国立研究開発法人科学技術振興機構の助成資金の運用手法の在り方に関する検討会議(第1回)議事録

1.日時

令和4年12月15日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

オンライン開催

3.議題

  1. 検討会議の議事運営等について
  2. 検討に際しての前提条件(現行制度の枠組み)について(文部科学省)
  3. 運用手法の追加検討に係る考え方について(内閣府)
  4. デリバティブ取扱商品の追加について(科学技術振興機構)
  5. その他

4.出席者

委員

(座長)川北英隆委員
(委員)加藤康之委員、津金眞理子委員、徳島勝幸委員

5.議事録

【鈴木室長】  それでは、定刻となりましたので、ただいまより国立研究開発法人科学技術振興機構の助成資金の運用手法の在り方に関する検討会議を開催いたします。
 本日は、御多忙の中、御参加いただき誠にありがとうございます。
 会議の冒頭は事務局が進行させていただきます。
 本会議はオンラインでの開催となっております。音声などに不都合がある場合は、随時事務局まで御連絡をお願いいたします。
 最初に、オンライン会議を円滑に行う観点から、事務局より何点かお願いがございます。御発言時以外はマイクをミュートにお願いいたします。御発言に当たっては、「手を挙げる」ボタンを押していただくか、カメラに映りやすいように手を挙げていただくように、よろしくお願いします。最後に、資料を参照する際は、資料番号、ページ番号、ページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただくようにお願いいたします。
 続きまして、資料の確認でございます。本日は、議事次第に記載のとおり、資料1-1から資料4別紙、それから参考資料1から6をお送りしておりますので、御確認をお願いいたします。
 本会議は、資料1-1のとおり、研究振興局長の決定により設置されております。
 続きまして、本会議の委員の御紹介ですが、時間も限られておりますので、資料1-1別紙の委員の名簿をもって代えさせていただきます。後ほどの質疑等の際に、一言御挨拶いただけますと幸いです。
 また、資料1-1別紙のとおり、本会議の座長は、文部科学省より委員にお願いをしております。
 それでは、今後の議事については川北座長より、御進行をお願いいたします。

【川北座長】  京都大学の川北です。よろしくお願いいたします。
 それでは、JSTのほうで今、大学ファンドが順調に進んでいるということ、その中でデリバティブの活用を図ることによってより安定した運用を実現していきたいということで、今日の会議をお願いした次第です。ということで、今日、皆さん御多用の中、集まっていただきありがとうございます。
 それでは、御指名によりまして、私が座長を務めさせていただくわけですけれども、最初に、会議の公開・非公開につきましては、資料1-1の設置要綱に基づき、原則として公開で行うこととされていますが、本日の議題につきましては、JSTの投資行動の臆測等につながりかねないという内容も含まれていますので、検討の円滑な実施に影響が生じるものとして会議自体は非公開とし、後日、議事録を公開するという形で進めさせていただきたいと思いますが、御意見等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、そういうことで進めさせていただきます。
 では、議事に入ります。まず、議題1です。本検討会議の議事運営等につきまして、事務局よりお願いいたします。

【鈴木室長】  事務局の文部科学省の鈴木でございます。初回でございますので、本会議の運営要綱の案についてお諮りさせていただきたいと思います。
 内容については、類する委員会を参考に、事務局において案を作成しており、ポイントとしては、第3条及び第4条において、設置要綱にもありますとおり、会議の公開を原則としつつも非公開とできるということと併せて、配付資料につきましても同様に非公開とすることができるとさせていただいております。また、第5条において、知り得た秘密をほかに漏らし、または盗用してはならないこと、第6条において、これ以外に必要な事項について座長が会議に諮って定めることとしております。
 以上でございます。

【川北座長】  ありがとうございます。それでは、特に御意見がないということでありましたら、運営要綱につきましては案のとおりに承認させていただきたいと思っております。
 続きまして、議題2、3、4ですけれども、会議を効率的に進行する観点から、議題2を文部科学省、議題3を内閣府、議題4を科学技術振興機構(JST)から、続けて説明していただきたいと思います。その後、最後にまとめて質疑応答と議論の時間を設けさせていただきたいと思います。
 それでは、議題2です。検討に際しての前提条件として、現行制度の枠組みについて、文部科学省より説明をお願いいたします。

【奥野課長】  文部科学省の官房政策課長の奥野でございます。今般の検討を開始するに当たりまして、この検討のアプリオリな律速、外縁となる現行制度の枠組みに関しまして、資料2を用いて御説明申し上げたいと思います。説明時間の関係から、資料の記載全体の説明は簡略化させていただきまして、今後の検討に当たっての留意、共通認識が必要になりますこの制度の特徴として、まず、運用の元本について、及び資金の運用益を財源に事業を実施するという仕組みの特徴、そして、これはJSTだけではなくて、公的な主体が公的な資金を用いて運用を行う場合に関する法令上の規制の在り方、考え方の法理・解釈の3点に絞って御説明申し上げます。
 資料2の2頁、投影されているところを御覧ください。左上の欄の運用の仕組みの最初の黒丸の運用元本のところに記載のとおり、運用元本において財政融資資金が掲げられてございます。また実態として、運用元本の大宗が財投からの借入金が占めるという点がございます。運用主体のJSTは、後ろの参考資料を後ほど御確認いただければと思いますが、そもそも財政融資資金法に定める貸付先の要件を充足してございませんが、同法の特例として、一定の期間に限り財政融資資金の借入れが認められているという特徴がございます。
 その上で、JST法におきましては、当該財政融資資金の借入期間中につきましては、運用に当たって財政融資資金の借入金の償還確実性を担保するということが、法律に基づき、この法人の資金運用に求められているという特徴がございます。このことは、運用に当たって、運用益で利益を確保するとともに、財政融資資金の元本の毀損を防ぐということが、運用の仕組みや運用方法を定めるに当たってアプリオリに強く求められる構造になっているのが法令制度的な特徴となってございます。
 さらに、このページ左下、大学支援の仕組みの欄に「運用益による支援」との記載がございます。具体的には資料の3ページを御覧ください。JSTが大学を支援する事業費につきまして、一般的に独立行政法人においては、本来その事業費は国から財源措置される運営費交付金等を財源として実施することが通例でございますが、大学ファンドにおきましては、政府からの出資金や、貸し付けられました財政融資資金は原資、元本として、附帯業務として資金運用を行うことで、その当期の収益から費用を控除した当期純利益に目的積立金取崩額を加味した当期総利益、いわゆる独立行政法人会計基準に基づいて処理されます利益というものを財源に大学を助成する仕組みを用いているという特徴がございます。このように、毎年度の損益処理によって出てきた利益を財源に毎年度の事業費を確保するという仕組みは、大学ファンドの財務会計の大きな特徴の一つとなってございます。
 次に、資金運用方法の法定について御説明申し上げます。資料の5ページを御覧ください。概要の欄の2ポツの資金運用の記載のとおり、大学ファンドの運用に当たりましては、運用により利益を上げる必要という業務の実施方法の特殊性から、一般の独立行政法人とは異なりまして、元本保証のない資金運用が特例として認められているところでございます。ただし、運用主体の公共性、さらに運用の原資の多くを国からの公的な資金によっているという特徴から、運用の方法につきましては法令で定められた範囲に限定を付すというのが、この種の法令制度の一般的な措置の在り方です。
 具体の範囲の説明は後ほど解説がございますので割愛いたしますが、この法理の考え方の第一として、公的主体の公的資金の運用という観点から、次のページへ進めて、こちらにございますとおり、公的主体が公的資金による運用を行う適切性という観点から、公的主体が公的資金による私企業の支配を行うことは公的資金の使途として不適当、これは政策的判断として法令に課されているものでございます。こういった観点から、株式ですとか、経営権の行使につながる出資等に係る取引については、この種の主体においては制限が課されているという特徴がございます。この点はアプリオリな前提になってございます。
 さらに、今回の議論に影響を及ぼす点といたしまして、その他の考え方といたしまして、公的主体の公的資金の運用に当たっては、その資金を過度に投機的な方法によって運用してはならないというのが法令の中の一般則としてございます。
 今回の議論の前提ともなりますが、法令の規定に当たって、過度に投機的な方法を行ってはならないという考え方が課されております。今回のデリバティブ取引等につきましても、同様の観点から、運用に係る損失の危険の管理を目的として行うものに係るという前提、これがアプリオリな法令制度の前提として課されている点が特徴でございます。
 ただし一方で、金融商品の発達というのは非常にはやく、それに対応するための金融商品取引法の改正等も頻繁に行われておりますことから、この規制を全て法律によって、国会の審議によりこの範囲を確定することは、最新の状況に用いた運用を行うという必要性に鑑みれば、やや弾力性に欠くという観点から、デリバティブ取引に関しましては、運用に係る損失の危険の管理を目的として行うものに限っては、政令の改正等によって金融商品の追加等が可能とされているという点が特徴でございます。
 ただ、法令の考え方としましては、この追加に当たりましては、金融商品として過度に投機的な取引を行わないことが担保されていること、また、金融商品として一定の実績があり、過度に投機的な取引につながらないという評価が一般的に確定しているものとして判断されること、また、他の公的主体の運用の方法と考え方によって整合性が担保されていること、また、当該運用主体においてリスクの管理回避が困難ではないことなどが、最終的に政令に付される際には判断事項として考慮されることになろうかと存じます。
 これらの事項につきまして御留意いただいた上で、今回御審議等進めていただければと存じます。
 以上です。

