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資料1

今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議
(第14回・平成14年度第1回)議事録(案)

日  時   平成14年11月29日(金)10:00〜12:00

会  場 学術総合センター1階  101・102・103特別会議室

出席者
委員 木村委員(主査)、大ア委員(副主査)、池端委員、石委員、小野田委員、岸田委員、小松委員、鳥井委員、中塚委員、西川委員、林委員、山本委員

事務局 萩原文教施設部長、舌津計画課長、岡技術課長、金谷整備計画室長、藤井専門官、新保監理官、並河保全技術官、
(以上メイン席)
澤本整備計画室長補佐、長沢計画課長補佐、佐藤計画第一係長、後藤技術係長、安田保全企画係長、鈴木保全技術係長、松永指導係長、棧敷企画係長、平野係員、竹内係員、島岡係員、齋藤係員
(以上傍聴席)

オブザーバー 黒崎企画課長(財務センター)、松ケ迫大学課長補佐(高等教育局)、小山学術機関課長補佐(研究振興局)

議事】
1   施設の管理運営に関する方策について
2   施設整備に関する今後の方策について
3   その他

配付資料 】

資料1   今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究について
資料2 国立大学等施設に係る調査研究の経緯(平成8年度以降)
資料3−1 今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究の検討テーマ(案)
資料3−2 国立大学法人(仮称)の施設整備(案)
資料4−1 「知の拠点」にふさわしい大学等施設について−検討趣旨−
資料4−2 「知の拠点」にふさわしい大学等施設について−検討の方向−
資料4−3 専門部会委員名簿(案)
資料5−1 「国立大学等施設緊急整備5か年計画」後の整備方針について−検討趣旨−
資料5−2 科学技術基本計画(抜粋)
資料5−3 国立大学等施設緊急整備5か年計画
資料5−4 「国立大学等施設緊急整備5か年計画」の進捗状況
資料5−5 大学改革について
資料5−6 学術研究の重要性について(答申)
資料5−7 「国立大学等施設緊急整備5か年計画」後の整備方針について−論点メモ−
資料6 今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議の議事内容の公開について(案)
資料7 今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(第13回)議事録(案)

参考資料 】

参考1   国立大学等施設の整備充実に向けて−未来を拓くキャンパスの創造−  (平成10年3月)
参考2 国立大学等施設に関する点検・評価について(平成14年3月)
参考3 「知の拠点」を目指した大学の施設マネジメント(平成14年5月)  −国立大学法人(仮称)における施設マネジメントの在り方について−
参考4 国立大学等施設の新たな整備手法に関する事例集(平成13年5月)
参考5 国立大学の法人化に向けた制度設計の方針について
参考6 新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について(中間報告)
参考7 労働安全衛生法対応について
参考8 ガイドブック:学術研究施設の計画
参考9 英国におけるベンチマーキングの実例
参考10 国立大学等施設緊急整備5か年計画の推進(パンフレット)
参考11 文部科学時報(平成14年9月)

【議事概要】○:委員、△:事務局

  本調査研究に関するこれまでの経緯と、今後の検討テーマについて、説明。

  検討テーマが国立大学等施設緊急整備5か年計画後の整備方針となっているが、緊急整備5か年計画は科学技術基本計画との関連で期間が5か年となっている。今回の検討は法人化後の中期計画期間6年に合わせて考えていく必要がある。

  大学が施設整備計画を作る際には、国が今の緊急整備5か年計画を含んでの6年間の考え方を持っていないと、各大学の施設整備計画を認可するかしないかという方針が定まらない。

  国立大学の施設の老朽・狭隘化など、現実に合わない姿になった最大の原因は大学が教育研究の組織改編を要求したときに、施設の対応の保証無く認められてしまうことに問題がある。その結果、その劣悪な状態が続いて積みあがっていく。法人化後はかなり大学が主体性を持って実行できることになるので、当然施設の対応が関係してくる。それが伴わないと、国立大学の施設整備を適切に維持管理していけない。

  施設マネジメントの報告で強調しているのは施設整備と教育研究計画と一体として考えるべきということである。だからこそトップマネジメントとして両方をにらんで計画を考えて進めるべきである。その際、中期計画・中期目標の立て方が重要である。現実的な視点に立って6年間を考える際には、各大学では国から措置してもらう面と、自己努力で考える面を調整することが中期計画段階でできないと、せっかくの中期目標・中期計画のシステムが活きてこない。

  施設整備で対応するということは、今の財政事情を考えると、施設整備についてあまり甘い期待は得られない。発想を少し変えて、新たなスペースのニーズに対しては施設を借りるなどの対応をして、その財源を老朽化対応に回してはどうか。また施設整備費を使わずにリースやレンタルするから運営費交付金にその分充当転換することも考えられる。整備のみが目的ではなく、一定の施設水準を確保すれば良いので、そのような発想に立つのも重要である。

  運営費交付金で一定割合を標準的に施設のメンテナンスに当てるべきで、ガイドライン的なものを提示した方が良いが、問題は、運営費交付金の対象となる施設が限定され、外部資金や自己収入で建てた施設が対象とならないことである。

