資料1 高等学校施設の現地調査概要

高等学校施設の現地調査概要

カリタス女子中学高等学校(中高一貫・私学)

ポイント1 移動空間

・高校では選択授業に伴う移動の頻度も多くなり、その間の生徒の過ごす場所(中庭、テラス、カフェテリア等)の充実も重要である。

ポイント2 校務センターと教科準備室

・校務センターは、ガラス張りで周囲から見通すことができ、生徒からの質問等に対応できるようカウンターやテーブルが設置されている。
・教科準備室は教員が常駐できる十分な面積と生徒と接しやすい配置や工夫が重要である。

ポイント3 教科ごとに設けられた教科センター

・教科センターは、学習意欲を引き出す空間の工夫や周囲の教科教室等との有機的な空間構成が重要である。

ポイント4 生活空間(ホームベース)

・ホームベースは、周囲の室・空間、持ち物の保管やホームルーム活動等の備えるべき機能等を考慮して面積等を計画することが重要である。

埼玉県立浦和高等学校(既存・改修)

ポイント1 エコスクール・パイロットモデル事業

・平成18年度に環境省のエコスクール・パイロットモデル事業の認定を受け、エコ改修と環境教育事業を実施している。

ポイント2 エコ改修の環境教育への活用

・エコ改修は、継続的・効果的な環境教育の実施も視野に入れて行うことが重要である。
・進学校では、自習スペース等の充実が重要である。

ポイント3 学習空間の快適性

・夏場の学習環境を考慮し、必要に応じてエアコン設備も必要と思われる。

東京都立芦花高等学校(単位制)

ポイント1 空間構成

・単純明快な空間構成は移動の多い単位制高校にふさわしいと思う。

ポイント2 移動空間、生徒の居場所となるラウンジ

・単位制高校の様に教室移動の頻度が多い場合は、回廊式の空間構成や廊下の幅を十分確保するなど、移動の混雑を抑える工夫が重要である。
・空き時間の発生しやすい単位制高校では、ラウンジ等の生徒の居場所となる空間の充実が重要である。

ポイント3 学習空間

・単位制高校では、履修人数や教室の稼働率等を考慮して学習空間を計画することが重要である。

横須賀市立横須賀総合高等学校(総合学科)

ポイント1 教科エリアと生活エリア

・教科エリアと生活エリアに明快に分けられ、生活エリアは3階にホームベース(主にロッカースペース)、そのすぐ下の2階に生徒の居場所となるラウンジが配置されている。

ポイント2 可動間仕切りのある講義室

・一人でも簡単に動かせる可動間仕切りを採用した講義室で、履修人数に応じて柔軟に空間を調節できる。

ポイント3 自習スペースや生徒の居場所空間

・教員が常駐する各教科センターに隣接して自習スペースが設けられ、部屋には各教科の資料もそろっており、隣に常駐する教員にも質問しやすい。
・生徒の居場所となるラウンジは木質の暖かみのある空間で、一角にはソファーの置いてある落ち着いた雰囲気のスペースも設けられている。

東京都立戸山高等学校(普通学科)

ポイント1 自習スペース(自習室、図書室)

・自習室の有効性は生徒からの意見でもあがっており、進学校では必需施設だと思う。
・自習室と図書室の自習スペースを合わせて80席ある。自習スペースの規模は学校の特徴等を考慮して計画することが重要である。

ポイント2 学習・生活スペース(教室、ロッカー、広場)

・高校の場合は1クラス継続的に40名であることを意識し、小中学校を計画するときよりもさらに教室の広さに配慮する必要がある。
・収納空間を十分にとることが、学習空間の快適性にもつながると感じた。
・面積効率の良いコンパクトな校舎だが、特に教室周りにゆとり(アルコーブのようなスペース)があると良いと思う。
・中庭の階段広場は主に昼食時の生徒の居場所となっている。

東京都立大江戸高等学校(定通制)

ポイント1 空き時間に過ごせる生徒の居場所

・建物の中心に配置された吹き抜けのアトリウムは開放的で自然と生徒が集まりやすい。
・自習コーナーのような1人で過ごせる場所は生徒の気持ちを受け止める場所として有効だと思う。

ポイント2 多様な生徒への対応

・開放的に死角を作らない一方で、生徒の居場所の一つとして狭い空間など様々な距離感の空間を確保することも良いのではないかと感じた。
・ガラス張りの職員室は生徒への目配りがしやすい。
・職員室内のレイアウトや職員室の分散配置など、生徒から教員に話しかけやすい工夫が重要である。

ポイント3 特色ある学科への対応

・生活・福祉系列、伝統・文化系列、情報・ビジネス系列など100種類以上の多様な自由選択科目が設定されている。
・生活実践室は教室空間内に和室を設け、座学と実習が一体的に行える。

横浜市立サイエンスフロンティア高等学校(特色ある学科)

ポイント1 先端科学技術の実験室

・高度な施設・設備は、大学等との連携や学校間の共同利用等も考慮して計画することが重要である。

ポイント2 自習室

・自習室は2部屋あり、一部屋に40席の個別ブースがある。
・稼働率やブースの広さ等を十分考慮して計画することが重要である。

ポイント3 プレゼンテーションスタジオ

・AV機器を備えたプレゼンテーション専用の空間が2部屋用意されている。

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