令和8年6月29日(月曜日)16時00分~18時00分
オンライン
川原主査、相澤委員、合田委員、牛久委員、大上委員、北野委員、小長谷委員、泰地委員、高橋委員、津田委員、溝口委員、横山委員
淵上 研究振興局長、阿部 参事官(情報担当)、豊田 研究振興戦略官(人工知能活用担当)、栗原 計算科学技術推進室長、山本 学術基盤整備室長、池田 参事官補佐、轟木 参事官補佐、萩谷 課長補佐、髙橋 科学技術・学術政策局人材政策課課長補佐
太田 科学技術・イノベーション推進事務局参事官(統合戦略担当)参事官補佐、大西 総務省国際戦略局技術政策課技術革新研究官、戸佐 外務省経済局経済外交戦略課主査、石橋 経済産業省商務情報政策局情報産業課AI産業戦略室専門職、永野 科学技術振興機構研究開発戦略センターフェロー、松原 アドバンスソフト株式会社
【川原主査】 それでは、定刻となりましたので、AI for Science推進委員会の第5回会合を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
本日は、オンラインでの開催としております。
まず、出席者の御紹介、配付資料の確認と、オンライン開催に当たっての注意事項について、事務局より説明をお願いいたします。
【轟木補佐】 事務局でございます。
まず、本日の出席状況について御案内いたします。本日、桂委員、松岡委員、丹波委員が御欠席となっております。丹波委員の代理で井尻社長が代理出席いただいてございます。
また、関係各省及び関係機関からもオブザーバーとして参加をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、議事次第に基づきまして、配付資料を確認させていただきます。ダウンロードいただいている資料を御確認いただければと思います。資料については、資料1から4、参考資料1から2、そして机上配付資料が1から5とあるような状況でございます。
もし現時点でお困り事や不具合等がございましたらお知らせいただければと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、先に進めさせていただきます。
続きまして、オンライン開催に当たっての注意事項を申し上げます。御発言時を除き、マイクは常にミュート、ビデオは常にオフとしていただけますと幸いです。御発言いただく際は、Webexの挙手ボタンを押してください。御発言される際は、マイクをオンにした後、お名前をおっしゃってから御発言いただけますと幸いです。不具合等が発生した場合は、チャット機能ですとか電話等で事務局まで御連絡いただければと思います。
事務局からの御案内は以上でございます。
【川原主査】 ありがとうございました。
本日は、1つ目がSPReAD第1回公募の応募状況について、2つ目がジェネシス・ミッションとの連携について、3つ目がScience for AI/Science of AIの推進について、4番目が計算基盤等の動向調査概要について、5番目が令和9年度概算要求の検討状況についての5件の議題を予定しております。
なお、議事(5)につきましては、AI for Science推進委員会運営要綱第2条に基づき、非公開の場で意見交換を実施させていただきます。
本日も多くの議題を用意しておりますので、委員会中に御発言できなかった点や、委員会後お気付きの点がありましたら、後日、メール等で事務局までお知らせいただけますようお願いいたします。
それでは、議事(1)に移ります。SPReAD第1回公募の応募状況について、事務局より御報告をお願いいたします。
【轟木補佐】 ありがとうございます。事務局でございます。
それでは、資料1に基づきまして、SPReAD第1回公募の応募状況について御説明をさせていただきます。
ページをおめくりいただきまして、2ページ目でございます。
SPReAD第1回につきましては、公募期間といたしまして、令和8年4月17日金曜日から5月18日の正午までの約1か月間公募させていただきました。それに際しまして、応募課題数といたしまして、一番上でございます、15,868課題の応募をいただきまして、応募機関といたしましては、787機関から御応募いただいたという状況でございます。
先日公開させていただきましたが、そのうち採択課題といたしまして456課題で、うち学生も61課題採択をしているという状況でございます。
こちら、後ほど内訳等については簡単に御説明をさせていただければと思いますが、全体の採択率が2.9%というところで、かなりの競争率になってしまっているというところでございます。
こちら第2回公募も今現在行っているところでございまして、そちらは7月3日正午締めとなってございます。第1回はなかなか厳しい競争率になってしまいましたけれども、第2回についても、引き続き皆様からの御応募をお待ちしているというところでございます。
次のページをおめくりいただきまして、3ページ目でございます。
