産学連携による医薬品・医療機器等の研究開発の推進の在り方に関する検討会(第3回)議事録

1.日時

令和3年5月19日(水曜日)14時00分~15時48分

2.場所

文部科学省17階 研究振興局会議室(オンライン会議)

3.出席者

委員

妙中主査、近藤副主査、安西委員、上村委員、扇田委員、大菊委員、長我部委員、菅野委員、谷岡委員

文部科学省

武田課長、高木戦略官、岩﨑企画官、根橋課長補佐、飯塚専門官、齊藤課長補佐、建部専門官、赤坂調査員

オブザーバー

中西洋一(日本医療研究開発機構(AMED) 橋渡し研究戦略的推進プログラム PS/北九州市立病院機構 理事長)
塩見篤史(日本医療研究開発機構(AMED) 実用化推進部長)
竹上嗣郎(日本医療研究開発機構(AMED) 医療機器・ヘルスケア事業部長)
宮川昭二(日本医療研究開発機構(AMED) シーズ開発・研究基盤事業部長)

4.議題

(1)医療分野研究成果展開事業 事後評価
(2)医薬品・医療機器等の研究開発における今後の支援の在り方
(3)その他

5.議事録

【根橋課長補佐】 定刻となりましたので、ただいまより、産学連携による医薬品・医療機器等の研究開発の推進の在り方に関する検討会、第3回を開会いたします。
 私は本日の進行を務めさせていただきますライフサイエンス課の根橋でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点より、本日、ウェブ会議にて開催させていただく運びとなりました。委員の先生及びオブザーバーの皆様におかれましては、御配慮、御協力いただき誠にありがとうございます。
 本日の議事は全て公開でございます。会議資料及び議事録を、弊省「ライフサイエンスの広場」のホームページで公開いたします。
 なお、ウェブ会議システムで御参加いただいております委員、オブザーバーの皆様にお願いしたいことがございます。マイクはミュートにしていただき、御発言の際だけオンにしてくださいますようお願いいたします。また、映像や音声が乱れるなどの不具合が生じた場合、ビデオをオフにすると音声が改善する場合がございます。
 続きまして、一般傍聴者の皆様にお願いしたいことがございます。会議に入りましたら、マイクはミュートにしていただき、ビデオをオフにするようお願いいたします。また、会議中、主査及び主査の命を受けた事務局職員の指示に従っていただきますよう、お願いいたします。なお、システムの不備等が発生しましたら、随時お知らせいただきますよう、よろしくお願いいたします。御不便をおかけすることがあるかもしれませんが、何とぞ御理解いただけますと幸いでございます。
 本日、委員の方の御欠席の連絡はございません。本検討会の定員は9名ですけれども、既に定足数を達していることにつきまして御報告させていただきます。
 本日、委員の皆様方全てウェブ会議にて参加いただいております。オブザーバーとして出席名簿の方々に御出席いただいております。オブザーバーの方々につきましても、ウェブ会議にて御参加いただいております。
 出席者の御紹介は以上になります。
 以降の議事進行は主査であります妙中先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【妙中主査】 それでは、以降、私が議事の進行をさせていただきます。
 まず事務局から、本日の議事及び配付資料について確認をお願いします。
【根橋課長補佐】 本日の議事及び配付資料については、お手元の議事次第のとおりです。本日は、前回の御議論を踏まえて修正した事後評価の確認と今後の支援の在り方について、報告書(素案)を基に御議論いただきたいと考えています。
 また、今回オンライン会議を実施しており、資料は全て事前に事務局より送付しておりますので、そちらを御覧ください。不備等がありましたら事務局にお申しつけください。
 私からは以上でございます。
【妙中主査】 資料等についての御質問等はございますか。よろしいですか。
 ありがとうございました。
 それでは、これより議事に入ります。なお、委員、発表者、オブザーバーの方の御発言は、私が御発言をお願いしてから行うようにお願いいたします。
 では、議題1に入ります。まず初めに、「医療分野研究成果展開事業 事後評価」となります。資料は1です。まず事務局より説明をお願いします。
【根橋課長補佐】 事務局より御説明させていただきます。資料1を御覧ください。「事後評価票(たたき台)」でございます。前回の会議で御議論いただいたものに修正を加えた箇所につきまして赤字で入れております。
 まず2ページ目を御覧ください。先端計測分析技術・機器開発プログラムにつきまして、企業への導出件数の関係で数字が誤っているところがございましたので、修正をしております。
 続きまして、7ページ目を御覧ください。前回の会議にてACT-Mの事業においても、先端計測の事業と同じように、プログラムで支援した課題が支援終了後に医工連携イノベーション推進事業に採択をされて、伴走コンサルティングの活用によって早期実用化にめどをつけていると。そのような事例もあるのではないかとお話があったと思います。その内容について追記をしております。
 続きまして、8ページ目を御覧ください。「(4)今後の展望」でございます。赤字で書いてある箇所についてですけれども、特に医療機器の最近の状況について記載をさせていただいているところでございます。この箇所については、報告書と記載を合わせる形で修正をさせていただいているところでございます。
 事後評価についての説明は以上になります。
【妙中主査】 ありがとうございました。ただいまの説明について御質問等はございますか。あるようでしたらお願いします。挙手いただいたらと思いますが、ありませんか。
 前回出た意見に基づいて適切に変更していただいたと思うのですが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。では、この内容でライフサイエンス委員会へ提出する事後評価とさせていただきたいと思います。特に御異論ありませんでしょうか。
 挙手等はないので、ありがとうございました。
 続きまして、議題2に移ります。「医薬品・医療機器等の研究開発における今後の支援の在り方」に入ります。資料は2です。資料が結構長いので、まず事務局より報告書(たたき台)の前半部分の説明をお願いします。
【根橋課長補佐】 事務局より説明させていただきます。資料2の1ページ目を御覧ください。まず「1.はじめに」では、この会議を開催することになった経緯等について記載をしております。
 まず一番上の丸でございます。内容について説明させていただきますが、生体における生理活性の仕組みや疾患の原因などについての様々な解析がなされ、その結果、創薬等のターゲットの領域が大きく広がり、一企業の研究所のみでは全てを網羅することが困難となっていること。さらに製品化に至るまでの成功確率の低下、研究開発費の高騰も相まって、世界的な動向として、大学やベンチャー企業を導入して開発を行うオープンイノベーションの方向にかじを切り、研究開発等のリソースを臨床試験に集中投資させる方向となっているというような状況について記載をしております。
 2つ目の丸でございます。このような状況の下、革新的な医薬品・医療機器等の創出に関しては、アカデミアやベンチャー企業の役割が大きくなり、臨床の現場に提供される革新的な医薬品・医療機器等はアカデミアやベンチャー企業を起源とするものが増えていること。そして、例えば米国FDAで承認された新規医薬品の約6割はアカデミアやバイオベンチャーの開発によるものとなっているという状況を紹介しております。
 このような中、事後評価で御紹介しました医療分野研究成果展開事業を実施し、その結果、アカデミアやベンチャー企業を起源とする研究成果を製薬企業・医療機器企業へと導出する事例があり、オープンイノベーションの環境についても徐々に構築されている状況を紹介しています。
 その上で、我が国の革新的な医薬品・医療機器等の創出が欧米に比べると不十分であり、一層の進展のためには、今後さらにこの流れを加速させていくことが重要であるとしております。
 そして、その次ですけれども、本検討会では、令和3年度で医療分野研究成果展開事業の事業期間が終了することに伴い、橋渡し研究プログラムなど、産学連携による研究開発の推進に関する事業も含めて、今後の課題を整理するとともに、このような医薬品・医療機器等の開発の状況を踏まえ、令和4年度以降の推進の在り方について検討を行う会議の趣旨を記載しております。
 続きまして、2ページ目の「2.事業概要及び成果」でございます。それぞれの医療分野研究成果展開事業のプログラムの概要と成果を紹介しているものとなります。
 まず(1)の先端計測分析技術・機器開発プログラムについてです。アカデミアと企業との連携を通じて、研究者が持つ技術シーズを活用した新しい予防、計測、診断、治療を可能にする革新的な医療機器・システムの開発を目指すものであること。
 要素技術の原理を検証し、開発する医療機器のコンセプトや性能を決定する要素技術開発タイプと、医療現場のニーズを満たしたプロトタイプ機を完成させる機器開発タイプの2つのタイプがあることをまず紹介しています。
 成果として2つ目の丸でございますけれども、上市した件数3件、企業や多事業へ導出された件数14件、特許申請・登録等に至った研究開発が210件であること。
 また具体的な事例として、微弱な電波の散乱から物体の内部構造を画像化する技術を医療分野に応用し、現行のX線マンモグラフィではがんを見つけにくい高濃度乳房でも、高精度に乳がんを検出できる新たなマンモグラフィの開発を進め、プロトタイプ機を完成させた成果を記載しております。
 次に(2)産学連携医療イノベーション創出プログラムです。この事業については、アカデミアと企業との連携を構築し、アカデミア発の技術シーズを産業界に円滑かつ効果的に移転するための研究開発を支援する事業であること。
 基本スキームでは、産学の役割分担を明確化し、相応の技術リソースの提供を求めることで実効性の高い研究開発を実施していくことなど、事業の概要について紹介をしております。
