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特別支援学校施設部会(第3回)議事録

1. 日時
平成18年9月28日(木曜日)10時〜13時

2. 場所
キャンパスイノベーションセンター2階 多目的室2

3. 出席者
[協力者]
飯塚哲、岩本弘子、上野淳、長田美紀子、神尾裕治、古瀬敏、新保幸一、田中良広、成田幸夫、林茂和、平根孝光(敬称略)
[事務局]
(文教施設企画部)
舌津技術参事官、岡施設企画課長、森文教施設環境対策専門官、金光施設助成課長補佐、廣田指導第一係長
(特別支援教育課)
瀧本特別支援教育課長、池尻特殊教育調査官、石塚特殊教育調査官、下山特殊教育調査官、他

4. 資料
資料1   特別支援学校施設部会(第2回)議事録(案)
資料2 特別支援学校施設部会(第2回)における主な意見
資料3 聴覚障害とその重複化の状況等について(林委員プレゼン資料)
資料4 視覚障害とその重複化の状況等について(神尾委員プレゼン資料)
資料5 弱視の児童生徒の施設環境整備について(田中委員プレゼン資料)
資料6 学校施設整備指針策定に関する現地調査概要(途中経過)
資料7 検討すべき個別テーマ(たたき台)
資料8 特別支援学校施設部会における調査研究ロードマップ(案)
資料9 今後のスケジュール(案)

参考資料 現行の「盲学校、聾学校及び養護学校施設整備指針」の構成

5. 会議概要
1  開会
2  議事
(1) 関係委員からのヒアリングについて
1 聴覚障害とその重複化の状況等について(林委員)
2 視覚障害とその重複化の状況等について(神尾委員)
3 弱視の児童生徒の施設環境整備について(田中委員)
(2) 現地調査報告(途中経過)について
(3) 今後の検討の進め方について
(4) その他
3  閉会

6. 議事
本日は、勉強会、現地調査の中間報告、最後に今後の進め方について、やや多角的な討論をお願いしたい。

事務局より前回部会における主な意見について資料1〜2に沿って説明

(1) 関係委員からのヒアリングについて
今日は、聴覚障害とその重複化、視覚障害とその重複化、弱視の児童生徒の施設環境整備について、それぞれ15分ぐらいずつプレゼンテーションを受けて、その都度簡単な質疑応答をしたいと思う。まず初めに林先生からお願いしたい。

1 聴覚障害とその重複化の状況等について(資料3)

以前、聴覚障害というのは遺伝性であるなどと言われた時期もあったが、現在は子どもが生まれる前後の周生期の障害としての聴覚障害が大変多くなっている。

聴覚生理的に考えると、大脳皮質の聴覚野の部分は、聾教育の範疇ではなく、どちらかというと知的障害、重度心身障害児の範疇に入る教育が進められている。音を感じる器官である蝸牛管の障害については主に聾学校で対応している。今は形成外科が大変発達し、鼓膜の再生や耳小骨の部分については形成手術ができ、かなり医学的な手が入っている。もう一つ、蝸牛管のすぐ横にある三半規管は医療的な部分と連携しながら教育するところになっている。

(高等部の卒業者には)毎年200人を超えるセンター試験の受験者を含めて大学進学者がおり、聴覚障害者のための筑波技術大学への進学もかなり進んでいる。雇用については、雇用促進法に基づく形で100パーセントを超える求人率が今でも進んでいるが、福祉就労、福祉関係で、重複障害の子どもたちにとってはそれぞれが障害別に施設を持っているところもあり、重複障害の子どもたちが若干苦労している。それでは、実際に聴覚に障害がある子どもたちが音をどのようにとらえているのかというのをちょっと聞いていただきたい。

聴覚障害者の聞こえ方について、音声を使用して説明

聾学校、聴覚障害教育については、一義的に聴覚の障害に対してどのようなケアをしていくのか、補償していくのかという部分であり、「自立活動」と言っている。これは、障害に関する部分の教育をする(教科ではなく)領域である。

