今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(第9回) 議事要旨

1.日時

平成22年3月12日(金曜日)13時30分から16時

2.場所

文部科学省東館16階特別会議室

3.議題

  1. 中長期的な対応方策の検討状況
  2. 新たな整備計画策定に向けた検討
  3. その他

4.出席者

委員

勝方委員、唐木委員、木村委員(主査)、小澤委員、小林委員、小松委員、杉山委員(副主査)、鈴木委員、豊田委員、中西委員、山重委員、山本委員

文部科学省

西阪文教施設企画部長、岡技術参事官、菱山計画課長、山﨑計画課整備計画室長、齋藤参事官(技術担当)、藤原会計課長 他

オブザーバー

酒井京都大学環境保全センター教授、新保国立教育政策研究所文教施設研究センター長

5.議事要旨

議題1 中長期的な対応方策の検討状況

(1)施設マネジメントに関するベンチマーク手法の導入について

・酒井京都大学環境保全センター教授より、資料1-1について説明があり意見交換。
<主な意見等>(○:協力者、●:オブザーバー)
○各大学の環境報告書を基に作成されたとのことだが、例えば、植物園などの温室効果ガスを固定しているものについてはどう扱っているのか。また、国立大学協会における活動との連携があるのか。
●森林等の固定量について触れている環境報告書もあるが、アメリカの大学等との意見交換では、固定量を試算することは当面控えるという動きがある。これは、大学の立地等により状況が大きく異なるため、固定量を比較するのは難しいという事情もある。また、国立大学協会の活動状況については十分理解していないが、連携していくことは今後の重要になると思う。

・事務局より、資料1-2及び資料1-3について説明。
<主な意見等>(○:協力者、●:事務局)
○エネルギーの使用量のベンチマーキングのグラフについて、大学特性別になっているのはわかりやすいが、附属病院は特殊だと思うので、附属病院だけ切り分けて病院単独のエネルギー使用量は出せるのか。病院で切り分けられると様々な対策を行う際の参考になる。
●附属病院の有無によって、エネルギー使用量が相当異なるので、ベンチマーキング指標を考える際には当然意識しなければいけない要素だと考えている。少なくとも大学の部局単位では、エネルギーを把握しているので、病院団地など団地単位での把握はできると思うが、その中で行われる教育研究活動を切り分けるのは難しい。附属病院を持っているキャンパスという単位で比較したほうが現実的だと思う。
○きちんと切り分けはできないかもしれないが、ある程度あいまいなところがあっても出してみるのは必要ではないか。
○環境報告書に記載されているデータを基にいろいろと検討するのであれば、データの正確性について再調査が必要ではないか。
○様々なシステムを使い、もう少し基礎データを収集することを促していくとよいのではないか。

(2)キャンパスマスタープランづくりの手引きについて

・小林委員より資料2-1について、事務局より資料2-2について説明し、質疑応答の後、了承。
<主な意見等>(○:協力者、●:事務局)
○附属病院についての記述がほとんどみられないが、例えば患者さんに快適に過ごしていただくような空間などといったコンセプトがあってもよいと思う。附属病院を大学のキャンパスに含めるかどうかという議論はあるかもしないが、附属病院の取り扱いについて、今後検討して欲しい。
○病院については、医療技術の進歩や建物の耐用年数等が普通のキャンパスとは異なるので、病院は切り離して計画するほうがよいのではないか。
●キャンパスマスタープランでは、キャンパス全体のゾーンニングや動線計画ということを整理しており、病院をどうするかといった個別の計画を整理しているものではないが、利用者には当然患者も含まれるので、追記を検討したい。
○医学部を設置している大学にとっては、学生とは別の患者という利用者がいるので、難しいとは思うが今後の課題として検討してほしい。
○この案はよいと思うが、学生の意見や視点を取り入れるようにすると、さらによくなるのではないか。

