特別支援学校施設部会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成22年11月29日(月曜日)10時~12時

2.場所

旧文部省庁舎2階 第1会議室

3.議題

  1. 特別支援学校施設整備指針の改訂に向けた検討について
  2. その他

4.出席者

委員

【委員】飯野順子、上野淳、海野剛志、工藤勇一、釼持勉、古瀬敏、髙橋儀平、田中良広、竹林地毅、増田道子、宮﨑英憲、山本篤、弓野スミ子(敬称略)
【特別協力者】新保幸一(敬称略)

文部科学省

【文教施設企画部】辰野文教施設企画部長、岡技術参事官、長坂施設企画課長、野口企画調整官、瀬戸課長補佐

オブザーバー

【文教施設企画部】杉浦施設助成課課長補佐
【初等中等教育局】(特別支援教育課) 石塚特別支援教育調査官、下山特別支援教育調査官、丹羽特別支援教育調査官、樋口特別支援教育調査官、吉田特別支援教育調査官、大西特別支援教育調査官

5.議事要旨

 (○:委員の発言、●:事務局の発言)

(1)特別支援学校施設整備指針の改訂に向けた検討について

・山本委員より資料1に基づき、視覚障害特別支援学校(盲学校)の現場における特別支援教育や施設・設備の現状と課題などについて説明。
・事務局より資料2に基づき、10月下旬~11月中旬に実施した特別支援学校の現地調査の概要について報告。その後、参加委員より補足。
・事務局より資料3に基づき、特別支援学校施設整備指針改訂の主な方向性について説明。

1)現地調査について

○ (千葉盲学校について)施設に対する現場の意識が高いと感じた点としては、まずセンター的機能のための空間が挙げられる。受付の配置、動線、相談を受ける空間など、センター的機能を充実させるための工夫がなされていた。その他、複数の職種の職員が多く入ってきていることに起因した職員同士のコミュニケーションのための空間や、就労や自立を目指した空間などについても、充実していた。
 逆に、情報化への対応については、施設整備の進め方について苦労しているように感じられた。機器が非常に高額な上に、技術の進歩の速さに比べて機器の更新が追いつかないという状況がある。学校施設においては、最低限必要な情報化を行うことと、それが将来的な拡張性に十分耐え得るような仕組みになっていることが重要だと感じた。

○ (おおぞら特別支援学校について)給食室に、手指の消毒液が自動的に噴射される装置が設置されていた。新型インフルエンザなどの感染症対策のための設備の在り方についても検討してはどうか。

○ 高等学校などの既存の学校施設を改修した特別支援学校については、今後事例が増えそうだが、整備指針においてどのようなスタンスで留意事項を書き込むか、検討が必要ではないか。

○ 病弱虚弱の特別支援学校の分教室について、学校施設整備指針の中でどう記述するのか、検討が必要ではないか。

○ (横浜市立二つ橋高等特別支援学校について)改修校舎だが、廊下の突き当たりなどに休憩スペースが非常に多く設けられていた。児童生徒の休憩スペースは、新設・改修問わず重要であると感じた。

○ (永福学園の喫茶室に関連して)喫茶室のような地域住民も利用できるスペースは、地域住民が利用しやすいよう1階に配置し、運営にあたっては特別支援学校の卒業生や在校生、地域住民が連携して行っていくことができればと思う。

○ 永福学園では、肢体不自由と知的障害の子どもが在籍し聾学校の分教室もあることから、広い保健室が整備されていた。さらに、保健室とは別に、精神的な部分へのケアのための相談室も整備されていた。相談機能を担う空間は、保健室とは別の位置に確保されていないと、生徒や保護者のニーズに応えるのはなかなか難しいのではないかと思った。

○ 肢体不自由校において、たんの吸入が必要な子供にとっては、特に冬季の十分な湿度の確保が欠かせない。重度・重複化に伴って空間の加湿が必要な場合に、どのような施設設備上の留意点があるのか、検討できれば良いと感じた。

○ (中央ろう学校について)聴覚障害の子供たちの学校、特に進学に立ち位置を置いた学校ということで、情報環境が充実していた。他県では、県内に一校という聾学校が多く、また、パソコン等を利用した職業につく聴覚障害の生徒も多い。情報環境の充実の目的としては、学びの場の充実のためだけではなく、社会的自立や職業訓練のため、という視点も重要だと思う。

○ 多目的に利用できる空間が工夫されてつくられていた。中央ろう学校には在籍者はいないが、普通の聾学校には重複障害を持つ生徒たちの割合が増えている。重複障害の生徒への指導の際には、ニーズに応じてグループに分けた指導が必要になってくるが、その際にこのような多目的な空間を活用できるのではないかと思った。

