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学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議

2003/02/25 議事録
学校施設整備指針策定に関する調査研究   防犯対策部会(第1回)議事録

学校施設整備指針策定に関する調査研究   防犯対策部会(第1回)議事録

【日  時】 平成15年2月25日(火)   10:00〜12:00

【場  所】 文部科学省   仮設建物A21

【出席者】
[協力者] 荒木喜久子、定行まり子、長澤悟、成田幸夫、安井義和(敬称略)
[事務局] 大島施設企画課長、中村企画調整官、瀬戸指導第一係長   他

【資  料】
資料1    学校施設整備指針策定に関する調査研究について
資料2 「学校施設の防犯対策について(平成14年11月)」
(学校施設の安全管理に関する調査研究協力者会議報告)
資料3 学校施設整備指針における防犯対策関連規定
資料4 防犯対策関連規定改訂の基本的な考え方(案)
資料5 調査研究スケジュール(案)
資料6 「学校施設整備指針策定に関する調査研究(防犯対策部会)」の議事内容の公開について(案)

参考1 学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議(第31回)議事録(案)
参考2 学校の安全管理に関する平成15年度予算案

【会議概要】 (1)開会
(2)施設企画課長挨拶
(3)委員及び事務局紹介
(4)議事

【議  事】
(1) 自由討論

   羅列的な記述では現場で混乱をまねくことも考えられる。各章に防犯に関する記述をした上で、防犯に関しては独立した章を設ける方がわかりやすい。報告書では学校種別に配慮する必要があるとの記述があり、今回は、それぞれの学校種別の指針に反映されることを念頭に検討する必要がある。

   子供の安全を守る取組みと、地域との連携を進める取組みをどのように整合させるのかを議論する必要がある。また、それぞれの地域・学校によって状況は異なることに留意する必要がある。

   外部から様々な人々が学校にくるが、受付に常に人を配置できないのも現状である。また、外来者に逐一対処しようとすると、教育活動に支障を生じることも考えられる。

   指針の体裁としては、基本的にわかりやすく取りまとめることが重要である。

   開かれた学校という概念と防犯対策という概念を矛盾しないものとして捉える必要がある。

   既存の建築物に対して指針となるものが必要である。既存の建築物に対しても防犯対策を行いたいとの要望はあるが、予算の確保が難しいため、改善が進んでいないのが現状である。

   報告書には玄関、昇降口、門扉、囲障、通報システムなどがあるが、地域の状況によってそれらの対応が異なることを認識する必要がある。例えば、事務室や職員室と玄関が離れていたり、昇降口でシャッターがない学校もある。また、門扉に関しても出入りする業者等のチェックまではできず、看板での対策のみとなっている事例なども見受けられる。

   フェンスをどれほど高くしても外部からの侵入者を防ぐことはできない。学校によってはプールのフェンスを高くして、かつ有刺鉄線を設けても年に数回侵入されるという例もある。

   外部からの侵入者は玄関からは入ってこないで、渡り廊下から侵入してくることも考えられる。渡り廊下を設けて校舎をつなぐという発想も再検討する必要がある。但し、こういったことを実現するためには、防犯対策以外にも消防法等の関連法規との整合性を図る必要がある。

   「開かれた学校」というネーミングについても再検討する必要があると指摘する人もいる。

   校庭と公園の一体的な整備がされている例がある。こういった事例に対しても、それなりの防犯対策を示す必要がある。

   校庭と公園が一体となっている場合、かえって関係者の防犯意識が高いともいえる。施設整備の側から保護者を含めた良い体制づくりを促すことも重要である。例えば、杉並区立第十小学校では、地域の防災拠点として学校と公園が一体となっている。駅に行くのにも大変便利な位置にあり、住民の中に地域コミュニティの拠点であるとの意識もある。

   以前の調査でも幼稚園が多様化していることが報告されている。預かり保育は18〜19時頃まで行っているところもある。また、子育て支援や複合化の例もあるので、外部から様々な人が入ってくるという前提で、幼稚園の安全性を考える必要がある。

   幼稚園は小学校や中学校に比べても、より安全性を徹底することが求められる。「校庭は開放して建物で守る」、「ある領域に大人の目が通るように努める」など個別の設計のポイントも重要で、指針ではどのように記述すべきか検討が必要である。

   報告書では領域性の重視ということが提言されているが、賛同できる意見である。昇降口・玄関を集中して守るなど、主要な部分に集中的に金も人も投資する方法が現実的ではないか。

   不審者の侵入を防ぐためには、外来者を識別することが必要である。何も印をつけていない人には声をかける等、関係者全員で注意を払うことが重要である。

   欧米の学校施設でも防犯対策は重要と認識されている。木製の柵により領域が示されていたり、また、「内部では声をかけることを了解して下さい。」というサインも掲げられている。

   指針では「形としてどのようにつくるか」に関心が向きがちであるが、どう考えていくかという「ものの捉え方」が重要ではないか。門を開閉する、フェンスを設けるか否かではなく、基本的なものの考え方を示していくことが重要である。

   小学校・中学校の施設整備指針は約10年経って改訂された。大きな改正点の一つとして、第1章総則において最初に基本的な方針を示した上で課題を列記した点が挙げられる。

   案では第9章で防犯計画を網羅しているが、一般的には第1章から読まれることを考慮すると、第9章で概要を記述しつつ、各章において具体化するという方法も考えられる。

   例えば、門の前のコーヒーショップに協力を依頼するなど、地域と連携して防犯対策を実施することも必要である。

   大阪教育大学附属池田小学校事件の以前に改訂された「小学校施設整備指針」「中学校施設整備指針」と事件以後に改訂された「幼稚園施設整備指針」では、防犯対策に関する記述が少し異なっている。

   学校周辺が最も犯罪被害が多いというデータもある。また、学校は子供が家を出発してから帰るまで責任を負っており、もう少し学校の範囲を広げた方が良いのか、限定した方が良いのか検討する必要がある。

   敷地外における取組みについては、報告書を取りまとめる際にも議論になった。全国各地でPTAや地域の人々によるパトロールの取組みや「子ども110番の家」の例等もある。しかし、知らない人の家に急に飛び込めるかというとそうでもない地域もある。また、他人の家の中まで普通に入っていって冷蔵庫を開けるというような地域もある。基本的には地域全体で守っていくと記述すべきかもしれない。

   全体としては防犯に関する項目を第9章にまとめて記述する。また、必要に応じて各章にも残しておくようにすることが考えられる。

(2) 今後の進め方について
   次回の会議については、予め各委員の都合を確認した上で、3月中旬から下旬頃を目途に開催することとされた。


(文教施設部施設企画課)

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