ILCに関する有識者会議(第2期 第1回)議事録

1.日時

令和3年7月29日(木曜日)13時00分~15時00分

2.場所

オンライン開催

3.議題

  1. ILCに関する有識者会議の議事運営等について
  2. ILCに関する有識者会議の進め方について
  3. ILC計画に関する近年の動向について
  4. ILC計画に関する諸課題の進捗状況の確認の視点について
  5. その他

4.出席者

委員

観山座長、横溝座長代理、伊地知委員、大町委員、岡村委員、京藤委員、熊谷委員、小磯委員、神余委員、東嶋委員、徳宿委員、中野委員、森委員

文部科学省

杉野研究振興局長、坂本大臣官房審議官(研究振興局担当)、渡邉基礎研究振興課長、樋口素粒子・原子核研究推進室長、林加速器科学専門官、磯科学官

 

5.議事録

【林加速器科学専門官】  それでは、開始時間が過ぎてしまいまして申し訳ございません。会議を始めさせていただきたいと思います。
 第2期第1回の国際リニアコライダーに関する有識者会議でございます。本日は、初回の会議となりますので、冒頭の進行は、事務局より行わせていただきたいと思います。私、文部科学省素粒子・原子核研究推進室の林と申します。よろしくお願いいたします。
 この国際リニアコライダー計画に関する有識者会議でございますけれども、平成26年5月に設置されまして、平成30年7月に議論のまとめを取りまとめていただいておりますところですが、今回、ILC計画に関する諸課題の進捗をフォローアップするということで、当時の委員を中心に再度お集まりをいただいているところでございます。そのため、会議の継続性を持たせるということで、会議を再開するというような形でございまして、名称も第2期としてございます。
 それから、会議に先立ちまして連絡事項でございますが、後ほど本有識者会議の議事運営等につきましては、確認をさせていただきますけれども、運営規則に基づきまして本日の会議は公開ということになってございます。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、オンライン会議による開催となってございます。よろしくお願いします。
 それでは、最初に本日御出席いただいております委員の皆様を御紹介いたします。こちらからお名前を読み上げさせていただきます。
 成城大学、伊地知委員でございます。
 東京工業大学、大町委員でございます。
 東京大学、岡村委員でございます。
 株式会社明電舎、京藤委員でございます。
 高輝度光科学研究センター、熊谷委員でございます。
 高エネルギー加速器研究機構、小磯委員でございます。
 関西学院大学、神余委員でございます。
 ジャーナリストの東嶋委員でございます。
 高エネルギー加速器研究機構、徳宿委員でございます。
 大阪大学、中野委員でございます。
 岐阜聖徳学園大学、観山委員でございます。
 科学技術振興機構、森委員でございます。
 総合科学研究機構、横溝委員でございます。
 この有識者会議の委員につきましては、継続性の観点から、原則としてこれまでの委員に引き続きお願いをしているところでございますけれども、元名古屋大学総長の平野委員、それから、東京大学、梶田委員につきましては、今期の会議への参加がかないませんでしたので、御報告をさせていただきます。それから、小磯委員、東嶋委員につきましては、今回の有識者会議より新たに御参画いただく委員ということになります。それから、東京大学の横山委員につきましては、本日、御欠席の連絡をいただいております。
 続きまして、文部科学省からの出席者でございます。
 杉野研究振興局長です。
 坂本大臣官房審議官です。
 渡邉基礎研究振興課長です。
 樋口素粒子・原子核研究推進室長です。
 磯科学官でございます。
 それでは、本有識者会議の座長でございますが、これまで平野先生にお願いしていたところでございますけれども、今回、参画がかないませんでしたので、今回より観山委員にお願いしているところでございます。観山先生、恐縮ですが、一言御挨拶をいただければと思います。

【観山座長】  観山です。どうぞよろしくお願いいたします。国際リニアコライダーは素粒子物理学における標準理論を超えた物理学を切り開くという壮大な成果創出が見込まれているわけですけれども、それだけでなくて日本における科学プロジェクトの国際化、日本のプレゼンスを向上させるなど期待される一方で、巨額な経費を要する巨大国際事業であることから、世界の英知の結集が不可欠であり、費用の分担、卓越した人材の確保、国民からの大きな支援などが乗り越えるべき課題と考えております。
 私、天文学が出身なのですけれども、国際協力事業アルマを進めてまいりました。規模は1桁違うぐらいの小さなものですけれども、それでもその経験から言いますと、国際協力事業というのはなかなか難しいですね。特に開始のときの難しさが本当にあると思います。今回、約3年前の本有識者会議で指摘した様々な課題の進捗のフォローアップが今回の有識者会議の主要なミッションであると伺っておりますけれども、今回お集まりいただいた各分野の専門家の知見を生かして、これまで何が解決できていて、そして引き続き必要な課題はどのようなものか、また、その学術の巨大プロジェクトを今後どのように考えていくべきかということについて、皆様と真摯に議論しながら現状をしっかりと整理していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【林加速器科学専門官】  観山先生、ありがとうございます。
 それでは、これより会議の進行を座長にお任せしたいと思います。観山先生、よろしくお願いいたします。

【観山座長】  それでは、議事を進めてまいりたいと思います。委員の皆様におかれましては、円滑な議事運営に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 まず、第1回の会議の開会に当たり、杉野研究振興局長より一言御挨拶いただきたいと思います。局長、よろしくお願いいたします。

【杉野研究振興局長】  ありがとうございます。有識者会議の再開に当たりまして、私から一言御挨拶を申し上げます。まずは、委員の先生方におかれましては、大変お忙しいところをこの有識者会議の委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございました。先ほど来から御紹介しておりますように、この有識者会議はILC計画について議論を行うために平成26年の5月に設置され、平成30年の7月に議論の取りまとめをしていただきました。4年間にわたって活発な御議論をいただき、詳細な報告書をまとめていただいたわけでございまして、改めて私からも先生方に厚く御礼を申し上げたいと存じます。
 その後、様々な経緯がございました。3年の間にいろいろなことがございまして、直近の出来事といたしまして、有識者会議で御指摘いただいた様々な課題について、ILC計画を実際に推進されている先生方が中心となって、その課題に対する進捗状況の報告書がまとまりました。また、研究者コミュニティからILC計画のための準備研究所についての提案書も公表されたわけでございまして、これを受けまして今回の有識者会議の開催に至ったわけでございます。
 先ほど観山先生からも御紹介がありましたように、ILC計画そのものについては、大変学術的な意義のある計画だと私ども政府としても注目をしているところでございます。その一方で、3つの大きな課題はあるとこれまでも指摘されてまいりました。1つは、国際的な費用分担の問題。1つには国民、さらには日本の科学コミュニティの理解の問題、そして技術的な成立性の問題、この3点の問題が、課題があるとこれまでも指摘されてまいりました。後ほど事務局から最近の状況について少し詳しく御紹介いたしますけれども、まず、国際的な費用分担の問題につきましては、正直申し上げましてヨーロッパ、欧州を中心に極めて見通しが厳しくなっているという状況にあります。
 それから、2点目の国民及び科学コミュニティの理解の点につきましても、ILC計画、途中で建設費用を削減して8,000億になったと申しましても、その後の運営費が年間400億円で20年間稼働するということでございますので、運営費だけでもまた8,000億円、建設費と合わせますと1兆6,000億円の巨費を要するプロジェクトとなっております。ちなみに、現在開催されております東京オリンピック・パラリンピック、1年延期分も含めた開催費用がちょうど1兆6,000億円ということで、同じ規模の費用を要するということになります。そのことについて国民の幅広い理解、あるいはせめて科学コミュニティの幅広い共感、理解が得られているかどうかということについて大きな課題があるのではないかと思っております。
 3点目の技術的な課題につきましては、まさにこの3年間でどれだけの進捗があったかということが今問われているのかと思っております。こういった課題につきまして、この有識者会議におきましては、3年間の進捗状況、どれだけ進んだのか、何が課題として残されてといるのかということについて確認をいただきますとともに、ILC計画を推進されている関係の先生方の御意見も2回目以降のこの有識者会議におきまして十分お聞き取りいただく時間を設けますので、そういう意見交換もしていただきました上で、現時点におきます整理をお願いできればと思っているわけでございます。
 ILC計画が提案され、そして日本への誘致という話が国内的にも盛り上がって以降、既に10年の歳月が経過をいたしました。その間、多くの研究者の方々、さらにはまだ誘致も、誘致先も決まっていないのですけれども、誘致先と思われる地方関係者の方々、多くの方々がこの10年間、多大な時間と労力を費やされたわけでございます。そのことにも思いを致しながら、10年後あるいは先生方におまとめいただきました報告書の3年後の現時点におけます整理ということをぜひお願いいたしまして、その後の私どもの政府としての取組の指針となるべきまとめをお願いできればと思っております。
 スケジュール的には、できれば本年中、遅くとも今年度中には有識者会議としての何らかの意見の整理をお願いできればと思っているわけでございます。先生方には大変御負担をおかけしますけれども、できるだけ効率よく議事を進めていくようにしてまいりますので、十分に御議論いただき、御示唆を賜ればと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【観山座長】  局長、ありがとうございました。
 それでは、事務局より配付資料の確認等をお願いいたします。