応募課題15,868件のうち採択課題が456件というところで、その研究者等の属性を事務局の方で分析したというのが、こちらの資料になってございます。
基本的に、この応募課題、採択課題共々、大学・研究機関等の教員・研究者等という水色のところが大半を占めているというところでございます。
そして、応募課題15,868件につきましては、ポストドクターの方ですとか学生、高専の教員ですとか学生の方々、そして、民間企業からの研究者からも御応募いただいたというところでございます。
一方で、採択課題数456件につきましては、大体その割合といたしましては大きく変わってはいないというところでございますが、今回、残念ながら、民間企業の研究者ですとか非営利団体等の研究者からの採択はなかったというような状況となってございます。
次、1ページおめくりいただきまして、4ページ目でございます。
SPReAD、まさにあらゆる分野におけるAI for Scienceの波及・振興をと目的にしてございましたけれども、今回、応募課題、採択課題それぞれこのような研究領域ごとの割合となってございます。
それぞれ生命科学・薬学、そして、電気工学・電子工学・情報科学・コンピュータサイエンス、臨床科学、次いで社会科学というような割合になってございまして、こちら採択課題においてもその割合は大体同じような形になっていて、一定程度あらゆる分野におけるAI for Scienceの波及・振興というところは、この採択課題から取ってみても見えてくるのかなと思ってございます。
続きまして、5ページ目でございます。
今回、AI for Scienceにつきましては、8種類のユースケース別に公募させていただいてございました。その内訳となってございます。
こちらも、応募課題、採択課題ともに、8種類のユースケースについて採択ができたかなと思ってございます。こちら、AIモデル開発、学習用データセット構築、既存モデルの適応をある種AIモデル開発というふうな種類付け、そして、高度データ解析・モデルリング、発見・設計支援、シミュレーション・デジタルツイン、実験自動化・自律化、既存モデル評価などは利用というふうに分類分けをいたしまして、このような内訳になっているところでございます。
次のページをお願いいたします。6ページ目でございます。
こちら、SPReADの第1回におきまして、AIインタビューを実施させていただいたところでございます。その中に、AIの利活用における悩み・課題というようなことをお伺いするようなスクリプトもございまして、今回1.5万人のSPReADの申請者の方々が、どのようなところに悩み・課題を持っているのかというところを、上から多い順に簡単に抽出をしてみたというのが、この資料でございます。
やはりAIの出力の信頼性・精度・ブラックボックス、要は、答えが正しいか確認できないですとか、ハルシネーション・ブラックボックス、そういったところがAI利用の懸念というか課題になっているということを研究者の方々も認識されているというところ。
そして、2ポツ、3ポツにありますとおり、やはり使った経験がなく1人で進められるか不安ですとか、AIのモデルですとかツール、こういったものをどう選べばよいか分からないといったところも多数悩みとして抽出ができているというところでございます。
そして、学生・チームへの指導・体制づくりが難しいといったような人材・連携・体制・仲間に関するような課題・悩みですとか、計算資源・ハードウェアにつきましては、計算資源利用がなかなか機密情報ルールの制約等から難しいですとか、これは同じような話かもしれませんが、セキュリティ・プライバシー・倫理の観点で、研究データの漏えいリスク、研究倫理上どこまで使っていいか分からないといったような悩みが寄せられているというふうに認識しているところでございます。
最後でございます。
このような悩み・課題を受けまして、まさにSPReADの伴走支援というところの一つとして、コミュニティの形成というところを予定してございます。
今、SPReADコミュニティの方向性といたしまして、まさに研究者主導で、あらゆる分野のAI for Scienceの視野を広げる研究コミュニティというところで、採択者を中心といたしまして、研究者同士がAI活用の課題及びその解消のためのコツを共有して集合知を形成する場、そして、将来的には、このコミュニティの拡大ですとか、そこで得られたナレッジの集積、さらに、このコミュニティの自走化を目指して、このSPReADコミュニティを形成していければというふうに思っているところでございます。
直近のスケジュールといたしまして、7月下旬、まさに第1回の公募採択者の研究開始の頃に、キックオフという形で実施させていただければと思ってございます。
SPReADの応募状況について、事務局から説明、以上でございます。ありがとうございました。
【川原主査】 ありがとうございました。
次に、議事(2)に移ります。「ジェネシス・ミッション」との連携について、事務局より御報告をお願いいたします。