 3ページ目御覧いただきたいと思います。これまで上市した件数は1件、企業や他事業へ導出された件数38件、臨床試験・治験を開始した件数は5件という成果等について紹介をし、具体的な成果事例としては、医薬品では、肝硬変の病態である繊維化を改善する抗繊維化治療薬の研究開発について。また、医療機器に関しては、プロジェクションマッピング技術を用いて直接臓器に投影することで、手術中に対象物が動いてもリアルタイムに追従可能な手術支援システムの開発を行って、医療機器として製造販売承認を取得している事例を紹介しております。
 続いて(3)研究成果最適展開支援プログラムについてです。アカデミアや公的研究機関などの優れた技術シーズを実用化することで、社会へ還元することを目指す技術移転支援プログラムであること。また、JSTよりAMEDへ移管後新規課題採択は行わず、継続支援課題の課題管理のみを実施していることなどについて記載をしております。
 成果として、これまで上市した件数5件、臨床試験を実施するまでに至った研究開発が20件以上であること。
 具体的な事例として、骨の無機成分である炭酸アパタイトを焼結工程なしで顆粒状に成形する合成法を確立し、その技術シーズを実用化し、この研究成果が歯科全般で使用可能な人工骨として薬事承認され、販売されていることなどを紹介しております。
 4ページ目御覧ください。(4)戦略的イノベーション創出プログラムについてです。プログラムの概要ですけれども、戦略的創造研究推進事業等の優れた成果から設定した研究開発テーマを対象として、長期一貫してシームレスに研究開発を推進することで、産業創出の礎となり得る技術を確立し、イノベーションの創出を図ることを目的としていること。これもAMEDへ移管後新規課題採択は行わず、継続支援課題の課題管理のみを実施していることなどを記載しております。
 特許について出願申請・登録等に至った件数は66件であること。
 具体的な事例として、脊椎治療において臨床上問題となっている緩み、感染症におけるバイオフィルム形成等の問題を解決するために、緩まない椎弓根スクリュー、椎骨と一体化し、自家骨移植を必要としない脊椎用ケージ、脊椎インターナルサポートデバイスの開発を目的とした研究開発を実施し、チタン合金の新しい多孔体を有する脊椎スペーサの薬事承認申請に至ったことなどを紹介しております。
 最後に産学共創基礎基盤研究プログラムについてです。産業競争力の強化や基盤研究の活性化を目指して実施されてきたプログラムで、産業界で共通する技術的課題、技術テーマを募集し、その解決に資するアカデミアによる基盤研究を推進していること。これもJSTよりAMEDへ移管後新規課題採択は行わずに、継続支援課題の課題管理のみを実施していることなどを記載しております。
 具体的な成果についてですけれども、5課題が企業等との新たな共同研究につながったこと。
 組織の酸素レベルを高空間分解能でイメージングする共焦点りん光寿命イメージング顕微鏡を製作し、生きたマウスの腎臓の酸素化状態を高分解能でイメージングできる可能性を示し、これらの研究成果に基づき、企業との共同研究、特許の実施に至っている事例を紹介しております。
 まずここまで事務局から御説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
【妙中主査】 ありがとうございます。これまでの事業概要及び成果について主にお話をいただいたと思いますが、何か御意見等ございますか。
 よろしいですか。
 では、私から少しだけ。先端計測分析技術・機器開発プログラムに関しては、どちらかというと非常に基礎的なところによったものですけれども、その後、最初スタートした当時に比べて、前回でも少しお話しさせていただきましたけれども、医工連携イノベーション推進事業等のもとにある医療機器開発支援ネットワークの活動を通じて、実用化に向けての支援というか、どうやったら出口に持っていくかというようなことのコンサルティングであったりとかをすることで、今日ここにお示しいただいていますマイクロ波の技術を使った乳がんの診断装置みたいなものも非常に実用化に近づいたと思っています。そういう意味ではすごく成果があったと思うのですが、この事業のPSをしていただいております菅野先生、何か追加で御意見ございますか。
【菅野委員】 ありがとうございます。おっしゃるとおり、経緯がございまして、本当に当初AMEDで始めさせていただいたときには、基礎研究のための計測機器みたいな、そういうものばかりだったのですが、徐々に実用、上市を視野に入れたものが増えてまいりまして、それでも大学の先生たちが応募してくると、やはりその部分は非常にある意味分からない、手探りの状況だったのを、本当にいろんな形で支援していただきまして、これはほかのプログラムに続けることができた件数もぐっと増えました。
 ですので、ここに書いてある成果は実は最近の成果のほうが多いということでございます。こういう体制は、やっぱりAMEDができたことで、全体の研究開発に非常によい影響が出たのではないかと。特に伴走コンサルは、ほとんど現在は全例でお世話になっておりまして、ありがたい状況であると思いますが、こういうことをもっときちんとやっていくと、欧米にやや遅れている現状を挽回することができるのではないかと期待しております。
 以上でございます。
【妙中主査】 ありがとうございます。今御発言いただいた内容がこの後の今後の進め方等にも影響してくるというか、役立てていただけたらと思うので、どうもありがとうございました。
 続いて、産学連携イノベーション創出プログラム、これに関しては、御説明いただいたとおり、大学だけではなくて、それを事業化していく企業と連携して出口へ持っていく取組で、ある程度成果が出てきたのではないかと思います。これも私、評価委員として参加させていただいていたので、その観点から少しお話をさせていただきますと、先ほど菅野先生にお話しいただいた先端計測のものと同じで、企業が入っていても、まだもう少し事業化に向かっての支援はすごく重要なのではないか、評価委員の立場で少し感じております。ある程度、ここに書かれていますように、製品になったものも、そちらに向かっているものもあるのですが、もう少し何とか出口に行ったらなと思います。これに関しては、今日オブザーバーで参加していただいていますこの事業のPSの千葉先生、この振り返りということで、これまでの成果も含めて何か御意見ございますでしょうか。
 千葉先生、御参加されていませんか。
【根橋課長補佐】 申し訳ありません。千葉先生、御参加されておりません。
【妙中主査】 分かりました。参加者リストの中には入っていたようなので、お話をさせていただきましたけれども。
 よろしいですかね。これに関して、もう少し御意見等ございますでしょうか。京都大学の大菊先生、いかがでしょうか。拠点としてこの事業に参加している案件を見ておられたと思うのですが、何かございますでしょうか。
【大菊委員】 ありがとうございます。ここで成果として御紹介いただいているプロジェクションマッピングは実は京都大学の拠点の事業です。特にこの事業に関して、我々、積極的には取組まさせていただいて、AMEDの方々と個別説明会等も頻繁にやらせていただいたのですが、企業の姿勢が非常に重要だなと思いました。たくさんの事業で企業の参画をいただきましたが、ここで成果の出たプロジェクションマッピングを例に取りますと、このプログラムに参加していただいた企業、すなわち、パナソニックさんとか、三鷹光器さんの姿勢がほかのところとは違うものがありました。もちろん成果が見えてくるとますます積極性が増大してくるわけなのですが、シーズを選ぶときからやはりそういう企業の目が入って、やりたいという意向を強く出ているシーズが選ばれてくると成功する可能性が高いのではないかなと思っております。
【妙中主査】 ありがとうございました。ほかに御意見等ございますか。よろしいですか。
 それ以降の研究成果最適展開支援プログラム、それから、戦略的イノベーション創出プログラム、それから、産学共創基礎基盤研究プログラム、これに関しては、JSTから移行して、新規採用せずにその後のフォローをしてきたと、AMEDとしてはやってきたと思うのですが、何かこれについての御意見等ございますか。
 よろしいですかね。これも幾つか成果が出てきていると思うのですが、こういうものも、やっぱり基礎研究から出口に行くというのを、私、JST時代から評価委員を少しさせていただいていたのですが、何となく早いなという思いはしておりました。ただ、幾つか成果が出てきているので、しかも基礎研究の重要性というのはすごくあると思うので、振り返りとしてはこういうまとめのようなことでいいのかなと思うのですが、よろしいですか。
 じゃあ、意見等あまりありませんが、後で総合的にお話を、また討論する時間もありますので、次に進めさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局より資料2の後半の説明をお願いいたします。
【根橋課長補佐】 資料2の5ページ目を御覧ください。「3.事業の改善の方向性」から御説明をさせていただきます。ここは事業の改善の全体的な方向性について記載をさせていただいたところでございます。前回の会議の論点で御議論いただいた内容等を基に厚みを持たせたものとなっております。全部で5つの方向性を示させていただいております。
 まず1つ目の方向性ですけれども、「研究開発の早期から成果の実用化に向けた支援を充実させることが必要」だということでございます。
 具体的な内容としては、1つ目の四角ですけれども、我が国の医療分野における産学連携の課題の1つとして、アカデミアと企業の双方の認識のすれ違いをまず挙げています。そして、このため、研究開発に着手する段階から双方の認識を共有し、取組の方向性を一致させるべく、アカデミア発のシーズを企業による実用化につなげるための新たな仕組みを検討することが重要であるとしております。
 続いて2つ目の四角でございます。特に医療機器の研究開発についてですが、試作機の製作に注力するあまり、薬事戦略等が不十分な場合には、次の開発段階に進まないまま頓挫する危険性を常にはらんでいるということ。このような状況に陥らないようにするため、試作機製作の前段階より、企業での開発経験を有する者に事業化の視点で助言を受けつつ、市場調査やコンセプト立案、ビジネスモデルの検討等を実施することが重要であると記載をしております。