【林加速器科学専門官】  それでは、配付資料の確認をいたします。本日の資料でございますが、議事次第にございますとおり、資料1-1から4-3、それから、参考資料の1と2を配付してございます。この本体の資料につきましては、右下に通し番号でページ数を1ページから33ページというふうに振ってございますので、この右下のページ番号で基本的には進めさせていただきたいと思っております。もし不足の資料等ございましたら、お知らせをいただければと思います。
 続きまして、本日のオンライン会議を円滑に行う観点からのお願いでございます。まず、委員の先生方、御発言の際は挙手とお名前をお願いいたします。画面に向かって手を挙げていただければと思います。それから、御発言をなさらないときはマイクをミュートにしていただきますように、こちらもお願いいたします。それから、御発言される際ですが、資料を参照して御発言いただく場合につきましては、ページ番号等お示しをいただけるとありがたいと考えてございます。
 それから、連絡事項でございますが、本日の傍聴については、事前に申込みのありました78名の方が傍聴されております。それから、本日の議事録につきましては、後日、ホームページで公開されるということになります。
 以上でございます。

【観山座長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。議題1として本有識者会議、議事運営等について、事務局から説明をお願いいたします。

【林加速器科学専門官】  それでは、説明をいたします。資料1-1でございます。ページ数で言いますと2ページ目でございますけれども、こちらは国際リニアコライダーに関する有識者会議の再開についてということで、設置の趣旨、それから、構成等々記した資料でございます。趣旨等につきましては、先ほど来説明をさせていただいておりますので、中身につきましては省略をさせていただきますけれども、最後のところでございます。指摘されている諸課題の進捗等について、特に専門的見地からフォローアップの議論を行うということと、それに基づきまして最新の情報を整理するということで、この有識者会議を再開するとしてございます。
 業務につきましては、3.でございますが、こちらも諸課題についてどういった課題があるのか、これも後ほど説明をさせていただきますけれども、6項目を挙げてこちらの課題についてフォローアップを行うとともに、最新の情報を整理するとしてございます。設置期間につきましては、1年としておりますが、年内もしくは年度内を目途ということで御議論をいただく予定と考えてございます。
 それから、次の3ページ目でございますが、冒頭で御紹介させていただきました有識者会議の委員の一覧でございます。
 続きまして資料1-2、4ページ目でございますが、議事運営規則でございます。こちらの運営規則につきましては、既に平成26年に立ち上がった際に承認いただいているものを今回も適用するということでございますので、改めて確認ということで幾つか御紹介させていただきたいと思います。
 まず、第2条の座長のところでございますけれども、第2項目、座長が有識者会議に出席できない場合は、座長の指名する委員がその職を代理するということを規定されてございます。その次の第3条、過半数が出席しなければ開くことができないということ。第2項目で関係機関に対して必要な協力を求め、調査・検討に参加させることができるということ。第3項目として、必要があるときは参考人を招いて意見を聞くことができるとなってございます。
 少し飛びまして、こちらも冒頭御紹介させていただきました第6条でございますが、本有識者会議については原則として公開するとなってございますが、座長が会議を公開しないことが適当であるとしたときは、この限りではないとなってございます。第2項目、前項ただし書きの規定により、有識者会議を公開しないとした場合については、その理由を公表すると定めてございます。議事内容の公表につきましても、座長は有識者会議における審議の内容を議事録の公表、その他適当な方法により公表するということ。こちらについても、公表しないことが適当であるとした場合については、有識者会議の決定を経て、その全部または一部を非公表とすることができるとなってございます。
 資料1-1と1-2につきましての説明は以上でございます。

【観山座長】  どうもありがとうございました。
 ただいまの説明に関して御意見、御質問がありますでしょうか。よろしいですかね。それでは、本会議の議事運営につきましては、資料1のとおりに進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それで、その座長代理につきましては、今、お認めいただきました運営規則第2条第2項に基づき、座長が指名することとなっております。つきましては、横溝委員にお願いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

【横溝座長代理】  はい。了解しました。よろしくお願いします。

【観山座長】  はい。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次に議題2として本会議の進め方について事務局から説明をお願いいたします。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  それでは、事務局から説明させていただきます。資料2、5ページを御覧いただければと考えております。ILCに関する有識者会議(第2期)の進め方(案)の資料になります。第1回でございますけれども、本日でございます。有識者会議の進め方、それから、ILC計画に関する近年の動向について、こちらは事務局より報告をさせていただきます。その後、ILC計画に関する諸課題の進捗状況の確認の視点(案)についてということで、第2回、第3回で計画を提案されている研究者の方々との意見交換をお願いできればと考えておりまして、その際の視点というのを御議論いただきたいと考えています。
 第2回、第3回、計画を提案されている方々との意見交換ということで、諸課題の対応状況、それから、ILC準備研究所の提案書につきまして御説明を実際にいただきまして、意見交換をお願いしたいと考えております。これにつきましては、詳しい進め方を議題4のほうでまた御相談をさせていただきたいと思います。その後、現状について討議・分析をするということで、第4回、意見交換だけでは不足の部分が発生するということも考えられると思いますので、その場合には、そこで補足説明をお願いするということ。それから、ここでも諸課題の現状についてたたき台を議論していただきまして、5回目に一応、取りまとめをいただくということで、できれば年内から年度内ということでお願いできないかとは考えてございます。議論の状況によりまして、場合によっては追加ということもあり得るかなとは考えております。
 以上でございます。