【萩谷補佐】 事務局の萩谷と申します。日本のAI for Scienceの取組と米国の「ジェネシス・ミッション」との連携についてということで、御説明させていただきます。
2ページ目、お願いいたします。
これまでのこの日米連携の流れについて、簡単におさらいでございます。
今年の1月に、文科省、米国エネルギー省(DOE)との間で最初のSOIを署名してございます。こちら、AIを活用した科学的発見とイノベーション、HPC、量子技術に関する協力としてのSOIでございます。
今年3月の日米首脳会談におきましては、その後のホワイトハウス作成のファクトシートでも、こちらの1月のSOIの内容にも言及しております。
4月以降には、こちらの1月のSOIに基づいて、日米の具体的な連携に向けた協議を開始ということで、下にございます日米の連携領域、こちら暫定の11の領域でございますけれども、まずはこちらについて議論を進めていこうということで、日米の関係する研究機関の研究者に御参加いただいているワーキンググループにおいて協議を開始しております。
3ページ目をお願いします。
こちらの動きを踏まえて、今月6月4日(現地時間)、ワシントンDCにおいて、日米の戦略的パートナーシップの発表イベントを行いました。こちら、DOEのギル科学担当次官、柿田文部科学審議官、松尾経済産業審議官に御参加をいただき、日米戦略的パートナーシップに関する意向表明書(SOI)の署名式及び対外公表イベントを行いました。
DOEのホームページに公表されている公表内容の内容をピックアップしたものが以下にございますけれども、まず、日本は、米国の「ジェネシス・ミッション」に参加する初の国際パートナーとなるという旨、また、このパートナーシップの柱として、両国は、量子情報科学、核融合技術、バイオテクノロジー、重要材料、素粒子物理学、自動実験ラボなど、様々な先端科学技術分野での協力の拡大・強化を目指していくということ。
また、文科省、DOEはそれぞれ、今後5年間で5億ドル、合計10億ドルの戦略的投資を計画している。これらの重要な投資は、様々な先端科学技術分野における課題の推進や計算資源環境の強化を目的とするという旨が記載されております。
また、今回、6月に署名したSOIの内容自体は非公表でございますが、こちらの内容にどのような内容が書かれているかというところを下の方に書かせていただいておりますが、共同研究において、日本と米国の研究者が、お互いの国の計算資源を、それぞれの国の研究者と同じ条件で利用できるという旨が記載されたほか、今年の1月のSOIは、文科省とエネルギー省の2省の関係でございましたけれども、今回、6月には、経済産業省も加わりまして、経済産業省の役割として、DOEと経産省は、AI計算能力の強化を目的とし、引き続き連携するという旨が記載されているところでございます。
私からの御説明は以上でございます。
【川原主査】 ありがとうございました。
それでは、次に、議事(3)に移ります。Science for AI/Science of AIの推進につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【阿部参事官】 Science for AIとScience of AIの推進についてということで、阿部から御説明させていただきます。
2ページ目を御覧ください。
この1年ぐらい、AI for Scienceを一つキーワードに、様々議論をさせていただいてきました。今年の3月には、AI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針を取りまとめて公表したというところですが、この戦略方針の中にも、AI for Scienceのみならず、AIそのものに関する研究の重要性については触れていたところです。
他方で、急速なAI技術の進展に伴いまして、解釈可能性、透明性、安全性、信頼性、さらには経済安全保障上のリスク、こういったことが取り上げられている状況かと思います。
そうしますと、あちこちへ説明している中でも、このAI for Scienceという言葉だけではなく、Science for AIやScience of AIも重要だという指摘を各方面からいただいている状況です。
このページの下の方に記載しておりますけれども、AIを活用するだけではなく、AIに関する戦略的自律性を確保する観点からも、AIを理解し、安全性・信頼性を確保しながら、自律的かつ先導的な研究開発を行う能力をしっかりと国として確保・強化することが重要ではないかと考えるところです。
3ページ目ですが、世界的に、2025年前後でしょうか、AI for Scienceについて、各国で国家戦略化してきているところで、研究力、国際競争力、経済安全保障、こういった観点から様々な取組がなされていることかと思います。
AIを使って科学を進歩させる、こういった段階から、AIが研究活動の一部を支援・代替して自律的に駆動していくと、そんな状況になってきているところかと思います。