 6ページ目御覧ください。一番上の四角でございますが、先端計測分析技術・機器開発プログラムについてですけれども、他省庁事業との連携及び伴走コンサルティングの活用により事業化の加速につながる事例も出てきていると。さらに実用化に向けた省庁横断的な支援を充実させることが重要であるとしております。
 2つ目の方向性、「多様化する開発ニーズへ対応させることが必要」というところでございます。
 1つ目の四角でございます。近年、分子生物学の進展が目覚ましいものとなっており、その結果、核酸医薬など、新たなモダリティによる創薬が進められていること。また、医薬品の作用機序はモダリティによって異なるため、新規創薬モダリティの開発は、既存の医薬品では治療・制御困難な疾患を克服する突破口になる可能性があること。そして、これらの基礎的な研究開発においてアカデミアの果たす役割は大きく、今後ますます進むと想定されるモダリティの多様化に対応していくために、アカデミア発シーズの実用化をより加速させていく必要があることを記載しています。
 続いて2つ目の四角でございます。ライフサイエンス分野とAI研究の融合が急速に進んでいて、AI医療やAI創薬等の研究が世界中で活発化しているということを記載しております。
 3つ目の四角です。特に少子高齢化が進み、健康寿命の延伸が求められる我が国において、予後・QOLの向上、在宅医療等のニーズがますます高まっていること。このような社会環境を背景に、例えば医療機器に関しては、ソフトウェアやデータを活用したポータブル診断機器等の新たな開発動向が認められることから、今後ますます多様化する医療機器の開発ニーズに対応することが必要であることなどを記載しております。
 7ページ目御覧ください。3つ目の方向性としまして、「開発経験を有する企業の参画が成果の展開には重要」というところでございます。
 1つ目の四角です。先端計測分析技術・機器開発プログラムでは、AMED設立以降に採択された機器開発タイプ課題で支援期間が終了したもののうち、導出に至らなかったものは、いずれも医療機器製造販売業許可企業が参画していなかったという状況。そして、このような実績を踏まえれば、医療機器の事業化経験を有する企業の参画を進めることが成果を事業化に向けて導出していくために大きな要素となっていることが明らかで、今後の事業設計を進めていく中で考慮していくことが必須であるとしております。
 2つ目の四角でございます。前回の会議で様々な御意見いただいていた内容のところでございますが、事務局としてまとめさせていただいたものです。まず国際的にベンチャー企業がアカデミアと基礎企業との間をつなぐ役割を担っていること。また、我が国においても既存企業に橋渡しする重要な役割をこれまで以上に担うことが必要になると考えられること。そして、これらのことから事業化の役割を担うベンチャー企業の参画も想定した制度設計が必要であることを記載しております。この点と併せまして、研究の進捗に伴い、連携する企業を変更していくといった柔軟な対応も求められるというようなことについても記載をしております。
 続きまして、4つ目の方向性です。「質の高い拠点の活用が必要」ということについてでございます。
 まず1つ目の四角ですけれども、特に医療分野に関しては、特許や遵守すべき法令などにおいて当分野特有の課題が多数存在しているため、産学連携活動を適切に展開するためには、実用化に向けた支援組織と協力体制を構築することが重要であることを記載しています。
 2つ目の四角でございます。このような中、これまで文部科学省では橋渡し研究支援拠点を全国に整備してきたところであり、この資源をさらに活用していくべきであることを記載しています。
 3つ目の四角でございます。現在の橋渡し研究支援拠点は拠点ごとに特色があるので、今後は、拠点外シーズでも、シーズに応じた適切な支援を進め、拠点の特色を生かしつつ、モダリティを区別せずに一体的に推進することが求められるということを記載しております。
 8ページを御覧ください。近年、AI創薬など、医療分野とデータサイエンス分野等を融合させていく必要があるなど、橋渡し研究支援拠点ではこのような他分野との連携も視野に支援を行っていく必要があることを記載しております。
 続いて5つ目の方向性として5番「関連事業の役割の明確化と効果的な連携を目指すことが必要」ということについてでございます。
 早期の実用化に向けて、関連事業との役割を明確化し、より効果的な連携を目指していくべきであること。
 同じ非臨床フェーズの他事業が持つ既存の仕組みやノウハウの活用により、より早期の実用化が見込まれることについて記載をしております。
 続きまして、「4.今後の産学連携による医薬品・医療機器等の研究開発の推進の在り方」についてでございます。特にここでは具体的なプログラムの今後の方向性に関して記載をしております。
 9ページ目を御覧ください。まず「事業プログラムの統合について」でございます。1つ目の四角でございますけれども、産学連携医療イノベーション創出プログラムに関しては新規の公募はせず、このプログラムの強みである産学連携の仕組みを橋渡し研究事業に応用した形で橋渡し研究プログラムに統一するという方向性をまず記載をしております。
 続いて2つ目の四角でございます。橋渡し研究支援拠点に関しては、先ほど述べたように、これからそれぞれの拠点の強みを生かしつつ、分野等にかかわらずシーズに応じた適切な支援について一体的に推進していく必要がありますけれども、一方で現状では医薬品分野の支援にやや偏っているという状況もあることから、医療機器分野に関しては、先端計測分析技術・機器開発プログラムを土台とした後継事業において引き続きの支援を行っていく必要があるという方向性を記載しております。
 3つ目の四角でございます。研究成果最適展開支援などについては、既にAMEDに移管後について新規採択をしていないこと。また、産学連携に関しては別事業もあることから、基本的にはその役割を終えたと考えまして、現在支援する研究課題が終了し次第プログラムを終了する方向性を示しております。
 続いて「事業プログラムの改善について」というところでございます。
 まず橋渡し研究プログラムについてです。1つ目の四角として、産学連携医療イノベーション創出プログラムの仕組みを踏まえ、開発早期段階から実用化に向けた戦略の明確化をプログラムとして求め、企業との情報交換の場の設定等により、企業との議論を開始するようにすべきであること。
 2つ目の四角としまして、実用化の加速を目指し、開発の進んだ段階における企業との連携推進を義務化することで、各シーズの研究開発体制を強化すべきであること。さらに優れた基礎的な研究を効率的に企業につなげるため、基礎・応用研究から非臨床研究につなぐための支援を強化すること。企業連携先にベンチャー企業を含めて考えるべきであることについて記載をしております。
 続いて3つ目の四角でございますけれども、企業連携を進めるために、例えば投資先企業が明確化されているなど、企業からのコミットメントが明らかな研究課題を支援する新たなシーズ枠を設けることについて記載をしております。
 4つ目の四角でございます。ここに関しても前回かなり御意見があったところかなと思っておりますが、開発のリスクといった観点から、基礎疾患などの場合については、研究開発の一定段階まで企業が関与しにくいことが考えられるということで、研究内容によっては事業実施中に連携する企業が見つかればよいことにするなど、企業連携については一定の余地も残すべきであるという内容を記載しております。ここに関しては、前回も議論があったところですけれども、論点になるような箇所かなと考えております。
 10ページ目を御覧ください。一番上の四角でございますが、拠点外の大学等のシーズを支援する機能を強化するべきで、このことを誘導するような制度設計とすべきであること。これについても前回少し御意見あったところで追記をしております。
 またこのことと併せまして、当然橋渡し研究のプログラムですので、橋渡し研究拠点が関わることは必須かなとは思いますけれども、拠点以外のシーズが応募しやすくするための仕組みづくりも併せて考えていく必要があるだろうということで記載をさせていただいております。
 次の四角を御覧ください。現在の橋渡し研究支援拠点の支援シーズ数は医薬品分野が半数を占めるなど、やや偏っている状況であるため、橋渡し研究支援拠点の特色を生かし、モダリティを区別せずに同じプログラムの中で一体的に研究開発を推進する考え方について記載をしております。
 次の四角を御覧ください。産学連携医療イノベーション創出プログラムの仕組みを踏まえる観点から、橋渡し研究支援拠点と連携しながら、AMEDの知的財産担当者等も関わりを持てるように制度設計すべきであること。また、さらなる実用化を推進するため、産学に実用化担当者を配置することも有用であることを記載しております。
 また、特に医療機器分野に関しての記載となっておりますけれども、省庁横断的な支援により、伴走コンサルなど、ビジネスモデルなど、実用化に向けた戦略の支援の強化を推進すべきであるという内容を追加しております。
 続きまして、「先端計測分析技術・機器開発プログラムを土台として後継事業」についてでございます。
 まず1つ目の四角でございます。実用化を目指して効率よく研究開発を進めていくため、臨床医の参画に加え、医療機器の事業化経験を有する企業の参画をさらに推進すべきであること。一方で、非常に革新的な技術の場合、市場性の観点から、早期からの企業の参画は難しいこともあることから、企業との連携については一定の余地も残すべきであるという方向性を記載しております。
 2つ目の四角でございます。初期段階から実用化を見据えて研究開発を方向づけるため、全ての研究開発フェーズにわたって、事業戦略などの実用化に必要なコンサルティングをきめ細かく実施する体制を整備すべきであること。その際には多種多様な医療機器の特性に応じた指導・助言に加え、課題参画者間の事業化に向けた共通認識づくりも重要であること。また、コンサルティングを実施する際には、その質について検討すべきであるという内容を記載しております。
