がん研究の推進の在り方に関する検討会(第4回) 議事録

1.日時

令和3年4月23日(金曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 Web会議システムによる開催

3.議題

  1. がん研究の推進の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

宮園主査、島主査代理、青木委員、中釜委員、中山委員、西川委員、野田委員、古矢委員、堀田委員

文部科学省

高木研究振興戦略官、岩﨑先端医科学研究企画官、清家がん研究推進係長

オブザーバー

岩佐がん対策推進官(厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課)、浦課長(日本医療研究開発機構 創薬事業部 医薬品研究開発課)

5.議事録

【清家係長】  それでは、時間となりましたので、ただいまより第4回がん研究の推進の在り方に関する検討会を開会いたします。本日も、前回と同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点より、Web会議システムによる開催とさせていただいております。委員の皆様には、御配慮、御協力いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、委員の皆様全員に御出席いただく予定となっておりますが、中山先生は少し遅れての御出席となります。
 Web会議システムについて、前回同様ではございますが、御発言の際だけマイクをオンにし、名前をおっしゃってから御発言いただきますよう、お願いいたします。システムの不備等が発生しましたら、随時お知らせいただきますよう、お願いします。御不便をおかけすることがあるかもしれませんが、何とぞ御理解のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の進行は宮園主査にお願いいたします。宮園先生、よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  宮園ですけれども、どうぞ、今日はよろしくお願いいたします。
 本日は、前回、事務局より提示がありました本検討会の報告書の骨子案について、さらに議論を進めていきたいと思います。
 それから、議事の公開に関しましては、設置要綱第4条第1項に基づきまして、冒頭より、傍聴者として事前に御登録いただきました報道関係者と一般の方向けに本検討会の模様を配信しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。
【清家係長】  配付資料の確認をさせていただきます。議事次第に記載のとおり、資料は、報告書(骨子案)、こちらは本日令和3年4月23日版を用意させていただいております。それと、参考資料を5点つけさせていただきました。事前に委員の皆様にメールで送付させていただいておりますが、本日は画面でも共有させていただきますので、適宜御参照いただければと思います。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。最初に、事務局から、骨子案のうち、前回の議論や委員から御意見があったものにつきまして、修正された箇所について御説明をお願いいたします。
【清家係長】  事務局から、「がん研究の推進の在り方に関する検討会報告書(骨子案)」について、説明いたします。第3回で提示いたしました内容について、委員の先生方からいただいた御意見を踏まえ、資料1のようにまとめさせていただきました。本日は、御意見を基に修正した箇所について、説明いたします。
 2ページ目を御覧ください。「診断やバイオマーカーに関する記載についてもバイオロジーを十分に深める」と記載しておりましたが、「生物学的、病理学的、薬理学的な観点等からの基礎的な理解を十分に深める」と修正させていただきました。
 次に、3ページ目を御覧ください。特許取得に関する記載について、「不用意な特許出願を避けることが必要」と記載しておりましたが、「導出利便性の高い特許の取得を支援することが必要」という記載に修正させていただきました。
 また、前回の検討会において、現事業においてPS/PO体制が非常に機能している旨、御発言いただいておりましたことを踏まえ、「専門的支援体制の整備」の部分に「引き続き、優れた学識経験や高い見識を有するPS/POにより、創薬シーズの実用化に向けた指導・助言が行われるとともに、基礎研究者に出口への意識付けがなされ、研究開発の質の向上やがん創薬研究の人材育成が進むことが期待される」という内容を追記いたしました。
 最後に、企業や他事業との連携に関する記載について、「シーズを実用化に繋げる」という内容に、「研究ステージ間の移行がスムーズに行え」という内容を追加いたしました。
 以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 今、御説明をしていただいたところでありますが、この修正点につきましては、皆様、よろしいでしょうか。いろいろと皆様から御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、本日は、この報告書(骨子案)の4ポツ、今後のがん研究推進の在り方について、これを項目ごとに時間を区切って議論していきたいと思っております。4ポツを御覧いただきますと、「(1)推進すべき研究について」というところで三つあり、「(2)研究推進のための取組について」ということで、三つの項目がございます。それぞれについて、大体10分から、長いもので15分か20分ぐらいかけて、一つずつ区切って議論をしていきたいと思います。本日は、自由討論ということになっておりますので、これを御覧になって、お気づきになった点、お考えにつきまして、御意見をいただければと思います。