そうしますと、下の方にありますけれども、AI研究インフラの構築というところも重要ですが、それと併せて、研究者一人一人が優秀なAI研究アシスタントを持っていくような、そういう状況に来ているんだろうと思っております。
AIをツールとして利用するだけにとどまるのか、AI自体を理解し高度化を図りAIイノベーションを創出する国となれるのか、なれないのかという重要なタイミングになってきているんだろうと思っております。
そのため、AI for Scienceに加えて、科学的知見を活用して新たなAI技術を創出していくという「Science for AI」、それから、AIの原理や能力・限界・安全性・信頼性を科学的に解明する「Science of AI」、この強化も併せてやっていく必要があるのではないかと考えるところです。
おめくりいただいて、言葉遣いを少し整理しないと議論がし難いだろうということで、大まかな概念のイメージを何となくということで書いてみたものです。タイトルの右上にありますとおり、密接不可分なものでありますので、境界が明確ではないというところは前提としてはあるんですけれども、大体こういう感じかなということを事務局の案として書かせていただいております。
AI for Scienceについては、科学のためのAIということで、AIを活用して科学研究を加速・変革する取組だというところかと思います。これにつきましては、やはりデータ、計算資源、研究設備等々、AI駆動型研究を行うための基盤(研究インフラ)、ここの整備がやはり勝負として非常に重要な部分かと思います。
Science for AI、ここではAIのための科学と書いていますが、これにつきましては、科学の知見を活用して、AIを高度化する取組と言えるのではないかということで、数学等々様々な分野の知見を活用して、学習の効率性を上げるとか、推論能力を上げるとか、汎用性を向上させるとか、効率化させる、こういった能力を向上させることによって、次世代AI技術を創出していくということかと思います。AI技術につきましては、戦略技術だということで、中長期的な基礎研究・人材育成への投資が不可欠になるのではないかと思います。
それから、Science of AI、AIの科学と書いていますが、AIそのものを科学的に理解・解明する取組と、ここでは書かせていただいております。AIシステムの能力、限界及び創発現象等をしっかりと理解した上で、その挙動を評価・予測・制御可能なものとして、こういったことを通じて、安全性、信頼性、透明性、説明可能性等々を向上させるということが必要なのではないかと記載してございます。
これは、3つに分けて書いてございますけれども、それぞれが相互に連携するものになりますので、どれか一つということではないと思っております。下に記載のとおり、この三者の好循環をしっかり回すよう戦略的に推進することで、AIと科学技術の双方の飛躍的発展を期待していくということが重要ではないかと思っております。
次のページに当面の方向性と書いていますが、ここから議論をしていきたいと思っているところです。
上の方は少し繰り返しになりますけれども、AI技術の進展が極めて速いということですので、政策的にも機動的かつ柔軟に推進しなければならないと思います。
他方で、理論研究や原理の解明など、こういった基礎研究・学術研究については、やはり継続的かつ安定的に推進することも不可欠だと思っております。
下に少し、ネット上で調べたというところになりますけれども、当面想定され得るScience for AI、Science of AI、こういった観点からの研究動向を書き入れております。ここに関して、ちょっとこれは違うんじゃないかとか、もう少しこういう観点があるんじゃないかといったコメントを是非いただければ幸いでございます。
次のページ、最後になりますけれども、検討事項等と書いてございます。
やはりAIに関する戦略的自律性を確保していくという観点からは、この自律的かつ先導的に研究開発を行う能力、これをどう確保していくのかというところが重要な点かと思います。
他方で、民間企業の動向が非常に速いですので、国として取り組むことは何なのかというところをしっかりと議論しなければならないと思っておりまして、重点的に推進すべき課題や方向性、こういったことを考えなければならないのかと考えております。
そういったことを踏まえて、本日、下に3つ挙げている観点からコメントを広くいただけると、今後の検討に役立つかと思っております。
1つ目が、日本の強みや特色は何かというところ。
2つ目は、国として力を入れるべき研究領域・テーマは何なのか。ここでは3つ入れていますが、自律性の観点もありますし、世界との観点で何が課題になっているのか、また、社会、産業界との関係で必要とされているものは何なのか、それぞれあるのではないかと思います。
3つ目として、当面の課題や中長期的な方向性は何なのかというところを挙げております。