盲学校、聾学校、病弱養護学校及び肢体不自由養護学校の一部については、「準ずる教科指導」として幼稚園・小学校・中学校・高等学校と同等の教育課程を組んで指導しているところである。この「同等の教育課程」を組んで指導しながらも、その教科の中で聴覚の障害に関わるケアをする部分を、以前は「関する養訓」と言っていたが、現在は、「関する自立活動」として指導をすることとされている。

センター的な機能に関わる部分で、学校の中に対する特別支援教育と学校の外に対する特別支援教育の2つに大きくきちんと分けていかなければならない。

早期聴覚障害教育に関わる部分も施設的に配慮する必要がある。

聾学校に在籍する子どもの「保有する聴力」を最大限活用する方法が重要である。(施設の実例については資料3−2を参考)

赤外線補聴システムとフラットループ補聴システムのそれぞれの特性に配慮しながら、場所、活動を問わず、子どもたちの聴覚を保障することが必要。

新生児の聴覚スクリーニングに伴う医療・保健とのつながりが必要。

補聴器を通すと雑音も一緒に増幅されてしまうので、聾学校の環境を音を聞きやすくするための簡易防音等、工夫が必要。

雑音を消しながら必要な音をきちんと補聴できるような環境が必要。

聴覚に障害があると、二次的な障害として言語の障害が出る。その対応として、音声言語障害に関する指導が必要である。

聴覚の障害を補完する情報保障として、「見える校内放送」システムなど、リアルタイムの文字情報をきちんと与えていく必要がある。自分の目で見て情報を選択し、判断し、行動し、責任を持って社会に出ていけるという子どもを育てるためにもぜひ必要である。(事例については資料3−3、3−4参照)

日本語の文字言語による定着をきちんと図るため、通常の学校以上に教科・教材の整備が必要である。(葛飾ろう学校の図書館整備の経緯については資料3−8を参照)

職業の専門に関する教育として、聾学校の高等部、普通学科、それから工業、商業、家政など、いろいろな形での職業の学校を全国に持っている。学習指導要領の高等学校の職業の専門教育にかかわる教科・科目プラス聾学校独自の部分の整備も欠かせることができない。

聾学校の内外に対する聴覚センターとして、センター的機能を持つ聴覚支援センターの設置が必要である。自立活動も含めた形で聴覚補償・情報保障の点から必要な設備と備品については資料3−5を参照にして欲しい。同様に、新生児聴覚スクリーニングに引き続く形の早期教育という形での乳幼児教育の部分は資料3−6を参照にして欲しい。

聾学校でも通級学級を持っており、難聴・言語障害学級等も含めた形での通級にかかわる部分の施設設備等を資料3−7に挙げる。

都道府県や市町村教育委員会が参考にしている「通級による指導の手引」の抜粋を資料3−9に挙げる。難聴に関する記述を充実させていくことが必要。

重複障害に関わる施設設備の部分では、全国の聾学校での調査で、平成17年度の重複率は12.6パーセント、本年度の重複率は14.1パーセントという形で若干伸びているが、他の障害と比べると、聾学校の場合、重複化の進展は顕著ではない。ただ、聾学校の通常の学級の中にも、若干情緒障害や自閉的な傾向のある子どもが近年多く在籍するようなところもある。

重複障害学級がある学校では、「準ずる教科」の指導と、教科や領域を合わせた養護学校の知的養護の指導に関する部分について、施設設備の配置の工夫などが必要である。

聴覚障害に対するバリアフリーは、なかなか進んでいない。どちらかというと、鉄道が一番進んでいるが、一番進まなければいけない聾学校がなかなか進んでいない。理解を広めるという意味でも、聾学校や難聴学校では、バリアフリーの最先端の環境のよい施設設備づくりが必要と思う。

聴覚障害と他の障害との重複というのは、主にどういう種類になるのか。

主に知的障害との重複率が一番多い。ただ、地方によっては肢体不自由養護学校への通学が困難な子どもについては、肢体不自由の子どもも重複学級にいる場合があるが、聾学校の中には肢体不自由の子どもに対する機能訓練の専門の教員や施設がないので、適正就学という意味からいうと、肢体不自由を併せ持っている子どもは肢体不自由養護学校の方が適切と私は考えている。