【板垣政策参与】  それでは、引き続きまして内閣府のほうから、資料3に沿って御説明させていただければと思います。内閣府の科学技術・イノベーション推進事務局において大学ファンドを担当させていただいております板垣と申します。よろしくお願いいたします。
 資料3を開けていただきまして2ページ目、もうちょっとアップデートされた情報は、この後、御説明あるかと思いますけれども、現状につきまして簡単に御報告いたしますと、大学ファンド、こちらはこの3月、令和4年の3月に政府出資、それから財政融資資金、お借入れを入れまして、約5兆円のところから運用がスタートしてございます。よくちまたで10兆円ファンドというふうに言われておりますけれども、残りの約5兆円につきましては、今年度の下期中にお借入れを行って、年度末までに満額の運用がなされるということになってございます。
 このページにございますとおり、満額になった場合、10兆円に対して、政府から出資いただいた資金、出資金は合わせて1.1兆円ということになってございますので、スタート時点の自己資本比率というふうに考えますと約11%、こういうところからのスタートでございます。
 2点目にありますとおり、大学ファンドの一つの使命でございます大学助成に向けた運用成果の配分ということですけれども、ここの数字にありますとおり、できるだけ早い段階で3,000億円、運用益の達成を目指していくということですけれども、当初は満額ではないということも十分想定されるわけですけれども、できれば令和6年度あたりからの助成ができるようにということで準備をしているという状況でございます。
 それから、先ほどもございましたけれども、お借入れいたしました財政融資資金、こちらにつきましては40年資金、超長期のお借入れをさせていただいております。20年間の据置きの後に、20年間の分割返済ということで、20年たった後から、平均的に言いますと4,500億円ぐらいの元本償還が始まると、こういうような財務の構造になってございます。したがいまして、政府出資でいただいた1.1兆円分と、それから財政融資資金でお借入れをいたしました8.9兆円、こういった形で大学ファンドには守るべきバランスシートの構造があるということでございます。
 3ページ目を御覧いただきますと、先ほど、文科省さんのほうから御説明ありましたJST法に基づいて、あるいは政令で認められている現状のデリバティブの取扱商品というのを、縦軸にアセットクラスあるいはリスクカテゴリーという切り口で、通貨、債券、株、金利、クレジットというふうに分けた上で、横は先物、オプション、スワップといった、いわゆるデリバティブ商品のタイプ別にマトリックスを作ってみたものでございます。御覧いただきますとおり、現状使用が認められているものは、おおむね左側の隅のほうに寄っているということでございます。特にスワップあるいは金利といったあたりに関しては、今のところはデリバティブを使う余地がないのが現状ということでございます。
 それから、次のページ、こちらからは、なぜ今このタイミングで政令の改正を含めた見直しを検討したほうがいいというふうに考えているかということでございます。まず1点目は、まさに今御覧いただいたとおり、法令上はデリバティブに関してはごく限られた一部の商品の取扱いということで限定されていると。こういう中で、2点目、確かに、おおむね2年近くなりますけれども、法改正を行った直後ということではありますけれども、やはり足元の世界情勢が大きく動いているということでありまして、まさに実質的には運用開始初年度ということでございますから、このタイミングでこういう手当てということが大事なのではないか。ここには、コロナ後の世界的なインフレですとか、それに拍車をかけるウクライナ侵攻というようなこと、金利の非常に速くて大きな上昇、政策の変更といったようなことでもございますし、やはり、まさに今これから満額運用、満額実行ということになりつつある中で、所要の手当てができるほうが適切ではなかろうかというふうに考えているということでございます。
 5ページ目に移っていただきますと、今度は、なぜ今かということに関しまして、ポートフォリオの全体管理という観点から必要性があるということでございまして、やはり御案内のとおり、まさに今、運用を始めた段階ということでありますので、自己資本を守るという、今のところそのクッションが全くない状態でスタートしておりますから、そういう意味では、特に慎重にポートフォリオのボラティリティーを抑える、その中で少しずつ内部留保をためていくような局面にある、そういうフェーズにある中で、やはりポートフォリオ全体のリスクを機動的にコントロールできるような手段を持っていくことが大事ではなかろうか。
 特に、ポートフォリオの中身に若干踏み込んで考えますと、やはりポートフォリオに、安全資産と言われる国債、こういった債券が大きな割合を占めるという状態が、恐らくスタートの年度からある程度の期間は継続するであろうと。そんな中で、現状、先ほど御覧いただきましたとおり、リスクを一定期間ヘッジするような、例えばスワップみたいなものの取扱いが今のところできない。本来であれば金利リスクのコントロールには、通常は金利スワップを使うというところが今はできないということでもございますし、政府からの期待でもございますけれども、グローバル市場で分散投資を目指していく、こんな中で、本源的な調達資金はお借入れ、円ということでございますので、やはりここで外貨を獲得する上では、外貨に転換する上では、その安定性というものがバランスシートの安定化に重要な意味を持ちますけれども、一定期間ヘッジするツールである通貨スワップ、こちらについて現状取扱いできませんけれども、こういったものが使えてもいいのではないか。
 まとめて言いますと、一番下の箱にありますとおり、もうスタートの段階から財務の健全性を守りつつ、基本的にリスクコントロールしていく手段、こういったものを少し拡充する余地はあるのではなかろうかというふうに考えているということでございます。
 次のページは、分散投資というところに少し目を移しますと、伝統資産と言われます債券、株のほかに、やはりクレジット資産ですとかオルタナティブ資産に対する投資をやがて本格化して、意味のある金額になっていくと、こういう状況ではありますけれども、例えばということですけれども、クレジット資産、信用リスクを収益化していく中で、そういったもののリスクヘッジをする手段というのも持っていておかしくないのではないか、やはり資産のリスク特性というものはございますので、そういった手段を、特にクレジットのように価格が素早く大きく動いてしまうようなアセットに関してのヘッジ手段みたいなものも考える余地はあるのではなかろうかというふうに考えてございます。
 7ページ目、そういった観点でいいますと、日頃ポートフォリオ運用するに当たって、実務上こういった不都合が今のところ生じているのではないかというふうに考えられるものを少しまとめておりますけれども、この辺りにつきましては後ほど詳細に御説明させていただきたいと思います。
 次に8ページ目ですけれども、そうはいいましてもデリバティブ商品、御案内のとおり、ヘッジ目的とか投機目的といった形での商品性がそれぞれあるというようなことではございませんので、すなわちヘッジ目的なのか投機目的なのかは、あくまでもそれを使って投資を行う主体の管理の仕方によって発揮される効果が異なるということでございます。したがいまして、今回、法律で定められているとおりヘッジ目的ということで活用するとしても、それをきちんと目的どおり活用する、かつそのとおりできているんだということを自ら確認する、そういった体制が必ず必要であるということも踏まえる必要があることでございます。
 本来、投機目的はリスクテークだから駄目で、ヘッジ目的はリスクを削減するからこちらはオーケーという、そういう極端な二者択一ではないということも踏まえた上で、そういった管理ができることが大前提であるというふうに考えております。したがいまして、目的に沿った使用ができているんだということをきちんと確認するリスク管理体制も併せて構築されているということが、こういったデリバティブ商品の拡充に向けて必要な前提ではなかろうかというふうに考えてございます。
 その上で、9ページ目を御覧いただきますと、そういう中で、ではどういった商品についてデリバティブの取扱い拡充を検討していくべきか、そういった視点でございますけれども、このページにまとめておりますのは、まずは主なリスクを適切にコントロールできるということでありますし、2点目としては、ポートフォリオの中で意味のある大きさがある、意味のある視野を持っている資産、影響が大きい資産についてリスクをコントロールできる手段。それから、商品性という観点では、市場流動性が高くて管理しやすいもの、確実にデータが把握できるもの、そういった商品であるべきではないか。それから、当然ですけれども、当面の運用方針にきちんと合っていて、その中でも必要なものという視点の下で取り扱うべき商品を検討していくのではなかろうかというふうに考えてございます。
 これを図示いたしますと10ページ目、ポンチ絵ですけれども、デリバティブ商品といった場合には非常に大きなユニバースになりますけれども、今回JSTに対して取扱いの拡充を検討する分野というふうに考えますと、どちらかというと、このポンチ絵、縦軸はシンプルなものから複雑なもの、逆に言うと、流動性が高かったり参加者が多いものから流動性が低いものという軸になっておりますし、横軸については、左がリスクの削減のため、右側が投機的な利用、というイメージの絵ですが、今回拡充を検討するのは、左上の領域にある商品であるというようなイメージ感でございます。
 以上、内閣府からは御説明終わります。