今日は、議論の最初の段階だと思っておりますので、幅広く様々なコメントをいただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
【川原主査】 ありがとうございます。
本件は皆様の御意見を募りたいと思っております。ただいまの御報告を踏まえまして、もし御意見等ありましたら、挙手ボタンにてお知らせいただけますようお願いします。時間は10分程度を予定しております。
北野委員、お願いいたします。
【北野委員】 ジェネシス・ミッションとの連携も、Science for AI、AI for Scienceの話も非常に重要だと思います。
先月、シカゴでSciFM Conferenceに出席しました。ほぼジェネシス・ミッションに関する内容でしたが、DOEの方と話したところ、米国側の第一陣の研究チームが決まるのは今年の後半になるようです。
今は、やはりコンピューティングパワーを大きく増強するという話が出ているようです。アルゴンヌ国立研究所とオークリッジ国立研究所あたりの増強なのですが、そのようなところと連動しながら、日本がどうするかは非常に重要だと思います。
キーは、米国側の第一陣が決まった後に、日本側のカウンターパートをどうするのか、今からいろいろな議論を行うことです。米国側は、きちんとマッチングしない場合に、他の方法も考えてうまくマッチングさせたいといったことを話していました。日本側もファンディングなどがシンクロしないと何もできないので、そのようなスキームは考える必要があるのではないかと思いました。
AI for Scienceについては、非常にオートノマスなAIがサイエンス自体を自律的に行うことが重要だと思います。同時に、今のトランスフォーマーを中心としたAIだけではサイエンスは恐らくできないので、もう少しリジッドな推論ができるものや、仮説生成についても、非常にシステマティックにできるなど、サイエンスを行うことに適したタイプのAIの開発、又は、そのようなことを前提としたAI時代のサイエンスを行うことは大賛成です。この辺りを具体的にどのように行っていくかが一つのポイントになると思います。
ありがとうございます。
【川原主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
泰地委員、お願いいたします。
【泰地委員】 このScience for AIやScience of AIについては、ある程度、やはり日本としても先行的に研究開発の投資は進んできたところだと思うんですけれども、そこでちゃんとこの大型のAI開発みたいなのにつながらなかったところは、若干反省点としてはあると思うんですよね。やっぱりそういう反省点も踏まえて、次の計画等は考えていただければなと思います。
やっぱりAI for Scienceとかとうまくかみ合うかどうかとか、何をするかというドメインをちゃんと考えるというところが非常に重要なところだと思うので、是非その反省も踏まえて次の世代の設計をしていただければと考えております。
以上です。
【川原主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
文科省から、ただいまの北野委員、泰地委員の御意見に対して何かありますでしょうか。
【豊田戦略官】 すみません。AI戦略官の豊田です。御指摘ありがとうございます。
北野先生の御指摘、ジェネシス・ミッションのマッチングについては、まさにおっしゃるとおりだと思っていまして、米側のテーマがそろうのが、我々も年末頃だと聞いていますし、日本側の受皿としては、まさに今公募中のARiSEが主たるところになってくるかなと思いますので、それぞれの出てきたタマを両にらみしながら、しっかり連携、マッチングを組めるようにしていきたいと思います。
【阿部参事官】 コメントありがとうございます。
いろいろ国内のこれまでの取組状況や海外の状況をよく調査した上で、さらなる議論ができればなと思っておりますので、いただいたコメントを踏まえて、次の段階に議論が移れるように取り組んでいきたいと思います。
ありがとうございます。
【川原主査】 ありがとうございます。ほかにありますでしょうか。
溝口委員、是非お願いいたします。
【溝口委員】 ちょっと言い方が難しいんですけれども、この最後の日本の強みというのは、まさにおっしゃるとおりだと思うんですけれども、例えば、今エージェントを使っていて、全部のLLMがChatGPTとかクラウドになっているんですよね。この点はどう考えているのかなというのは少し気になっていて、そういったLLMは、もうChatGPTとクラウドに任せるのか、それとも、まだそこもやるのか。やってほしいと言っているわけではなくて、その辺のバランスが難しいんですけど、どういう方向で進むのかというのはちょっと知りたいなと思います。
【阿部参事官】 ありがとうございます。
商用の、普段日常的に使うようなLLMを、今この世界の情勢の中で、ここからどうこうということではなかろうかと思っております。