○ 職業教育を行う際には、世の中のニーズを踏まえ、どんな職業教育を目指すのかというビジョンを持つことが大事であると思った。

2)特別支援学校施設整備指針改訂の方向性について(資料3)

○ (センター的機能の充実や地域交流への対応 について)センター的機能の内容が「乳幼児等の保護者からの相談等」となっているが、内容が偏っているように思う。相談機能であれば成人者までの対応となるだろうし、教材・教具の貸し出し、施設利用、地域の教職員への支援なども含まれると考えられるので、そのような内容も加えてほしいと思う。

○ 特別支援学校の子どもたちは、例えば地域に散歩に出かけるなど、地域との接点をかなり多く持つようにしていると思う。喫茶店のような地域との接点となるスペースの配置についてなど、指針の記述が十分かどうか確認したい。

○ 小学生から高校生まで成長すると、やはり違いが出てくるので、小中高と全ての学部を持つ学校では、学部ごとに機能をきちんと分けなければいけないのではないかと思う。

○ 特別支援学校が大規模化すればするほど、職員室自体が窮屈になってしまうが、短い時間でも、毎日の子どもの様子について先生同士で話すことができればと思う。スクールバスを送り出したその場で、その日の様子を話せれば良いと思う。その場にホワイトボードが一つあれば、話がしやすい空間になると思う。

○ 業務の一部を民間委託しているなどにより、様々な職種の方が学校に入ってくる場合があるが、職員室には従来からの教員の場所しかなく、外部の方のためのスペースがない。そのために、職員室が非常に汚かったり、個人情報の管理がきちんとなされていなかったりするのかもしれない。職員室に様々な職種の方が入れるようになり、論議ができるようにすれば、個人情報の管理という意識もきっと高まるのではないかと思う。コミュニケーションをとる場としての職員室のあり方という視点があっても良いのではと感じている。

○ 職員同士のコミュニケーションの場について、職員室のそばに椅子10個と机を置き、ミニ会議場を作った例がある。加えて、その場所をパソコン上の予約によって使用する運営方法をとり、実効性を上げているという。場所だけでなく運営方法の両面がないと活用されないだろうと思う。
 最近はPT、OT、ST等の外部専門家を特別支援学校(特に肢体不自由校)に導入し、指導の専門性を高めている。外部専門家のスペースを別室として設けた学校では、教職員は誰も相談にいかないが、職員室の真ん中に外部専門家の場所をつくった学校では、教職員は皆相談に行き、短い時間も活用して指導方法の専門性を高める工夫をしている。
 特別支援学校への外部専門家導入は新しい試みであるので、そのための施設の在り方も今回の改訂で取り組むべき課題かと思っている。

○ (教員数が100名を超えるような特別支援学校の職員室の計画について)一つの大きな部屋を計画するだけではなく、機能別に部屋を分ける考え方もあり得ると思う。また一方で、一つの部屋として計画する際にも、必ずしも全員が自分の机を持つ必要はないのではと考える。

○ 職員室をフリーアドレスにする際、LANについては有線ではなくワイヤレスにする方が、コストが少なくて済むと思う。

○ (自立と社会参加に向けた職業教育の充実 について)専門高校との連携が重要で、自校で何でもやらなければいけないという時代ではないと思う。

○ 実践的な体験のための施設として、現在の宿泊体験室などは、今の時代にあまりそぐわないのではないか。地域社会との接点をつくり交流できるような空間の計画を考えていくべきと感じている。

○ (一人一人の教育的ニーズへの対応 について)「小空間の間仕切りをしやすいフレキシブルな空間」とあるが、自閉症の子どもの場合、間仕切りをする際には外部の音等に配慮して仕切る必要があると思う。

○ (情報環境の充実 について)ICTを活用した学習が、もう早晩見えてきている。デジタル教材、デジタルコンテンツを活用した学習に対応した施設設備の在り方についても記述を加えられないか検討してはどうか。

○ 知的障害の高等部などの分教室を高等学校等の余裕教室を利用して設置する事例は、いくつかの都道府県において出てきている。計画にあたっては、病弱児の分教室の計画と同様の考え方がまずあったうえで、高等部では特に職業教育に関する施設整備が手薄にならないようにしてほしいと思う。

○ 高等部においては、大規模化しつつあるために屋外の運動環境整備が非常に手薄になっている。既存の高等学校の校舎を転用する際には、既存グラウンドをつぶしたりせずにそのまま活用するなど、工夫が必要ではないかと思う。

(2)その他

・事務局より資料4に基づき今後のスケジュール案について説明。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

指導第一係
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2291)、03-6734-2291(直通)

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)

-- 登録:平成23年04月 --