【観山座長】  ありがとうございます。
 ただいまの説明に関して御意見、御質問がございますでしょうか。これはあくまでも予定ですので、2回目、3回目までは割とこういう形で進むかと思いますけれども、4回目、5回目に関しては、その状況によって、少なくなることは多分ないと思いますけれども、つけ加える回が出てくるかもしれません。それでは、よろしいですか。こういう状況で、今のところ考えているということでございました。
 それでは、次に議題3としてILCに関する近年の動向について、事務局から説明をお願いいたします。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  それでは、事務局より資料3で御説明をさせていただきます。ページ番号、6ページでございます。国際リニアコライダー計画に関する近年の動向という資料でございますけれども、こちらはいろいろな資料を集めたという形で、若干見にくいものもあるかもしれませんが、御容赦をいただければと考えております。
 ページをおめくりいただきまして7ページ目、こちらがILC計画の概要という形になります。御案内の内容はあるかもしれませんけれども、簡単に御紹介したいと思います。ILC計画でございますけれども、全長約20キロの線形の直線型の加速器を作りまして、光速に限りなく近いところまで電子と陽電子を加速する。それらを衝突させるということで、宇宙の起源とも言われておりますビッグバンの直後に相当する超高エネルギー状態を模式的に再現するという実験を行うということで、こういう大型の国際共同研究計画でございます。こうして提案をされてございます。この実験によりまして、その質量の起源と言われておりますヒッグス粒子の性質の解明をして、それによって現在、素粒子物理分野でございます標準理論、こちらを超えた新しい物理学を切り開くことができるのではないかと期待されていると言われております。イメージ図がこちらにございますけれども、地下平均100メートルの深さにトンネルを掘りまして、こういう施設を造るという計画でございます。立地につきましては、これは日本に造るかどうかも決まっていないということでございまして、政府では、この立地は決定していないということでございます。あと、どれぐらいお金がかかるかというところ、先ほど少し全体の額の話もありましたけれども、これは前回の有識者会議でも研究者コミュニティの方々の見積もりを聞き取っていただいておりまして、それをまとめたものがこの表になりますけれども、この250GeV(見直し後)というところが今のに相当するのですけれども、本体、それと測定器関係、それから、付随経費、年間点検費、コンティンジェンシー、それから、実験終了後の解体経費というのは、こういった形で整理をされてございます。
 次のページ、8ページをお願いできますでしょうか。こちらはILC計画に関する、これまでの主な経緯を簡単に時系列で整理したものでございます。詳細は、それぞれは後ほど個別の資料で紹介したいと思いますので、簡単に流れだけ説明をさせていただきます。2013年、これは平成25年の6月に国際研究者コミュニティのほう、ILC計画の技術設計報告書(TDR)というのが発表されております。実際にはもっと前から研究者コミュニティの活動はあるわけですけれども、TDRが出たのはここという形になります。同年の9月、日本学術会議のほうで国際リニアコライダー計画に関する所見というのが発表されておりまして、こちらは政府では2、3年かけて集中的な調査、検討をというような所見もいただいておりまして、それも受けて2014年、平成26年5月に文科省のほうでILC計画に関する有識者会議を発足させていただいたということでございます。この間に2015年に一度議論をまとめていただいたというのがございまして、その後、研究者コミュニティのほうで、計画の見直しをしてILCを500GeVから250GeVに変えたというところがございまして、それを受けてこの2018年の7月に、それも反映した審議のまとめを公表していただいたというのが前回までの有識者会議のところでございました。この点線以降がそれ以降の取組、経緯になります。同じ年の12月、日本学術会議のほうで国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見というのが発表されておりまして、ここでは日本誘致を支持するには至らない。政府の誘致表明は慎重にということが言われているということでございます。2019年3月、文科省のほうでILC計画に関する見解を発表しております。国内の正式な学術プロセスでの議論が必要ということ。それから、欧州素粒子物理戦略など注視するということ。それから、文科省は国際的意見交換を継続するということを発表しております。翌年、2020年の1月に日本学術会議のほうが、大型の学術計画に関するマスタープラン2020を策定・公表しております。同じ年の2月から3月にかけまして、文科省の大型学術研究プロジェクトに関するロードマップ2020というのにILC計画のほうは申請されましたけれども、取り下げが行われました。あとは6月、欧州素粒子物理戦略2020というのが発表されております。同じ年の8月、国際研究者コミュニティが国際推進チーム(IDT)というのを設置しております。今年に入りまして2021年6月にこの国際推進チームがILC準備研究所の提案の公表をしまして、あとはもう一つ、国内の研究者コミュニティのほうでILC計画に関する主な課題についてというものをまとめていただいたというのが流れになっております。
 次のページが平成30年の12月に日本学術会議のほうでまとめられた見直し案に関する所見のポイントになります。前半のほうは割愛させていただきまして、もう1ページめくっていただきまして10ページ、そこに総合所見というのがあります。決論的なところは一番下の黒いところに書いてありまして、これは先ほど少し御紹介をしたところなのですけれども、上の2つのところですけれども、これは大きく3つの問いかけがあるというふうには思っていまして、1つ目は科学的成果が巨額の経費に見合うのかと。2つ目は、技術的成立性は大丈夫かということ。それから、3つ目が巨額の経費を適正に国際分担できるのか、こういったところでございまして、基本的には有識者会議でも指摘いただいたような課題とほぼ同じような問題意識なのかなとは考えております。
 続きまして11ページです。こちらは2019年の3月に文科省の研究振興局のほうで御説明をさせていただいた見解という形になります。これは当時、将来加速器国際委員会(ICFA)及びリニアコライダー国際推進委員会(LCB)というこの分野の国際研究者の国際集会がございまして、ここで文科省のほうからぜひ見解を説明してほしいということを、そういう経緯があってこういうものを御説明させていただいたということでございます。内容は3点、既に御紹介させていただいておりますけれども、当時は日本誘致の表明とか、誘致の関心表明をぜひしてほしいという、そういう御意見もいただいていたわけなのですけれども、そこまでできるということではなかったということで、現時点で日本誘致の表明には至りませんということと、あとはILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続していきますということを申し上げたということです。国内の科学コミュニティの理解、支持を得られるかどうかも含めて正式な学術プロセスで議論するということ。それから、欧州素粒子物理戦略等における議論の進捗を注視する。この2つが記載されております。
 次の12ページを見ていただけますでしょうか。こちらは学術の大型研究計画の検討プロセスということで、マスタープランとロードマップのことを簡単にまとめております。上の箱のところを見ていただきますと、マスタープランでございます。日本学術会議が学術的意義の高い大型研究計画を網羅して、体系化したものということで3年ごとに策定されております。大型研究計画と重点大型研究計画で構成されております。2020年版につきましては、ILC計画は大型研究計画には選ばれたのですけれども、重点大型研究計画には選定されなかったということで、この結果自体、マスタープラン2014、2017とは同様の結果だったかなとは考えております。この下の図の赤いところを見ていただきますと、応募が165件でございまして、そのうち大型研究計画に選ばれたのは161計画です。ヒアリングの選定対象というのは、59計画というのがございますけれども、これはILCが入って、ヒアリングには呼ばれたのですけれども、その後の重点大型研究計画(新規)というところには入らなかったということで、最終的には掲載をされてございません。
 次はロードマップでございます。こちらは上の箱のところの下のほうに戻っていただきまして、これは正式には学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想というのですけれども、これはマスタープランを踏まえて学術研究の大型プロジェクトの推進に当たっての優先度を明らかにするというために、文科省の科学技術・学術審議会が3年ごとに審議、策定をしているというものでございます。こちらにつきましては、ILC計画は、このヒアリング対象計画に入ったということもあって、申請する資格があったので申請をいただいたのですけれども、この申請した後に提案をされた側のほうから、申請を取り下げたということで、取り下げがありましたので掲載はされていないというものでございます。
 次が13ページでございます。こちら、諸外国の研究者コミュニティの動きで、欧州素粒子物理戦略2020というものです。こちらは去年の6月に欧州合同原子核研究機構(CERN)が7年ぶりに策定したものでございまして、これは中長期も視野に入れた戦略を定める計画でございます。ILC計画に関する技術を簡単に抜粋しておりますけれども、「1つが電子-陽電子ヒッグスファクトリーが、最も優先度の高い次の衝突型加速器である。」これは特に施設を特定していない記述ということでございます。
 2番目、これは欧州の計画についての記述でございますけれども、欧州は、その国際パートナーとともに、少なくとも100TeVの重心エネルギーを持ち、かつ第一段階として電子-陽電子ヒッグス・電弱ファクトリーとなる可能性を持つCERNの将来ハドロン衝突型加速器の技術的及び財政的な実現可能性を調査すべきであるというような記載がございます。これにつきましては、欧州のほうで円周100キロの、いわゆるFCC(Future Circular Collider)という、そういう構想がございますけれども、これについての記述でございます。
 3つ目ですけれども、これが日本における電子-陽電子の国際リニアコライダー(ILC)のタイムリーな実現は、この戦略に適合するものであり、その場合、欧州の素粒子物理学コミュニティは協力することを望むであろうと、このような記述がございました。こういう記述がございましたけれども、具体的な貢献というのは、言及はございませんで、大臣がその後に記者会見で問われましたので、お答えしているものというのを次の14ページにつけております。詳細な説明は省略したいと思います。あとは参考資料のほうに、前回の、これは7年ごとぐらいに策定されているものですから、2013年版の戦略の記述と比較したもの、それから、発表時、欧州戦略策定グループの議長がコメントを発表しまして、その中にILCに関係する部分、それから、海外の主要科学誌で取り上げている記事の抜粋というのを入れております。
 次は15ページでございます。こちらは文科省と米欧の政府機関との意見交換という資料でございますけれども、国際的な意見交換をするということでしたけれども、その最近の状況をこちらにまとめております。最初にアメリカでございます。アメリカにつきましてはエネルギー省(DOE)とやっておりまして、2016年にディスカッショングループというのを設置しております。日本側は文科省の研究振興局の担当審議官でございます。この枠組みを活用しながら意見交換をやってきております。アメリカからは一昨年、2019年の9月に日本がILC計画をホストする場合には支持するというのと、あとは現物貢献が可能であるという表明がございました。ただ、現時点で具体的な貢献の表明はないということでございます。
 欧州でございます。2019年の7月にドイツの連邦教育省(BMBF)、それから、フランスの高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)等と意見交換を行いまして、両政府機関との間でディスカッショングループを設けることに合意をしております。2019年の10月にはドイツ、それから、イギリスとそれぞれ意見交換をやっています。2020年の2月に、こちらは文科省と欧州の3か国の政府機関、ドイツ、フランス、イギリスと意見交換をやりました。先方のコメントでございますけれども、英仏独は様々な国際、国内のプロジェクトを抱えているため、ILC計画に参加する資金的な余力がないということです。それから、仮にそのホスト国が土木建設経費を負担して加速器本体と運転経費を米欧日と3分の1ずつ負担するとした場合の参加の可能性について、これは研究者の先生方でこういう御意見をいただいておりまして、そういう可能性も尋ねてみたのですけれども、これについては建設コストが多額であることから、それは不可能であり現実的ではないという御返答がございました。
 あとは、2020年の7月でございますけれども、欧州戦略が出たことを受けまして、日米欧の三者で意見交換をできないかということで申し入れをした結果でございますけれども、欧州側から英仏独の連名で返答が少しありまして、意見交換は成立しなかったということでございます。返答の内容としましては、欧州素粒子物理戦略策定後においても、欧州3か国のスタンスに変わりはないということ、それから、意見交換の開催は重要なアップデートがあるまで待つべきだという、そういうことでございまして、今回、いろいろ動きもございましたので、今後、秋頃にまた意見交換を開催すべく調整をしていきたいとは考えております。
 17ページがILCに関する国際推進チームの御紹介でございます。こちらは恐らくまた研究者の先生方からも御紹介いただけると思いますけれども、これは去年の8月に国際研究者コミュニティであるICFAが高エネルギー加速器研究機構をホストとして設置をしたものということで、任務・役割としましては、準備研究所の計画の策定、それから、準備研究所を開始する条件についての共通理解の深化ということでございます。準備研究所は、この下に少し書かせていただいておりますけれども、建設前の実地調査を含む技術的準備などを行うということで、準備段階の活動を行う組織というふうに考えられておりまして、準備段階の活動は4年間、それから、所要経費は230億円という見積もりがございます。推進チームの構成としましては、執行部というところの委員長が中田達也先生という形になっていまして、その下にワーキンググループ1、2、3という形で3つのワーキンググループが分かれて活動が進められているということでございます。
 次のページですけれども、こちらはILC準備研究所提案書、IDTのまとめたもののポイントになります。こちらは正確には次回以降で説明を受けるのがいいかとは思いますけれども、一応、便宜的に作成したものという形にはなります。これは今年の6月に提案書としてまとめられたものでございまして、記載されている内容は準備研究所の役割、それから、2番目が準備研究所の運営・組織ということで、運営につきましては、準備研究所は世界中の研究機関の国際協力の下で組織をするということ。それから、技術的業務、設計などは18のワークパッケージで分担をして、参加する研究機関からインカインドで行われる。加速器関係の作業、物納貢献は米州、アジア、欧州の3地域でほぼ均等に分担をする。土木工事やインフラに関する作業はホスト国が責任を持つということが書かれています。組織につきましては、全体を統括、調整するために本部を日本に置く。それから、本部の設置形態は、日本法に基づく一般社団法人とすることを想定しているということも記載されていまして、あとは意思決定機関等々も記載されております。
 創設プロセスにつきましては、少数の主要研究機関が準備研究所設立に合意して、共同宣言をすることにより開始をする。それから、準備研究所の開始の前提としては、日本政府が日本誘致に前向きな姿勢を示すことが必要という旨も記載されております。あとは準備研究所の作業計画でございますけれども、加速器建設につきましては、18のワークパッケージというのを記載しておりまして、そこに詳細は記載しておりませんけれども、技術準備作業をこれに基づいてやる。その上で詳細な技術設計書を完成させるということが書かれています。これは課題でもございます技術的成立性に関する記述であると考えております。2番目は土木工事でございますけれども、土木・インフラの詳細設計を確定させる。環境アセスメントは戦略的環境アセスメントの考え方の下、段階的な評価プロセスを行う。(3)の物理学実験プログラムの準備というのも書かれています。
 参考コストと必要な人的資源というのも、これも書かれてございます。ここは資料、大変申し訳ないのですけれども、訂正を3か所させていただければと考えております。この加速器作業のワークパッケージ遂行のところと、あと次の詳細技術設計、土木関連のところで、人的資源で何人/年という記載がございますけれども、これは表記が間違っておりまして、全て人年の間違いでございます。要するに364人年、それから、次が250人年、土木のところは、人的資源は70人年でございます。次の本部組織は、これは70人/年ということで、これは合っているのですけれども、こういうコストが記載されています。これだけだと全体で幾らかというのは分からないのですけれども、実際に研究者の方々からは大体230億円だというふうに伺っています。詳細はぜひ実際に説明を聞いていただきたいと考えております。
 次は19ページでございますけれども、ILC計画に関する主な課題についてということで、これも実際にはまとめられた研究者の方々からお話を聞いていただくのがいいかとは思います。かなり端折ったものにはなってしまっているかと思いますけれども、実際は19ページ物ということでございます。こちらはILC計画全体に関する諸課題について取組の現状、それから、今後の方策と見通しを国内のILC計画提案者の立場でまとめたものということでまとめをされているものでございます。国際的な研究協力と費用分担の見通しについては、研究者側で国際費用分担の在り方の基本的な考え方をまとめたこと、それから、アメリカはILCへの日本立地を支持していて、欧州戦略2020においてILCがタイムリーに実現する場合には協働して取り組みたいというふうに記載されたということ。それから、政府間の国際分担協力に必要な研究者側の体制は、準備研究所設立により整う見通しであるということが書かれています。
 あと、学術的意義や国民及び科学コミュニティの理解につきましては、高エネルギー物理学研究者会議(JAHEP)はILCを最優先新規プロジェクトとしていること。それから、日本学術会議「マスタープラン」で学術分野を横断した議論が行われたこと。それから、国民の理解促進に向けて多数の講演会等を開催したことが記載されています。あとは技術的成立性の明確化、こちらは準備研究所において国際協力により技術課題を解決し、ILCの最終設計を行うこと。それから、コスト見積もりの妥当性につきまして、準備研究所においてILCの最終設計等を通じて精査を行うこと。それから、人材の確保の見通しについて世界の研究機関に加速器人材がおり、準備研究所の活動を通じて国内外の人材を育成・確保するということが記載されているかと思います。詳細はぜひ実際にお話を聞いていただければと思います。
 次のページ、最後に御紹介させていただきますけれども、これは時系列では少し前ですけれども、今年の2月25日、衆議院の予算委員会の第4分科会でILCの準備研究所についての質問がございまして、これについて文部科学大臣が国会答弁をいたしましたので、そのポイントを御紹介したいと思います。1つ目がILC計画については、準備研究所のみならず、ILC計画本体について国際分担や技術的成立性を含めた様々な課題が解決されるとともに、国内外の幅広い協力が必要であるということです。2つ目がILC計画本体に先の見通しがないという状況において、準備研究所に投資することは国民の理解を得ることは難しい。準備研究所の予算を検討する前に明確な財政的裏打ちも含めて欧米等のILC本体への協力の見込みを確認することが必要である。この2点を答弁されております。
 まず、説明は省略をしたいと思いますけれども、その後、ICFAの議長のほうから大臣宛てにレターも頂いておりまして、一応、その返信もしてございます。参考資料にはレターの写し、内容なども入れておりますので、御参照いただければと考えております。
 若干時間を超過してしまいまして恐縮でございますけれども、説明は以上でございます。