 では、まず4ポツの「(1)推進すべき研究について」の最初の項目ですね。「次期事業の目的・役割」ということになっておりまして、国際的に質の高い基礎研究を行うことなど、それから、「健康・医療戦略及びがん研究10か年戦略に貢献」、最後に、「がん研究領域における若手や他分野からの研究人材の発掘・育成に寄与する。」ということを書いてございますが、ここについて、皆様から御意見がありましたら、お願いいたします。自由にお願いいたします。よろしくお願いいたします。どなたかいらっしゃいますでしょうか。
 まず、野田先生、どうぞ。
【野田委員】  書き方というか、言葉の理解の問題ですが、「医薬品等の早期社会実装」という、最後の文の意味するところについてですが、次世代がん事業は、近い将来にがんの臨床現場を大きく変革するような医薬品開発に資するものを、とにかく大きく育てるところ、まずはそこのところに力点があると理解しています。その点で、この文の書き方だと、有望シーズがあるならば早く社会実装するというところのみが、この事業の目指すところのように見える点を懸念します。免疫の分野をはじめ、ヒトがんの生物学的理解で、まだまだ見えてない領域はたくさんあります。要するに、ここにあるような臨床現場を大きく変革するような医薬品等のシーズを、社会実装に向けて、きちんと育成するという部分を強調した書き方にして頂けると有り難いと思いますし、次世代がん事業の目指すものや研究内容に合致するように思います。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。今の野田先生の御意見ですと、「早期社会実装を目指す」というところはちょっと拙速で、もう少し、シーズの発見とその育成とか、そういったことをより重視してほしいと。そういうことでよろしいでしょうか。
【野田委員】  そういうことです。特に三つ目の矢印とうまく合致するように書いていただけるとよいと思います。
【宮園主査】  なるほど。以上のような意見ですが、いかがでしょうか。確かに、早期社会実装というと、むしろ革新がんのほうでより重点を置いてやっていただいて、こちらのほうとしては、シーズの探索とか、そういったことがよろしいということですね。どうもありがとうございます。よろしいでしょうか。
 ほかはいかがでしょうか。
【中釜委員】  細かな点ですけど、よろしいですか。
【宮園主査】  どうぞ。
【中釜委員】  三つ目の矢印ですが、「幅広く創薬シーズを継続的に支援」と書かれているのですが、創薬シーズだけではないのかなというのと、ここは「幅広く医療シーズ開発」ですかね。開発に資する研究を継続的に支援というふうに、シーズを支援というよりは、そこに至る開発研究を支援するということだと思うので、そのほうが分かりやすいかなと思いますけど、いかがでしょうか。
【宮園主査】  分かりました。
 野田先生、どうぞ。
【野田委員】  その関連で、結局、「他分野からの」という部分の目的が、人材の発掘・育成になっています。実際には、他分野からは、人材だけではなく、創薬シーズであったり、その育成の仕組みであったり、といったものを導入するということが、まず目の前にあるので、ここには「他分野の人材」だけじゃなく、「他分野の技術や新たなシーズを積極的に取り込むことにより」という記述があると良いと思います。
【宮園主査】  そうですね。ありがとうございます。「他分野からの研究人材の発掘・育成」と読み取れてしまうので、ここは、確かにおっしゃるとおりだと思いますので、事務局、少し考えることにいたしましょう。よろしくお願いいたします。
 ほかはいかがでしょうか。あとは大体よろしいでしょうか。
【中釜委員】  1点だけ。野田先生が関わっている点だと思うのですけど、診断のためのシーズに関しては、国際的な、特にNCI等の連携があったかと思うのですが、国際的な視点というのは、この中にはあえて書き込まなくてもいいでしょうか。その辺り、野田先生の御意見を聞かせていただければと思いますが。
【野田委員】  国際連携等の国際的な視点は、診断に限らず、本来であれば全ての領域で必要だと思います。しかし、それ自体が事業の目的や役割なのかという点では、少し、疑問があります。まずはシーズの開発があり、それに加えて人材の育成のところまでは、確かに事業の目的だと思います。そして、その目的の実現のために、バイオマーカー、診断技術開発も行うわけで、そのシーズ育成には国際的な連携も必要ですよという表現が正しいところだと思います。そうすると、その記載は、ここではなく、後ろになるのかなと感じます。それそのものが目的となると、本事業の全体像を理解する上で、しっくりこないかなという感じがします。
【中釜委員】  なるほど。分かりました。そういう視点もどこか、野田先生の御指摘のように、後半の部分にそのための方法論として書き込まれているといいかなというふうに思いました。
【宮園主査】  そうですね。
【堀田委員】  堀田ですが、よろしいでしょうか。
【宮園主査】  どうぞ。
【堀田委員】  次世代がんの方向性としては、AMEDのPJ体制では創薬等のプロジェクトに今は位置づけられたので創薬というものが基本になるというのはその通りと思いますが、次世代がんのがん研究というものはもう少し幅があってもいいのかなと思います。特に本態解明の辺りのところは、そのような気がします。もちろん、そこからいいシーズが生まれてきたら、それをどんどん深化させて創薬のターゲットに持っていくという流れはいいのですが、最初から創薬への出口が見えてないとやれないような形にならないかなというのを少し心配しますが、いかがでしょうか。