 3つ目の四角でございます。QOLの向上、在宅医療等へのニーズを背景として、今後多様化していく医療機器に対して新たなニーズが生じてくることから、このような新たなニーズに対応できるように、重点領域を意識しつつ、革新的・独創的な技術シーズを採択できる仕組みや着実に実用化につなげていくために課題評価の体制を充実させていくべきであること。また、産業界だけではなく、大学側にも実用化担当者を配置することも有用であることを記載しております。
 11ページ目を御覧ください。最後のところですけれども、経済産業省事業など、AMED他事業との役割分担を明確にするとともに、連携をさらに強化することによって、基礎から実用化までの研究開発が切れ目なく行われ、革新的な医療機器の早期の実用化を目指すべきであるという内容を記載しております。
 方向性についての事務局からの説明は以上となります。御議論のほう、よろしくお願いいたします。
【妙中主査】 ありがとうございました。ただいま事業の改善の方向性と、それから、今後の産学連携による医薬品・医療機器等の研究開発の推進の在り方ということで御説明をいただきました。今日のメインの部分かなと思うのですが、これらについて何か御質問とか御意見等ございますか。
【扇田委員】 よろしいでしょうか。
【妙中主査】 はい、どうぞ。
【扇田委員】 滋賀医大の扇田と申します。2点お伺いしたいのですが、まず1点目は、資料5ページ目です。資料5ページ目の3ポツの1、四角い枠で囲ってある点ですけれども、四角に囲ってある中で、1つ目のダイヤモンドの項目ですが、途中に「研究開発に着手する段階から双方の認識を共有し、取り組みの方向性を一致させるべく、アカデミア発のシーズを企業による実用化に繋げていくための新たな仕組みを検討する」必要が重要であると記載されています。研究の初期の段階で企業とアカデミアの方向性を一致させるというのはなかなか難しいところがあると思いますが、この仕組み、具体的にどのようなものを考えておられるかというのが分かったらお願いします。
【妙中主査】 まずそれについて事務局から御回答お願いします。
【建部専門官】 ライフサイエンス課の建部と申します。ここに書かれていることで、具体的に考えていることといたしましては、後半にも書かせていただいておりますけれども、開発早期の段階ですと、まだそこまで企業とのニーズが一致することがはっきり分からない状況ですが、まずは情報交換の場等を設定していくことになるかなと考えております。
 以上です。
【扇田委員】 ありがとうございます。そうしたら、何かセミナーとかシンポジウムみたいなものを1回やって、全体のこのプログラムの概要みたいなのを双方に広く広報すると、そのようなな形でよろしいのでしょうか。
【建部専門官】 ありがとうございます。まだセミナーであるとか、様々な教育プログラム、いろいろ考えられることはあるかとは思うのですが、現段階ではまだ具体的にそこまでは決まっていませんので、またAMED等とも相談してこれからそうした情報の交換の場というものを考えていきたいと思っております。
 以上です。
【扇田委員】 ありがとうございます。もう1点、2点目ですけれども、資料10ページ目の最初のダイヤモンドの項目なのですが、拠点外の大学のシーズの支援を強化すべきということで、これは非常にいいことかなと思うのですが、その支援拠点以外のシーズが応募しやすくするための仕組み、これも仕組みづくりですけれども、これも先ほどと同じですが、何か具体的な案とか、そういうのがあるのでしょうか。今まだ少し検討中ということでしょうか。
【建部専門官】 ありがとうございます。こちらも、橋渡し研究でかなり長い期間拠点を支援してきましたし、こうしたシーズAの募集についても、かなり研究者にも周知されてきているところでございますので、拠点外のシーズの収集に関してもかなり認知は進んでいるかなと考えております。そうしたこれまでの取組を今後もさらに継続していく中で、拠点外のシーズを応募しやすくしていく仕組みを整えていければなと考えております。
 拠点からのいろいろな募集であったりとか、あとは、先ほどのお話で出ましたような拠点外に向けてのセミナーであるとか、あるいは、拠点外のAROなどもだんだんと育ってきているところもあると思いますので、そうしたARO同士の交流、こういったもので拠点外シーズについて応募しやすくしていければなと考えております。
 以上です。
【扇田委員】 ありがとうございます。拠点大学というのはかなり充実した研究基盤があると思いますが、拠点以外となるとなかなかそういうのが少し難しいところもありますので、ぜひまた具体的に考えていただけたら非常にありがたいかなと思います。ありがとうございました。
【妙中主査】 ありがとうございました。今御指摘いただいた2点、私もとても重要だと思っています。御回答の中で、例えば企業とのマッチングというものも、セミナーやったりとか、そういうようなことも言われましたけれども、それから、橋渡しの拠点外の人たちが参加できるというのも、そういうこと言われましたけれども、それってもう何年もあちこちでやっていることであって、今後文部科学省としても、制度設計ということだけで書かれているので、もう少し具体的にどうやるのかを考えていただきたいと思うのです。
 1つは、他省庁、経済産業省とか厚生労働省なんかでも、医療機器であると、14の拠点が支援されて、そういうところが、マッチングだけではなくて、もっと事業化に向けての支援、拠点内でも、あるいは拠点外も含めての、そういうような活動をしてきています。そのようなことを、一部先端計測のところの今後の在り方のところには触れていただいていますけれども、やはり他省庁との連携というのはすごく大事だなと思います。その橋渡し研究の内容だけで終わってしまうのではなくて、そこから次に導出する。そのためのに初期の段階から、橋渡し研究も、他省庁との連携をやるのはとても重要だと思うので、マッチングとかセミナーだけで済む話では私はないと思っています。何か御意見ございますか、医療機器等も含めて。
 近藤先生、どうぞよろしくお願いします。
【近藤副主査】 ありがとうございます。近藤です。妙中先生もおっしゃられていたこと、まさに私も同じことを考えていまして、今表示いただいております10ページ目の1の一番下のひし形のところですけれども、省庁横断的な支援ですとかビジネスモデルを実用化に向けた伴走コンサル等というのが、確かに機器のところで改善提案というのがあったのですが、医薬品分野ですとか、幅広くこういうことは進められたほうがいいとは思いますので、実際に具体的に省庁横断的な支援が進むようになったらいいと考えました。
 以上でございます。
【妙中主査】 ありがとうございます。橋渡し研究のPSをしていただいている。中西先生、御意見ございますか。
【中西オブザーバー】 オブザーバーの中西です。橋渡し研究のPSをしていた関係で、今のことについて触れさせていただきます。
 まず、拠点外シーズ、応募しやすいようにと。これ、非常に重要なことだと思っております。実際問題として、この5年、10年の間にほとんどの拠点が半分以上の支援シーズは拠点外のシーズになってきています。それは確かにそれなりの制度設計がありまして、一定の数をしっかり拠点内シーズをすると、その分の枠が各拠点増やしていけるということもありました。
 ただ一方で、現時点で問題になっているのは、拠点外シーズの支援をしても、全く拠点にそれに伴ういわゆるコストが入ってこないという課題がありまして、ここはやはり重要だろうということで、現在、拠点以外のシーズを支援したとしても、それなりに自律化が保たれるような制度にしていこうということで、AMEDと、あるいは各省庁とも検討していただいているところでございます。
 ただ、これは恐らく今後拠点のいわゆる認定化も含めて進んでいくことと期待しております。
 それから、もう1点、橋渡し拠点については、医薬品中心でというようなことが文言に書いてございました。実際そのとおりでございます。医療機器、あるいは再生医療等製品については、もっと力を入れるべきなのですが、これ、実は事情がありまして、橋渡し拠点で持っている予算でやっていきますと、実は非常に高額のコストのかかる非常に高度な先端医療機器開発、あるいは再生医療はそこに入ってこないのです。むしろたくさんお金が取れたら拠点以外に出ていこうということで、実は支援もしておりましたが、その支援そのものは、実際のコストが橋渡しの分ではなくて、外からのものであるという事情がございました。
 ただ、今後一部の事業が橋渡しに入ってくることもありますし、また、今後足りない部分をしっかり充実させていく必要もあると思いますので、橋渡し拠点には、それぞれの特色化もありますけれども、足りない部分についての人材強化をしっかり進めながら、これもまたAMED等々からそれなりの対応をしていきながら進めていくべきだと思っております。
 以上でございます。
【妙中主査】 ありがとうございます。私の意見と、それから中西先生の御意見に事務局はどのようににお考えですか。
【根橋課長補佐】 ライフサイエンス課の根橋でございます。特に橋渡し研究の支援拠点以外のシーズが応募しやすくする方向性について、具体的に各拠点の方々はいろんな取組をしていただいているところだと思います。特に我々文部科学省ですとかAMEDがどういうお手伝いができるかとか、そういうことも含めて考えていく必要があるだろうと思います。
 そこは具体的にどういう今課題があるのかを我々も把握ができていないので、どういうところが改善すれば応募しやすくなるかとか、そういうところを勉強していきたいと考えているところでございます。
 それと橋渡しの拠点で医薬品が少し強い状況で、ほかのところも強化しなきゃいけないのではにかというところですけれども、今、橋渡しの認定の仕組み、新しく文部科学大臣が認定する仕組みをつくっております。そこでは最低限こういうところを整備してくださいというところと、さらにこういうところができればいいですよというところをつくっていますので、そこで最低限のところは皆さんそろえていただいて、上乗せのところで特色を出していただきたいという考え方で今進めているところでございます。