【観山座長】  ありがとうございました。
 主として前回の有識者会議は、終了後のいろいろな活動、それから、いろいろな海外とのやりとりなどを説明いただきました。ただいまの説明に対して御意見や御質問がありますでしょうか。どうぞ、手を挙げていただければと思いますが。では、神余委員、どうぞ。

【神余委員】  神余です。御説明、ありがとうございました。ただいまの説明について若干感想めいたことになるかもしれませんけれども1~2点申し上げます。まず、欧州の動向が非常にクルーシャルだと思います。日米欧で3分割して平等負担するということになれば、どうしても欧州の積極的な協力がないとうまくいかないと思うのですが、それについてやや欧州は、ただいま御説明いただいたこと以上に相当悲観的というか、消極的ではないかという感じがします。
 参考資料の22ページですけれども、そこに欧州の素粒子物理学コミュニティは協力することを望むであろう。英語で言うとworld wish to collaborateです。ところが、2013年、すなわちその7年前の欧州素粒子物理戦略では、そこのところは、欧州グループは参加を強く望んでいる。英語で言うと、European groups are eager to participate、これは参加することを熱望しているという意味です。英語で言うと、ぜひとも参加したい。ところが、7年後の20年の報告では、希望するであろうということです。協力を希望するであろうということなので、これは非常に弱いですね。
 したがって、欧州は、先ほど御説明のあった円周100キロのFCCをとにかく完成するということが第1戦略にあって、それにILCは沿ったものではあるので、もしそれがうまく完成するようであれば協力はしていきたいということだと思われます。これでは非常に弱いなと思います。それに加えて文科省がコンタクトしていただいた欧州のドイツやフランスの研究者は、資金的その他の協力は不可能であるということを言っています。ということは、これはもうほとんどヨーロッパからの資金協力はカウントできないということに等しい。唯一アメリカは、ILCがもしうまくいくのであれば協力しますとは言っていただいて、それも現物で協力すると言っているということなので、これはよほどしっかりやらないと、日米欧三者の協力というのは、この資料からだけ見てもうまくいかない。
 それから、2点目は、その間にコロナのパンデミックが起きたわけです。これによって各国のサイエンスの計画にも大きな重点の変更とか、あるいは資金の優先配分について変更があるのではないかと思うのですが、それを考えると余計この見通しが分からなくなってくるという感想を持つわけです。3点目に、それにもかかわらず、ICFAの議長のレターは、文科大臣が言ったことの建前のところだけ、一般論のところだけ捉えて、日本は積極的だとして、ぜひこうしてほしい、ああしてほしいといろいろな提案をしてこられていますね。ICFAは推進側の立場ですから、これは当たり前だと思いますけれども、ここにも日本とICFAの議長の間に大きな認識のギャップがあります。それを分かった上でICFAの議長はそういう手紙を出して、文科省に何とかしてもらいたいというふうに言ってきているのか、あるいはコミュニケーションギャップがあってこうなっているのか、その辺がちょっとよく分からない。そういう感想でした。

【観山座長】  ありがとうございました。
 感想とおっしゃいましたけれども、何かこれに答えられることがありますでしょうか、事務局のほうから。2回目、3回目、推進側の方が来ていただきますので、そこら辺からでも聞いていいかと思いますが、事実、1番目に言われたヨーロッパの態度というのは随分、こういう文書でこれだけはっきり書いているというのは、ちょっとびっくりするぐらいの書きようでありますよね。ここは大きな問題ではないかと思います。
 それでは、対応を含めて――徳宿委員、どうぞ。

【徳宿委員】  ありがとうございます。非常に簡潔で、かつ分かりやすい説明を、ありがとうございました。神余委員のおっしゃることは、私ももっともだと思いますので、これは座長もおっしゃったように、多分、これから2回の会のときにきちんと聞いて理解していくことが大事なのだろうと、私も思います。
 もう一つ、質問なのですが、この件に関連しまして16ページの最後のところ、もう一度欧州のほうに意見交換をした際に待つべきであると言われたというところで、そこに重要なアップデートがあるまで待つべきであると書かれていますが、これはどういう意味だと理解しているのですかね。あと、これ、日本語なので冠詞とかが曖昧だからよく分からないのですけれども、これは重要なアップデートというのは、何か不定冠詞的な一般の重要なアップデートというのか、それとも何かお互いに意図しているものがある何かアップデートというのを想定してメールとして書かれているのかとかいうのが、もちろんメール、公表することはできないだろうとは思いますから、おっしゃられる範囲でいいとは思うのですが、これが何を意味しているのかというのがもし分かったらば、教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。

【観山座長】  事務局、お願いします。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  事務局からお答えをいたします。この重要なアップデートが何を意味するかというのは、なかなか難しいところはあるとは思います。全体として、ILC計画全体で重要な動きがあるという可能性はありますし、あとはやっぱり、日本が何かということもあるかもしれません。そこはすみません、いただいたものだけで何か断定できるということではなかったと思います。

