環境を考慮した学校づくり検討部会(第8回) 議事要旨

1.日時

平成23年1月25日(火曜日) 10時~12時

2.場所

旧文部省庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 環境教育に活用できる学校づくり実践事例集(素案)について
  2. その他

4.出席者

委員

[協力者]有馬武裕、伊香賀俊治、海野剛志、押尾和子、小泉治、小澤紀美子、小峯裕己、村岡泰孝、長澤悟(敬称略)
[特別協力者]五島政一、新保幸一(敬称略)

文部科学省

(文教施設企画部)岡技術参事官、長坂施設企画課長、野口企画調整官その他関係官

オブザーバー

(環境省)畠中総合環境政策局環境教育第一係長
(生涯学習政策局)宮脇男女共同参画学習課家庭教育支援室家庭教育企画係
(初等中等教育局)佐瀬教育課程課教育課程第一係長
(施設助成課)都外川施設助成課長補佐

5.議事要旨

(○:委員、●:事務局)

1)環境教育に活用できる学校づくり実践事例集(素案)について

・事務局より資料2に基づき実践事例集について説明。その後、質疑応答と意見交換。

(全体について)
○ 事例集の中に掲載する事例は、様々な設備を導入した先進的な施設におけるものと、設備等は充実していないが、既存施設の中でもできるような一般的なものの二つのバランスが大切である。

○ 事例集に掲載する環境教育の学習事例は今後ホームページでいつでもチェックできるようにしてほしい。

○ 教育委員会にとって、太陽光パネル設置や芝生化などの施設整備後、学校側がどのように施設を環境教育に活用したらよいのかを示す資料として活用できる。

○ 第2章はエコスクールの整備が既に行われている施設で行う学習、3章は既存の施設や設備が無い場合に、学習に活かせるエコスクールをつくるという構成になっているのか。

● 第2章については、エコスクールを学習に生かせる事例を、3章については施設づくりのときの留意点を書いていければよいと考えているが、内容についてはきちんと整理したい。

○ 第2章はエコスクールの考え方を学ぶ章であり、エコスクールを学習に生かした結果を示す。第3章は改築のように予算をかける場合に学校側としてできることと、手づくりなど簡単な工夫で見える化や参加ができるということが並んでいてもよい。

○ 第2章は「エコスクールの原理を学習に生かす」、第3章は「学習に生かせるエコスクールの原理」というタイトルに変更してはどうか。第3章の1では大がかりなものを、第3章の2では日常の実験的なものを考え、身近な工夫で行えることを記述する。原理的な内容を学ぶことで家庭の省エネなどにも応用できる。

○ 事例集の配布先として教育委員会の施設担当部局だけではなく他の部局に配付してもよいのではないか。

(第一章について)
○ 新しい学習指導要領における環境教育の推進について説明しているページに、学力と生きる力を推進する中で、環境教育が大きな力を担っていくということを追記すると、学校現場として活用しやすくなる。

(第二章について)
○ エコスクールを活用した授業が、環境教育以外の授業や他の科目にも展開できるということを記載した方が良い。

○ 環境教育を授業で実践するために必要な、温度などの計測機器について情報提供することも必要。

○ 施設や設備について見える化を図る工夫として、数値を測るための放射温度計や風速計、照度計などの装置の紹介ページがあるとよい。

○ 関連する事例の近くに、コラム的に機器を紹介する箇所を作っておくのが良い。また、身近なもので計測器の代用を作れるといった簡単な工夫もあったらよい。

○ 緑のカーテンなど自然環境や植物を利用した環境教育プログラムは、一年生の生活科から、六年生の理科の実験までつなげることができ、活用しやすい教材である。これら以外にも8ページの「環境教育プログラムをつくる」の中に風力発電や太陽光など電気関連の発達段階に応じたプログラム例を追加したら全体のバランスがとれるのではないか。

○ 学習前に気づくとか、発見するということがあり、それを学習の中で実験、体験、評価するといった流れがみえるように構成するのがよい。

○ 耐震化をすることで、資源の有効利用やCO2排出量削減にもつながり、エコスクールと関わっているということを記載してほしい。例えば、神戸市立多聞東中学校で行っている牛乳パックを活用して耐震構造を学習する事例を掲載するのが良いのではないか。

○ 神戸市では阪神・淡路大震災の後、建築家による牛乳パックを利用した耐震構造の出前授業が行われるようになった。授業の様子は神戸市すまいの安心支援センターのホームページ「すまいるネット」で紹介され、閲覧できるようになっている。

○ 予算や施設設備の都合で学校単独で学習活動ができないが、博物館・科学館・教育センターなどの外部施設を活用することで体験学習ができるということを記載する。

○ 地域地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)では環境教育に関連した教材の貸し出しを行っているので参考情報として記載したらどうか。

○ 藤沢市は博物館施設を所有していないが、所有している近隣の市町村と連携し活用している。また、市庁舎には電気自動車の充電設備や、入口に踏むと電気が発生する装置を設置するなど環境について見える化した仕掛けがある。小学校の授業の一環で市役所の見学を行っている。

○ 横浜市では、家庭や日常に広げる工夫として、夏休みにエコカードを配付している。子どもたちは節水やこまめな消灯など家庭で取り組んだ環境対策を集めている。

○ 川崎市では、青少年科学館や地域の自然ボランティアと学校が連携している。

○ 100キロワットの太陽光パネルを設置し、ゼロカーボンスクールを目指した学校に、環境学習室を作った。そこでは太陽光パネルの仕組みなど物理的なことだけでなく、環境問題についても幅広く学習することを目指しているため、本事例集が役に立つ。

○ 「つなげる」というキーワードに、地域的な連携や、科目間の横の広がりという意味が含められないか。言葉の使い方を考える必要がある。

○ 「地域に貢献する」という項目は、地域の中の施設を活用したり、家庭に実践させることが重要という内容のため、「地域に広げる」という言い方の方が適している。

○ 地域に学習効果を広げるということと、家庭へ学習内容を戻すということは連動しているので、「家庭に広げる」という言葉があってもよい。

○ 「地域が参加する」という項目に記載されている内容は、貢献するというよりも「地域が支える」という意味合いの方が近いのではないか。

(第三章について)

○ 衣装ケースを活用してビオトープが作れるということや、緑のカーテンに使用するワイヤーロープの入手方法など現場の先生が取り組みやすくなるような工夫やヒントがあるとよい。

○ 20ページの「参加する、みんなで考える、つくる」という項目は、エコ改修のような工事を前提とした場合の事例を中心とするのではなくて、学校の現行の予算の中でできるような日常的なアイデアや身近な工夫を掲載するのがよい。

○ 「参加する」という項目だけ小項目が1つしかないので、本格的な設備の導入等により環境教育に取り組む場合と、身近な工夫で日常的に取り組む場合の2つに分けるのがよい。 

○ 第3章は、建築工事を伴うものと手づくりでもできる現場の工夫という側面がある。その両面があることが、見出しのところでわかるとよい。

○ 事例集に掲載されている主な事例について、CASBEE学校の評価で優れた結果になる項目を表示したら、教育委員会の施設担当にとってCASBEE学校を活用する動きにつながるのではないか。

○  CASBEE学校の考え方は、環境に関わる様々な要因の総合的な理解に活かすことができる。

2)その他 

・事務局から今後のスケジュールについて説明。                 

以上

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)