 それと先ほどの企業とアカデミアの認識を合わせていくというところでございますけれども、AMEDで特に岩﨑先生がかなり進められているところで、企業とアカデミアが情報交換するような場をつくって、近々開催するやに聞いております。
 そのような取組とか状況等をお聞きして、どういう取組が効果的なのかを考えながら具体的な設計をしていきたいというところでございますので、そこについてお知恵等々いただければ、我々としてありがたいというところでございます。
 すみません、事務局からは以上でございます。
【妙中主査】 今お話しされた岩﨑先生のやろうとしておられること、とても重要だと思います。医療機器に関しては、私、先ほども言いましたけれども、橋渡し拠点以外の産学連携を支援するような活動、厚生労働省事業である14拠点の連携の事業、それからもう一つ、今年から経済産業省の事業で、一部支援する地域の支援拠点を育てていくと、活動の支援をするというようなこともあるので、そういう活動を橋渡し研究と一緒の事業と連携していってもらうのはとても重要なのではないかなと思います。
 やはり制度設計と書いていただいているだけでは何となくどうするのかなというところがあれなので、次回までに、より具体的にどのような作戦でいくのか。他省庁の連携もそうですし、私、AMEDの医療機器・ヘルスケアプロジェクトのプログラムディレクターをさせていただいていますけれども、この事業、それから、岩﨑先生の医薬品に関する創薬のところの事業、それと橋渡し研究を支援するシーズ開発の事業、プログラム間を超えた連携の中にこういう橋渡し拠点を支援する具体的な制度設計はあると考えていて、シーズ開発のPDの清水先生ともその辺のところ少し協力してやりたいと思っているので、そこのところ、もう少し具体的に表してやっていける、今後の事業として落とし込んでいけるように一緒に工夫させていただけたらいいなと思います。
 ほかに、今のこと以外でも結構ですが、御意見ございますか。
【根橋課長補佐】 すみません。事務局から1点お答えし忘れた点がございました。失礼しました。
【妙中主査】 どうぞ、事務局。
【根橋課長補佐】 1枚目の丸の一番後の四角のところで、医療機器分野に限定をしているけれどもという話がございました。そこは我々も医療機器分野の御意見として承ったと考えていたので、こういう書き方はしておりますが、医薬品分野においても伴走コンサル等の必要性が強いというところであれば、ここの記載は特に医療機器分野に限定しないような形で記載をしたいと考えております。
 すみません、そこについて回答が漏れておりました。
【妙中主査】 はい。どうぞよろしくお願いします。やはり医薬品も同じような問題点をお持ちだと思うので、よろしくお願いします。
 ほかに御意見等ございますか。
【上村委員】 大分大学の上村ですけれども、先ほどの企業さんとの間で方向性を合わせていくのを早い段階からやったほうがいい、その仕組みが重要だということは、皆さん、そこの認識は一致していると思うのですが、やはり我々も、非拠点で様々なことやっていますので、そこはかなり苦労しているところだと思います。
 例えば企業と企業の間の連携であれば、大抵企業さん側にはいわゆる事業開発みたいな人たちが部門としてあるか、あるいは、少なくともそれを担当している方がいて、その人とそのカウンターパートであるビジネスディベロップメントの方がチャンネルを持っていて話が始まるということが、大抵そういう形でやっていると思います。ところが、アカデミアの中には、事業開発とか、そんなことはもともとスコープの中に入っていませんので、そもそもそういった担当をする人もいないし、いたとしても、経験がないので、誰に話をしていいのか分からないというようなことが多分あるのだと思います。ですので、どうしても、コネだったりとか、誰々さんを知っているので、その人に少し話してみて、そこからつながるとか、そういう細々としたコネクションを使っていろんな企業さんと話したりしているのが多分現状だと思います。
 ですので、AMEDならAMEDの中でもいいと思うのですが、そういうビジネスディベロップメントをアカデミアサイドから支援してくれるような、そういう組織というか、仕組みをつくっていくのが必要かと思います。でないと、どうしても個人のコネクションとかに頼ってしまうと、非常に限定的な、知り合いの知り合いぐらいまでしか多分つながっていかないのだと思うのですが、やはりそこは経験者が入ることによって、この案件であればここの企業さんだったら多分いけるとか、マッチングのサポートというところと同じと言えば同じですけれども、そういったところをもう少しシステムの中でやっていただけると進みやすいのかなと感じております。
【妙中主査】 ありがとうございました。医薬品については当然もちろんそのとおり、岩﨑先生もそういうこと考えておられるのだと思います。医療機器に関しては、これも繰り返しになりますけれども、そういうことを支援するために中央では医療機器開発支援ネットワークがあり、地域の拠点があり、それから、各医療機関の拠点、14拠点、そういうのがあるので、そういう場を橋渡し研究の中にどう落とし込んでいくかと。それも制度設計だと思うのですが、そういうようなことは重要だと思います。今いただいた上村先生の御意見等に関して事務局どうですか。
【根橋課長補佐】 事務局でございます。AMEDには知財担当の方とか、そういう実用化に向けた部隊の方々が実際いらっしゃいます。ここの記載、今回の橋渡しのところにも、ACT-Mのいい点を生かしていくというところで、AMEDのそういう方々がどのように関わっていくのかということも併せて検討しなければいけないかと考えておりまして、具体的な方策についてはまだ検討できていないですけれども、そういうような仕組みづくりが必要だろうということで、これからAMEDと意見交換をしていかなければいけない状況でございます。
 すみません、具体的なことがなくて大変恐縮ですけれども、現状は以上となっております。
【妙中主査】 私、そこのところすごく引っかかっていて、今お話になったAMEDの知的財産担当者、これって実用化のための、事業化のためのほんの一部です。だから、それ以外の方々がどう参加するのかというようなことがこの制度設計の中に必要だと思います。今上村先生が言われたのもそういうことじゃないかなと私自身は理解しています。谷岡さん、医療機器のメーカーとしてどうですか、ここは。
【谷岡委員】 ありがとうございます。すみません、カメラ、オンにできなくて。私、いつも気になるのが、この全体を確認した中でも、やはり伴走コンサルのことだったり、最初から最後までの助言をというところがかなり出てきますが、先ほど上村先生がおっしゃった、マッチング的な、知り合いでつながっているのではないかというところって、コンサルも結構そうではないかなという気がしています。
 ですので、これまでいろいろ妙中先生とかに御尽力いただいて積み上げてきていただいている財産をどうやってつなげていくかという意味で、やはりコンサルティングの部分もシステム化していかないといけないと思いますし、それで質が保てるかなと思っています。ごめんなさい。これは特に医療機器の場合は多種多様だからというところですごく強く思うところではあります。すみません、いつもコンサルの件ですけれども、そのように思っています。
【妙中主査】 ありがとうございます。そういう意味では、医療機器に関しては、エコシステムの構築ということで、さっき私が少しお話しさせていただいたとおり、国はその方向で自律的に回るようにということで考えているところです。
 大菊先生、手挙げていただいていますけれども、どうですか。
【大菊委員】 拠点外支援の話にまた話が戻ってしまうのですが、実は京都大学は橋渡しの拠点でもあり、2年前から、妙中先生の先ほどおっしゃっておれた14拠点の次世代医療機器のところにも参画させていただいています。それはそもそも、事業にシナジーがあったほうがもっと効率的に拠点外も支援できるし、シーズも集められるよということで、両方に参画させていただくようになったのですが、いざやってみると、橋渡しのほうがいかに対応できていなかったのかが分かってきたというのが正直なところです。14拠点のほうは、8拠点のネットワークに入らせていただいて、地方大学の支援とか、シーズの掘り起こしのようなことをやろうかとか、いろいろなことを考えていますが、橋渡しのほうは、知財が、学外の場合には、なかなか積極的に支援しにくい部分があります。何かやはり少し工夫をする必要があると思います。ほかの事業をやって分かってきたことですけれども、実際にそれまでは積極的にやっているつもりだったけど、学外の支援はやれてない。これが拠点から見た実態かなと思います。ぜひこういったところも積極的に改善していただけたらと思います。
【妙中主査】 ありがとうございます。橋渡しの拠点の強化というか、その拠点がスタンドアローンで働くのではなくて、外部の力をどうやって入れていくかということが本当に橋渡し研究をよくしていくことの非常に重要なことだと思います。橋渡し研究、拠点で頑張っておられるのはそうですけれども、こちらのほうに今の事業が移行していったときに、じゃあ、例えば産総研から出てくる技術はどうなるのかと。あるいは、国循、私おりましたけれども、循環器医療センター、橋渡し拠点には指定されてないですけれども、ナショナルセンター、がんセンターは手挙げておられますけれども、成育であったりとか、精神・神経であったりとか、国際医療であったりとか、ああいうところ、一体橋渡し研究の中でどう組み込まれていくのかと。もう別にやれということなのかというような気もして、やはり制度設計はとても重要だと。支援の仕方も含めて、それから、拠点外の活動をどうやって橋渡し拠点と連携していくのかということもとても重要だと思うので、考慮していただきたいと思います。
 事務局どうでしょうか。
【建部専門官】 建部でございます。貴重な御意見、本当にありがとうございます。橋渡し研究のほうがいろいろと支援がなかなかうまく積極的に行っていけないという点、これからそうした課題についても拠点のヒアリング等でそうした面も伺いながら、今お話に出ました他省庁、厚生労働省であるとか経済産業省の事業等ともどのようなことが今後一緒にやっていけるのかを含めて制度設計をやっていきたいと思います。ありがとうございます。