聾学校で聴覚障害のためのバリアフリー化が余り進んでいないというのはどういうことか。

歴史的に、聾学校は音が聞こえなくても話せるようにすることを目的としており、また、補聴器があまり発達していない時代から聾学校があったため、補聴器の発達や情報機器の発達に伴った形で学校施設設備や内容の整備が余りされてこなかったという考え方がよいと思う。補聴器、情報機器を活用すれば、かなりの活用できるだろうと思うが、既に明治時代には盲・聾学校があったので、歴史的な部分を引きずっている校舎もある。

全国の聾学校の現実として、職業訓練的には、施設設備が非常に整った学校であっても、使われている形跡が少ない学校があった。最近の子どもたちが就職していく先と、古くからある聾学校の施設とのギャップみたいなものは相当あるのか。

指摘のとおり、伝統的な聾教育は、「言葉」と「手に職」という2つの柱でなされてきた。これだけ産業が高度になり、多様化してくると、1つの職業だけではとても無理な部分があり、ここ10年ぐらい、聾学校での職業学科もしくは職業の教育課程の再編整備が進んでいる。ただ、そこでネックになるのが、新しい部分の職業学科に対して学校設置者がどのような考えを持っているかということと、指導する教員である。木工関係は聾学校の歴史的なところで、男の子は木工、女の子は縫製という形で、明治の後期から大正時代につくられたところがあり、古い職業観を引きずっている部分については、そういう現実がまだ残っている。一方、都市近郊では、例えば東京だと情報系とかデザイン系とか調理師関係、大阪だと福祉関係のコースなど、学科や教育課程の再編成が今進んでいるところである。

一般論として、学校建築では吸音に注意して設計しないので、特に廊下などは非常に吸音性能が低くて、我々でもうるさい感じがするが、聾学校の場合、または一般学校の難聴言語の通級などがあるケースでは、吸音性の高い設計した方がよいのか。

補聴器をしている子どもがいる場合には、音環境はかなり配慮しないと耳の健康のために悪い。これは聴覚障害だけではなく、実は自閉や情緒障害の子どもにも音に対して大変敏感な子どもがかなりいるので、建築上の配慮が必要だと考えている。

次は、神尾先生から、視覚障害とその重複化について、レクチャーを受けたいと思う。

2 視覚障害とその重複化の状況等について(資料4)

厚生労働省調べでは、視覚障害者は30万1,000人おり、身体障害者全体の9.3パーセントである。年齢でいうと、高齢になるに従って視覚障害者が多くなり、60歳以上が64パーセントに対し、18歳未満は5.9パーセントで非常に少ない。

視覚障害と言っても、実は視力だけではなく、さまざまなものがあって視機能の障害と言う。近距離視力のほか、視野、明暗順応、眼球運動、両眼視、色覚の異常がある。

全国の盲学校の設置状況は、69校2分校で、ほぼ各県に1校である。設置学部は、幼稚部から高等部まである。高等部では本科3年と専攻科3年間、専攻科は職業教育で、主に鍼灸・マッサージの職業教育を行っている。在籍者は高等部専攻科の人が非常に多く、平成18年の実数で1,362人である。

盲学校の児童生徒の使用教材の状況は、幼稚部・小学部ではかなり点字使用者が多いが、高等部になるとかなり少なくなり、全体としては、点字使用が約4割で、弱視の拡大文字使用が約6割という状況になる。

盲学校の教育内容は、聾学校と同じだが、準ずる教育として、幼・小・中・高と同じ教育内容を視覚障害に配慮して行う部分と自立活動がある。また、盲学校の場合は重複障害の割合が非常に高いので、重複障害が一つの大きな柱になる。それから職業教育である。

視覚障害児への配慮のポイントは、安心して自由に動けるという事、一つのものをじっくりとわかるまで時間をかける事、体験や経験というものが非常に大事になるという事である。

盲学校の高等部の進路状況ということで、グラフで、高等部本科の卒業生については、専攻科あるいはその他の学校に進学が約3分の1である。逆に施設や在宅が3分の1強ある。職業課程の卒業生は就職あるいは開業が約3分の2である。