(3)大学施設の評価に関する新たな指標の開発について

・事務局より、資料3-1及び資料3-2について説明。
<主な意見等>(○:協力者、●:事務局)
○これからの発展を考えるなら、安全性に対しての評価指標も必要ではないか。避難場所があるか、シャワー設備があるか等細かいことだが、今後指標に入れられないか検討して欲しい。
○評価項目に加えるのか、自主的なチェックにするのか、いろいろ方法はあると思うが、まずは各大学においてデータベースをきちんと整備する必要がある。
○この指標は今後どのように活用する予定なのか。
●平成23年度概算要求から試行的に活用する予定である。
○試行は試行で実施しつつ、この評価項目についてどう思うか、大学の意見を聞いたほうがよいのではないか。

議題2 新たな整備計画策定に向けた検討について

(1)大学へのアンケート調査、意見交換の結果について

・事務局より、資料4及び資料5について説明。
<主な意見等>(○:協力者、●:事務局)
○今の日本では、なかなか学生からの意見を聞けない状況があり、ヨーロッパの状況に比べてとても遅れている。何とか学生の声を聞くという仕組みをつくらないといけない。
○国際交流を推進するための施設の評価は悪くなっている。国際化については、いろいろと課題を抱えており、施設というよりも社会の国際化が進んでいないことが影響しているのではないか。国際化を推進するためには、1大学や1研究機関でやるよりも、地域の大学や研究機関が一体となって取り組むことが必要ではないか。
○これは日本だけではなく、英語圏以外の国共通の問題ではないか。皆が英語を話せるようにするのは無理なので、例えば大学の中で生活ができるような環境を整備するなどの取り組みを行わないと難しいのではないか。
●社会的な背景ということもあると思うが、各大学との意見交換でも、国として留学生政策あるいは国際化を進めるのであれば、留学生宿舎や施設についても、きちんと支援してほしいという意見があり、今回の調査結果では、施設面での課題が出ていると考えている。
○留学生宿舎の整備については、国費からの支援が期待され、本当はそうあるべきだが、現状では難しいので他のスキームも考えなければならない。
○私が昔いた大学では、経費の節減と寄附金により、留学生宿舎を建設した。自己努力をした上で、国に、少しでも支援してもらえると大学はずいぶん助かると思う。
●意見交換の際にも同様の意見をいただいた。全額とは言わないけれども、自己努力を後押しするような支援をしてほしいということであった。

(2)重点的な施設整備の推進、新たな整備計画における整備目標の検討について

・事務局より、資料6、資料7、資料8について説明。
<主な意見等>(○:協力者、●:事務局)
○スペースが狭いという教員の方々の声があったが、狭隘化の解消ということは支援の方向性の中でどう考えればよいのか。
●3Sの中で示しているのは、改修や増築などの整備手法ではなく、どういった目的で整備を進めるかということを示している。したがって、例えば狭隘化を解消するといった場合には、戦略的な整備を進めるにあたり増築が必要となるといった説明をしてもらうことが必要だと思っている。
○運用の効率化や共同利用の視点を明記すべきではないか。
○建設した建物の維持管理については、大学が責任を持って行うことになるのか。どこまで国が支援をすることになっているのか。
●維持管理費は、国立大学法人運営費交付金の中に教育等施設基盤経費という経費が積算され、各大学に毎年配分している。
○ストラテジーとは、個々の大学が持つストラテジーということか。また、カテゴリーを設定するという話があったが、どのカテゴリーにあてはまるかは大学が考えるのか、国として誘導することを考えているのか。
●ストラテジーは、大学の戦略と国の戦略という2つを考えている。例えば世界的な教育研究拠点や国際化の推進については、国としてやってほしい部分もあるし、大学に考えてもらう部分もある。
○個々の大学に対して、ある程度方向性を示さないと、結局全体をあわせたら横並びで同じだったというような場合もあるのではないか。
○大学分科会が機能別分化の考え方を答申で出しており、現在の大学のおかれた状況を考えると、機能別分化は自然に進んでくるのではないか。施設のストラテジーというのは、このような考えに基づいて整理していくことになるのではないか。
○第2次5か年計画の成果・効果の検証の分析結果を十分踏まえて、新しい方向性を検討する必要がある。
○検証の分析において、研究者の育成や技術者の育成は半分近くが効果がないとあるが、この理由について分析をして欲しい。

議題3 その他

○事務局より、資料9に基づき今後のスケジュールについて説明

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大臣官房文教施設企画部計画課整備計画室

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