【妙中主査】 よろしくお願いします。皆さん、非常に貴重な御意見たくさんいただいていますので。ほかにございますか。
 じゃあ、私から。7ページ目ですね、「3 開発経験を有する企業の参画が成果の展開には重要」というところで、その2つ目のひし形、7ページですけど、「事業化の役割を担うベンチャー企業の参画も想定した制度設計が必要である」。またこれもまた制度設計で終わっているのですが、これ、すごい重要、重要というか、問題点を感じているんです。ベンチャー企業、確かにあるのですが、ややもするとこれまでのベンチャーというのは、事業化の役割を担うというところではないような、研究を支援するようなベンチャーがすごく多かったような気がするので、やはり本当に事業化の役割を担うベンチャー、要するに、事業化の中でどんな機能を担うのかが明確になってくるような段階でベンチャー企業を立ち上げるのが本当のやり方ではないかなと思うのですが、何となく研究費の受け皿になるようなベンチャーが多かったので、このあたりも何とか、そうではなくて、どういう機能を果たすベンチャーなのか。特に事業化の役割を担うベンチャーをどうやってつくっていくか、支援をしていくかということはとても大事だと私は思っています。このあたり、事務局の御意見伺う前に、安西さん、どうでしょうか。
【安西委員】 まさしくベンチャーの役割、今後拡大していくべきと捉えていまして、モダリティがどんどん多様化していったり、いろいろな技術利用が進んでいく中で、既存の企業が手をつけられない革新的な領域で事業をやっていくというのがまさしくベンチャーだと思います。
 ただ、今妙中先生から御指摘があったとおり、ベンチャーもかなり多種多様で、どういうビジネスモデルで運営をしていくのか、単に研究開発の中で知財の受け皿になって、研究開発プロジェクトを推進していくだけの位置づけなのか、それとも海外のように、最終的な製品化、上市のところまで責任を持って進めていくような使命を持っているのかについては見極めも必要だと思います。ベンチャー企業は経営陣が非常に強いコミットメントをもって研究開発をしていくことが多いと思うのですが、一方で、企業コミットメントに関する議論にも出てくるところかと思うのですが、なかなか手持ちで十分な資源、提供リソースがない段階でもあると思います。例えばビジネスモデルもそうですし、どういう株主が支えているか、今後の事業の成長性はどうなのかということについても十分にアセスメントをした上で、ベンチャー企業の参画をより積極的に進めていく必要があるのかなと感じております。
【妙中主査】 ありがとうございます。今、私と安西先生とベンチャーについて意見を述べさせていただきましたけれども、事務局どうでしょうか。
【根橋課長補佐】 事務局でございます。ベンチャー企業の参画というところで、我々として考えなければいけないところ2つあるかなと思っております。まず1点は、我々が実施する事業について、ベンチャー企業が連携先企業になっていた場合に、どのように採択等々において見ていくかというところでございます。そこはどういうコミットメントがなされるかをしっかり見ていく必要があると思うので、そこら辺、どうやって見ていくかAMEDとかと相談しながらつくっていく必要があるかなと思っています。
 もう一つは、そもそもベンチャー企業、日本においてライフサイエンス分野のベンチャー企業をどう育成していくかという、少し大きい話になってくるかなと思っております。そこに関しては、この事業そのもので進めていくことがどこまでできるかも少しあるかなと思いますので、省内、大学発ベンチャー等々の事業等やっている課もございますし、あと、経済産業省等々も様々な取組をされていますので、そういうところと意見交換をしながら、我々の事業の中でどういうことができるのかを考えていく必要があるかなとお伺いしながら考えていたところでございます。
 すみません、事務局からは以上でございます。
【妙中主査】 拠点に関しては、ベンチャー育成に関して言うと、たしか厚生労働省事業でしたか、若手発掘事業というのがあって、これ、東京大学がそこのベンチャー支援をやるという形。それから、医工連携の推進事業の中にベンチャー育成の枠があって、それを育てていくのは東北大学がやっておられる。この辺も、橋渡し拠点、どちらも入っているので、そういうことも含めてやってもらわないといけないと思います。
 それから、それともう一つは、ベンチャー育成全体に関して言うと、厚生労働省が支援しているMEDISOですか、それから、経産省のInnoHubでしたっけ、そういうプログラムがあると思うのですが、ああいうものとの連携というのも、支援を受けるというのも、拠点の中でのベンチャー育成、拠点だけではないですけれども、そういうことに必要なので、事業を超えたもの、それから、省庁を超えたベンチャー育成というのも、文部科学省としてもそういうものを、いろいろと制度があるので、そういうものとの連携をどうするかというようなことの観点からしっかり制度設計やってもらったらなと思います。どうでしょうか。
【根橋課長補佐】 本当におっしゃるとおりだと思います。我々として今後どうしていくべきか考えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
【妙中主査】 よろしくお願いします。ほかに全般的なことも含めて御意見等ございますか。皆さんの御意見伺いたいので、長我部先生、何かございますか。
【長我部委員】 御指名ありがとうございます。私、現在の制度がよく分かっているわけではないのですが、先ほど支援のシステム化は、具体的にどういう省庁とどういうところを支援していくかを具体的な形で検討しなければいけないと思っています。許認可を取る上でのPMDAとの相談窓口であるとか、マーケティングであるとか、いろいろなことを含めて、伴走コンサルと一口で言ってしまえばそうなのかもしれないですけれども、具体的な形にして制度の中に埋め込むことが本当に必要だと思います。
 それから、デバイスに関しては、上市すればイノベーションが終わっているというわけではないと思っています。医薬品であれば、開発の段階で薬効であるとか、既存薬に対する効果の大小まで正確に評価されて上市されますが、デバイスでは薬事認可が下りた時点では、装置が効果的に診断・治療の場面で使われてイノベーションを起こしていくというにはまだまだ距離があると思います。上市後に臨床適用された結果が学会で認知されて、治療・診療ガイドラインに載っていく、保険点数がつくといった一連のプロセスが上市後にあってイノベーションになると思っています。そこはこのプログラムの範囲外なのかもしれないのですが、特にデバイスに関してはそこまで面倒見ないと、上市はしたけれども、インパクトが小さくて終わるというのは私たちの企業でも何度か経験したところでございまして、そういうところまで設計できたらいいなと思いました。
 以上です。
【妙中主査】 ありがとうございます。AMEDだけではなくて、各省庁連携の中で、医療機器に関しては、古い言葉ですが、薬事、それから、保険連携相談みたいなものもありまして、もう一つは、今も治験走っているようなやつも結構あるのですが、治験に入る前にやはり保険の点数がきちんと取れるような臨床試験を、治験をやるということ、とても大事だというような認識もあって、だんだん皆さん、エコシステムの理解が進んできていると思います。今言われたのは、まさにダーウィンの海で生き残っていくために、最初からダーウィンの海が先にあるのだと意識しながら研究開発をしていくこと。薬ももちろんそうなのですが、特に医療機器の場合は、それが、すごく大事な戦略になるので、魔の川は技術的なところだけではなくて、死の谷、そういう規制とかも含めて乗り越えていかないといけない。それから、魔の川、生き残っていくために、社会の中でどのように商売するのだというようなことも含めて、そんなことも、今日書いていただいているんですけれども、初期の段階で、橋渡し研究や先端計測のその段階でそこは意識しといてもらわないといけないし、そういうことを知っている人材をどうやって育てていくのかがとても大事だと私は思っています。文部科学省、いかがでしょうか。なかなか保険のところまでお考えになってないかもしれませんけど。
【赤坂調査員】 戦略官付の赤坂でございます。貴重な御意見ありがとうございます、妙中先生。私の立場、機器のことで申し上げますと、こちら、報告書案にも書かせていただいておりますが、初期の段階からそういった実用化を目指した意識した研究開発を進められるような支援を入れると、入れていく必要があることは、今までの様々な先生方の議論を踏まえて書かせていただいているところでございます。もちろん研究開発フェーズによって、全てではなくて、そのときそのときで必要なもの、もちろん少し先も含めてですが、そのときそのときで必要なものというのはある程度違ってくるかと思うのですが、そういうところも含めて、事業化に必要な様々な領域の専門の先生方がそろっているところからその時々に必要な専門性をお持ちの先生方をお呼びして、必要な支援をしていただくと。ざっくりとではございますけれども、そういうことを想定して報告書案としてまとめているところでございます。
 私からは以上です。
【妙中主査】 ありがとうございました。
【長我部委員】 長我部ですけれども、もう一言よろしいですか。
【妙中主査】 どうぞよろしくお願いします。
【長我部委員】 ベンチャーは先ほどから議論されていますように、研究開発のギャップを乗り越えるためのベンチャーだけではなくて、製品を上市して販売されるというところから逆設計して、それに向かっていくつかあるギャップを、資金を調達してギャップを埋めるシリーズをいくつか繰り返して、最終的に大きなイノベーションを起こすという、そういうタイプのしっかりしたベンチャーをつくらないといけないと思います。初期の段階を超えるだけでは、先ほど来から議論のあったように、難しいのかなというのは思いました。
 それから、製薬ではバイオロジカルな発見を基に新しいモダリティで新しい薬剤が生まれています。そこと今の既存製薬メーカーとのギャップを埋める上では、こういった研究開発支援、伴走コンサルもありますけれども、例えば創薬CROやCDMOのような企業を効果的に使って進めるなどの試みがないと新しいモデリティに関しては難しいと思います。その点で具体的に支援の幅を他省庁のプログラムとも連携しながら埋めていくことが必要ではないかと思います。