【川北座長】  ありがとうございました。
 続いて、議題4です。デリバティブ取扱商品の追加について、JSTから説明をお願いいたします。

【杉本副本部長】  JST、科学技術振興機構の杉本と申します。よろしくお願いいたします。
 次のページをお願いします。世界的な金融引締めによって株と債券が両方とも下落していると、すなわち株と債券による伝統的な相関が崩れているというような状況が、足元の市場環境、それからこれは今後も続く可能性があるというふうに考えております。こういった中では、資産クラスによって分散を利かせていくというのは当然大切ではあるんですが、もっと根本的に、パフォーマンスの源泉となる要因、運用の世界でいいますとリスクファクター、リターンファクター、こういったものの単位でリスク量を適切に適宜調整していくことが非常に重要になってきているというふうに考えております。
 そこで、大学ファンドで主要なリスクというものを、左側1、2、3、4でお示ししておりますが、まず為替リスク、それから金利リスク、株式リスク、信用リスク、この4つで整理をしてございます。まず為替リスクについては通貨スワップというデリバティブで、より柔軟な運用をしていきたいというふうに思っております。
 2つ目の金利リスク、ツールとしては3つ挙げておりますけれども、金利スワップ及びスワップション、それから金利先物と金利先物オプション、それから海外の債券オプションというところでございます。
 それから、株式のリスクにつきましては、現在先物は使えますので、直接的な、いわゆるデルタについてはヘッジをすることができますけれども、株式のオプションというものが使えない状況ですので、こちらについても柔軟な運用のために活用していきたいと。
 最後、信用リスク、クレジットリスクでございますけれども、こちらについてはクレジットデフォルトスワップというところで、対象としては社債全般、それから新興国国債、こういったクレジットを含む投資対象に対してヘッジ、それからリスクのコントロールというところです。
 次のページをお願いいたします。これ以降は各商品について詳細な御説明に入らせていただければと思っておりますけれども、委員の皆様におかれましては、それぞれのデリバティブ、そもそもどういうものなのかというのはもう既に十分に御案内のところかと思いますので、ポイントを絞って御説明させていただきながら、もし不足しているところがございましたら、質疑応答のところで御指摘いただければというふうに思っております。
 まず3ページ、通貨スワップでございます。こちらは為替のコントロールのために活用したいというふうに考えておりますけれども、現在、為替のフォワードは使用することができます。一方で、為替のフォワードは短期のところが市場の中心になっておりますので、より長期的な、安定した為替リスクのヘッジのツールとしては、やはり通貨スワップといったものを活用したいと思っております。この長期的な安定なヘッジをすることによって、調達期間の分散が図られますので、よりポートフォリオ全体の流動性の安定化にも寄与すると考えております。
 次のページを1つ飛ばしていただいて、こちらは具体的な数字をもって収益のインパクトの試算をしておりますけれども、ポイントとしては先ほど申し上げた2つでございまして、①と書いてある、上から3行目ぐらいのところですけれども、長期の調達に、いわゆる調達期間を分散したいということが1点目でございます。2点目が、下から4行目になりますけれども、いわゆる流動性のところです。ヘッジをロールしたくてもなかなかしにくいといった環境の中で、長期的な、調達期間の分散をすることによって、こういった流動性の管理にも資するというふうに考えております。
 次のページをお願いします。こちらは金利スワップでございます。現在、金利をコントロールするツールといたしましては債券の先物がございますけれども、やはり先物ですと、上場されているものに限られますので、年限が限られてしまうということと、基本的には3か月に1度ロールが発生してしまうというところで、そのたびに取引をし直さなければいけないということがございますので、より柔軟なツールとして、各年限の柔軟な活用、それから長期的な金利リスクのコントロール、こういったところで金利スワップを活用したいというふうに考えております。
 次のページをお願いします。もう一つ進んでください。先物だけでは直接ヘッジができないというようなところがございます。こういったところも踏まえまして、やはり金利というのは、足元保守的な運営をしている中で、債券というのがポートフォリオにとって非常に重要な資産クラスになっている中で、金利の柔軟なコントロールのためには非常に重要なツールであるというふうに考えております。
 次のページをお願いします。続きまして、金利先物と金利先物オプションでございますけれども、現在先物が使えるというのは先ほどの金利スワップと同じ状況ですけれども、最短でも2年物になってしまうという一方で、世界的な中央銀行の金融政策の引締めが続いている中で、やはり金融政策の動向というものがポートフォリオ全体に対して非常に大きなインパクトを与えている状況でございます。これは債券に限らず、株式の動向、それから通貨の動向、ヘッジコストの動向、こういったところにも金融政策の動向というものが非常に大きな影響を与えているといった中で、やはり先物を使った2年金利の調整というだけではなくて、直接的に政策金利のリスク、金融政策のリスクといったものをコントロールするツールとして、金利先物、それから金利先物オプションというものを活用したいというふうに思っております。
 次のページをお願いします。もう一つお願いします。為替のフォワードでは、短期金利によるヘッジコストの影響というものを非常に大きく受けているところでございます。こういったところも金利先物を使ってヘッジをすることによって、ヘッジコストの変動に対してもポートフォリオの安定化に資するというふうに考えております。
 次のページをお願いいたします。続いて、オプションでございます。こちらでは債券オプション、株式オプション、それから金利オプションと書いておりますが、これは金利スワップ、いわゆるスワップションを想定した記載になっております。
 こちらについては、やはり上昇と下落に対して完全にリスクを消しにいくといいますか、上がる下がるに対して見通しが非対称な状況、もしくはポートフォリオに与える影響が非対称な状況であれば、やはり先物といったデルタで直接リスクをコントロールするだけではなくて、もう少し柔軟なコントロールができるであろうということで、オプションの活用もしたく考えております。
 こちらで真ん中のところでございますけれども、スワップション、それから債券オプション、株式関連オプションと、3つ挙げておりますけれども、まずスワップションにつきましては、先ほど御説明いたしましたとおり、より柔軟なリスク管理をいたしたいというふうに思っております。債券オプションのところは、現在でも使えるツールに債券オプションというのが入ってはいるんですが、国内に限られているというような状況になっておりまして、一方で大学ファンドのポートフォリオの中では外国債券もそれなりの比重を占めているというところになりますので、やはり外国債券の債券オプションが使えない状況というのは、非常に制約がかかっている状態というところですので、こちらも海外上場及び海外の店頭取引についても活用させていただきたいというところでございます。
 株式についても、冒頭御説明させていただいたところではあるんですけれども、先物は使える一方で、オプションが今使えない状況というところもありますので、こちらについても、より柔軟な、上下非対称な管理について取り組ませていただきたいというふうに考えております。
 次のページお願いします。こちらは株式オプションの簡単な御説明ですので割愛させていただいて、次のページをお願いします。
 こちらも債券オプションの、先ほど申し上げた、なぜ海外の中で債券オプションが必要かといったところでございますので、こちらも割愛させていただければと思います。
 具体的な商品の御説明の最後になりますけれども、CDS、クレジットデフォルトスワップになります。こちらは、先ほどまで為替、金利、それから株式のところについては、先物等、一部ツールが使える一方で、ツールが限定的であるというところでございましたけれども、現在、クレジットリスク、信用リスクについては、直接的にヘッジをするツールがないという状況になっておりますので、まずここについてはリスクのコントロールのツールとして、クレジットデフォルトスワップを活用させていただきたいというふうに思っております。これはいわゆる指数のCDS及びソブリン、主には新興国を想定しておりますけれども、新興国のソブリンのCDSといったものを想定しております。
 次のページをお願いします。もう一つ、お願いします。
 以上で、使用させていただきたいツールの概観、それから各商品の具体的な御説明といったところですけれども、ここではリスク管理の体制についても触れさせていただければと思います。
 当然ながら、ツールとして使うに当たっては、リスク管理というのは非常に大事なパートだというふうに認識をしております。ポートフォリオでは非常に重要な位置づけといったところで、デリバティブだけをどのように管理するかというよりも、やはりポートフォリオ全体でどのように管理をするのか、デリバティブはポートフォリオの一部になりますので、ポートフォリオ全体の管理の中でデリバティブをどのように扱っていくのかというところで御説明を、枠組みの観点と、どのように計測していくのかという観点で御説明させていただければと思います。
 今回、スワップ、オプション等、非常にシンプルなものに限っているというところがありますので、既存のガバナンス、それからリスク管理の枠組みでしっかりと管理をしていくことが可能であると。逆に申し上げますと、その枠組みで管理できるものに限定しているというようなところで考えております。
 次のページをお願いいたします。具体的に、イメージ図でありますけれども、2つありまして、1つはリスク量の管理、真ん中ほどにリスク管理①と書いておりますが、全体的なリスク管理の枠組みとして、まず、レファレンスポートフォリオで規定される許容リスクに、政策アセットミックスに該当する基本ポートフォリオ、こちらがしっかりと収まっているかというものをまず管理として持っておりまして、この基本ポートフォリオに対して、実際に運営するポートフォリオが、リスクが収まっているかということ、これはデリバティブに限らず、ポートフォリオ全体として行っております。実際に運営するポートフォリオという中にデリバティブが入ってきたといたしましても、この大きな枠組みというものは変わりませんので、これをまずしっかりと管理していくということが1つ目でございます。
 2つ目が、左側の真ん中あたり、リスク管理②と書いておりますが、実際に運営するポートフォリオの中にデリバティブが入っていく、このデリバティブの目的が、しっかりと当初想定しているリスクのコントロールに限定されているかを管理していくというところを考えております。
 次のページをお願いいたします。こちらはガバナンスといったところでして、いわゆる会議体ですとか体制をお示ししておりますけれども、こちらもデリバティブに対して特別に何かというよりも、やはりポートフォリオ運営全体の枠組みの中で行っていくというところでございます。運用・監視委員会という一番大きな上位組織がありまして、その中で投資委員会、それから運用リスク管理委員会という、今既存で行っているポートフォリオ全体の枠組み、この中でデリバティブも管理をしていくというところでございます。
 次のページをお願いします。こちらは会議体ではなく、規定類の関係ですけれども、規定体系としても今の運営体制の中で行っていくというところでございます。
 次、お願いいたします。続いて、ではデリバティブを含んだリスクをどのように計測していくのかというところでございますけれども、こちらもイメージ図を使って御説明させていただければと思いまして、次のページをお願いいたします。左下にリスク管理③というふうにありますけれども、まずデリバティブのリスクを管理するためにも、デリバティブが持つ各種リスクに関連する情報がしっかりと取得できることが必要になってくるというところになりますので、こちらを取得できるツールに限定すると。逆に申し上げますと、非常に複雑な仕組債のような形で、中が見えないものというのは対象にはしておりません。金利スワップや通貨スワップといった形で、非常に透明性の高い、流動性の高いツールでありますので、こういった情報を取得していくというところがポイントの1つ目になっておりまして、次が、真ん中辺り、リスク管理④と書いてあるところでありますけれども、こちらはデリバティブを使って、実際にリスクがしっかりコントロールされているか、先ほど何枚か前のスライドで、リスクの目的に合致しているかという枠組みを御説明いたしましたが、それが実際に行われているかということを確認してまいります。
 次のページをお願いいたします。自家運用については、自家運用ガイドラインというものを設定しておりますので、この自家運用のガイドラインの範囲内で、投資目的に加えて、しっかりと自家運用のガイドラインの範囲内で行っていくといったこともモニタリングをしていきます。
 次のページをお願いいたします。これが最後のスライドになりますけれども、これまで概観、ツールの詳細、それからリスク管理の考え方を御説明させていただきましたけれども、これらを踏まえて、内閣府さんから御説明いただいた参照商品、それから先物、オプション、スワップといったタイプ別、こちらの中で赤字になっているところというのが今回追加を御検討いただきたいところになっておりまして、通貨についてはスワップ取引を追加させていただきたい、債券については債券オプションの、特に海外のものについて追加をさせていただきたいといったところ、それから株式については株式オプション、金利については、金融政策に関連する金利先物、それから金利オプション、スワップション、それから金利スワップというところで、最後、クレジットについてはクレジットデフォルトスワップといったところが今回お願いしたい内容になっております。
 科学技術振興機構からの御説明は以上となります。

