これまでの主な意見の整理~「学校施設老朽化対策ビジョン(仮称)」の論点例に沿って整理~

学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議
老朽化対策検討特別部会
これまでの主な意見の整理 
~「学校施設老朽化対策ビジョン(仮称)」の論点例に沿って整理~

 ※下線は第2回部会における主な意見

1 学校施設を取り巻く状況と課題について
・公立学校施設の現状と課題についてどう考えるか。
・老朽化対策の必要性についてどう考えるか。

○耐震化に目処がつきつつある今、老朽化は一番大事な最後のテーマ。
○学校施設は維持管理のために十分予算を投入してこなかった公共建築の一つ。
○外壁のモルタル落下や、漏水により滑りやすくなった廊下での転倒事故など、老朽化が原因の一つと考えられる事故が発生。
○長期保全計画を策定しても、事後保全に膨大な費用がかかり、計画保全を行えない学校が多くある。
○学校施設の評価を実施しているが、学習活動への適合等客観的な評価が難しい。
○施設の状況は地域によって異なり、老朽化対策の検討の際も、いくつかのタイプに分類した上で検討することが必要。
○ ICT化等学校施設の高機能化に伴い必要となる面積は増加しているが、全てのストックが必要なのか、留意が必要。
○  総務省の試算によると、将来の1年あたりの更新費用は現在の約2.6倍。放置すれば自治体の隠れ借金となる。
○既存の学校建築の再生、活性化手法を示すことは、他の公共建築にも波及する効果がある。

 

2 老朽化した学校施設の再生整備の在り方について
(1)再生整備の基本的な考え方
・再生整備のめざすべき姿(例えば、安全・安心な環境の確保、教育環境の質的向上、地域拠点としての役割など)をどう考えるか。
・再生整備の方向性(例えば、長寿命化や平準化、重点化等)をどう考えるか。

○適切な維持管理を行い、建物の長寿命化を図るための基本的な考え方を提案したい。
○ 老朽化対策を進める際に、学習・生活環境の質やエコ改修、防災機能等を総合的に向上させていくビジョンを提案することが重要。
場当たり的な整備ではなく計画的に整備を進めることが必要。
30~40年で建て替えるのではなく、長寿命化を図ることは非常に重要。
躯体に係る費用差は大きいので、改築よりも改修を図ることは重要。
○地域によっては児童生徒数が減少しており、今後、対応が必要。
使われていない施設をどう減らすか検討することも重要。
プールや図書室、給食室等を各学校に整備する必要があるかは、今後の論点として検討が必要。
施設の優先度は、ハードの状況と、地域全体の中での利用状況の両方を勘案することが必要。
○ 老朽化した建物が増加する中で、適切な維持管理を行っていくためには、学校施設の高機能化に伴い、必要となる面積も増加していることに留意しつつ、必要な学校を厳選し、総量の見直しについて検討することも必要。

 

(2)地方公共団体での具体的な進め方
・地方公共団体において再生整備を進める際に必要となる具体的な手法(例えば、施設の現状評価や中長期計画の策定、目標耐用年数の設定、ライフサイクルコストの算定等)について、どう考えるか。

○老朽化の状況を客観的に把握するためには、償却年限だけではなく、劣化状況を調べるなどの対応が必要。
整備計画を一度立てたら終わりではなく、5年に1回程度、定期的に劣化度調査を行うことが必要。
○改築だけでなく、改築と大規模改修を併用することが重要。
○学校施設の評価により、客観的なデータの蓄積ができていれば、老朽化対策にも有効。
自治体にとって、大規模改修による再生整備はどの程度行うのかが悩ましいので、その点でも評価の視点は重要。
新しい学習活動への対応など質的な環境改善も含め、施設評価の観点を視覚化していくことは必要。
学習環境に係る評価については、単に空間の有無で判断するのではなく、各学校の教育目標等の学校評価と連動したものにすることが有効。
学校施設の評価に基づいて、誰が何を行うべきか明確にすることが必要。
自治体では営繕担当の職員が不足しており、定期的に点検をするための体制を組む余裕がないのではないか。定年退職後の建築士等の力を活用することも考えられる。

 

3 老朽化対策の推進方策について
・国として行うべき、老朽化対策の推進方策について、どう考えるか。

○老朽改修、エコ改修等を同時に実施すると工期も長くなる。夏休みなどの限られた期間に効率的な改修を実施する方策を示すことはできないか。
○老朽化対策には自治体単独の取組では厳しい部分もあり、使いやすい国の財政支援も必要。
大規模改造事業は上限があるため、規模の大きい事業が対応できない。
大規模改修をどの程度まで実施するか、国が最低限の仕様を提案し、残りは自治体が必要な要素を追加するという仕組みが必要ではないか。また、それに応じた財政支援があると自治体は対応しやすい。
単に劣化を改修するだけではなく、教育環境の向上やエコ化など現代のニーズに合った整備について総合的に取り組めるような制度が必要ではないか。
必要面積は定期的に見直されており、多様な活動に対応するためスペースの在り方について見直すことが必要ではないか。
○施設を長く使用するために、必要な修繕費が使われているか確認が必要。必要な修繕費を維持するためには、財政的支援と仕組みの構築と両面から検討することが必要。

 

4 その他

 

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