一方で、サイエンスの中で何が必要かということは議論があると思いますので、実際に本当に何が必要だと、現場が必要だということがあるのであれば対応しなければならないでしょうし、そこは民間に任せればいいという判断になるのであれば、そこはそういう考え方になるのかなと、これはここからの議論かなと思っております。
【溝口委員】 なるほど。分かりました。ありがとうございます。
【川原主査】 津田委員、お願いいたします。
【津田委員】 日本の強みや特色は何か、Science for AI、AIそのものの研究でということで、手を挙げておいて申し訳ないんですけど、日本の研究者の数があまりにも少ないんですよね。なので、ぱっとこれが特色だとか、これが強みだというのはあまり思い浮かばないのが現状なので、ともかくまずは数を増やすというところかなと思います。
すみません。元も子もないのですが、というような意見です。
【川原主査】 ありがとうございます。
大上委員、お願いいたします。
【大上委員】 ありがとうございます。大上です。
私も今、津田先生がおっしゃったこととほぼ一緒なんですけれども、Science of AIをやっているところって、ぱっと思い付くので、理研のAIPと産総研のAIRCかなと思っていて、AIPですとかAIRCの中身をのぞくと、半分以上はAI for Scienceに関わっている感じの研究者の方が多いのではないかなと思っていて、そういうAIの理論的な側面ですとか、数学的な話ですとか、あとは、もちろん、例えば自然言語処理のLLMとかも、言ってしまえば言語学のためのAIみたいなイメージもあるかもしれないので、そうすると、ピュアなAIの定義をちょっと真面目に考えると、あんまりピュアなAIをやっている人はそんなにいないよねという人不足の話につながってくるかなと思っていまして。
別にピュアなAIしか要らないわけではないんですけれども、もちろんサイエンス側に立っていてもよいけれども、日本として、例えば、有名な国際会議、NeurIPSですとかICMLとかに他の国と同じぐらいちゃんと論文を出せるとか成果を出せるみたいなレベルに持っていくには、やっぱり津田先生もおっしゃっていましたように、人が少な過ぎる状況かなというふうには感じています。
どうしたら解決するかはちょっと分からないんですけど、以上です。
【川原主査】 ありがとうございます。
横山委員、お願いいたします。
【横山委員】 横山です。
日本として力を入れるべき研究領域、AI for Scienceの文脈でなんですが、やはりデータがあるところという意味では、ビッグサイエンス領域というのは一つ挙げられるかと思います。
要するに、放射光施設であるとか、茨城県東海村にあるJ-PARCみたいなデータを出してくる大型施設というのは、世界に数多くあるとはいえ、これだけの精度のデータを出してくる施設というのは、やはり日本の強みとして使えるところですので、これまでもかなり予算を投じてきたビッグサイエンス領域というのは、重視して後押しをしていくべきではないかと思いまして、一言述べさせていただきました。
以上です。
【川原主査】 ありがとうございます。
今の津田委員と大上委員のお話を踏まえると、確かに私も人が少ないとは思うんですけれども、一方で、SPReADをやってみると、多分ここの委員が誰も想像しなかったぐらい、たくさんの提案が出てきているかなと思いました。Science for AIに関しても、AIのために何ができるかという問題意識を広く知らせることによって、たくさん人が集まってくるような気もしておりますので、この点、また本委員会等を含めて議論できるといいのではないかなと思っています。
横山委員のデータが肝というのは、多分この後、後半の議論に密接に関わってくるかなという気もしていますので、一旦ここで議論を次の話題に移していきたいと思います。
【川原主査】 では、議事(4)に移ります。計算基盤等の動向調査概要につきまして、アドバンスソフト様より御説明をお願いいたします。
【アドバンスソフト(株)】 アドバンスソフトでございます。
令和7年度「AI for Scienceの実現に向けた計算基盤等の動向調査」ということで、昨年度、文部科学省さんの方から調査委託を請けましたので、その報告を行います。実施期間は、令和7年12月から令和8年3月です。
【アドバンスソフト(株)】 それでは、2ページ目に行きまして、本報告は、AIによる研究プロセスの変革ということで、この調査の軸になることを3つ設定しております。
真ん中の2030年の計算需要の推計、これが今日の報告の一番分量の大きなところでございますが、具体的にどのぐらいの計算需要、ストレージの需要が必要かということを説明いたします。本報告には、分量は少ないですが、そのための政策というのも提案しております。これは報告書の方にございます。
それでは、まず、研究プロセスの変革というところで、3ページ目はスキップしていただいて、4ページ目をお願いします。