【川北座長】  ありがとうございました。では、質疑の時間に入りたいと思います。これまでの説明について御意見、質問ありましたら挙手をお願いいたします。
 加藤委員、お願いします。

【加藤委員】  御説明ありがとうございました。加藤でございます。よろしくお願いいたします。
 最後のJSTさんの御説明についての質問です。幅広いいろいろな商品の説明いただきましたけれども、当面を考えたときに、具体的にどういう商品を使ってどういうような取組をされたいのか、もし具体的なアイデアがあるのであれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【川北座長】  では、JSTさん、お願いします。

【杉本副本部長】  ありがとうございます。これらシンプルなツール、必要なツールということで、各局面で使っていきたいとは思っているんですが、まず優先順位高く考えておりますのは、やはり為替のヘッジの期間の分散ということで、通貨スワップを使って、より為替のヘッジの長期化といったものは行っていきたいというふうに考えておりますというのが1つ目でございます。
 2つ目につきましては、やはりこれから金融政策がどんどんと、まだ引締めが続いていくという中で、金利リスクはある程度コントロールしながらも、同時にドル安が来る可能性もあるという、この通貨の方向性の違いといったものもありますので、やはり金利スワップを使いながら、金利スワップによって為替に影響を与えない、すなわち債券を売買すると、例えばアメリカ国債を売買してしまいますと、金利リスクだけではなくて、通貨のリスクも一緒についてきてしまうということもありますので、こういった通貨のリスクを取らない中で金利のコントロールをするために金利スワップを使うですとか、そういった各要素を細かく調整するといったところで使いたいというふうには思っております。
 あとは、今後金融引締めが進んでいって、より景気減速、それから景気後退という懸念がこれから高まってくるという可能性が高く考えておりますけれども、こういった中では、やはりリスク性の資産、例えば株式オプションですとかクレジットデフォルトスワップ、こういったところを。クレジットデフォルトスワップについては、今持っている量によりますけれども、こういったリスク性の資産のヘッジといったところも柔軟に行えるためには、デリバティブによるものというのが有効になってくるかなというふうに考えております。

【加藤委員】  関連の質問、追加してよろしいでしょうか。

【川北座長】  はい。

【加藤委員】  今、通貨のリスクのヘッジという話をお伺いいたしましたけども、例えば、先ほど御説明がありましたように、今回は実は為替ヘッジしていなかったほうがよかったわけです。為替ヘッジしているともっとパフォーマンスが悪かったわけです。ということは、為替ヘッジするということは、ある意味で言うと、リターンのオポチュニティーもなくしてしまうということにつながるわけです。為替をヘッジするということは、それはもう為替のリスクは基本的には取らないということ、ですから為替から得られるリターンがあるかもしれないけど、それは取らないということを前提とした運用方法ということになるのでしょうか。あるいは、そうではなくて、何らかの相場観に基づいてヘッジをしたりしなかったりということを決めるのでしょうか。その辺はどういうふうにお考えになっているんでしょうか。

【杉本副本部長】  続けて御回答してよろしいでしょうか。

【川北座長】  はい。

【杉本副本部長】  御質問ありがとうございます。為替のヘッジの考え方につきましては、全てヘッジをするか、全てオープンでするかということではなくて、やはりここはバランスを見ながら為替のヘッジの量というものをコントロールしております。この中で、御指摘のとおり、やはりヘッジコストがかかる、すなわちリターンを犠牲にする形で為替のリスクを抑えているというところは確かに御指摘のとおりかと思いますけれども、やはり全てヘッジするのかでは、完全にリターンは失われる状態になりますが、リターンとリスクのバランスを見ながらリスク量をコントロールしているというような状況でございます。
 とはいえ、ではドル安を当てにいく、ドル高を当てにいく、こういった見通しだけで完全に調整するというよりも、やはりこれはポートフォリオ全体のリスクのバランス、すなわちリスク量だけではなくて、相関も踏まえたコントロールといったものを行っています。例えば株式のリスクに対して通貨の相関がどうなっているのか、金利のリスクに対して通貨の相関がどうなっているのか、この辺りも踏まえて通貨のリスクをコントロールしていく必要がありますので、この相関の状況が変わってくるときには、当然ヘッジ比率のコントロールも必要になってまいりますので、こういったところのツールとしてデリバティブを活用していきたい、通貨関連のデリバティブを活用していきたいというふうに思っております。

【加藤委員】  何らかのロジックの下に最適化すると、そういうお考えということでしょうか。

【杉本副本部長】  最適化も活用いたしますし、市場の見通し、経済の見通しといった定性的な判断も踏まえて、活用してまいります。

【加藤委員】  分かりました。ありがとうございました。

【川北座長】  今の加藤委員の質問に関連してですけれど、今おっしゃったようなポジションの調整をやっていくにしても、どうしてもそれをやり過ぎるというんですか、短期の売買に陥る危険性というのが結構あると思います。今回の大学ファンド自身の目的は長期の投資ですけれども、それとの整合性というんですか、そこはどういうふうに図られていくのでしょうか。私のほうから質問ですけれども。

【杉本副本部長】  御質問ありがとうございます。その点につきましては2つあろうかというふうに思っております。1つ目が、まずレバレッジを使ったものというのは想定しておりません。すなわち短期売買によって大きな収益を上げようといたしますと、どうしてもレバレッジをかけて、ある市場の動きにかけていくような投資行動といったものが想起されますけども、そういったものは想定をしておりませんというのが1つ目でございます。
 2つ目につきましては、やはりリスクファクターといいますか、細かい調整をしていきたいというのが主になっておりますので、短期売買によって、すなわち短期の価格の変動の方向を当てることによって収益を上げていくといったものを志向しているわけではありませんで、例えば社債に投資をした場合に、クレジットリスク、金利リスク、通貨リスクがまとめてついてきてしまうと。これは意図して全てを取りたいわけではなく、例えば、本当は社債のリスクだけ取りたい環境の中で、金利リスクと通貨リスクがついてきてしまうというような状況の中で、金利と為替のリスク量をコントロールする、もしくは社債のスプレッドリスク、クレジットスプレッドリスクそのものをコントロールする、こういった、資産の枠組みではコントロールできない、よりリスク、収益の変動の源泉そのものを調整しにいくという、このコントロールのツールとして使うことを想定しておりますので、これをもって短期の売買によって収益を上げるというふうなことは考えてございません。

【川北座長】  これは、例えば為替のポジションをどう取るのかとか、それから信用リスクのポジションをどの程度取るのかというふうなものは、債券というか、国債のポジションをどうするのか、株式のポジションをどうするのか、それと同じような形で、別途というか、年度計画なりで定められる、議論されると、そういうふうに理解していいんでしょうか。

【杉本副本部長】  御指摘のとおりでございます。これはデリバティブの使い方には限らず、御指摘のとおり、ポートフォリオ全体の運営に関わるところでございます。今、基本ポートフォリオというものを定めておりますが、これが大体10年から15年ぐらいの時間軸というふうには考えておりますが、そういった長期の向かうべきところといったものも当然持ちながら、一方で、ビジネスサイクル、クレジットサイクル、市場のサイクル、こういった、より短期というと、そこまで短期ではないかもしれないですが、半年から数年といったサイクル、こういったところについても基本ポートフォリオに向かう道のりの中で調整を行っておりますし、また、より短いスパンで言いますと、やはり金融政策の動向であったりですとか市場のゆがみ、こういったところを、短期を積極的に取りにいくというわけではないんですが、大きな時間軸から中期、短期といった組合せ、各層になって運用が行われているといったところになりますので、この一体の枠組みの中で、リスク量、それから目指すリターンの源泉、こういったものを調整するツールとしてデリバティブを想定しているということでございます。