視覚障害の重複について、盲学校事務長会調べでは、知的障害との重複の子どもが非常に多く75パーセントであり、それから肢体不自由、病弱、その他の順に続く。その他には三重以上の重複や、情緒不安定や自閉的な傾向も含まれていると思う。聴覚障害との重複は約1パーセントである。その他に13年の特総研の重複障害研究部の調べでは、視覚聴覚二重障害は盲学校には100名近く、聾学校には54名程度在籍しているという調査結果もある。

重複障害について、特総研の重複障害研究部のまとめによると、視覚障害を伴う重複障害は、視覚障害が基本なので、占める割合がかなり大きい。自分から進んで探索活動をするということはなかなか難しい、模倣ができないので非常にモデルが成立しにくい、共同注意、共属、共感がなかなか難しいということが指摘されている。

指導のポイントとして、探索・予測して確かめをすること、空間の把握、概念形成や場面の理解、視覚障害教育の専門的指導、体験を通して学ぶことが大事なので、適切な教材教具、学習時間をきちんと確保し、実物や模型等を使っての学習が非常に重要になる。加えて、重複障害の子どものために、それぞれの障害に合った施設設備が準備されなければいけないと思う。

選択的機能として、盲学校も聾学校と同じように、かなり前から0〜2歳の乳幼児を中心に支援活動を行っており、早期教育相談支援、弱視や視覚障害の小・中学生の教育相談支援、中途視覚障害者の相談を行っている。小・中学校で担当している方々への研修会、ボランティアとの連携も非常に大事であると思う。

盲学校の相談支援について、16年度実績では、ゼロ歳から幼稚部の段階の5歳ぐらいまでの子ども1,100名を超えて支援しており、盲学校在籍数約3,700名に匹敵する相談支援を在籍外の幼児・児童・生徒に行っているという現状があり、施設設備としてもセンター的機能を発揮するような施設設備が必要であると思う。

特に視覚障害は情報障害と言われ、施設設備の面で単なる図書館ではなく、情報センターとしての図書館になる必要がある。それが校内LANをはじめ、各研究機関・盲学校と連携をとれることが、子どもたちの学習保障にとっては非常に大事だと思う。同時にIT環境の整備も大事である。職業教育も、鍼灸やマッサージ以外の職業をいかに開拓していくのかという意味で、職業教育の充実も大事である。また、視覚管理を行えるきちんとした設備が大事であると思う。

3 弱視の児童生徒の施設環境整備について(資料5)

視機能を表す時に、視力値が随分強調され、唯一の尺度として語られることがあるが、実際には、いろいろな見え方がある。視力値は0.1でも、ほかの視機能は全然違うということはよくある。

視覚障害になると、少し極端な例だが、視覚障害児は晴眼児と言われる子どもの10分の1の情報しか獲得していない。そうなると当然、情報量は不足し、先ほど神尾委員の話にもあったように、行動の制限がある。情報量が不足して行動が制限されると、知識・実体験が不足して、外へ働きかける力が不足し、情報を獲得できないという悪循環に陥ることになり、知的発達や身体発達、社会性の発達に影響を及ぼす。一番問題なのは、弱視の子どものほとんどが、先天的に弱視の状態になっているので、自分がこれだけ見えていないということに自分で気がついていないところである。

情報の不足分は、教材教具の工夫、指導上の配慮、自立活動の指導、環境の整備で補う。なるべく早期に情報格差を是正する働きかけをすることが大事である。

視力は弱視の状態で改善は望めないが、視覚認知力を高めることはできる。それが弱視教育の根本である。それには、拡大したり、色のコントラスト比をつけてはっきり区別して見せたり、よく見えやすい環境をつくることが大事になってくると思う。

環境整備に少し焦点を当ててみると、机やいすの問題、書見台、書写台、カーテン、照明、学用品、それから色彩への配慮ということが求められている。

コントラスト・ポラリティー効果と言われているものがあり、目の透光体・角膜・水晶体・硝子体に問題があると、場合によっては黒地に白い字の方が見えやすくなる。

一般的に見やすい色の組み合わせは、医学的に検証されており、色覚に障害がない場合、赤、黄、緑、青という組み合わせが見やすい(区別がしやすい)と言われている。色覚障害の人にとっても、青とピンク、黄色と水色、赤と水色といった組み合わせは問題がないとはっきり検討されている。