【徳宿委員】  分かりました。

【観山座長】  要するに特別にそれをフォローした文書というものはないということですね。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  はい。そうですね。そういうものではなかったと思います。

【観山座長】  審議官から手が挙がっています。どうぞ。

【坂本大臣官房審議官】  今年1月に研究振興局審議官に着任いたしました坂本です。よろしくお願いいたします。

【観山座長】  よろしくお願いします。

【坂本大臣官房審議官】  今、貴重なコメントをいただいたと受け止めております。御指摘いただいた点について、この重要なアップデートを含めて、どのような現状、アカデミア、研究コミュニティ、あるいは政府の検討の中でどういうステータスにあるのかというところは、確かにこれは理解のギャップがあると考えております。それはコミュニケーションによるもの、実際には政府あるいはコミュニティ、私も今勉強中ではございますけれども、相当多層構造になっているので、実際に情報がきちっと行き渡っていないという意味のコミュニケーションギャップの問題もありますし、あるいは個々のお立場での関心に基づいて、その解釈が入っているところも多分あるのだろうなと思っておりまして、そこをいかにきちっとそろえていくかというところ、これは政府レベル、研究コミュニティレベル、合わせてしっかりと確認をしていきたい。政府レベルでもコミュニケーションしながら確認をしていきたいと思っております。そういった中でヨーロッパが言っている重要なアップデートというのはどういうものかというところもしっかりと確認をさせていただきたいと思っております。
 以上です。

【観山座長】  よろしくお願いします。
 森委員、お願いいたします。

【森委員】  ありがとうございます。これは2019、20からこの2021に関しまして、世界の各国のやや政策的な動向について何か動きがあったかどうかお伺いしたいと思います。2020年までは、アメリカはトランプ政権で、トランプ政権の下ではこういう科学的なプロジェクトに関して、特にサイエンスに関してはリラクタントな方向で、国際協力に対して積極的でないというようなカラーがあって、その中でこれだけ一応、少なくとも否定的でないレスポンスをしていただいた。それがその後、今はコロナでそれどころではないというのがあるかもしれませんけれども、動きがあるのかどうか。また、ヨーロッパのほうも、この2019、20、EUとしてなかなか一体化するのにちょっと苦労したところもあるような印象があります。特にヨーロッパはアメリカとの関係でどういう動きをすべきか。それからまた、地球温暖化問題で、関係ではかなりエネルギー関係の技術に投資が必要であるというような状況があったと。
 それから、以前の資料で少し拝見したような気がするのですが、中国はまた独自の行動をこの問題に関して、ILCそのものではないけれども、別の何か施設を造ろうとしているという話を前に伺ったような気がいたします。日本だけではなくて、その周辺の国の何か動向が変わる方向にあるのかどうか、率直なところ、アメリカの政権が変わった後でも、早々急激に世界が協力に向けて動いているという印象はございません。けれども、それでもやや世界から少し前からは違うような方向、歩むのではないかという気はいたしております。それが今現在すぐの動きはないにしても、今後、世界の欧米にさらに中国、インド、ロシア辺りまで考えたときに、何かこういう国際協力的な機運のようなものがどこかにあるかどうか、その辺を少しお伺いできればと思います。

【観山座長】  重要な指摘だと思います。事務局のほう、分かる範囲で。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  はい。事務局から、そこまで大きなお話、御説明できるかどうかというのはあれなのですけれども、アメリカにつきましては、一応、ここで線を引いてある資料に記載したようなコメントをいただいたのは2019年の9月でございまして、これはまさにトランプ政権になってからということでございました。その前は、ここまでのコメントはなかったので、ここで少しアメリカの言い方は変わったのかなと考えています。その後ですけれども、あまり意見交換ができているという状況にないのであれですけれども、現状、何も新しいのがないという段階では、このスタンスが今も続いているというのが、一応、私どもの理解でございます。
 それから、中国の件ですけれども、中国は独自のものというか、資料には書いていないのですけれども、Circular Electron Positron Collider (CEPC)という、これは欧州のFCCと同じような100キロの円形の加速器の建設をするという、これも研究者コミュニティレベルですけれども、計画の提案が出てございます。これについては今年ちょうど中国のほうで5か年計画を作ったのですけれども、そこに研究者の方々は一応、提案していたそうなのですけれども、そこには乗らなかったというのを研究者の方々からお話は伺っているというような、そういうことはございました。すみません、私のほうで把握しているのは、簡単に御紹介させていただきました。

【観山座長】  このILCのIは国際ですから、国際的な協力体制がどのように築けるかという点では、そういう情報というのは非常に重要だと思いますので、今後ともできる限り収集していただければと思います。
 では、これに対する直接的な質問等はここまでとしますけれども、さらなる質問等がありましたら、また気づかれましたら、後日、事務局のほうに伝えていただければ、それをまた次回、次々回の会議で反映させて、それに対する対応とかを聞けるかと思いますので、質問がありましたら送っていただければと思います。
 それでは、次の議題に移りまして、議題4としてILCに関する諸課題の進捗状況の確認の視点について、事務局から説明をお願いいたします。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  それでは、事務局から説明をさせていただきます。まず、資料4-1、ページ番号28を御覧いただきまして、こちら、ILC計画に関する主な課題というものでございます。これが諸課題というふうに考えられているということで取りまとめたものでございます。もともとは学術会議で指摘をされている所見と、あと文科省の前回の有識者会議の報告書で指摘されたものをできる限り簡潔に抜き出したというもので、大体、おおむね共通なものという形になっています。
 1つ目は国際的な研究協力及び費用分担の見通しでございまして、非ホスト国の十分な貢献を含む現実的かつ持続的な国際費用分担。それから、諸外国のサイエンスカウンシル等におけるプロジェクトの承認と各国政府の資金確保に向けた議論の進展。それから、国際協力を前提とした人材の育成・確保等の明確な見通しというのがございます。こちらにつきましては、対応を完結するためには政府側の対応というのも必要になるということではあるかと思います。
 あと2つ目は、学術的意義や国民及び科学コミュニティの理解でございますけれども、こちらは、1つ目は欧州の将来円形加速器への参加と比較したILC誘致の意義の整理ということで、それぞれレポートには欧州の将来円形加速器というところまで明示ではなかったと思いますけれども、昨今の状況も踏まえて、一応、こういった点も含めて整理が必要ではないかとは考えてございます。あと、イです。素粒子物理学分野における人材配置や予算配分を含めた議論や諸学問分野の大型計画も含めたILCの位置づけに関する議論。それから、ウ、成果等についての国民及び科学コミュニティの広い理解・支持でございます。
 それから、3つ目が技術的成立性の明確化でございまして、ILC加速器につきましては、アですけれども、ビームダンプ、電子源・陽電子源、ビーム制御、ダンピングリング、測定器等の目標性能の明確化と工程表の検討という辺りかと思います。それからあとイですけれども、超伝導加速空洞の歩留り、それから、性能の向上、それから、コスト検証、品質管理等が挙げられています。次のページをめくっていただきましてウですけれども、計画どおり進まなかった場合の上昇コストとその対策の検討でございます。
 (2)が土木工事、それから、環境・安全対策でございまして、アは様々な場合を想定した地下水浸水対策、それから、耐震設計を含めた地震や火災など不測の事態の対策についての経費算定も含めた計画。イが大量の掘削残土の処理方法や処分場所の確保。ウは大量湧水があった場合の工事費用や工期への影響の検討と対策。エが坑口周辺や掘削残土の捨て場などの環境調査や土砂災害対策。それから、放射線防護対策、放射化物の長期維持管理の検討及び地域住民の理解。それから、カが広範な地下水位低下の可能性も考慮した環境影響評価方針の明確化です。
 次のページめくっていただきまして、コスト見積もりの妥当性でございますけれども、これはいろいろこれまでのところと重なるところもありますけれども、アとしましては、現時点で未計上の経費の算定や経費負担の在り方。それから、イとしまして追加経費発生リスク、技術とか工期延長とか、市場リスクへの十分な留意というのがございます。
 あとは、5.の人材の育成・確保の見通しでございますけれども、全体調整を担う指導的人材や総合指揮を執る加速器研究者、それから、国内の人材の所在の把握や人材育成計画の検討。それから、供給可能な人材の量や時期を踏まえた国際分担。それから、外国人のための住環境や家族の生活支援等含めた環境整備の検討。それから、その他でございますけれども、準備研究所に係る体制等ということで、現行の研究計画からリソースを移行する時期と範囲についてのKEKや国内外の関連研究者との議論などが挙げられています。また、技術的・波及的効果というのも挙がっていると考えております。こちらは既存のものからまとめてみたものという形になります。
 続きまして4-2、31ページを御覧いただけますでしょうか。こちらが御意見をいただければと考えておりますけれども、この進捗状況を確認する際の視点の案でございます。共通事項としましては、平成30年7月、有識者会議で、前回報告書でございますけれども、取りまとめて以降、約3年間がたつわけです。その3年間で提案されている研究者の方々がどういう取組を行ったか、どういう進捗があったのかというのが大事かと思います。もう一つは、説明の根拠が明確に示されているか、その説明に説得力があるかというところも重要かと思います。3つ目でございますけれども、ILC本体の諸課題について解決の見通しが立っているという状況にあるかどうか。それから、立っている場合には、今後進めるに当たって留意すべき点はあるかどうか。見通しが立っていないとすれば、何が不足しているかというところでございます。
 留意点としましては、最初に御紹介をさせていただきましたが、現時点では具体的な候補地というのはないということで、それを想定した議論はできないということで留意をいただければと考えております。
 それから、個別でございますけれども、国際的な研究協力及び費用分担の見通し、2つ目のところですけれども、政府機関間の意思疎通、それからあと海外のサイエンスカウンシルの検討や研究者間・研究機関間の意思疎通、こういったところの進展が必要かなとは考えていまして、全体として見通しが立っているかどうかというところが視点になるのではないかと考えています。
 3つ目でございます。学術的意義や国民及び科学コミュニティの理解ですけれども、ILC計画の学術的意義、変化はあったかということ。それから、CERNの円形加速器の技術的・財政的実現可能性調査を開始したということ。それから、国民、科学コミュニティの理解、どれぐらい進展があったか。それから、学術的意義が巨額の投資に見合うということについて理解、支持が得られているというような状況にあるか、この辺りが視点になるかと思います。
 あと、4つ目の技術的成立性の明確化でございますけれども、こちらは最初の加速器のほうでございますけれども、その技術的な課題の解決に向けてどういう取組が進められたか。技術的成立性に進展はあったかということ。それから、ワークパッケージ、こちらは準備研究所の提案書のほうでございますけれども、こちらに示されているような計画が妥当かどうか、それから、現状として技術的成立性が明確だと言える状況にあるかというようなことを挙げております。
 ページをめくっていただきまして土木工事、それから、環境・安全対策でございますけれども、こちらは課題の解決に向けてどのような取組が進められたか。それから、土木工事、それから、環境・安全対策に進展はあったかということで、例えば現地調査を行う前にどういう課題があるかという、そういうこともあるかと思います。それから、準備段階で解決すべき課題について、解決に向けた取組の計画が妥当かどうか。それから、技術的課題の解決の見通しが明確であると言えるかどうかということになります。
 5つ目がコスト見積もりの妥当性でございます。こちらはそれぞれ技術的なところとも関わってくるかとは思いますけれども、コスト見積もりに関してどういう取組が行われたか。それから、妥当性に進展はあったかということです。全体として妥当と言える状況にあるかというのが2つ目です。人材育成・確保の見通し、6つ目でございますけれども、こちらも人材育成・確保に関してどのような取組が行われたか、あるいは見通しに進展はあったかということで、全体として見通しが立っていると言える状況にあるかどうかということもぜひ見ていただければと考えております。
 それから、7つ目がその他でございますけれども、提案されている準備研究所の組織、それから、研究開発計画は妥当かということで、研究開発計画の部分はかなり技術的成立性と重複する部分はあるかと思います。それから、技術的・経済的効果について研究者側で記載していただいているような取組が妥当か、この辺りが確認の視点になるのではないかとは考えています。これを会議が終わった後に、次に研究者の方に実際に来ていただいて意見交換をすることになるわけですけれども、これをお渡しして、こういった点も踏まえてぜひ説明をお願いしますというふうに伝達をしたいと考えておりますので、その点も踏まえてぜひ御議論をいただければと考えています。
 以上です。