【川北座長】  分かりました。
 徳島委員、お願いします。

【徳島委員】  御説明ありがとうございました。今、JSTの御説明を伺っていると、JSTが取り組もうと考えられているのがアセットオーナーの運用なのか、アセットマネジャーの運用かというと、かなりアセットマネジャーに寄り過ぎているような印象を受けます。すなわち、例えばGPIFを一つの例にして良いと思いますが、GPIFも基本的には外部委託の運用を中心にしていて、それに対して多少自らがデリバティブを使う余地を用意していますが、実際にはあまり使われていません。これはデリバティブを利用するということを通じて、国民の皆さん、受益者の皆さんが受ける影響を考えたときに、極めて限定的に使うという方針をつくっていらっしゃる。一方で、今のJSTからの御説明を受けていると、まるでJSTがアセットマネジャー、もしくは投資銀行のような運用を行い、それで収益の獲得を目指そうとしているのではないかといった感じを受けます。やや、やり過ぎ感というのがあるなと強く感じます。
 私は、枠組みとして、今回JSTが拡大を想定されている領域というのは、全部拡大していいと思っています。ただし、使い方をきっちり決めるべきと考えます。確かに、為替、通貨のところは利用する意義が確かにあると思いますが、それ以外のところでどのように使っていくか、どのようにコントロールされるかというところが見えないと、例えばイギリス政府が今年の夏に大ポカやりまして、イギリスの年金はスワップションで大損を出して、デリバティブは悪いといった論調になってしまっています。そういった中で、本当にこういったデリバティブの積極的な利用が必要なのか、ちゃんと使えるのか疑問に感じます。要するに、外部委託と自家運用の仕切りというか使い分けが、今日の御説明だと見えないと感じました。
 さらに、例えば内閣府の資料の一番最後、10ページのところでも、要するに、例えば低流動性資産に関しては、金利や株式に関するデリバティブでのコントロールは使わないというお話ではないかと思います。そういった意味では、上場証券に関するリスク管理には使うということならば、実はかなり限定されていらっしゃると見えますし、限定されるべきだと思っています。そういった整理がきちんと行われていないと、皆さんが納得されないと思います。
 取りあえず私のコメントは、まず一旦、以上にしておきます。

【川北座長】  これに対して、JSTさん、お願いします。

【杉本副本部長】  御指摘ありがとうございます。ちょっと私の御説明が不十分なために誤解をお与えしてしまっている可能性あるんですけれども、基本的にはやはり資産配分といったものがベースになるというところで、先ほど対比で、その中でデリバティブの使い方ということで御説明させていただきましたが、とはいえ、やはり長期で見た資産の配分というものがベースになっておりますし、その中で外部マネジャーへの委託を通じて収益を上げていくと。こういったところをやはり考えております。また、入金といいますか、政府のほうから出資もしくは借入れをするタイミングというのも今年度までに限られているといった入出金のタイミングがある中で、やはり現金、キャッシュフローの管理といったもので一部自家運用していく必要があるというところではありますが、それを主目的にして、これが運用の中心になって、そこでデリバティブをどんどん使っていくということは想定しておりませんで、繰り返しになってしまいますけれども、やはり長期の運用の中で資産配分を中心に考えていき、その中で外部マネジャーを活用していき、全体に係るコントロールというところというよりは、やはり年度の助成に係るところで、どうしてもヘッジをしておくべきところ、もしくは為替のヘッジの期間を分散していくところ、こういった全体的な基本思想、御指摘いただいたアセットマネジャーとしてでなく、アセットオーナーとして、まず基本的な思想、基本的な方針がある中で、そこの残りの調整のところで、より柔軟なツールとして想定をしているというところでございます。

【川北座長】  徳島委員、よろしいでしょうか。

【徳島委員】  はい、一旦。また後で。

【川北座長】  分かりました。では、津金委員、お願いします。

【津金委員】  津金と申します。よろしくお願いいたします。
 御説明ありがとうございました。リスク管理という点ですが、定量的な部分に関しましてはいろいろと御議論があったかと思いますが、カウンターパーティーリスク、あるいはオペレーショナルなリスクというのも、新たなデリバティブを始めるに当たって考えなければいけない部分だと思います。特にスワップとか契約期間が長くなりますと、契約当時のカウンターパーティーの格付だけを見ているだけでは格付が落ちてきたときどうしようかとか、それからやはり、先物もそうなんですが、そこのカウンターパーティーでないと、ブローカーでないとクローズができないというのが普通の現物と違って、もうそこのブローカーさんとやらなきゃいけないという部分がありますので、カウンターパーティーリスクの管理を見ていかなくてはいけないと思います。例えば、リーマンが起こったようなことが起こるかもしれない、10年、20年以内にもう一度同じようなことが起こるかもしれない。そういうときには、例えばリーマンで立てた先物というものを全部クローズしてほかに替えなければいけないとか、あるわけですよね。
 そういうことに関する、有事というんでしょうか、それは実際起こってからでは遅い、それを事前にキャッチしながら対処しなくてはいけないという部分がかなり求められるわけですけれども、それを想定したようなリスク管理、モニタリングというのはどのように考えていらっしゃるでしょうか、というのが質問になります。

【川北座長】  お願いします。

【杉本副本部長】  ありがとうございます。カウンターパーティーリスクをどのように考えるのかといったところかというふうに受け止めましたので、その辺りについて御説明させていただければと思いますけれども、こちらにつきましては御指摘のとおり、リーマン・ショックのときにはデリバティブというのがポイントになっていた一つの側面にあったかというふうに思います。この中で、大学ファンドとしては3つ、対応として入れておりまして、1つ目が、やはり取引先の信用力といったものは事前にしっかりとチェックをしているというところでございます。複数社からしっかりと格付を取っていると、投資適格の格付を取っているということを、まず取引の段階でチェックしておりますし、その格付がしっかりと維持されているかということも継続的にモニタリングをしております。この取引先のクオリティーを担保する、チェックするということが1つ目でございます。
 2つ目が、とはいえ、やはり何かある可能性というものは当然ございますので、取引先を分散するということを行っております。これはいわゆる取引先のシェアといったもので管理をしておりまして、1つの取引先に集中して、特定のエクスポージャーに偏らないようにということを考えておるのが2つ目の分散という観点でございます。
 3つ目が、とはいえ、とはいえということで、やはり万が一にも何かあるというのが金融市場でございますので、ここにつきましては、やはり今出ている損益、デリバティブは基本的には、取引当初には損益が立たない形になりますが、そこで市場が動いていく中で、損もしくは益が出てくるというところについては、しっかりと担保のやり取りをするように想定しております。これは日時でしっかりと値洗いをして、日次で必要に応じて担保の授受、増減させていくということになります。そうすることによって、仮に何かデリバティブ取引そのものを回収できないような場合にも、その担保を現金化することによって想定していた益を確保するということを想定しております。
 これはやはりリーマン・ショック、御指摘いただいた世界金融危機の後で、業界全体として教訓を得ているところかなというふうに理解しておりまして、やはり業界全体としてもISDA CSAという形で担保の授受をしっかりとして、カウンターパーティーリスクを金融システム全体としていかに低減していくのかということは取組として進んでおりますので、大学ファンドとしてもこの流れの中でしっかりと管理をしていきたいというふうに考えております。

【津金委員】  分かりました。ありがとうございます。
 すみません、これはまた全然違った観点で、ガバナンスのところですけれども、私の理解では、結局1線、2線、3線でそれぞれチェックをします。運用・監視委員会という外部識者が集まっているところで、いわゆる最終的な監督と、そういう役割かなというふうに思って拝見いたしました。普通の会社ですと、監督と執行という形からいたしますと、監督に当たるのが運用・監視委員会であり、理事長以下、運用執行理事の方は、ある意味、執行側であるという理解で、理事長が執行側のトップであり、監督機能はこの委員会であると、そういう理解でよろしいわけでしょうか。

【杉本副本部長】  そうですね、運用・監視委員会が必要に応じて、文部科学省及び文部科学大臣のほうに報告をしていくという形になっておりますので、御指摘いただいた理解で合っております。

【津金委員】  さらにその上に文部科学省さんがいらして、全体をウオッチされていると、そういうガバナンス体制になっているという理解でよろしいわけですね。

【杉本副本部長】  はい。

【津金委員】  ありがとうございます。すみません、取りあえず以上でございます。

【川北座長】  少し質問ですけれども、運用に関してレファレンスポートフォリオがあるわけですよね。そこで為替のヘッジなんかをやっていかれると、レファレンスポートフォリオとかなり違うリスクのポートフォリオになってくると思うのですけど、その差はどういうふうに管理されるのか。その差で収益がよかったりしたら、それはそれでいいんですけど、悪くなったときにどういうふうに説明されるのか。それから、ちょっと戻って、そもそものポートフォリオ、実際のポートフォリオの設計を、どこでどういうふうな形で意思決定されるのか。
 この点をまず教えていただきたいというのが1点と、もう一つは、今、為替ヘッジされているということなんですけれども、運用が成熟していって、かつ含み益が予定どおり生まれてくると、大学に対して3,000億毎年出すというのは割と楽になっていくわけですけれども、そのときのリスクといいますか、特に為替のリスクをどういうふうに考えられるのか。後者に関しては、現在決まっているような、もしくはその方向性があれば教えていただきたいのですけれども。