研究プロセスの変革については、文部科学省さん、JSTさん等からいろいろ資料が出ております。今回の調査では、今スライドに示されている3つを軸としました。
1番目、AIによる知識の体系化と知見抽出ということで、時間的な制約を取り除く。丸2、これは現象予測と計算加速ということで、AIにより膨大なシミュレーション時間の短縮を行う。丸3として、AIによる実験検証の自律化ということで、研究プロセスの革新について、この3つの軸で整理いたしました。いずれもAIにより研究が加速されるという項目でございます。
5ページには諸外国の動向を書きましたが、これは他の報告書でもございますので、5ページ目はスキップいたします。6ページ目から10ページ目まで説明します。
6ページについては、今回調査では、AI for Scienceの基盤モデルということで、色々な事例を、文献調査を中心に行いました。これは分野については、材料、ライフサイエンス、気象・環境ということで整理いたしました。また、横は、先ほど言いました研究プロセスの革新のところで、丸1、丸2、丸3ということで、丸1の知識の体系化と、現象の予測と加速については、これは区別することが難しいところもありましたので、丸1、丸2は一緒に書いてある部分もあります。丸3の自律化については、まだかなり事例が少ないという状況でございます。
これが全体像で、赤いものについて、論文調査により詳細を調査いたしました。これは7ページから10ページです。
7ページは、先ほどの赤い印の付いたものの基盤モデルのパラメータ数の一覧です。これについても、同じような3分野で整理しております。
8ページは、パラメータ数を縦軸に、横軸が発表年です。一番右側が2026年、一番左側が2022年です。これ時間軸にしましたのは、2030年の計算基盤の予測ということで、この横軸から推測するために、横軸を時間軸にしております。これを見て分かることは、材料分野は、いろいろな物理法則に踏み込むことを比較的やられているため、パラメータ数としては少ない。バイオ関係、気象関係は、かなり多いパラメータ数になっております。一番上の緑のところは980億パラメータとなっております。あと、2030年の予測については、この分布を後ほど使います。
9ページは、調査した基盤モデルの学習データサイズです。これを同じくプロットしたものが10ページです。
これも同じく横軸が発表年で、縦軸がデータサイズとなっております。また、右の欄外には、今世の中にあるデータベースの代表的なデータサイズを書いております。学習に使ったものは、数テラバイト、ペタバイト以下程度のものになっております。
11ページから13ページまでは、これはスタンフォードのレポートにありますものを貼り付けたものです。
一言ずつ説明していきますと、11ページのパラメータ数については、横軸が公表年、縦軸はパラメータ数で、右下にありますように、この文献には、パラメータ数は9.6か月で倍増するとあります。
12ページは学習量です。同じレポートにあります学習データ量です。これも右下だけ見ていただいて、8か月ごとに倍増という学習データ量になっております。
13ページは、汎用のLLMでの演算量、これも右下にありますように、これは文献にございますが、5か月ごとに倍増というデータがありますので、これを使って2030年の状況を予測いたします。
14ページは先ほど調査いたしました文献のパラメータ数、これが左側で、右側がデータ数でございます。黒三角のものは、先ほどのレポートにありました汎用のLLMです。
これから見ると、現在のAI4Sの基盤モデルは、パラメータ数は1桁から3桁、5桁低いぐらいになります。また、データ数については、同程度使っております。
これを2030年まで汎用LLMの倍率で外挿したことから、15ページでまとめておりますが、青い方の表を見ていただいて、左から2番目の列で、先ほど説明しました現状、それから、先ほどのレポート、下の方のレポートと併せて、トレンドの推定ということで、2030年まで、研究プロセスを分類しました丸1については750倍、データ量につきましては64倍ということで推定いたしました。
これから2030年ぐらいの1モデル当たりの予測値、これは一番計算資源を食うモデルでありますが、これが大体500EFLOPS×0.15から15日と。あと、ストレージにつきましては、一番大きいものが64PB程度と。
これから先ほどの分布を外挿して、ユーザ数の予測を合わせたものが一番右の列になります。2030年の予測値ということで、大体500EFLOPS×1年(FP16)ですが、それで、シミュレーションの演算については10EFLOPS(FP64)です。ストレージについては、640PB程度と、この程度が必要になるということを予測いたしました。これについては、いろいろ方法はあると思いますが、今申し上げました方法で予測しております。