【観山座長】  ありがとうございました。
 まず、資料4-1というのが有識者会議並びに学術会議のほうでいろいろ課題として挙がったもので、前回の有識者会議は、分科会を設けて非常に慎重審議をした結果、こういう課題があるのではないかということで、先ほど振興局長からもありましたけれども、特にこの1番、2番、3番というのが重要な課題ではないかということが述べられました。それで、先ほど話にもありましたとおり、今度、推進者側に来ていただく前に、この資料4-2、つまり、こうこうこういうことをこの委員会としては確認したいので、それに対する準備というか、御説明をお願いしたいという文章が4-2ではないかということで、それに関して御意見、少し時間を取って意見交換したいと思いますけれども、これに対してまだこういうことも聞きたいということがありましたら、おっしゃっていただければ反映することができると思いますし。
 東嶋先生、どうぞよろしくお願いします。

【東嶋委員】  ありがとうございます。ジャーナリストの東嶋です。今回から参加させていただいたので、これまでの経緯、存じ上げなくて失礼なことがあるかもしれませんけれども、今伺った資料4-2の中で少し私の科学ジャーナリストの立場から見てつけ加えていただきたいことというのを申し上げたいと思います。

【観山座長】  はい。どうぞ。

【東嶋委員】  資料4-2で言いますと、まず番号は2、3、4というところなのですけれども、この2の国際的な研究協力及び費用分担の見通しというところなのですが、ここは細かいところは、これまで先生方でいろいろ見ていただいていると思うのですけれども、私自身、幾つか、例えばITERだとか、それから、天文台関係のプロジェクトですとか、国際的なプロジェクトを拝見してきて思ったことなのですけれども、国際的な交渉とかマネジメントとか危機管理を長期間にわたって、この人がいるから信頼できるというような、そういう国際的に見てもしっかり責任を持って、海外の方から信頼を持っていただけるような、そういうリーダーの方がいるかということが大切かと思います。
 そしてもう一つは、国民に対して、これだけ巨額な投資をするのだから、それに見合う成果はこういうものですよということを説明できて、納得してもらえるような、そういう顔となるリーダーの方が必要だと思いますので、この点をしっかり確認させていただければと思います。
 それから、次に学術的意義や国民及び科学コミュニティの理解というところなのですけれども、これは幾つかシンポジウムを行ったとか、そういう報告がありましたけれども、例えば出版物やシンポジウム等でILCの意義や魅力を十分に伝えることができているかということなのですが、これはしっかり、例えばILCという名前の認知度とか、プロジェクトの予算や期間などについて認知度の推移はどうなのか、アンケートなどで計量しているのでしょうか。それから、国民からの支援が得られているかどうかといった点については、クラウドファンディングとか、いろいろな方法があるかと思いますけれども、そういった支援の具体的な動きが国民の間にあるのでしょうか、また、そういった準備はされているのでしょうか。
 ここのところで一番気にしますのは、放射線関係と、それから、環境の関係です。放射線の関係はマイナス要因として、例えば福島のトリチウム水の放出とか、それから、高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、もう何十年も理解活動をやってきていて、私もこれについて関わっていますけれども、放射線というだけで国民の理解は難しくなるのは、皆さん御存じのとおりです。絶対大規模な反対運動が起こるということを前提に、その方々に対して、そして立地地域の方々、そして国民全体に対して向き合えるような、そういう説明の力があるのか、Q&Aができているのか、コミュニケーション能力が、しっかり体制が整っているのか、これについても確認しなければいけないと思います。
 それから、その次の技術的成立性なのですが、ここは先生方、しっかり見ていらっしゃると思うのですが、特に今回、つけ加えていただきたいのは、これから、このプロジェクトは多分2050年ぐらいまでのプロジェクトだと思いますけれども、その間、日本の地震活動が活発化し、また、気候変動によって降雨が増したり、洪水が増したり、土砂崩れがあったりということがこれまで以上に考えられるわけで、そういった災害についてもリスクをしっかり織り込んで備えられているのかということも検証しなくてはいけないと思います。
 それから、ここに書いてありませんけれども、この当事者の方に聞くというよりは、科学者コミュニティ、そして国民に聞くということで、その他の視点なのですが、2050年までかかるとして、このプロジェクトを2050年までの日本の中での優先度の高い研究にするのかということもしっかり考えないといけないと思います。分野の偏りがあるのではないかと感じていますので、そういった広い視点で見て、このプロジェクトを日本の優先課題として取り組んでいくのか、そういう視点も必要だと思います。
 以上です。

【観山座長】  どうもありがとうございました。
 いかがでしょうか。まず、確かに国際的な協力事業を進めるということであると、信頼できるリーダー、それから、説得力のあるリーダーというか、さらに国民に対する説明が非常に説得力ある形でできて、この人が説明するのだったら大丈夫だろうというような顔があるかどうかという部分が重要です。リーダーとか、そういう部分は、国際的な協力とか信頼できるリーダーの存在、それから、確かにこれ、何回シンポジウムをやりましたとかというよりは、国民に対する効果ですよね。例えばアンケートとか、そういうものがどれだけされているのかというようなことをお聞きしたい。
 それから、もちろん原子炉ほどではないですけれども、放射線はもちろん出ますので、それに対する住民の理解。それから、地殻変動の予想というのはちょっと難しいと思いますけれども、様々な気候とか、そういうものに対するリスクの準備、それから、科学者として、科学者コミュニティとして、これを何十年間も優先度、多分、1位でずっと資金的には出さなければいけないということで、そういう理解があるかという部分だと思いますけれども、私としてはもっともな御質問だと思いますので、つけ加えたらどうかと思います。よろしいでしょうかね。事務局のほう、適切に簡潔につけ加えていただければと思いますが、ほかにいかがでしょうか。これは省略してもよいものの指摘もお願いします。
 中野さん、どうぞ。