【杉本副本部長】  ありがとうございます。2ついただいたというふうに認識をしております。まず1つ目がレファレンスポートフォリオに対して、今のポートフォリオの為替リスクが違うところを踏まえまして、全体のポートフォリオの運営のプロセスといいますか、全体の考え方が1つと、もう一つは、長期で見た際の為替の取り方に関する考え方というところで受け止めいたしました。
 1つ目につきましては、まず大きな枠組みといたしまして、運用プロセスを簡単に御説明いたしますと、まず運用の目的といたしまして、リターンがあってリスクを最小化するということではなく、許容リスクの範囲内でリターンを最大化していくということが、そもそもの設計としてJSTが与えられているミッションになっております。そうしますとリスクの許容度を決める必要がありますけれども、このリスクの許容度を決めるものというのがレファレンスポートフォリオであり、65グローバル株式、35グローバル債券という形になっております。ここで改めて強調させていただきたいのが、あくまでリスク許容度を決めるためのレファレンスポートフォリオでありまして、これをベンチマークとして、ここをスタート地点にするということではなく、許容リスクを決めるというところがレファレンスポートフォリオの立てつけになっております。
 そうしますと、何かしら軸となるポートフォリオというものが必要になってまいります。これを基本ポートフォリオというふうに呼んでおります。すなわち、レファレンスポートフォリオから規定されるリスク許容度の範囲内でリターンが最大化するようなポートフォリオを組んだものが基本ポートフォリオというふうになっております。ですので、レファレンスポートフォリオから乖離する、これももちろん見る必要はあり、実際見ておりますけれども、ベンチマークとして、これに対してオーバーウエート、アンダウエートというようなことではなく、あくまで基本ポートフォリオが運用の中心になっているというところで御説明させていただければというふうに思っております。
 2つ目の為替の考え方につきましては、長期については、当然ながら制約も徐々に、資本バッファーがたまっていくにつれて外れてくるというところになりますので、為替に限らず株式もそうですが、より柔軟なリスクの取り方ができてくるというふうに考えております。
 ここで、基本的に為替オープンにするのか、為替ヘッジをすべきなのか、どこをターゲットにすべきかというのは、現時点で何か結論を持ってしているわけではないというのがまず御回答にはなりますけれども、それも今後検討、研究をしていきながら、どういった為替管理が最適になっていくのか。すなわち100%ヘッジや100%オープン、こういった二元論ではなくて、例えば、ほかの株や金利、クレジット、それからオルタナティブも当然関わってきますが、この辺りを踏まえて、それから助成をするに当たっては、定期的にキャッシュ化、キャッシュフローとして出さなければいけませんので、流動性の管理も含めて為替リスクの最適なポイントというのがリスク、リターンの中でどの辺りに落ち着くべきなのか、もしくはどういった管理をすべきなのか、こういったところというのは今後検討していくポイントになってくるというふうに考えております。

【川北座長】  前者に関しては、基本ポートフォリオがあって、そこに対してどうするんだということなんですけれども、私の理解では、レファレンスポートフォリオの議論は公表されていたと思いますが、基本ポートフォリオ自身がどういうふうな考え方でつくられているのか、この点は現在、外部に公表されているんでしょうか。というのは、かなり収益が悪くなったときに、どういう理由で悪くなったのかということを説明していく必要性が出てくると思いますが、そのとき全体として基本ポートフォリオというものが何らかの形で示されていないと、なかなか説明しづらいのではないかと思います。いかがでしょうか。

【杉本副本部長】  ありがとうございます。まず、現在公開されているか、されていないかで言いますと、枠組み、考え方としては公開しておりますが、具体的にどの資産が何%というものが基本ポートフォリオであるというものは非公開という状況になっております。この背景といたしましては、先ほどの資本調達構造があるがゆえに、足元が基本ポートフォリオとかなり違うポートフォリオにならざるを得ない状況がある中で、基本ポートフォリオを開示していく中で、やはり市場の先回りですとか、いろんな市場インパクトを与えてしまう可能性といったものがありますので、そういった中では、この数値の公開といったものは、もともと基本指針の中で非公開とするということが設計としてありますので、そういった意味でも、現在そういった数値については非公開になっているというような状況になっております。ただ、御指摘のとおり、それに対してどのように説明をしていくのかといったところについては、やはりしっかりと可能な範囲、市場インパクトを与えるということはやはりよろしくないことですので市場インパクトを与えない範囲で、できるだけの範囲で御説明をしていくことが重要だということは認識しております。

【川北座長】  ちょっと心配なのは、デリバティブの扱いの範囲を広げていくということになってくると、デリバティブも一緒くたにされて批判されるおそれというのがあるように思います。今回のデリバティブの扱い商品の拡充に関しては、私もそれはそのとおりだと思っているんですけれども、損失が発生したときの場合に備えて、どういうふうな外部への説明の仕方をするのかは、やはりよく考えておいていただかないといけないのかなと個人的には思います。コメントです。

【杉本副本部長】  ありがとうございます。そうですね、今回は枠組み、ツールとして拡充させていただきたいということを考えておりますけれども、これが使えるタイミングになったら、全てのツールをマックスの状態でリスクを取りにいくとか、それは当然考えておりませんで、収益に対する影響等も考えて、そこは状況に応じて、リスク量についても過度に取っていくということは想定しておりません。かつ御指摘いただいたとおり、どのような説明が必要になってくるのかといったところも当然念頭に置いた形では運営したく思っております。

【川北座長】  ありがとうございます。
 最初に津金委員から挙手があったので、加藤委員はその後でお願いします。津金委員、お願いします。

【津金委員】  今のお話の続きですが、基本ポートフォリオは今構築途中なので当面非公開という、そういうことでよろしいでしょうか。川北委員からもありましたように、基本的にやはり説明責任というのはかなりあるかと思います。ですから、その説明責任を果たすためにも、公開できる部分というのはやはり公開をしていくことが、今後の運用としてあるべきだと思います。そのほうが説明責任も果たせると思っておりますが、たまたま今、今年度中、来年度もかかるのかどうか分かりませんが、まだ安定したポートフォリオの状態になっていないという特殊な状況においては非公開とすると、そういう理解でよろしいんでしょうか。

【杉本副本部長】  ありがとうございます。今スライドをちょうど映してもらっていますけれども、運用立ち上げ期においてポートフォリオ構築への影響が、市場インパクトも含めて出てくるということで、基本ポートフォリオは運用立ち上げ期について非公開とするという設計になっておりますので、今御指摘いただいた御認識のとおりでございます。

【津金委員】  ありがとうございます。そうしますと、その基本ポートフォリオの中には、先ほどから出ていますけれど、例えばヘッジ比率を何%にしたいとか、そういう部分というのは入ってこない、入ってくるんでしょうか。それとも、あくまでも、基本、今65、35ということですけれども、その比率が5%、ちょっとずれるとか、そういうものが基本ポートフォリオになるのでしょうか。

【杉本副本部長】  基本ポートフォリオの公開自体は、まだ現段階では非公開という前提で、今立ち上げ期ですのでということでやっておりますが、行く行く、やはり公的な機関ということで、透明性、公平性の観点でしっかりと開示はしていく必要がある、していかなければいけないというふうには認識しておりまして、ただ、どの項目をどの細かさで開示していくべきかといったところは今検討しているというところになりますので、現段階でヘッジ比率等をどのような形で開示もしくは御説明していくのかについては検討中というところにはなっております。

【津金委員】  分かりました。ありがとうございます。

【川北座長】  加藤委員、お願いします。

【加藤委員】  ありがとうございます。ヘッジの目安については具体的な分析、何かシミュレーションとかされたのでしょうか。
 もしシミュレーションとかされたのであれば、その結果をお示しいただきたいというのが1つ目の質問です。2つ目の質問ですが、先ほど徳島委員からアセットオーナーとアセットマネジャーの関係の話が出ました。例えば社債投資をするときに、クレジットに投資したいのに債券のリスクや為替のリスクも同時に取ってしまうので、ヘッジするというお話があったと思います。ただ、世の中の運用商品には、例えば為替ヘッジつきの社債のファンドというのがあり、十分アセットマネジャーが提供できると思います。
 そういったときに、役割分担、つまりどこまでをアセットオーナーであるJSTさんがやって、どこまでをアセットマネジャーに任せるのかという区別は何か決めているのでしょうか。つまり、ここまではアセットオーナー側でやるし、ここからはアセットマネジャーに任せるという分担です。例えば先ほど申し上げましたように、社債投資で、為替のリスクのヘッジもアセットマネジャーに任せるという選択があってもいいのではないかと思うのですけれども、その辺はどのように役割分担をするのかということを決めているのか、もし何らかのガイドラインがあれば教えてください。
 以上2点、質問です。よろしくお願いいたします。

