資料2 平成23年度国立大学法人等施設整備の方向性(案)

基本的な考え方

 国立大学法人等は、世界一流の優れた人材の養成、独創的・先端的な学術研究、高度先進医療の推進のための拠点であり、我が国の経済成長の鍵を握る人材力を強化し、技術力を発揮していくためのイノベーションの基盤となるものである。 

 文部科学省としては、「今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議」の平成21年8月中間まとめ『知の拠点-我が国の未来を拓く国立大学法人等施設の整備充実について』(以下「中間まとめ」という。)等を踏まえ、国立大学法人等の施設の重点的・計画的な整備を支援するとともに、施設マネジメント等のシステム改革への取組を一層推進する。特に耐震性能が著しく劣るIs値0.4以下の施設の耐震化については、平成24年度までの2年間で解消を目指す。 

整備の方向性等

1.整備の方向性

 国立大学法人等が求められている機能を発揮できるよう、「中間まとめ」で示された3つの課題「質的向上への戦略的整備」、「地球環境に配慮した教育研究環境の実現」、「安全・安心な教育研究環境の確保」を進めるための施設整備を重点的に支援する。

◇ 整備内容

(1)質的向上への戦略的整備

 各国立大学法人等の特性等に応じた「質的向上への戦略的整備」を進めるため、以下の5つの戦略カテゴリーを設定し、カテゴリー毎に大学等の戦略的な整備を推進する。この際、「地球環境に配慮した教育研究環境の実現」、「安全・安心な教育研究環境の確保」の2つの課題についても併せて配慮した施設整備を重点的に推進する。

 <戦略カテゴリー>

  1. 国際的に卓越した研究教育拠点機能の充実
  2. 国際化の推進機能の充実
  3. 高度な専門職業人の養成や専門教育機能の充実
  4. 大学等の特性を生かした多様な教育研究機能の充実
  5. 学生支援や地域貢献など大学等の戦略を踏まえ必要な機能の充実

(2)附属病院機能の充実

 先端医療・地域医療に対応した教育・研究・診療機能の強化に資するため、大学附属病院の計画的な整備を推進する。

(3)「安全・安心な教育研究環境の確保」及び「地球環境に配慮した教育研究環境の実現」の推進

 安全対策・環境対策等の観点から、耐震性が劣る施設の耐震補強や安全上緊急性が高い基幹設備の更新等を図る。

◇ 重点的な整備の視点

 国立大学法人等施設の整備に当たっては、各法人における中期目標・中期計画等を踏まえた要求に対し、各法人の優先度を尊重した支援を基本としつつ、国の各種政策や社会的ニーズ等への対応も勘案した上で、上記(1)、(3)に係る整備のうち、以下に示すような課題に対応した整備及び上記(2)に係る整備に対して、特に重点的に支援を行う。

○Is値0.4以下の施設の耐震化

○大学間の連携・協力を図りつつ、施設の共同利用を進める教育研究拠点の形成

○グリーン・イノベーションやライフ・イノベーション等の分野で世界トップに立つ研究推進のための基盤の強化

○外国人研究者への対応や留学生受入れ等の国際化の推進のための研究・交流スペースの整備

○医学部定員増への対応

○図書館など学生(附属学校の児童生徒等を含む。)支援環境の充実

○安全上特に緊急性の高い基幹設備の更新 

2.システム改革の推進

 システム改革に関する取組を一層推進することとし、各法人における以下の取組を評価し、事業選定に反映する。

○ 施設マネジメント

  • 全学的視点に立った施設運営やスペースの弾力的・流動的活用等の既存スペースの有効活用
  • 長期間にわたり良好な状態の施設とするための維持管理

○ 効果的な省エネルギー対策

○ 自助努力に基づいた多様な財源を活用した整備手法による施設整備

○ 適正な事業執行

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文教施設企画部計画課