【宮園主査】  さて、それはいかがでしょうかね。確かに、本態解明という言葉はここには入っておりませんが、次の「推進すべき研究領域・研究フェーズ」のところには「本態解明を含む基礎的研究の深化により」という言葉が入っていますのでここには入っていないのかなと思って私も見ていたのですが、いかがでしょうか。事業の目的・役割のところにも入れておいたほうがいいのか。
【野田委員】  よろしいでしょうか。
【宮園主査】  どうぞ、野田先生。
【野田委員】  AMEDの革新がんまで含めたがん研究組織が、現在は、各事業の領域分けと目的設定で、縦糸・横糸で表現されています。その中のがん領域を束ねている堀田先生に、基礎的な研究について、そうおっしゃっていただけるのは極めてありがたいのですが、文科省がAMEDで推進する各事業の目標・目的というのを掲げるときに、その次世代がん事業部分に本態解明というのが入るというのはどうでしょうか。もちろん次世代がん事業での本態解明は1丁目1番地で、その推進は必須ですが、事業の目的は、あくまでがんを治すための医療開発であるという部分は明確にすべきであり、この部分には目的が端的に書かれるべきというふうに理解をしたほうがいいと、私は思います。ただし、今や、堀田先生が統括されている研究領域は本当に広いわけですが、それらが、全て創薬の中に収まる形になっている点には注意が必要だと思います。そのため、高質ながん創薬実現のための事業も、しっかりと基礎研究に根を張らなければならないという点を、堀田先生が強くおっしゃっていただけるのならば、それは非常にありがたいと思います。
【野田委員】  そうした表現が適切でない場合には、言い換えれば、「今や、解明されるべきがんの本態は、その中の標的をターゲットとした創薬開発によって、確かにがんを抑え込むことができて初めて解明されたと言うことが出来る」いうイメージを打ち出し、そのためにも、創薬事業の中で、並行して本態解明が行われるべきという表現も可能かと思います。
【堀田委員】  基本的には、本態解明に根差したもしくは、それに基づいた創薬に向けての研究ということが意味づけとしてはあると理解します。それは2番目の推進すべき研究領域のところに書いてあるから、それでいいといえばいいのですが、何となく実利的過ぎるような書き方じゃないかという気が若干しています。
【宮園主査】  野田先生、どうぞ。
【野田委員】  分かりました。そうすると、先ほど、もう少し書き加えましょうかと言っていた「臨床現場を大きく変革するような新たな医薬品」の頭のところに「より深い本態の理解に基づいて」と書き加えるか、あるいは「本態の新たな解明に根差す医薬品等の開発」というような表現にすれば、いいのかなと思いました。
【堀田委員】  ありがとうございました。それでいいです。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。私も二つ目のところにあったので本態解明はこのくらいでいいかなと思ったのですが、今の御意見をお聞きしますと、一つ目で野田先生が今言っていただいたような形で少し触れるということで進めさせていただければと思います。どうもありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。実は事務局から細かく進行を指示されておりまして、もしよろしければ、必要に応じて前のほうに戻ることは可能ですので、次の「推進すべき研究領域・研究フェーズ」というところについて、御意見をいただければと思います。細かくは読みませんけど、ここではアンダーラインが引いてあって、「本態解明を含む基礎的研究の深化により分子標的の探索を行うとともに、見出された標的の検証(ターゲット・バリデーション)を確実に行う」。それから、「がん研究10か年戦略への貢献」といったことで、「現在設定している研究領域を維持」ということですね。それから、日進月歩であるということから、「新たな知見にも対応できるように研究領域等は設定すべき」とあります。ここも幾つかありますが、次が、ここに診断やバイオマーカーについて書いてありますけれども、「生物学的、病理学的、薬理学的な観点等からの基礎的な理解を十分に深める」。それから、「複数の領域にまたがるような領域横断研究を支援することも必要」。六つ目は、「多様な専門性を有する研究者の協働による分野融合型研究を推進」。それから、「アカデミア等の研究者がもつ独創的な創薬コンセプトに基づく研究(シーズプッシュ型)に加え、我が国におけるがんの基礎的研究として戦略的に推進する研究(ニーズプル型)があってもよいのではないか」ということが書いてあります。ここは、項目は七つということになっておりますが、いかがでしょうか。
【古矢委員】  古矢でございます。
【宮園主査】  古矢先生、どうぞ。
【古矢委員】  ちょっと先のほうに行って恐縮ですが、2ページ目の四つ目の矢印のところです。「臨床医や情報学等の多様な専門性を有する研究者の協働による分野融合型研究を推進する必要がある」。ここは全くそのとおりだと思います。加えて、お一人の先生では絶対無理だと私は思いましたので、それを動かすような仕組みの整備、これも何か書き加えていただけるとありがたいなと思います。実際には、そこを担う先生をサポートするような、サポートの仕組みというのですか、事務部門というのですか、その方にも少しお金が回るといいなあというふうなことを思いました。
【古矢委員】  これは、チーム型ではなくて、こういう形にシフトしていけると、より多くの、ある意味、ネットワーク型というのですか、組織サポートが重要じゃないかなと思います。よろしくお願いします。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。いかがでしょうか。
 
