中心となり、避難所運営準備班を創設することが重要と考えた。また、避難所の運営体制をつくるためには、自治体・学校・地域住民・NGOの連携づくりが重要である。

○ 大船渡市の小学校における避難の経緯について教えていただけないか。

○ 赤崎小学校では、児童は公民館に避難した。赤崎中学校では、生徒は裏山に避難し、津波が引いた後、周辺の被災していない家に分かれて避難した。特に苦慮したのは、被災した学校の先生と保護者が連絡を取り合って安否確認をすることであった。

○ 災害発生後の時期ごとに、必要とされる機能は変わってくるので、時間軸の中で考えていく必要がある。今後は被災者のライフステージごとの対応について、施設・設備面から考えていきたい。また、今回の議論で、学校を中心とした、子どもの力を生かした地域防災の可能性が挙げられており、今後の取りまとめに活かしていければと思う。

(2)その他

・事務局より、資料3に沿って、今後の会議スケジュール案について説明。


○ 視察の報告は何回目かの会議で行われるのか。

● 視察が終了した後である第4回以降に報告を行う予定である。

・資料3について了承された。

―――――了―――――

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