「教室等の室内環境の在り方について−天井高さを中心として−」（概要）

第1章　教室環境づくりの経緯と現状

• 教育内容・方法の多様化に対応した教室環境の多機能化・高機能化
• 快適で十分な安全性、防災性や健康的な環境等を備えた教室環境づくり
• 建て替えから改修による再生整備への転換
• 学校の教室の天井高さの基準の見直しの必要性

第2章　教室等の室内環境の在り方について

1　今後の教室環境づくりに向けて

• 教室等で行われる活動に係る要素（人数、学齢等）に応じ、教室空間に係る質に係る要素（広さ、平面・断面形状、空調・換気設備、仕上げ材等）を総合的に検討することが重要。
• 多様な学習形態への対応、健康的かつ安全で豊かな教室環境の確保を図ることが求められており、これに対応するためには、創意工夫により多様な教室環境を創出することが重要。

2　教室の天井高さの在り方について

（検討の内容）
　現行の教室の天井高さの規定（3メートル）の在り方について以下のような多面的な検討を行った。

		建築基準法制定時からの建築設備の高度化等、教室の天井高さが児童生徒の心身の健康に与える影響について設営室を用いた実測調査、海外の学校における教室の天井高さの規定の状況、学校以外の建物の天井高さの現状、学校施設を有効活用することの重要性、天井高さを下げた場合の建設コストの分析、国立教育政策研究所の研究会からの報告

• 上記1、2の検討結果を総合的に勘案し、天井高さ3ｍの最低基準は廃止することが適当であるとの結論。

第3章　教室等の良好な室内環境を確保するための方策

　第2章までの中間報告（平成17年9月）を受けて、同年11月に、「建築基準法施行令の一部を改正する政令」が公布・施行され、学校の教室の天井高さに係る特例が廃止。
　今後、この特例の廃止を生かし、より良好な教室環境を持った学校づくりを促進するため、教室等の良好な室内環境を確保するための方策を提言。

1　良好な教室環境づくりを進める際の基本的な考え方

• 良好な教室環境づくりに当たっては、多様な視点から、教室環境に影響を及ぼす要素を総合的に検討することが重要。
• 教職員や保護者、地域の人々、行政関係者、専門家等の関係者が参画しながら、教室を利用する児童生徒の声にも配慮した教室環境づくりを進めていくことが重要。

2　教室の天井高さに係る計画・設計上の留意点

• 学校設置者が天井高さに係る計画・設計を行うに当たって留意すべき点を、空間構成、室内環境、室内装備等、その他の観点から整理。

3　教室環境づくりの創意工夫の事例（天井高さを中心として）

• 天井高さを中心とし、空間構成・形状等を様々に工夫して教室環境づくりを進めている取組を具体的な事例として紹介。