【杉本副本部長】  御説明させていただきます。まず1つ目の為替ヘッジの比率のところで、それはシミュレーションがあるのかという点と、2つ目が為替ヘッジの役割の分担といったところでございますけれども、まず1つ目のところにつきましては、どれぐらいリスクを抑えているのかといったところにつきましては、シミュレーションで確認はしております。これについては運用・監視委員会等も含めてやっておりますけれども、これは為替ヘッジだけではなくて、当然、株式の割合ですとか債券の割合ですとか、こういったところも含めて資本を毀損する可能性が、当然、運用ですので、完全にゼロというわけにはいきませんけれども、かなり抑えた状態になっているということをシミュレーションで確認しているというところはございます。ただ、これが公開できるかというと、非公開となっておるというような状況ではありますが、確認をしているのかという御質問に対しては、確認をしているというところで御回答させていただきますというのが1つ目についてでございます。
 2つ目につきましては、ヘッジの役割というところで、例えば社債について円ヘッジの商品が運用会社から提供されているというのは、まさにそのとおりでございまして、運用会社とJSTのところで、どのような形で為替をヘッジしていくのかといったところにつきましては、いろいろ検討を経て最適な方法で行っていきたいというふうに思っておりまして、すなわち、運用会社にお任せするところについてはお任せしたいなというふうにも考えておりますし、一方で、例えばオルタナティブやプライベート、低流動のところにつきましては、キャッシュの管理が必要になってくる。為替のヘッジのロールのタイミングでキャッシュを創出する必要がある中で、アンダーライイングの資産をなかなか売却できないといったような事情もありますので、そういった資産の特性も踏まえて、あとは、先ほど御質問いただきましたけれども、今のヘッジ比率がどうかという話と、将来的に何が最適なのかといったところは、やはり当然、ポートフォリオの構築の段階、基本ポートフォリオに向かう状況、それから資本バッファーのたまり方、こういうものによって変わってまいりますので、この辺りも踏まえた上で柔軟に全体最適を図りたいというふうには考えておりますが、御指摘いただいた円ヘッジをマネジャーに任せるということも、当然これは選択肢に入っておりますし、資産によっては、やはりマネジャーでは難しいのでJSTでやるといったところも踏まえての運用を行っております。ということで御回答になっておりますでしょうか。

【川北座長】  よろしいですか、加藤委員。

【加藤委員】  分かりました。ありがとうございます。

【川北座長】  では、徳島委員、お願いします。

【徳島委員】  先ほどの私の質問と今の加藤委員の御質問とも絡んで来ますが、相当デリバティブを使うのではないかというふうに見えてしまう。この後の議論に際しても、どれぐらいデリバティブを実際にアセットオーナーであるJSTが使われるのかという方針が見えないと、最大でこれくらいの可能性ではなく、実際にどれくらいというのが見えないと、なかなか、どんどん利用してくださいとは言いにくいというのが正直なところです。また、デリバティブを大量に使うのであれば、多分今御説明いただいているリスク管理の在り方では、本当にこれで十分なのかどうかとやや疑問に思っています。たまに少し使用するくらいであれば、今の御説明いただいている体制で十分と思いますが、例えば外貨の場合には相当程度までリスクをコントロールする可能性があると言われてしまうと、今のこのリスク管理およびレポーティングの体制だと、基本ポートフォリオとの関係だとかが危ういのではないかなと感じていますというのが、まず1点のコメントです。
 それから2点目、まだこれからの議論であると思いますが、やっぱりディスクローズについては重要だと感じています。特にデリバティブを使ったことによるディスクローズは、基本的にはJST内部の問題ではなく、さらに外向けの説明のものであって、デリバティブだけでの、単体の損益だとか使用量だとか、そういった情報開示を求められると思いますが、多分それはすごくミスリードなので、これらも必要ですが、もう一歩踏み込んで、実際の効果として、現物なり、ほかの資産とのヘッジ効果も含めて、どういった取組をして、どういう結果になったかといったことを的確に説明しないと、やっぱりデリバティブは怖いという日本人、これは海外にもあると言われていますけど、デリバティブに対する、私はアレルギーと言っていますが、そういったリアクションが出て来かねないので、そういったことにうまく対応するためにも、どれぐらい使って、どういった開示をするかといったお考えを説明していただけたらいいと思います。
 以上です。

【川北座長】  何かコメントありましたらお願いします。

【杉本副本部長】  ありがとうございます。まずデリバティブの量につきましては、通貨のところにつきましては、対財務省さんに対しても、借入れをさせていただいていることで、償還確実性といったような議論もありますので、為替量のコントロールというものはやはり非常に重要になってくるというところで、一方で、それを抑えるために外貨建てのものに投資をしないというのも、やはりリターンを得るという観点から考えますと、グローバル分散投資というのが重要になってくるといった中で、現在使えるツールが為替フォワードのみになってくるというところですので、デリバティブ、まさに御指摘のとおり、ではこれをすごく集中したデリバティブ一本でやっていくというよりは、やはり通貨スワップ等、ツールを変えるというか、ツールも分散し、期間も分散をし、より安定的にこの為替のコントロールをしていきたいという思いで通貨スワップというのは入れておりますので、そういった中で運用を。
 一方で、リスク量の計測、もしくはカウンターパーティーリスクの計測、それから流動性という観点で見ましても、比較的ツールの中ではシンプルなものを選定しているつもりではございますので、ここからより複雑なものをどんどんやっていくとなりますと、御指摘のとおり、本当に大丈夫なのかといったところはあろうかと思いますけれども、そういったところがしっかりと管理できるというような思いの下に今回挙げさせていただいているというのが、まず1つ目のコメントに対する御回答になります。
 2つ目のディスクローズのところにつきましては、御示唆いただきましてありがとうございます。御指摘のとおり、デリバティブだけをもって切り出してしまいますと、もともと運用の方針、思いとして、ポートフォリオ全体のリスクのコントロールをしているのに、デリバティブ、コントロールツールだけを切り出してしまいますと、まさにミスリーディングになってしまいますので、御示唆いただいた、効果とセットで開示、御説明していくといったところは、しっかりと意識をしてやっていきたいなというふうに思っております。よろしいですか。

【川北座長】  今の徳島委員の質問にも関連するというか、デリバティブの使い方のところなんですけれども、やはり結構売買をしたくなるというのが人間の常だと思います。となると、どの程度の頻度でポジション調整されるのか、たとえば月に1回ぐらい打合せをして、少しポジションを抑えようかとか、ポジションを少し膨らまそうかと、そういうことなのか。逆に、枠を与えて、JSTさんの中の売買執行部門が常に、日々の相場を見て売買されるのか、その辺りは今どういうふうな状況になっているんでしょうか。

【杉本副本部長】  喜田理事、手が挙がっておりますが、それに関することですか。

【喜田理事】  すみません、運用担当理事の喜田でございます。よろしくお願いいたします。今日は杉本さんに御説明いただいたので、すみません、途中まで聞いておりました。
 まず、ここの部分のベースのところで補足させていただきます。基本ポートフォリオが非開示なものですから、そこが非常に分かりにくくなっていますが、ここの形態というのは、レファレンスポートフォリオとはちょっと構成が異なります。ただ、ある程度、リスクの許容度は同じですので、やはり基本ポートフォリオの株式関連リスクというのは多うございます。先ほど杉本さんから説明したとおり、最初はどうしても資本の制約がありますので、そこに向けた、基本ポートフォリオとは異なる、手前の構成というのでスタートしていますし、それを移行期間の年度ごとにある程度定めていまして、そこに乖離幅を置いて、運用・監視委員会にかけて、審議事項として審議決定をいただいているという、その範囲内でポートフォリオのバランスを変えられるということになります。
 デリバティブに関しては、少なくとも当初はというので申し上げると、やはり為替関連のフォワード、今はフォワードです。もし可能であれば、通貨スワップというのはある程度使っていくかと思います。ここのコントロールというのは、資本バッファーがない間はある程度使うということかなと思います。
 それ以外の金利、株式、信用につきましては、あくまで急変時の売却代替というのが主体のメインになると思います。その中で、あまりショートすることで収益化とか、そういうことは考えておりませんので、定めた乖離幅で、JST内部の投資委員会、それからリスク管理委員会の承認を得て、その範囲で使うということで、あまり頻繁に、それを閉じる、広げるというのを繰り返す意図はございません。

【川北座長】  分かりました。
 津金委員、お願いします。

【津金委員】  今の補足説明で大分理解が深まりましたが、結局このデリバティブ、当初想定されていらっしゃいますデリバティブの利用というのは、いわゆるJST側はアセットオーナーとして、世間一般的にはアロケーションの変更に関してはアセットオーナーがやることですけれども、アロケーションということではなく、あくまでもこの4つのリスクについての分散、その大きさを見て、このリスクアロケーションを自分たちでコントロールしたい、そのためのデリバティブの利用というのが一番最初に想定しているものと理解いたしました。特に為替に関しては、レファレンスポートフォリオは65、35でオープンですが、それがベンチマークというのではなく、あくまでも最大のリスク幅であって、実際の運用としては、気持ちとしてやはりヘッジをかけたいということで、ある程度ヘッジを想定されていらっしゃると、そういうふうに理解をいたしましたが、それでよろしいでしょうか。あと、今、信用リスク、FX以外は緊急時ということをおっしゃっていらっしゃったんですが、信用リスクのCDSとかに関しては、新興国国債等については、もう初めからCDSを利用し、ソブリンリスクというのは消して投資をするというのも一つの戦略かとは思いますが、そういうことには今のところは利用の前提はないという、そういう理解でよろしいんでしょうか。以上質問です。

【喜田理事】  喜田でございます。1点目はもうおっしゃるとおりでして、先ほどの徳島委員の御質問への絡みもあるので、若干お時間いただきますと、大学ファンドは明らかにアセットオーナーでありまして、ただし、GPIFさんと違うのは、GPIFさんのは仕組みで担保されているものが多うございます。何かというと、4資産あって、そこのある程度の乖離幅というので、説明責任もあるし、求められるということで、かなり仕組みの説明責任というのが多いのかなと思います。この大学ファンドは、また御評価いただきたい、御評価というのは御議論いただきたいというか、もうここは議論を終えた後でこの仕組みにしていると思いますが、レファレンスポートフォリオ・プラス・マイナス株幾らということではございませんで、自身で、基本ポートフォリオで構成をつくるということ。ただし、それについては運用・監視委員会の審議を、移行期間でのウエートも含めて御審議いただいているということです。ですから、オーナーなんですが、その中である程度自分でやるところもあるというのでいくと、執行部の裁量が多うございます。ひとえに私の責任になります。そこの部分が多くなりますので、その範囲でやっていくということになります。
 繰り返しになりますが、リスクのバランスというのはある程度、移行期間なり移行の乖離幅というのが定められて、前もって議論されていますので、そこを意識してやっていくのは変わりませんが、やはりいっときの急変とかを中心にやっていく、あるいは一時的な、限定的にはある程度、常時使わせていただく部分もあるということかと思います。