【宮園主査】  野田先生、どうぞお願いします。
【野田委員】  古矢先生、もう少し具体的に教えていただいてもいいですか。これをそのまま読むと、やはりチーム型も重要だと書いてあると思う人もいると思います。今、古矢先生が言われたのは、ここに書き込むかどうかは別として、そこで古矢先生がイメージされているのは、具体的にはどんな形の融合ですか?また、それに加えて、その融合しているものが機能するためには、事務というような言い方をされましたが、融合した研究課題には、そのようなサポートする部分も必要なのではないと言うことでしょうか?その2点をもうちょっと具体的に教えていただけると書き込みやすいかなと思います。
【古矢委員】  ありがとうございます。イメージは、チーム型はイメージしておりません。実際には、幾つかの異なる分野が間に入って、仲介、コーディネート、あるいはリエゾンをするような先生というのはなかなかお一人では手が回らないだろうと思いますので、そういう先生が、スタッフになるような方を雇いながら、そういうコーディネーションといいますか、ネットワーキングを図るということを前提にして、そうした、実際に研究をやらない方も含めて仕組みの中に人をお雇いできるような支援というのは考えられないものかなあと思っているのですが、少し雑駁な説明でしょうか。恐縮です。
【宮園主査】  古矢先生、私からちょっと質問ですが、そうしますと、そういう方というのは、次世代がんの全体の枠の中でそういう方を雇うということなのか、それとも申請の中にそういった方を雇うというようなシステム・制度をつくるということなのか、それはどういうふうに考えたらよろしいでしょう。
【古矢委員】  ありがとうございます。イメージは、制度をつくるといいますか、どういうネットワーキングをお考えですかというのを提案書にまとめていただいて、実際にはお一人の先生が全部のネットワークはカバーすることは難しいと思いますので、具体的にはそれぞれのネットワークをサポートするようなスタッフを中に入れるというような御説明がほしいなと思っています。
【宮園主査】  分かりました。
 野田先生、どうぞ。
【野田委員】  再確認ですが、古矢先生が「お一人の先生が」と言われた、その「一人」のイメージは、研究課題を提案する計画代表者でしょうか。
【古矢委員】  イメージはそうです。研究代表者です。
【野田委員】  研究代表者の考え方で、その研究事業の進め方は、こういうような分野融合型での研究の進め方があってもいいだろう。ただし、そういう場合には、そういうネットワーキングの具体的な作業をやるような、事務作業と言ったら、不適切な言い方かも知れませんが、そういう役割の人も雇えるようにしたらどうだろうと、そういうことですね。
【古矢委員】  そうですね。要約すれば、そういうことになります。今、チーム型で少し困っている点は、こういう異分野といいますか、明らかに分野が違う先生が幾つもチーム型という形で並び立っておられる。それを研究代表者の方がどのようにコーディネートされるのかというのをお尋ねした場合、お尋ねしたときはきちんとお答えいただけるのですが、日常的にうまく連携しながら動いているというのはなかなかなく、そういうふうに見えにくい場合がありますので、常設でそういうコーディネーションをしていただくような仕組みを日常的に稼働させるというような提案になってほしいなと、そういうふうに思っています。
【野田委員】  よく分かりました。
【宮園主査】  私も何となくイメージは分かりましたが、具体的にどういうふうに書くかということを含めて、考えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。野田先生、どうぞ。
【野田委員】  今のところをお考えいただくときに、併せて、一つ上の矢印の部分の具体的な内容もお考えいただいて、その二つは、本当に別の矢印に分けるべきなのか、それとも一緒に書けるものなのかについても、少し考えたほうがいいような気がします。
【宮園主査】  それは?
【野田委員】  その記載の中に「複数の領域にまたがるような領域横断研究」というものがあり、今、古矢先生は多様な専門家を合わせて進めるような研究課題というものを言われています。
【野田委員】  その二つは似ているように感じられるが、やはり違うものなのならば、そこの区別が明確にあったほうが具体的な事業内容のイメージが、みんなの中にきちんと湧くと思います。
【宮園主査】  分かりました。先生がおっしゃったのは、「新たなモダリティ等の創出のために、複数の領域にまたがるような領域横断研究を支援」ということと次の多様な専門家というのがちょっと重複しているような印象もあるし、これを全体としてまとめられないかということですね。
【岩﨑企画官】  宮園先生、文科省、岩﨑です。この部分ですが、一つ目の領域横断型というのは、一つの御意見として、現事業で立っている領域が、それぞれの領域じゃなくて、幾つかの領域にまたがるという意味の領域横断型という意味で記載させていただきました。他方、その下というのは、まさに数学とか、数理とか、あるいは工学とか、そういうふうな異分野融合という意味合いで書かせていただいて、そういうような違いがあるということを御説明させていただきました。
【宮園主査】  分かりました。
 野田先生、どうぞ。
【野田委員】  よくわかりました。もし、そうした意味であれば、後半部分を書き直したり、書き加えたりするときも、その違いが明確になるよう意識しながら進めて頂けると良いと思いました。