16ページは右下だけ見ていただいて、500EFLOPSというのは、ここにNVIDIAのロードマップだけ計算しておりますが、大体GPUでは12万基と、そういうオーダーになるかと思います。
最後、17ページがまとめでございます。
2030年をAI for Scienceの先導的実装期と位置付けまして、左側の列が、「富岳NEXT」のようなインフラを構築すると。真ん中が、今日述べました演算量・データ量の増加への対応。右側が、技術者の育成、レガシーコードの最適化、利用者支援の深化ということで、行うべき政策を提案したものでございます。
18ページは、2ページ目に掲載したものと同じでございますが、研究プロセスの変革というものを軸に、計算需要を推計して、政策について提案させていただきました。
以上でございます。
【川原主査】 ありがとうございます。
大変包括的であり、しかも具体的である、すばらしい報告をありがとうございました。
ただいまの報告を踏まえ、もし御意見ありましたら、挙手ボタンにてお知らせいただけますようお願いいたします。時間は5分程度を予定しております。
合田委員、お願いいたします。
【合田委員】 コメントというか、質問させていただきたい。まず、調査いただきましてありがとうございます。
今日の試算は、恐らく各分野でモデルをつくる、学習する部分と、それを使って推論する部分に分かれていると思うんですけれども、それぞれの実際にそれを行う研究者の数って違うと思うんですけれども、その割合というのはどのように算出されているんでしょうか。
【アドバンスソフト(株)】 スライドで15ページをお願いします。
ここでの推測は、丸1は知識の体系化で、学習のところで、この調査の後でも状況が変わっているんですが、例えば、エージェント等で予測のところは、かなりGPUを使うように推測できますが、現在のところ、これは学習の部分だけですね。500EFLOPS。これ、実際我々の試算ですと、大体500EFLOPS×半年から1年ぐらいの量になっているんですが、それで余ったところは推論のところに使われるのではないかと予想しております。
ここで推定したのは500EFLOPS×半年から1年でして、これは学習の部分のみでございます。
【合田委員】 ありがとうございます。
コメントですけど、恐らくこれからAI for Scienceが普及すると、丸2の予測をする人の数が物すごく増えてくると思うんですね。学生さんも恐らく普通にするようになるので。そういった部分の予測というのは、これは難しいのは分かって言っていますけど、これから重要かなとも思っています。
以上です。
【アドバンスソフト(株)】 承知いたしました。ありがとうございます。
【川原主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
高橋委員、お願いいたします。
【高橋委員】 ありがとうございます。
大変詳しい御調査をいただきまして、ありがとうございました。
今ちょうど2030年に必要とされる資源の量が出ていますけれども、これを、例えばこれぐらいは必要だということをお認めした上で、必要な資源量を実現するためのネックになるというか、ということはもうすぐに思い浮かんでしまうんですけれども、その辺りの実現可能性というんですか、今ユーザが非常に増えるということもありましたし、そうしますと、その間の通信だったり、インフラ、データをどういうふうに分散させるか、それをどのように使うかなども含めた全体的な設計みたいなのが必要にならざるを得ないと想像いたしますけれども、その辺りに関する知見というのは、何か御示唆はありますでしょうか。
【アドバンスソフト(株)】 この辺りは今回の調査ではあまり調べておりませんが、一応18ページの真ん中の一番下でございますが、今、高橋先生言われたように、電力の話とか、ネットワークの話、たくさん問題があるのは承知しておりまして、本レポートでは、この程度を書くところで終了いたしました。具体的な提案というのは、このレポートにはないところです。
【高橋委員】 ありがとうございました。今後の課題ということで承知いたしました。
ありがとうございます。
【川原主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
本件、こういうトレンドが予測できる中で、国として共有計算機資源の調達をどうしていくかという視点とともに、こういう需要の予測がある中で、計算能力向上に貢献するような要素技術の研究を支えるという「Science for AI」の考え方もあろうかと思います。こういったところもまた引き続き議論できればと思います。
それでは、時間となりましたので、非公開にて意見交換を行いたいと思います。
事務局にて非公開の準備をお願いいたします。
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以降は、AI for Science推進委員会運営要綱第2条に基づき非公開とした。
―― 了 ――
研究振興局研究振興戦略官(人工知能活用担当)付