【川北座長】  津金委員、よろしいでしょうか。

【津金委員】  はい。ありがとうございました。

【喜田理事】  もう一つは、やはりそこの裁量が多いものですから、やはりアセットオーナーとしての観点だけではなくて、私は農林中央金庫でアセットアロケーションの担当役員をしておりましたので、もう完全にセットオーナーであります。杉本さんは運用会社でいらっしゃったということで、アセットマネジメントのほうにたけていらっしゃいます。あとユニットとしては大きく3つありまして、運用企画、これは投資戦略、アロケーションをつくるチームで、ここのヘッドはオーナーとアセットマネジャーを両方経験しています。それから債券、株のグローバルヘッド、それからオルタナティブのグローバルヘッドはアセットオーナーです。ですから、ある程度ミックスさせて、両方のいいところを取ろうとしているという部分が、ちょっと分かりづらさを、実はモデルに合わせてそういうふうにしているつもりなんですが、そこがちょっと御疑義があるかもしれません。そこは御意見いただければと思います。

【川北座長】  ありがとうございます。委員の方から御意見、御質問がありましたら、お願いします。
 加藤委員、お願いします。

【加藤委員】  リスクを負っているため、財務省もセンシティブになっているということで、ヘッジしたいという話だと思いますが、株式のリスクを考えると、実は株式のリスクが大きいわけです。ですから実際、為替のリスクだけをヘッジしたところで、どうなるか分からないわけです。
 実は今回の一連の下げの相場では、為替はヘッジしないほうがよかったということになっているわけです。それで日本の為替オープンの投資家は助かりました。これは実は近年あまりない現象が起こったわけです。どちらかというと、日本の場合は有事の円高ということで、株式が下がっているときは円高で、両方で一緒にパフォーマンスが悪化してしまうということで、為替のヘッジが外国株式の投資に関して非常に意味があったということだと思います。実は、例えばカナダとかオーストラリアなどの資源国ではこれが反対に動くので、為替はオープンにしておいたほうがナチュラルヘッジになるというのがあります。したがって、例えばCPPIBのようなカナダの年金では、為替のヘッジはしないということがちゃんとアニュアルブックなどに書いてあるわけです。そういう意味で言うと、為替のヘッジをする、かなりの比率でするということは、その前提として、今後も日本の通貨は有事の円高で、要するに、今回起こったことではなく、その前までの状況と同じ状況が続くという想定をされているという認識ではないかと思います。一方で、日本の経済・金融構造が随分変わってきて、世界の経済・金融構造も変わってきて、日本の通貨の状況も変わってきているのではないかという議論も一方であると認識しています。基本的な為替のヘッジ政策についてはどのように認識されていらっしゃるでしょうか。もしあれば教えていただきたいと思います。

【川北座長】  これは喜田理事。

【喜田理事】  ごめんなさい、杉本さん、もし何かあったら補足してください。

【杉本副本部長】  いえいえ、喜田さんのほうからお願いします。

【喜田理事】  すみません。為替に関してはヘッジ率を資産配分方針とかでも定めていますが、これはもう長期的な観点から、ヘッジ効率が一番いい、投資効率が一番いいのはどの辺りかというのをベースに考えています。ジャッジメンタルなところで、やはり円高のところではちょっとヘッジ率を下げたり、あるいは円安に行き過ぎるところではヘッジ率を上げたりというのはある程度していますが、ベースにありますのは、そこのトレンドラインでどうだというよりは、今のところで不測の事態、結局、為替も今、おっしゃるとおり、金利との関係性が物すごく強くなっている状態なんですが、これが急速に一気に関係性が失われるというようなときもございます。無相関になるときもございますので、そういうのも踏まえてヘッジ率のほうは調整というか、最初からあらかじめ決めております。
 もう一つは、スタート時点の基本ポートフォリオなり、最終的な基本ポートフォリオなりレファレンスポートフォリオでいきますと、御指摘のとおり、株式のリスクが突出いたします。これはもう為替を抑えようが抑えまいが一番大きいのは株式のリスクなんですが、移行期間で資本の比率を意識してある程度のポジションをつくっている現状でありますと、比較的為替が大きく出る、場合によっては株式より大きく出ると、組合せによってというような状況ですので、それである程度抑えているというのが1つ。
 それから、御指摘のとおり、オープンのほうがよかったというので申し上げると、我々もこれ、ヘッジ率、それなりにしているとは言いますが、ある程度のオープンはずっと維持しております。ここのところはプラスに寄与しているというのは御理解いただければと思います。

【川北座長】  よろしいでしょうか。
 まだいろいろ議論があると思いますが、大体予定の時間になってきました。今日これだけは聞いておきたいというのがありましたら、もう1問ぐらいは大丈夫だと思いますが。
 では、徳島委員、お願いします。

【徳島委員】  すみません、今のヘッジの議論に関しては、ヘッジはオール・オア・ナッシングではなく、その間にいろいろな比率や手法などのバリエーションがあって、多様なコントロールするところに意味が、そして収益源もあると思っています。そういった意味では通貨スワップを含めて使っていただいていいと思っていますが、今日の議論の中で、アセットオーナーとアセットマネジャーの関係の議論も含めてですが、やっぱりJSTが自家運用をどういう形でやっていかれるのか、外部への委託との関係がどうなっているのかが必ずしも明らかでありません。正直言って、我々はGPIFでの取り組みについては知っていますが、JSTの運用にけるその辺りの構造が分かっていないので、少し議論が錯綜した部分があるのかと思います。
 非公表のものが多いと思いますけど、次回の議論に際しては、今の構造なのか、10兆円全部財投が入ってきた時点のイメージなのか分かりませんが、その辺りの委託と自家運用との構造、どこまでアセットマネジャーに委託しているのかとかなどを見せていただき、それでデリバティブをJSTでこれぐらい使いたいといった説明をしていただけると、もう少し議論に実りがあるかと考えております。
 以上です。

【川北座長】  今の徳島委員のコメントに関しましては、為替に関してはオーバーレイ的にヘッジしていくんだという、それはある程度私は納得します。それをいろいろなところに、例えば、クレジットリスクというのは、株式リスクとはかなり相関があり、特に低格付のところは高いと思うんですけれども、そういうところもオーバーレイ的にヘッジするのだとか、どういう概念でもってJSTさん自身は位置づけられているのか。アセットオーナーなのかマネジャーなのかという議論とも関連するんですけれども、アセットマネジャー的なものがあるとすれば、どういう意識でもってやっておられるのか、その整理が必要だと思います。個別論というのは、今日そんなに出てこなかったと思うので、今言った辺りの説明を次回に向けてやっていただければありがたいかなと思います。
 ということで、大体時間になりましたので、今日の各委員の意見を踏まえて、事務局においては論点整理をしていただき、次回のこの検討会議においてそれを見せていただいて、さらに議論を深めていければというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
 本日予定した議題は以上となりますので、今日の議論以外に、皆様のほうで何かありましたらコメントをお願いできればと思いますけれども。

【奥野課長】  座長、1点、文部科学省ですが、一言補足、よろしいでしょうか。

【川北座長】  はい。お願いします。

【奥野課長】  1点、若干事実認識として、先ほどのリスクを取るときの御議論でありましたけれども、自己資本比率を守る際の為替リスクの在り方等で、財務省との関係性に対して御議論がありましたが、基本的にJSTの運用を律速しておりますのは、最初に申し上げたように、まさに償還確実性担保などの仕組み等によるものでございまして、個々のリスクの管理や運用において、個々の運用に関して財務省側から介入指導等を行っているというような事実はなく、最初に申し上げた構造的な問題としてそういった規範が課されているという点だけ補足させていただきます。
 以上です。

【川北座長】  ありがとうございます。そのほか特に、何かありますでしょうか。
 なければ、本日の検討会議はここまでとさせていただきたいと思いますが、最後に事務局のほうからお願いいたします。

【鈴木室長】  それでは、一言だけ申し上げます。本日時間の関係で御発言できなかったこと等がある場合は、事務局宛てにメール等で御連絡をいただければと思います。
 また、本日の議事録につきましては、事務局にて議事録案を作成し、委員の皆様に御確認いただいた上で、設置要綱及び運営要綱に基づき、資料と併せて公開することを予定しておりますので、御承知おきください。
 第2回の検討会議は12月27日の開催を予定しております。
 以上でございます。

【川北座長】  ちょっと聞こえなかったんですけど、議事録案は一旦委員の皆さん方に見ていただいた上で、最終的には資料と併せて公表すると、そういうことですね。

【鈴木室長】  はい、そうです。そのとおりです。

【川北座長】  分かりました。ありがとうございます。
 それでは、第1回の検討会議をこれで終了いたします。今日は、御多用のところありがとうございました。
 
―― 了 ――

(研究振興局大学研究基盤整備課資金運用企画室)