 以上でございます。
【妙中主査】 ありがとうございます。事務局、どうでしょうか。
【根橋課長補佐】 ありがとうございます。今具体的にこのようにしていくとは申し上げにくいですけれども、先生の御意見踏まえまして、具体的にどうしていくか、考えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
【妙中主査】 ありがとうございました。ほかに御意見ございますか。
 ずっと御意見を伺っていると、今度、今後の方向性みたいなところで、先端計測のほうは、前の期、今までの支援のいいところを引き継いで、いい制度設計になっていっているのかなと思うのですが、今日本当にいろいろ意見を伺っていると、橋渡し研究に関しても、そういう先端計測でやっているような支援を拠点レベルまで落としていく、あるいは地域レベルに落としていく、それから、拠点外でどうやってやっていくかみたいなところがとても重要だと。薬ももちろんですけど、医療機器、再生医療に関しても、まだ少し力不足だという拠点があると思うので、やはり外部の他省庁のリソースとか、活動とか、AMEDの事業間を超えるような、プロジェクト間を超えるような連携みたいなもの、それを文部科学省としてもぜひ、制度設計と書かれているところで今後いろいろ検討されるのだと思うのですが、より戦略的にやっていただけたらなと私自身は思っております。
 ほかに御意見ございませんか。菅野先生、どうぞ。
【菅野委員】 橋渡し研究ですが、僕が少し思っているのは、多分今みたいなことのエコシステムをつくって動かそうとすると、各拠点でかなりコスト負担が大きいと思います。ですので、このコストをどういう形でシェアしていくかというか。今、正直申し上げて、先端機器のほうは、伴走コンサルとか、AMEDの方々とか、既に制度設計されてコストが負担されている制度をうまく利用して、その間のつなぎだけをさせていただいて、それで非常にうまくいっているのですが、やはり拠点があって、でも、拠点の外まで行って支援しなければいけないとかすると、交通費をどうするかという単純な話だけでもかなりのコストが発生しますし、そういうところもあって、意外とそういうつまらないところで進まないことがかなり僕はあると思うので、逆に言うと、できることとできないことを少し切り分けするという、そういう苦しい決断も必要になるかなという気は少し思っていました。
 だから、ここで話題になっているプログラムだけで本当に全てのコスト負担ができるのか。今言った大きなのは、逆に言うと、経済産業省のプログラムや厚生労働省のプログラムにもコスト負担をお願いした上できちんとエコシステムをつくっていくという、逆に言うと、文部科学省の担当の方には省庁間とネゴしていただくような、そういう役割を果たしていただく必要があるのではないかなという気がいたしました。ぜひそういうところをやっていただくと物事がスムーズになるのではないかなという気がします。
 意外と企業側よりも中央省庁の壁のほうが縦割りが厳しくて、ここでみんないいねと言っていて、大学もいいと思って、企業もいいと思っていても、でも、中央省庁の壁であまり実現できないということがしばしば起こりますので、ぜひそこら辺、頑張って文部科学省から働きかけをしていただけるとありがたいかなと思います。
【妙中主査】 ありがとうございます。私、全く同じこと思っておりまして、どうやってほかの省庁と連携していただけるのかなと思っていろいろなことを今日もお話をさせていただいているところです。
 今日千葉先生来られていないので、あれですけど、ACT-M、先端連携イノベーション創出プログラム、あれでも、特に後半になったところで、サイトビジット等をしに行くと。そこに行くときも、医療の専門家だけではなくて、工学者、それから、事業化をきちんと担当する人たちに一緒についていってもらってやると。そういうことで方向転換をしていくと。そこで決まらなかったら、事業化コンサル、医療機器開発支援ネットワークの支援なんかも受けていただきつつ、出口に行くと。そういうので非常にうまいこといったやつもあります。拠点だけでやっていたものが、そうではなくて、全国規模にどうやって実用化していくのか。治験やろうとしていたやつを治験せずに認証を取れる戦略にするとか、そういうのも、サイトビジットすることなんかでもあると思うのですが、そのことも含めて、今菅野先生が言われたように、橋渡し拠点のリソースだけでは動かない可能性もあるので、ほかの省庁とも連携していただいて、そちらのリソースも使っていただいて、だけど、拠点は責任持ってそれをやり遂げてもらうというような制度設計はとても重要だと思うので、なかなかこれ、今菅野先生が言われた、省庁の縦割りがまだ残っていると言われたら、そのとおりだと思うのですが、何とかしてほしいなというのが私としては希望としてあります。
 事務局、今のところ、どうですか。
【根橋課長補佐】 ありがとうございます。例えば医薬品プロジェクトとか、医療機器・ヘルスケアのプロジェクトとか、プロジェクト間で関係省庁が連絡を取り合ったりすることはございますし、今回の会議についても、事前に報告書の素案について関係省庁の人に見ていただいたりとか、そういうやり取りはしております。具体的な連携の仕方について、特に先端計測のほうは話を少ししたりはしていますけれども、橋渡しについても、どういうことが考えられるか。まず我々で考え、文部科学省で考えてから相談に行かないといけないと思いますけれども、検討して、こういう仕組みができたらよりよく産学連携が進むというようなことを少し考えまして、相談に行ける内容があれば、相談に行きたいなと考えているところでございます。ありがとうございます。
【妙中主査】 各省庁、それぞれとても大変だと思いますけれども、どうぞよろしくお願いします。
 中西先生、手を挙げていただいておりますが、どうでしょうか。
【中西オブザーバー】 先ほどの菅野先生の御発言とも関わりがあるところですが、先ほどから橋渡しの拠点について企業連携がなかなか十分できていないとか、あるいは、機器開発について力不足というような声もありましたけれども、これ、率直に申し上げまして、実は橋渡しの拠点、ぎりぎりなリソースでやっています。大体平均的に100人ぐらいの人員がいますけれども、支援しているシーズが大体150ぐらいあります。非常にたくさんのシーズ。しかもそれは支援が150というだけで、実際に見ているシーズはその倍ぐらいあります。全拠点では毎年あらたに1000件以上のシーズ支援を実施しています。
 そんな中で、全てのものについて非常に濃度の濃い支援がなかなかしにくいという現状があることはぜひ御理解いただきたい。それなりのリソースがあれば、当然人も雇用できますし、その上でしっかりしたこともできると思っています。実際問題として、現在ほとんどの拠点は拠点外に対して伴走支援をやっております。そして、それなりの成果が出ておりますけれども、冒頭私も発言させていただいたように、それをするためのリソース、予算、人材が決定的に足りない。だから、やりたくてもなかなか十分にできないという現状があります。
 つきましては、ぜひ橋渡しの拠点事業については、企業連携をもっともっとやること。それから、全てのものについてしっかり力を発揮すること。それから、橋渡し事業とは違う事業についてもしっかり支援をしていっていますし、それをやっていくべきだと思いますけれども、その連携もAMEDとの連携の中でもっとタイトに取るべきだと思いますが、やはりしっかりとした支援をするためには、それなりのコスト、リソースが必要であることはぜひ御理解いただきたいと思いますし、そういう意味で、今後も橋渡しの拠点事業がさらにパワーアップして、本当に各領域の皆さんから安心して任されるようにしていくべきだと思いますし、ぜひまたそれは、AMED、各省庁の皆さんとも御相談して、よりよい支援ができるような方向に持っていきたいと思っております。
 以上です。
【妙中主査】 ありがとうございました。橋渡しの現場の本当に率直な御意見だと思います。決して橋渡し拠点だけでやれるものではないと思っていて、やはり先ほど来お話ししている他省庁との連携とか、ほかの事業との連携ということで、そこから支援をもらえるやり方ものをぜひもっと考えていただけたらなと思います。
 今の御意見どうでしょうか、文部科学省。
【根橋課長補佐】 ありがとうございます。我々として、今まで話があったこと、全体にも関わることなのですが、橋渡し拠点の方々とも話をしながら、どういうことができるのか、今困っているのかも含めて、我々やAMEDがどういうところで連携できる、協力できる、支援できるかも考えながら具体の取組について落とし込みをしていきたいと考えております。
【妙中主査】 ありがとうございます。谷岡さん、手が挙がっているようですが、どうですか。
【谷岡委員】 少しお伺いしたいのですが、先ほどのそれぞれの拠点がすごくたくさんのことを支援されている。それで、大変だということはすごく理解ができるのですが、拠点同士の連携だったり、あと、拠点が困った場合に拠点同士で相談しながら何かするとか、そういうことって実際にはあるのでしょうか。そこを例えば省庁がされているのでしょうか。
【中西オブザーバー】 中西ですけど、お答えしてもよろしいですか。
【妙中主査】 お願いします。
【中西オブザーバー】 それはかなり頑張ってやっています。例えば現在の拠点事業、今年度までですけれども、これは拠点間での連携のプロジェクトを進めることがデューティーの1つになっております。また、各拠点は、実はAMED支援だけでは十分できないというので、拠点がお互いに拠金いたしまして、ARO協議会という法人をつくっております。そこでは恒常的にお互いに意見交換をしたり、情報共有をしたり、時には人材をうまい具合にお互いに移動のときに移動先の拠点に入っていただくということをやりながら進めています。
 そういう形で、拠点同士の連携というのは、必ずしも公的資金のみならず、自前の資金でもやってきているところです。今後もその活動はしっかりやっていく必要があると思っています。そういう意味で、拠点というのは、お互いがコンペティターでもありながら、パートナーでもあるというような、そういう中で現在まで来ていることは御理解いただければありがたいと思います。