 また、「領域にまたがる」と、「具体的な新たなモダリティ等の創出」とは、1対1対応はなかなかしないものですが、結果としては新たなモダリティ創出にはつながると思います。そこだけは、気をつけて書き直していただけるとよいと思います。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。
【中釜委員】  中釜ですけど、よろしいでしょうか。
【宮園主査】  どうぞ。
【中釜委員】  2ページ目の上から二つ目の矢印で、表現だけの問題ですが、「診断やバイオマーカーに関する研究についても~基礎的な理解を十分に深めることが重要」ということで、研究の深化についてのみ書いているように読めるので、恐らく意味するところは、「診断やバイオマーカーの創出についても、生物学的、病理学的、薬理学的な観点からの基礎的な理解の深化に資する研究を推進することが重要である」という意味かなと思いますので、そういう書きぶりのほうがいいかなと思いました。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
【堀田委員】  堀田です。最後の矢印のところに移ってもよろしいですか。
【宮園主査】  はい。
【堀田委員】  ニーズプル型というのは、要するに戦略的に誘導的に研究を啓発することと思いますが、点線で囲ったところについては例えばこういうものがニーズプル型研究になるという意味でここに記載されているのでしょうか。
【宮園主査】  事務局、お願いいたします。
【清家係長】  おっしゃるとおりでございます。ニーズプル型の例として、これまでいただいた御意見をもとに書かせていただきました。
【堀田委員】  なるほど。分かりました。ここに具体的に何か列挙するとしたら、何がいいかということを考えると、まだほかにもありそうな気がしますので、また検討をしていただければと思います。問題はあるけれども今までアプローチし切れてない部分があるような気がしています。例えば、高齢者のがんの特性、悪液質、担がん生体としての個体レベルの問題点、そういったものについては、非常にアンメットニーズはありながら、なかなか応えられてないという部分があると思いますので、そういうことも含めてお考えいただければと思います。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。皆様、何かお気づきの点がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
 西川先生、どうぞ。
【西川委員】  1個目の「科学研究費助成事業等」の文章ですが、下線のところ、「本態解明を含む基礎的研究の深化により分子標的の探索を行うとともに」というふうに書いてあるのですが、何となく分子標的薬を探索しているように読めるので、パスウェイ全体をターゲットにしたり、免疫製剤も含むとすると代謝関連についても、標的として加えても良い様に思いました。代謝関連も含めて最終的には分子に行き着くかもしれませんが、「分子」という言葉は要らなくて、「標的」だけでいいようにも思いました。
【野田委員】  「治療標的」という書き方が良いように思いますね。
【宮園主査】  治療標的とか、診断・治療の標的ですね。
【西川委員】  行き着くところは分子になるとは思いますが、標的は広く考えていると視点を示す方が良いと思いました。
 もう1点ですが、先ほどあったお話の「協働による分野融合型」というところで、全体でそういう方をお雇いしてみたいなお話は非常に魅力的だと思うのですが、一方で、先ほどの目的は医薬品等を開発する研究につなげていくというふうに考えると、個々の研究の秘匿性というのもある部分は出てくると思います。もちろん科研費等ではすごく有用ですし、それはもちろんすばらしいことだと思いますが、一方で、研究が進展したところから、特に情報学を導入して分子を釣り上げてくるようなことになるので、かなり秘匿性の高い部分が往々にして出てくると思います。個別の研究で個々に秘密保持を結べばいいのだという話になるのかもしれませんが、それはそれで結構、やる人間からすると大変です。ですので、横断的な方というのよりは自分たちの研究チームの中に入っていただいたほうが動きやすいという部分もあるのではないかと思います。
【野田委員】  よろしいでしょうか。
【宮園主査】  どうぞ。
【野田委員】  今の点で、まず、古矢先生の御意見に戻りたいのですけど、今、西川先生が言われたことですが、古矢先生は、むしろ、それを言っておられたのだと思います。研究課題の中に、そうしたコーディネーションをする人が必要であると。つまり、西川先生の理解と同じと思います。今、技術支援班がやっている形を考えて、技術支援班が情報支援までやる場合には、西川先生の言われる心配が出てきます。それに関しては、技術支援班は基礎的支援は行うが、あるところからは立ち入らずに、そこは共同研究に深化・分化して行き、確かに秘匿性の高い形での推進が必要になりますが、古矢先生は、そういう話を言われていたのではなくて、研究課題、研究代表者が複数の違ったモダリティの人たちを一緒にして何かをやっていこうというときに、そのコーディネーションを専門にやるような人を研究グループの中に組み込む形で申請することができるようにするのが良いのではないかと、古矢先生はおっしゃったのだと思いますが、いかがでしょうか。
【古矢委員】  そうです。
【野田委員】  なので、まさに西川先生が、その方がよいとおっしゃっていた形です。
【西川委員】  すみません、理解が間違っていまして。
【野田委員】  いやいや、どういたしまして。
【宮園主査】  今、まさに野田先生がまとめていただいたようなことかと思います。技術支援班ということよりは、むしろ、そちらのほうだと思いました。まさに、西川先生がそうしたほうがいいということ、そのものだと思います。ありがとうございます。