施設整備の視点として、環境状況を空間的に区別すること、校舎内環境の明るさ、意図的に見ようとする態度を育成する環境構造の3点が大事なのではないかと思う。

かなり強度の視覚障害やある程度の弱視の視覚障害の子どもが盲学校で教育を受ける場合と、通常校に通学して一定程度の弱視の子が教育を受ける場合の境界について、現状はどのようになっているのか。

例えば、調査によると、大体(視力が)0.03から0.04くらいの強度の弱視の場合、点字使用と拡大文字使用の境目と言われているので、通級の弱視学級ではなかなか対応できないということになると思う。

就学状況について言えば、以前だと就学基準がある程度明確に区別されていて、0.3あたりで分けていたのもあるが、平成14年の9月にいわゆる認定就学という制度を設けたことにより、視力値の段階により就学先がそのまま盲学校、弱視学級、通級指導、通常で配慮といった順番が崩れているので、逆に盲学校にもかなり視力のいい子どもがいる。逆に視覚認知に問題があるから盲学校にいるという子どもも出てきているし、逆に通常の学校に全盲の子どもがいることもよくある。先ほど神尾委員の資料にありましたが、養護学校等にかなりの割合で弱視の子どもがいることは報告されていて、例えば京都市の呉竹養護学校という総合制の養護学校について言えば、4割くらいの子どもに何らかの視覚的な問題があるだろうと言われている。精査されてきていると思うが、かなりの割合でいるということは大体わかっている。

情報量の不足というところで、例えば全盲の子どもなどは、音声で情報をきちんと伝えていくことや、本を朗読するボランティアや、信号機の盲人用信号という形で音を流したりしているが、学校教育の中で視覚障害に関わった部分のところで、視覚障害による情報の不足を音で補う部分とはどのぐらい重要で、どんなところが必要なのか。

林委員が言うとおり、聴覚の活用は非常に大事であると思う。視覚が不十分なので、情報は触覚プラス聴覚によっている。全盲の子どもの場合は、実際の生活の中で音を十分に使って情報を補うことが非常に大事であると思う。学校教育の中でも、例えば自立活動の部屋については壁を吸音板や防音板にして、できるだけ反響音を少なくするなど、音により情報を得て行動ができるようにしている。

養護学校一般にも視覚障害の子どもは4割いるとか、場合によって一般校にも相当程度の弱視や視覚障害の子が就学しているとすると、先程の弱視・視覚障害のある方になるべくわかりやすい環境をという田中委員のプレゼンテーション中の内容は、学校建築全般に必要だと思ってよいか。

そういうことであると思う。

次に第2議題に入りたいと思う。9月早々から精力的に行った現地調査の途中経過について、事務局から説明をお願いしたい。

(2) 現地調査報告(途中経過)について
事務局より資料6に沿って、現地調査の途中経過について説明。説明があったのは以下の10校。

 筑波大学附属久里浜養護学校
 大阪府立羽曳野養護学校
 京都市立東総合養護学校
 京都市立二条城北小学校
 京都市立北総合養護学校
 小松市立安宅小学校
 小松市立芦城小学校
 石川県立錦城養護学校
 石川県立ろう学校
 石川県立総合養護学校

今日は、一校ずつ議論するのは控えることとする。資料6は今後整備指針を書き込んでいく上で貴重な資料になることと思うので、次回までにゆっくり見ておいて欲しい。

(3) 今後の検討の進め方について
第2回目からさまざまな角度から特別支援教育、あるいは障害そのものについての勉強会を行ってきた。これらは別途資料としてまとめられると思うし、並行して現地調査もしてきたが、これからは、それらをまとめつつ、具体的に整備指針をどのように書き込んでいったらいいかということを次回あたりから具体的に議論することになると思う。問題が非常に多岐にわたるので、幾つか大きいテーマを柱立てに従って議論をしていき、最後にまた相互の関係などを調整するという進め方で今後の部会を運営したらどうかと考えている。その意味で、第1段階の提案として、今後の柱出し、個別テーマの設定について、資料7と8を用意した。