  本来新しく法人化される場合に、施設は健全な状態で出資されるべきだが、老朽施設というのは負の資産である。負の資産を出資すると、各大学は、運営費交付金などで手当てをしないとどうにもならないのではないか。また、自己資金で建てた施設はその後も国が面倒を見ないとすると、これは本当に減価償却して引当金を積んでいかないとそれだけで終わってしまい、自己資金で立派な施設を造っても、その大学は後々損をすることが懸念される。

  老朽化・狭隘化対策は基本的な問題で、6年間でどうするかという方針を国としては出すべきである。したがって6年間で出来るミニマム・リクワイアメントを見直し、最低限ここまで国は保障する、各大学もいろいろな知恵を出して、何も壊して建て替えるだけではないという観点から、既存施設の再活性化という計画に踏み込んでいく必要がある。

  これからの科学技術は社会との調和が大事であり、周辺地域との共生を考える必要がある。また、短期間のプロジェクト研究が増えてきていることを考えると、間仕切壁が容易に変更できたり、取壊しがすぐできるなど、安価で機動性のある施設が必要である。またバリアフリーについても考えなくてはいけない。

  競争的資金型の研究施設についてはフレキシブルな運営というものを念頭におきながらの整備が必要になるが、一方、教育施設は安定した、フィックスした考え方できっちり計画的に整備しなくてはいけない。

  大学の中で教育研究の方針や施設整備計画の話になると必ず話の中心は研究施設になる。学生のための施設あるいは公共で共同利用で使う施設のことについては話す人は少ない。教育の観点での施設を造っていくような点を制度の中でも上手くバランスをとれるように誘導できるような仕組みを考えていく必要がある。

  大学の教育研究や社会貢献的な活動に対する基盤としての施設の供給の仕方として、新しく建てるべきものもあれば、既存施設の再活用もあれば、借りることも考えられる。これらをどう組み合わせて大学として発展するかは、個々の大学が考えるべきだが、その際、個々の大学が考える際の指針となるような考え方が計画に出されてもいい。

  研究施設が優先されることに関しては、まず大学人の意識を変える必要がある。どうしても自分たちの都合で施設を要求するので、教育施設についてどの程度の重要性を各先生が付与してくれるかということにかかる。

  研究のほうに偏って教育施設がおろそかになるという議論はおそらく、文科系と理科系の大学とで全く違う。文科系の大学は教室でしっかり教える、ゼミナールの部屋を作る、教育に対する意識が最近変わってきた。理科系のように膨大な研究施設を造らなければならないということはないため、一律には言えないのではないか。

  アメニティは非常に重要なことである。特に施設を建物の整備と考える人が多いが、施設の概念には外部空間も含まれている。アメニティを支えているのは建物だけでなく、外部空間などの何も無い空間に支えられているところが大きい。だから基幹・環境整備の充実も併せてやっていく必要がある。

  老朽化した建物について少し手を入れれば使えるのに非常にもったいないという感覚がある。一方、研究でも特に華々しい分野、具体的には大学院とか卓越した拠点には予算がつく。大学として概算要求しやすい。ところが老朽化した施設の中でも教育施設や学生のための施設は問題だということになったとしても、実際には予算がつかないだろうと、申請する前に諦めているのが現実である。人材育成という面からいっても、エリートとはいかないまでも、若い人たちを育てるのに本当に酷い状況である。

  老朽化の解消というときに建て直すことだけが計画の内容ではなく、改修すれば20年30年立派に使えるものがあれば、その改修経費も積極的に項目を立てて、大学もその方向で施設計画を考えるということが必要ではないか。

  現在の緊急整備5か年計画には4つの柱があり、その4つのうち面積的に最も大きいのが老朽解消改善。その達成率が4割に達していないが、この5か年で少なくとも昭和45年以前の施設についてはすべて改修を終えるというのが、5か年計画の柱になっている。従って16・17年度の予算は基本的に改修に重点をおくという方針でいる。

  日本には、改修するという文化が無い。すぐ壊して新築する。最近は状況が変わり、非常にリフォーム技術が進み、住宅でも改修が行われている。大学の建物で大規模な改修を行うと初期投資は掛かるが、部屋が見違えるようになり、またエネルギー効率も良くなるため10年くらいすると完全に元が取れる。

  国立大学を見てみると、実にサイズの小さな建物が並んでいて効率的でない。建物の大きさは目的に応じた要求があって決められるが、サイズと経済性を含めた基準があったほうがよい。

  これまでの日本は、スクラップ・アンド・ビルドであった。それが時代の変化で、都市でもオフィスが住宅へ再生される事例が見られるようになった。これは非常に重要なことである。また、大学の場合は建物の老朽化だけでなく、キャンパス全体、環境も老朽化するという視点は必要。昭和45年以前の建物は基本的に5か年計画で全部改修するということだが、キャンパスの中で、昭和40年代の建物は、特に配置が悪い場合がある。建物の改修と同時にキャンパスの改修も行う際には、必要に応じて建替えなど最適な手法を選んでいくという視点も必要。

  国立大学ではスペース管理の問題にも絡むが、研究室の独立意識、教官の自分の領域という意識が非常に強い。教官は、部屋を借りているという思想で使い、家主としての大学が環境整備をするといった役割分担・責任の明確化をしないと施設整備は上手くいかない。

  主査から専門部会の発足の提案。委員から承認を得る。

以上



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