【宮園主査】  それでは、時間が大分押してきましたので、次の「次期事業の目標」に移ろうと思います。ここは二つだけです。共有の画面をもう少し上に上げてもらえますか。「次期事業においても企業また他事業への導出件数を所期における目標としつつ、支援終了後も他事業や企業における開発状況についてフォローアップを行うなど、中長期的な成果についても把握するように努める」ということと、「限られた財源を効率的に活用し導出に繋げるためには、研究のgo/no-goを適切に判断する仕組みが必要」ということを次期事業の目標と書いてございます。ここはいかがでしょうか。
【古矢委員】  古矢でございます。二つ目の矢印のところの「go/no-goを適切に判断する仕組みが必要」、これはまさにおっしゃるとおりですが、最も難しいところです。これを書かれるのはいいのですが、具体的にはどうしましょうか。
【宮園主査】  そうですね。これはいかがでしょうか。
【野田委員】  よろしいでしょうか。
【宮園主査】  野田先生、よろしくお願いします。
【野田委員】  まさにP0の古矢先生が、毎週のように直面している問題と思いますが、支援班がマッチング会議をさせて頂く中で、POの先生方が、各課題を把握するに際して、POの方たちは、「この部分はgoではない」というふうには判断はできても、それを、その時点で「ここは、今後もno-goである」とは判断仕切れないし、加えて、それは表に出せないという場合がほとんどだと思います。その意味では、現在、行われているように、現在の事業期間の設定と事業終了後の再申請を可能としている点が、非常に大きいポイントだと思います。例えば、2年間でやっていて、その2年の間に、その課題のno-goだと思われる方向性を、goだと思う方向に向けて古矢先生たちPOが懸命に引っ張られるわけですが、結局、そちら側への出口が見えないと思う課題は、その事業終了後に、再度、申請しても採択されないという形が、今行われており、これは割と機能している形だと思います。脇から見て、そう理解しています。なので、no-goといっても、注意しなくてはならないのは、POの人たちが、極めてきれいにブラッシュアップして絞り込むがゆえに、その課題の中心的テーマそのものがno-goになっちゃうと、後は何をするんですかとなってしまう課題もあるわけで、そこに古矢先生なんかも苦しまれているのだと思います。それに関しても、そちらの方向に出口がなければ、評価においてその点を明確にしておくことで、次は採択なり延長なりがされないというようなシステムが望ましいように思います。ただし、それをどう書き込むかというのは、すごく難しいです。
【宮園主査】  そうですね。それをここで書き込むのは少し難しいと思います。
【岩﨑企画官】  事務局です。まさにgo/no-goのジャッジは必要だということはここの中で総意としていただいて、それをどういうふうに次期事業に落とし込むかというのは、この次の議論になると思います。検討会としては、そういう難しい問題ではあるものの、ちゃんと適切な時期に適切な判断をすべきということを提言としていただければ、それを事務的に事業として形をつくるのは、これからの作業として、宿題としてもらえればと思っておりますが、いかがでしょうか。
【堀田委員】  堀田ですが、よろしいですか。
【宮園主査】  どうぞ、堀田先生。
【堀田委員】  今の議論を聞いていてちょっと不思議に思ったのは、次期事業の目標というところで、go/no-goの判断が目標というのは違和感があり、後ろの専門的支援体制のところに書き込んでもらうのがいいのではないかと思います。目標というのはあくまでKPIとして、この事業がうまくいったかどうかをはかるための指標だと思います。それを明らかにするほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
【宮園主査】  なるほど。分かりました。
 野田先生、何かありますか。
【野田委員】  大賛成です。
【宮園主査】  次期事業の目標というのは二つしかありませんけど、この二つ目をどこかに移すとここは一つだけになってしまいますが、一つだけきちっと記載しておけばよろしいということでよろしいでしょうか。
 どうぞ。
【中釜委員】  これも表現の問題かもしれないと思うのですけど、場所を変えることは私も賛成なのですが、この書きぶりだと「財源を効率的に活用」というところに主眼が置かれているので、要するに、効率的に運営するために、例えば、「研究のgo/no-goの適切な判断により、財源の効率的な活用による導出につなげる」というふうに主語を逆転したほうが、いろんなテーマで各研究課題をやっているときに、「その中でgo/no-goの判断を適切にし、効率的に財源を活用して導出につなげる」という書きぶりのほうがいいのかなと思いましたが、どうでしょうか。
【宮園主査】  分かりました。事務局、よろしいでしょうか。
【清家係長】  はい。ありがとうございます。
【宮園主査】  そうすると、目標は、これを移すと本当に一つだけになってしまいますが、きちんと導出件数とKPIをしっかり見せた上で、中長期的な成果についても把握するように努めるということですね。こういうことになりますが、よろしいでしょうかね。
 どうぞ、島先生。
【島主査代理】  以前、事業の中間評価をやったときに導出件数の話が出て、非常に数が多くてよいという話になりましたが、導出先が革新がんのときにはフォローアップが非常にやりやすいと思いますが、企業とのコラボレーションとか特許出願、これは中身がどうなっているかというのはなかなかうかがい知れないというふうに聞きました。中間評価以降、どのようになっているのかは気になっておりお聞きしたいと思っていました。