 以上です。
【谷岡委員】 すみません、ありがとうございました。よく理解しました。ここの中にも出ていますが、医療機器とか再生とかに特化したようなところもというような提案もありましたけれども、今されている連携をうまく使ってそれができるとすばらしいなと思いましたので、よろしくお願いします。
【妙中主査】 谷岡さん、医療機器に関しては、厚生労働省事業であります次世代医療機器開発拠点連携事業があって、これもまさに14拠点採択しているのですが、その中の8拠点が連携したりとか、3拠点が連携したりとか、あるいは全部14拠点が連携すると。そのような形でお互いを補完しながら、しかも強いところ、弱いところ、いろいろあると思うのですが、いい方向性が出たら、それを全拠点に使っていただくようなこととか、そういうこともやっておりますので、薬だけではなくて、医療機器もそういう取組をやっております。これは橋渡し拠点とは違うやつですけれども、そういうところとの補完ということにもなると思います。
【谷岡委員】 ありがとうございます。すみません、知らないので、質問してしまいました。ごめんなさい。
【妙中主査】 いろいろ大変貴重な御意見たくさんいただきまして、菅野先生、手が挙がったままですが、これはよろしいのでしょうか。
 ほかに御意見。上村さん、手が挙がりました。よろしくお願いします。
【上村委員】 少し話は戻るのですが、アカデミアからのベンチャーをどうやってこういう仕組みの中に入れていくかってすごく重要な問題だと思うのですが、やはりそこの教育とかは、拠点さんではそれなりにやられているのかもしれないですけれども、我々のような地方大学は皆無です。ほとんどないですし、もちろん学生の教育なんかでも全くないわけですけれども、ですので、正直、研究者というのはそこに関して完全に素人なのです。ですので、場合によっては、もちろん素人なので、非常にあたふたしてしまうのですが、企業さんと一緒に話をするときに不利な状況に陥ることも十分考えられるのかなと思っています。
 というのは、例えばシーズのどの段階で企業さんとパートナーを組むかというような戦略はすごく重要で、早ければいいというものでも必ずしもないのだと思います。企業さんにしてみれば、多分いいものであれば早い段階で安く買ったほうがいいと思うだろうし、研究者の視点で見れば、なるべく育ててやって、バリューを上げた状態でライセンスするといった戦略のほうが本来はいいのでしょうけれども、その辺をしっかりアカデミアのサイドというか、研究者の立場に立って応援してくれるような人たちがあまりいないのだと思います。そこはとても、重要なポイントかなと思っています。
 それで、実は私自身の経験で言うと、武田か彼らが持っているアセットを外に出すというプログラムを数年前にやりました。アントレプレナーシップベンチャープログラムというやつだったのですが、それはかなりソウナミあった彼らのアセットを外出しして、武田からベンチャーをつくるという話になった。そのときに私、実はそのアドバイザーになっていました。武田のような実際企業をやっている方であっても、実際に例えばベンチャーをつくるとかに関しては素人というか、私も含めてなのですが。それで、2年ぐらいかけて様々な教育プログラムみたいなものを武田の中でやっていて、それで私自身、アドバイザーと言いながら、どっちかというとエデュケートされたような感じで、非常にたくさんのことを学んだのですが、知らないことが多々あって、そうすると、とてもじゃないけど、これは片手間でできるようなものではないなということは理解できました。それってやはり非常に重要なことだと思うのですが、そんな簡単に1か月か2か月少し勉強しただけでベンチャーを動かしていこうというのはなかなか難しいのかなと思います。
 例えばVCとの間の関係性だったりとか、ビジネスプランのつくり方であったりとか、資本政策をどうやってするかみたいなところというのは、医学部の教育の中では全くないので、そういったところを少しでも、もし研究者がそこをできないのであれば、それこそ伴走コンサルみたいな人に入ってもらって、手取り足取りでもいいので、ここはここのようにしたほうが先生方にとって有利に働きますよというような、そういう視点で伴走してくれる人が絶対必要だと思います。でないと、なかなかアメリカのようにアカデミア発のベンチャーがどんどん育っていく、そういうところまで進んでいかないのかなと思います。感想も含めてですけれども、そういうことを感じました。
【妙中主査】 ありがとうございます。御経験を踏まえて、貴重な御意見いただいたと思います。文部科学省、どうですか。
【根橋課長補佐】 ありがとうございます。おっしゃるとおり、伴走コンサル等の重要性について、我々も十分認識していて、進めたいところですけれども、難しいところとして、伴走コンサルをどういう人が担うのかとか、1人の人が全ての分野を分かっているわけではないので、そこら辺、どのような枠組みでやれば効果的にできるのかとか、そういうところをかなり考えないといけないところなのかなと思っております。
 我々としても、ただ進めなければいけないところではあるかなと思っていますので、そこについて引き続き考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
【妙中主査】 参考までにお話ししますと、医療機器に関しては、それぞれの専門家、伴走コンサルティングも含めて、少なくとも四、五人を含めて支援をずっとやってきています。もちろん私も自分がプログラムスーパーバイザーやらせていただいているものに関しては、ほとんど全てのコンサルティングに出ていって、全部見させていただいております。皆様お忙しいので、なかなかそういうこともできないと思いますけれども、一応例として、そうやっておりますので、文部科学省としても、今、医療機器等、あるいは、薬に対してどのようなコンサルティングのやり方をやっているかぜひ参考にしていただけたらと思います。
 よろしいですか。そろそろ時間がなくなってきたので。
 ありがとうございました。続きまして、議題3に移ります。議題1、2を含めて、御意見いただきたいと思いますけれども、その他、何かございますか。よろしいですか。
 活発に御意見いただいたので、意見がいろいろ出たと思うのですが、オブザーバーの方も含めて何か御意見ございましたら、手挙げていただいたら指名させていただきますが、よろしいですか。
 どうもありがとうございました。今手挙がりましたね。竹上さん、どうぞ。
【竹上オブザーバー】 妙中先生、御指名ありがとうございます。ずっと議論聞かさせていただいて、私と妙中先生、思いは同じだと思っていますけれども、特に事業化のところ、アカデミアと企業のところの事業化の最初の段階からの認識の共有というところ、私も大変重要だと思っていて、ただ、それが属人的な人間関係とか知り合いの関係で進むということでないと思っていて、そこはやはり企業の側及びアカデミア側に両方に、私、申し上げたかと思いますけれども、やっぱり実用化担当者、実用化することをある意味ミッションとして、それに対して、その業務に対して評価がされるような方、そういった実用化担当者を置くことによって、双方のコミュニケーションというか、認識のギャップが埋まっていくのではないかなと思っています。
 あと、事業化の役割を担うベンチャーというところ、これ、なかなか難しいと思うのですが、いわゆる半導体で言えば、工場を持たないファブレスのような、そういうベンチャーという、そのようなイメージで、そういったベンチャーがヘルスケア、医療機器、医薬品の世界に出てくることをこれからどのように支援、あるいはリードしていくのか、そういうことが重要ではないかなと思います。
 以上でございます。
【妙中主査】 ありがとうございます。大体議論1、2を通じて出てきたのですが、事務局のほうで何かおっしゃりたいこととかございますか。
【根橋課長補佐】 本日、いろいろ御意見いただき、ありがとうございました。我々として、特に方向性はいろいろ書かせていただいておりますけれども、そこの内容が十分詰まっていないところが多々あったということで、御指摘いただいたところについて、具体的にどうしていくか。次回の会議までにどこまで詰められるかはありますけれども、検討をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
【妙中主査】 ありがとうございました。ほかに御意見ございませんか。
 それでは、どうもありがとうございました。議論も尽きないところですが、そろそろ時間となりましたので、続きは次回とさせていただきたいと思います。
 本日御議論いただいた内容については、事務局で一度整理をしていただき、次回の検討会では、今後の支援の在り方の最終の検討をできればと考えております。
 本日予定しておりました議事は以上ですが、ほかに御意見や御質問ございましたら、お願いします。
 よろしいですか。
 それでは、事務局から連絡事項がございますか。
【根橋課長補佐】 本日は長時間にわたり大変有意義な御議論いただき、誠にありがとうございます。事務局より御礼申し上げます。
 主査がおっしゃっていただいたとおり、次回の会では事務局にて今後の支援の在り方に関する内容をさらにブラッシュアップしてまとめたものをお示しし、御議論いただきたいと考えております。
 本日の資料につきましては、会議終了後ホームページに掲載をさせていただきます。
 また、本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成し、議事録案を皆様にお諮りした上で、ホームページにて公開いたします。
 次回、第4回については、6月16日、水曜日を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上です。
【妙中主査】 それでは、本日の検討会はこれにて閉会とさせていただきます。貴重な御意見、大変ありがとうございました。これで終了させていただきます。
 失礼します。ありがとうございました。
―― 了 ――

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