事務局より今後の進め方について、資料7〜8に沿って説明

まず、特別支援学校について、障害種を越えた、または場合によっては越えない特別支援学校の施設のあり方、複数の障害種に対応する施設のあり方について、施設整備上の課題を抽出していく作業。センター的機能というのは一体何で、それに対して施設設備にどのような配慮が必要かという作業。一般の小・中学校でも相当重度の障害の子どもの教育が行われていて、しかもそのあり方は一様ではない。特別支援学級及び通級に関する記述を現在の小・中学校整備指針に追加的に書き込んでいくという作業。現在、改正について検討中である学習指導要領、特に自立活動、職業教育、総合学習などについて、特別支援学校は施設的にどうあらねばならないかということを抽出する作業。大きくは、当面4つについて議論をして、全体を合わせて見て、どういうところが書き足りないか、あるいは重複しているかなどの作業を、10月〜12月ぐらいまでにやっていけないかという構想である。これはあくまでもたたき台なので、もっと別の提案等も含めて、意見を伺いたい。

小・中学校等のところですが、特別支援学級並びに通級という項目はあるが、実際に多くの学級にはLD、ADHDの子がいるので、その子どもが通級で学んだとしても、通級で学ぶ日は1週間に1度だとすると、彼らが週4日間過ごす普通学級での対応は含まなくてもいいのか。

当然含まれる。普通学級におけるLDを初めとする障害の子どもに対する施設的・設備的な配慮を議論し、必要なものは整備指針に追加的に記載したいと思うので、長田委員が言うように、非常に大事な問題だと思う。

こういう形でしばらく滑り出してみて、またもし軌道修正が必要だったら別な柱を立てて急遽それについて集中審議するということで、とりあえず資料7のような形で進めていきたいということでお願いしたい。

イメージとしては、これらの議題について、それぞれワーキンググループ(以下WG)をつくり、そこで一度小人数で集中的な議論をして課題を抽出し、それを部会に持ち寄って相互に調整して、抜けているところはないか、などを検討していくという進め方をしたいと思う。

つまり、障害の重度・重複化、センター的機能、小・中学校、学習指導要領等への対応についてのWGを一度結成し、可能ならば、WGごとに10月中ぐらいに議論をして、11月の部会に上げるというイメージをしている。委員には1つないしは2つのWGに属して議論することとしたいと思う。

それに先立って、例えば、各WGにキャップを任命し、まずキャップが10月初めぐらいに集まって、それぞれの主要な議論について、キャップ会議で検討し、11月のサブグループ集中ミーティングに持ち帰り議論をするという進め方をイメージしている。

事務局と相談した結果、重度・重複化は私がキャップをして、岩井委員、神尾委員、古瀬委員、新保委員。センター的機能については林委員にキャップを務めてもらい、岩本委員、長田委員、平根委員、宮崎委員。小・中学校については、成田委員にキャップをして、支援学級、それから通級、それから今、長田委員から指摘があったいわゆる原級におけるLDやADHDなどの児童に対する配慮事項なども含めて、集中的な議論をして欲しい。

黒川委員も小中学校WGに加えたらどうか。

学習指導要領への対応については、岩井委員、古瀬委員、林委員、神尾委員ということでどうか。

まず、林委員、成田委員におかれては、キャップをお願いしたい。それから、宮崎委員は連絡をしたうえでキャップをお願いすることとしたい。

宮崎委員については、事前に相談したところ、了解とのこと。

10月の上旬ぐらいまでに、事務局プラス上野・林・成田・宮崎のキャップ会議を1〜2時間やって、それぞれの主要な検討項目についてミーティングをする。10月の下旬に予定している部会では、今までの現地調査の報告と報告書の構成などについて議論した後、可能ならばその後半でWGに分かれ、例えば前半を全体会議にして、後半をWGの会議にするという進め方で、10月の第4回部会を予定したいと思う。うまくいけば、11月ぐらいにWGの課題を発表するか、引き続きまだサブグループの活動にするか、その辺は進行状況によって考えたい。

概ねそんな進め方でこれからの部会を運営したいと思う。テーマごとのWGの検討を10月、11月ぐらいに進めたいと思う。

事務局より今後のスケジュールについて、資料9に沿って説明

(文教施設企画部施設企画課)


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