【岩﨑企画官】  これについては、AMEDのほうから説明いただければと思います。浦さん、状況を説明していただくのは可能でしょうか。
【島主査代理】  ここで確認しておけば、それがどれだけちゃんとフォローアップできるかというのが後で整理できるものですから、知りたいなと思ったわけです。
【浦課長】  AMEDの浦になりますけれども、まず、大きなところからいきますと、KPIの管理の観点からいきますと、年に1回、法人評価等ございますので、それでフォローしていくというところはあります。我々、医薬品プロジェクトのKPIの中に、特許出願ですとか、そういったものは入っておらず、あくまで企業導出に関しては入っているという形になっています。それは、毎年毎年、フォローしていくということにしております。我々の目線でいきますと、ここの中で書かれております、支援終了後も、他事業でどうしているかなどはフォローできるかと思いますが、あくまで、恐らくですが、研究者の先生にお伺いをさせていただいて、お答えいただける範囲で確認していくというようなことになろうかと思います。AMED全体でもそういったフォローアップに関する検討はなされていますので、個別事業でやるというのもありますし、AMED全体での取組の中でやっていくということもあるかと思いますが、可能な範囲で研究者の先生にお伺いして確認していくというアプローチは大丈夫だと考えているところです。
 以上になります。
【島主査代理】  ありがとうございます。審査する立場とすると、例えば、それが企業へ行ったというところまではうれしいのですが、本当にそれが物になったかどうか、審査のときにパスしたものはどういうものが行ったのかというのは、ぜひ知りたいなと思ったところでした。
【宮園主査】  ありがとうございます。P-DIRECTからP-CREATE、そして次の事業ということになりますと、今、島先生がおっしゃったとおりで、これまでの事業についてのフォローアップは中長期的にも必要ということでここに書かせていただくということになりますが、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。
【中釜委員】  1点だけ、よろしいですか。
【宮園主査】  中釜先生、どうぞ。
【中釜委員】  事業の目標として、先ほどちょっと考えていたのですけど、要するに、新しい人材の育成であるとか、新しいコンセプトに基づいた創薬というのも恐らく次世代がん事業の中では重要になるかと思いますが、その二つをつなげるような、新しいコンセプトに基づいた創薬のための若手研究者の育成というものが次期事業の目標の一つとして挙げられないかなと思っています。いかがでしょうか。人材育成というのは目標の一つとしては重要だなと感じていました。
【宮園主査】  野田先生、どうぞ。
【野田委員】  人材育成が重要であるのは、当然、そうである思いますが、さっき言ったように、各研究課題の区切り、区切りの時点をフォローしている立場からすると、ここに書き込まれるべき目標の言葉については、まず、KPIとして評価指標に使われるのか、使われないのかという視点で考えています。ここに書けば、評価に必ず影響するのでは無いかと思います。そこで、新たなバイオロジーといったものを書き込む場合には、そのバイオロジーが構築されたのは、本当にその研究課題の成果なの?と問われる重みも出てくる。人材育成に関しては、以前の事業推進において、事業推進の期間、研究代表者の研究室から、何人の研究者が独立して研究室を設けましたということを指標にしたこともありましたが、全然違う領域の仕事で独立することもあるので、それを指標にして、そのまま結びつく目標のところには書き込むことは止めたという経緯もあり、少し書き込みづらいように思います。ただ、研究推進そのものと研究者の進化は、鶏と卵の関係ですけど、それが育っているか、育てられているかということは、非常に重要だとは思います。
【宮園主査】  なるほど。分かりました。(1)の最初は「次期事業の目的・役割」で、次は「推進すべき研究領域・研究フェーズ」で、3番目は「次期事業の目標」ですけど、目標という言葉は、要するに、KPIとか、いろんな数値目標について直結してくるので、そういう意味では、前のほうに書いてあるものについて数値目標として掲げるのに難しければ、あえて書かないほうがいいのだろうというのが、野田先生の御意見ですね。分かりました。では、皆様、時間の関係で御意見を十分にお聞きする時間がなくて申し訳ありませんが、次に進ませていただきます。次は「研究推進のための取組について」です。まず、「次世代のPIとなる研究人材の発掘・育成」ということで、一つ目は「若手や他分野からの研究者を取り込み育成する方策」、二つ目は「若手等に特化した公募枠や育成のためのコンサルテーション機能」、三つ目は「若手研究者間の交流を促進」と「国際競争に打ち勝つ革新的な研究開発が推進されることが望まれる」、こういったことが書いてあります。この「次世代のPIとなる研究人材の発掘・育成」について、御意見ございましたら、お願いいたします。
【西川委員】  宮園先生、西川ですけど、よろしいでしょうか。
【宮園主査】  どうぞ。