【中野委員】  この2番目の国際的な研究協力及び費用分担の見通しという点は全ての中で一番大事だというか、この進展がなかったら、ほとんどほかのところは議論する必要すらないぐらい重要だと思っております。危惧するのは、今回のいろいろな経緯、御説明していただいた中で、ILC推進派と、それから、文科省の捉え方の間にかなり隔たりがあるというところが本当に気になっています。これからヒアリングする際に同じ材料であるにもかかわらず、極端にポジティブな捉え方をされているとすると、本当に議論が成り立たないと思います。
 だから、文科省の捉え方はこういう捉え方です。そちらはポジティブに捉えられているかもしれないけれども、こちらではネガティブに捉えていますということまで伝えて、その上でどういう進捗があるかということをヒアリングしないと新しい情報が出てこないのではないか、新しい状況が分からないのではないかという危惧がございます。ILCの準備研究所についても各国への働きかけということが、そのミッションの1つで入っていますけれども、その状況も含めて、何もまだ始まっていないのだとしたら、その戦略も含めてどういうことをしようとされているのか、それはどういう情報に基づいて何をしようとしているのかというところを詳しくお聞きしたいと考えております。
 以上です。

【観山座長】  重要な点だと思います。ですから、ここに挙げられた資料も第2回、第3回に来ていただく方には渡して、文科省が作った資料なので、これとは違う見解と言われるかもしれませんし、その根拠、エビデンスを示してほしいということもあろうかと思います。先ほど審議官も少しおっしゃいましたけれども、各国の各層でいろいろな意見分布が少しずれている部分もあるので、欧州の研究者はこう思っていると言うかもしれないけれども、政府レベルではまた全然別の考え方があるかもしれないので、そこら辺も少し整理してもらえればと思います。それは推進者側に聞くのが適切かどうか分かりません。文科省のほうで独自に調べてもらうほうが公平なのかもしれません。推進者側はまたいいように取って報告するかもしれませんので、とにかくこちらのこういう資料を持って、これに対して特に2番目で言うと、それぞれの国際的な協力の方向はどうなのかということは、しっかりと聞いてみたいと思いますし、はっきり言って、ここは非常に重要な点でありますね。
 ほかにいかがでしょうか。伊地知先生、どうぞ。

【伊地知委員】  ありがとうございます。非常に細かいことで恐縮なのですけれども、資料4-2の7.その他のところで2つのところがあるのですけれども、特に後者のところで技術的・経済的効果と書かれています。これは実は資料4-1と比較すると、資料4-1では技術的・経済的波及効果、となっています。4-2のようになったということは、波及効果だけではなくて、直接効果も含めてその効果について確認をしたいということでよろしいでしょうか。

【観山座長】  事務局、どうでしょう。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  ここはすみません、ここまで詰めたところではなくて、そういう意味では、もともと課題では指摘をされているところを踏まえて経済的波及効果ということで、こちらの4-1の主な課題のほうに合わせたいと思います。失礼いたしました。

【伊地知委員】  よろしいですか。

【観山座長】  はい。どうぞ。

【伊地知委員】  波及効果に単に文言として合わせるかどうかではなくて、もしまだ時間的に余裕があるようでしたら、波及効果だけにするのか、それとも直接効果も含めて経済的効果を見ようとするのかということを検討していただいたほうがいいかなと思います。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  そうしましたら、そこはすみません、もう一度中で整理をしたいと思います。御指摘、ありがとうございます。

【観山座長】  ほかには、いかがでしょうか。神余委員、どうぞ。

【神余委員】  ありがとうございます。これは資料3か4かどっちかになると思うのですけれども、欧州が将来計画としてFuture Circular Colliderをやろうとしているときに、このリニアコライダーについては出力を下げて、500から250GeVにしたわけですね。しかし、そのことによって恐らく本来得られるべき研究成果というのが得られにくくなる可能性があるかもしれない。出力を下方修正しているということですね。これはコストの関係で下方修正したのだろうと思うのですが、それは恐らく学問的に言えば相当妥協しているのではないかと思われます。欧州のほうは今よりもっとすばらしい、すごいものを造ろうとしているときに日本は将来計画で出力を下げたものを作るということが、果たして本来の研究目的に合致するものかどうか。その辺に関する成功の可能性についてどのように研究者は考えておられるのか、これは聞いてみたいなと思うのですけれども。

【観山座長】  重要な指摘だと思いますね。リニアコライダーではエレクトロン、ポジトロンの加速器ですけれども、FCCは多分、ハドロンというか、それのコライダーだと思いますけれども、性格の違いもありますが、もしもFCCが進んだ場合にILCとの、どういう研究的な役割分担があるのかということは重要な質問だと思いますので、ぜひ入れたいと思います。FCCもまだ仮定の話で、それが認められた計画では多分ないとまだ思いますけれども、その可能性も含めてやっぱり重要な視点だと思います。
 中野委員、どうぞ。

【中野委員】  今、神余委員に御指摘された点なのですが、これは250GeVに変えるときにかなり議論いたしまして、その際にやはり新粒子の兆候が見えていないので、ヒッグスの精密測定に集中すべきだろうということで、もちろんコスト削減というのもあるのですけれども、物理の面で250GeVというような議論になっていたと思います。それで、ただ単に学術的意義がどうかということをお尋ねすると、そのときと同じ議論になってしまうと思うので、それ以降、素粒子の物理学でいろいろと新たな進展もありますので、状況は変わっておりますので、その状況が変わった中で、それでもやはり250GeVがベストかどうかということを中心に、もう少し踏み込んだ聞き方をしたほうがいいかなと考えました。
 以上です。

【観山座長】  ありがとうございました。
ただ、前回も言いましたけれども、ヒッグス粒子の詳細調査というので非常に学術的には重要ですが、一般的には理解が難しくなって、なかなか、説明が難しくなったという点は否めないと思いますけれども、それからの進展をぜひ聞いてみたいところですよね。
 ほかにどうでしょうか。岡村委員、お願いします。

【岡村委員】  これは今すぐここにつけ加えるという話ではないのですけれども、アメリカの場合、やはり大きく体制が変わったので、2019年のあの意見表明以降、何らかの変化があるのかどうか。これは恐らく文科省のチャンネルを通じて確認をしていただくのがよいと。もしその状況によっては、その後、皆さんに聞く項目が増えるかもしれないと思っています。
 以上です。

【観山座長】  ありがとうございます。
 これは当事者に聞くというよりは、可能でしたら文科省のパイプを通じて、どのような状況があるのかということは、ぜひウォッチしていただければと思います。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  事務局でございますけれども、今後、欧米との意見交換というのをやっていく予定にしておりまして、もし成立すれば、その辺り、アメリカの状況とかというのは聞いて、可能な範囲で、ここで御報告していただくことはできるかなとは思います。

【観山座長】  はい。これももしも今は気がつかないが後日に質問があるかもしれませんけれども、こういうことも聞いていただきたいということがありましたら、事務局のほうに送っていただいて、最終的には私、座長と相談の上、まとめさせていただきたいと思いますので、ぜひ事務局のほうにこういうことを聞いてみたいということがまた出てきましたら、お送りいただければと思います。最終的に4-2の最終版みたいなものは事務局と私のほうでまとめさせていただきたいと思いますので、その点は御了解いただければと思います。もちろん来ていただいて、その場で直接に新たな質問をしていただくことも十分可能だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 横溝委員。

【横溝座長代理】  横溝です。技術的成立性に関しての説明をお願いするときの視点なのですけれども、提出いただいている資料を見ると、かなりのことを準備研究所でやりますというような表現もされているんですね。一方で、18ページでは準備研究所開始の前提として日本政府が日本誘致に前向きな姿勢を示すことが必要と書かれている。まだこれからやらないといけないものがたくさんあるときに、そういう姿勢が示せるのかというのが1つ大きな課題として残るかなと思うんです。
 それで、プレゼンのときには、前回、3年前に指摘しているいろいろな技術的課題がどういうのがありました、それが3年の間でどこまで進みました、最終的に発注するまでには、まだこれだけやる必要がありますというのを整理した上で、全項目出していただくような、そういう工夫をしてもらうとありがたいなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

【観山座長】  技術的成立性も最終的な段階までは10年以上あるので、その間にいろいろ技術の発達とかということを見越しているものも結構あったと思うのですけれども、これだけの巨額な費用がかかりますので、もう少し進んだ状況を示してほしいというのは、前回もありました。今の御意見は、結局、前回の段階からこの3年間でそれぞれの項目、どう進んだのか。その後、今後の見通しはどうであるかということです。しかし、全て説明していただくと物すごい時間がかかると思うので、せめて表か何かにして出してもらうということが必要ではないかということです。もっともなことだと思います。
 事務局、どうぞ。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  御指摘ありがとうございます。そのように対応したいと思います。

【観山座長】  京藤委員、手が挙がりましたか。

【京藤委員】  よろしいですか。

【観山座長】  はい。どうぞ。

【京藤委員】  前回の論議で、立地の件ですけれども、私も勘違いしたのかもしれませんけれども、北上山中メインで検討していたような感じがするんですけれども、ここではまだ決めていないと書いてありまして、31ページには論議はできていないと書いてあるのですけれども、これ、前提は一度、もう一遍リセットしているんですか。北上中心でやるとか。これ、どういう問題が起きるかというと、建設コストって場所によって、立地によって大幅に変わってしまう可能性があるので、その辺は何かクリアに両方選んで検討するなら検討するとか、そういう論議もしておいてもらったほうがいいのではないかと思いますけれども。

【観山座長】  事務局、事実関係を説明してもらえるとありがたいですが、新たな委員もおられますから。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  事実関係から申し上げますと、恐らく提案をされている方のところでは、場所の選定をされて、一応、北上がいいのではないかという提案をされているのですけれども、政府の側で場所をどこかというのは決めたという段階にはございません。それはもちろん、日本かどうかというのもまだ決まっていないということの中で、そういうふうになっているということでございます。そこは多分、前回の有識者会議でも、そういう同じ前提で議論をしていただいたというふうに考えていまして、そこは継続をしていただければと考えております。

【京藤委員】  あとこれ、費用に関しては、これで大きく振れる可能性というのはないんですか、場所によって。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  事務局からよろしいでしょうか。

【観山座長】  はい。どうぞ。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  恐らく場所が決まらないと詰め切れない部分というのはあるのだろうとは思うのですけれども、恐らく前回も、さはさりながらというところで詰めるべきところを詰めていただいたというところもあると思います。そういった観点で、もう少し、この3年の間でどうかというところを見ていただければと考えています。

【京藤委員】  こういう予算決めというか、振れ幅はある程度想定されて、幅を持って出されたほうがいいような感じもするので、この予算ありきでやってしまうと、後でずれが出て、下手したら2倍、3倍かかったということになってしまうので。

【観山座長】  2倍、3倍で収まればいい場合もありますので。

【京藤委員】  ああ、そうですか。

【観山座長】  立地の問題は非常に重要な問題です。

【京藤委員】  重要ですよね。この辺はもう少しクリアにしたほうがいいかなと思いました。

【観山座長】  要するに推進者側はどのように考えているかということは、お聞きしたほうがいいと思います。

【京藤委員】  そうですね。

【観山座長】  森委員。

【森委員】  人材の問題について状況が変わったかどうかお伺いしたいと思います。と言うのは、研究者だけではなくて、こういう大きなものを作る場合には技能者といいますか、技術員の育成と、それから、技術の継承が非常に大事になりますよね。たしか前の委員会のときも試作品を作ることと、それから、量産品としてたくさん用意することでは次元が違うのだという御指摘があったかと思います。その辺について特に日本ではこういう現場の技能とか技術の継承というところがよく話題になりますので、状況は大丈夫なのかどうか、またこれが今、この後、急激に普及したAIとか、そういうものによって補える道があるのかどうか。
とにかく小さいものを1個作るというのと大きいものを1,000個作るのでは、しかも、同じ人が作らなければいけないというのは、相当違うということなので、その辺の生産と管理、あと維持の状況についても見通しがあるかどうか。特にこういう特殊なものですと、設置が遅れますと、今度は人のほうが継承できなくていなくなってしまうという危険も私は感じますので、その辺の確認もお願いできればと思います。
 以上です。

【観山座長】  量産化と、それから、研究者以外の技能者、これはもう物流の問題とか様々な問題でそれぞれの専門の人が要りますので、研究者だけではできない計画だと思います。ありがとうございました。
少し時間が押してきましたので、私、3時には絶対やめなければいけない用がありますので、すみません。もしも追加の質問がありましたら、先ほど申しましたように事務局のほうにメールで送っていただきまして、それをまとめた形で事務局と相談したいと思います。
 それでは、意見交換の進め方について、事務局、説明をお願いします。これからのですね。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  それでは、資料の4-3を御覧いただければと思います。ページは33ページです。1枚紙です。こちらは提案されている研究者の方々との意見交換の進め方の案としてまとめたものです。基本的な考え方としましては、これまでの有識者会議、前回有識者会議のまとめの報告書、それから、その後に公表された日本学術会議の所見で指摘をされましたILC計画の課題につきまして、その後3年間の進捗とか変化について計画を提案している研究者の方々、提案研究者と書いておりますけれども、説明をいただいて意見交換を行うということでどうかと考えております。
 あと、前回の有識者会議報告書、既にまとめた内容につきましては、同じ議論の繰り返しを避けるという観点から基本的には確認をするということにしまして、他方で必要だという場合には議論していただくということでいかがかと考えています。
 あと、参加いただく提案研究者ということで、これはどういう形で声をおかけするかということなのですけれども、日本の提案研究者の代表としまして、高エネルギー物理学研究者会議(JAHEP)、それからあとILCジャパン、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の3組織の代表に対して、これは学会のほうでまとめていただいたILC計画に関する主な課題についてというものの内容、それから、その補足説明を行うということをお願いしてはどうかと考えております。それから、詳細な内容の説明、それから、意見交換に必要な、例えば技術的に少し突っ込んだところなどで必要な場合には、この3組織の代表が指名していれば、その研究者の方も参加することができるというふうにしてはどうかと考えております。
 ここは少し補足をしたいと思いますけれども、この高エネルギー物理学研究者会議(JAHEP)というのは、この高エネ分野の学会でございます。それから、ILCの日本誘致の建設を提案された方々でもあります。あとは、ここに書いてある主な課題についてというのをKEKと一緒にまとめたという、そういう立場の方でございます。KEKにつきましては、国内の研究機関でございまして、マスタープランとか、ロードマップとか、こういうところに申請するときの申請機関にもなられているということ。それから、主な課題についての報告書をまとめられてございます。ILCジャパン、こちらは御存じの方とそうでない方がいらっしゃるかもしれませんけれども、ILCを推進するために国内の研究者コミュニティのほうで新しい組織を5月から7月にかけて作るという動きがありまして、こちらは学会のほうとKEKのほうともサポートしながら、新しく作られたILCの推進を代表するような機関というふうに、一応、お話を伺っておりまして、この三者からお話を伺うのがよろしいのではないかと考えているというものでございます。
 2.の(2)のところです。ILC国際推進チーム(IDT)の提案書ですけれども、こちらはおまとめいただいたIDTの議長、それから、ホスト機関はKEKでございますので、この両者もしくは、いずれかに対して内容と補足説明をお願いしてはどうかと考えております。
 あと意見交換のプログラムのイメージでございます。次回と次々回でそれぞれ120分ぐらい割りつけてやっていければと考えています。細かい時間配分はまた適宜調整をできればとは考えておりますけれども、それぞれ説明をしていただいて意見交換をする。最後に有識者委員会のみで討議をするというのを30分ずつ設けてはどうかと考えております。その中で多分、もう少し突っ込んでというところもあると思いますので、それについては改めて質問事項として、提案研究者の方にお渡しして、それについて回答をいただくというのを第4回に行ってはどうかと考えております。ここでも回答いただいたものを基に、要すれば説明をしていただいて意見交換をする。それから、委員間で討議をしていただく、そういうようなことを考えております。こちらは案でございますけれども、御議論いただければと考えています。
 以上です。

【観山座長】  今のは、案として、これからの意見交換の進め方の準備状況ですけれども、これは実際に始めてみてまたフレキシブルに対応することも必要かと思います。何か御質問、御意見ありますでしょうか。この参加いただく提案研究者の団体、この高エネルギー物理学研究者会議とILCジャパンと高エネ研、KEKは当然だと思いますが、前の2つについては、この2つの団体の研究者に来ていただくのが適切ということでよろしいですか。これは割と近いメンバーの方しか分からないかもしれない。
 徳宿委員。

【徳宿委員】  徳宿です。はい。結構だと思います。

【観山座長】  はい。分かりました。
 それでは、先ほどの質問事項も含めて事務局と相談いたしまして、計画提案者の研究者のほうに伝達したいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。本日の議題はこれまでといたしますけれども、この際、委員の方々から何か御発言がありましたら、この時間、あと少し時間がありますので受けたいと思いますが、いかがでしょうか。
 熊谷委員、どうぞ。

【熊谷委員】  いろいろな議論をする上で、多分、資料は膨大な資料が出てくるのだと思うのですが、その資料というのは、こういうウェブ会議で直接見せられても、または資料として送られてきても、なかなか見るのが大変なのですけれども、今、テレワークなどやっていると。この資料の扱い方、例えば文科省のほうから当日の資料を前もって送ってくれるということは可能なのでしょうか。一度だけ見て議論というのもなかなか難しいとは思うのですが、以前はドッジファイルで机の上に置いてあったので、その都度見られました。

【観山座長】  ええ、そうでしたね。事務局、いかがでしょうか。

【樋口素粒子・原子核研究推進室長】  大変御迷惑をおかけまして申し訳ないです。お送りすることはもちろん可能でございます。お送りさせていただきます。

【観山座長】  ドッジファイルが自宅に送られてきてもなかなか大変なのですけれども、ただ、やっぱり会議のときに参考資料という形で、ここにはこういうふうに書いてありますとかというのは、分かるのは非常に重要なことだと思いますから、できる限り対応できるような形で、資料をあらかじめ送っていただくということをお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 ほかに御意見、いかがでしょうか。それでは、よろしいですかね。それでは、本日の議事は終了といたしたいと思います。最後に事務局から連絡事項などありましたら、お願いいたします。

【林加速器科学専門官】  それでは、冒頭でも申し上げましたが、本日の議事録につきましては、後日、出席委員の皆様にメールにて内容の確認をお願いしまして、その後、当省のホームページにて公開をしたいと考えてございます。次回の会議につきましては、本日の会議の中でも御説明がありましたが、提案研究者との意見交換を予定してございますので、次回、出席いただく研究者が準備に必要な時間の確保、それから、対応可能な時期を先方と調整した上で日程を調整させていただきたいと考えてございます。ですので、少し2回目に対しては時期が空く可能性がございますが、そちらはまた調整の上、御連絡を差し上げたいと考えてございます。
 以上でございます。

【観山座長】  ありがとうございました。
 それでは、本日の会議を終了いたしたいと思います。皆さん、御出席いただきまして、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


―― 了 ――