【西川委員】  私、若手ではなくて、上のほうでもなくて、ちょうど中堅ぐらいの立場にいるのですが、私たちが若い頃って若手というのはそれほど言っていただけなくて、私たちがその年代を卒業すると、今度は突然、若手ということが言われ始めて、かといって私たちの上のほうの先生が抜けたかというと、そういうわけでもなくて、私たちはある意味、谷間の世代になっております。できればここに中堅も入れていただけるととってもうれしいです。我々は常に、バブルが終わった後に生きてきた谷間の世代ですが、突然、今頃になって、若手、若手という言葉が出てきまして、自分たちがそうかと思ったら、もう既にその年齢は超えていて、上の先生たちと一緒に戦わなきゃいけないというところがあって、この研究課題は次世代という名前がついているので、ちょっと上の先生方に道を譲っていただけるような文章をどこかに書き加えていただくというようなことがあるとありがたいです。我々中堅を多少エンカレッジしていただけるとうれしいのです。情けない話で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  西川先生はそんなことは全然ないと思いますが、何回か確かに、若手と、独立してから間もない頃の40代の方という、若手という言葉でくくられなくなった方たちの支援というのは出てきましたね。うまい文章が思いつくかどうか分かりませんが、ちょっと検討課題とさせていただきます。また相談させていただきます。ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
【西川委員】  そういう意味では、3番目の「若手研究者間」というのは、「若手」はぜひ外していただいて、「研究者間の交流を促進し」ぐらいにしていただくと、何となく我々も疎外感が薄れるかと思います。よろしくお願いします。
【宮園主査】  はい。いかがでしょうか。これまで発言しておられない先生方、あるいは何かありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 野田先生、どうぞ。
【野田委員】  最初の「コミュニティの活性化と研究者間との協働」という、これは何ですか。「研究者間」と何が協働するのですか。
【野田委員】  ちょっと文としておかしい感じがします。
【清家係長】  こちらですが、「研究者間との協働」ではなく、「研究者間の協働」です。申し訳ございません。
【宮園主査】  「の」を取る。
【野田委員】  そうだと思いました。
【宮園主査】  「研究者間の協働」ですね。
【清家係長】  失礼いたしました。
【野田委員】  また、ここの「若手」は外していいと思います。
【西川委員】  ありがとうございます。
【宮園主査】  「次世代のPIとなる研究人材の発掘・育成」のところで、そのほかありますでしょうか。
 どうぞ、島先生。
【島主査代理】  審査している立場からの意見として、今年度も若手の枠でたくさん採ろうとしていたのですが、若手といったときに、大きな組織の中の助教や若手と、外に出て新しく立ち上げて小さなグループでやっているPIとを、どちらも若手として審査しました。大きなところの助教ばかりを採ってしまいますと同じようなテーマが多くなってしまって、シーズがなかなか広がらないようなイメージがしたので、個人的には新しく旗を上げたところにあげたかったのですが、意外と業績がなかったりするので、そこのところはそういう枠があってもいいのではないかと思いました。つまり、若く、新しくインデペンデントになって立ち上げたところにいる、そういうPIの若手というのを少し尊重してもいいのではないかと、審査している立場では思いました。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。さっきの西川先生の意見とも少し重なりますが、若手の枠組みから外れて独立された、まさにPIとなった方への支援ということですね。次世代のPI、あるいはスタートアップされたPIという、そういう言葉がうまくいくのかどうか分かりませんが、そういうのが書けるかどうかということですね。
【島主査代理】  全くそのとおりです。そうすると、新しい、全く違う分野のシーズが広がりそうな気がしました。
【宮園主査】  ありがとうございます。まさにそのとおりで、独立したばかりのPIを表す言葉があるのか分かりませんが、少し考えてみる必要があるかと思います。ありがとうございます。
 次に移る前に、一応、若手と、独立されたばかりの、PIとなったばかりの方ということをうまく何か組み込めないかということですね。西川先生がおっしゃったとおりで、これから伸びていくような40代の方をどういうふうにうまく書き込むかという、難しい宿題なのですが、ちょっと検討させていただければと思います。
 それでは、「専門的支援体制の整備」というところに入ります。専門的支援体制の整備というところでどういうことが書いてあるか説明させていただきます。「研究環境に左右されずに高い質の研究を遂行するために、高度な研究機器や技術による支援を継続するとともに、技術の進展に伴い支援の内容も適切にアップデートされることが重要。臨床現場との接点がない、小児がんや希少がんのような患者が少ないなどの理由で検体へのアクセスが困難な場合に、検体の提供や臨床とのマッチングを行うような支援があると良い」。それから、「企業導出を目指した研究開発を進めるためには、十分な特許調査を実施するとともに、導出利便性の高い特許の取得を支援することが必要」と「AMEDの知財財産部やアカデミアのAROなどの活用も含め検討する」。三つ目は、「引き続き、優れた学識経験や高い見識を有するPS/POにより指導・助言が行われるとともに、がん創薬研究の人材育成が進むことが期待される。」というふうにまとめていただいております。
 
 何か御意見ありますでしょうか。
【西川委員】  宮園先生、西川ですけど、よろしいですか。
【宮園主査】  どうぞ。
【西川委員】  これはとても大事で、専門的な支援体制が整備されるというのはとてもいいことだと思いますが、ここにある「高度な」というのが少し曖昧ですのでそこら辺は明確に線を引く必要があるかと思います。要は、今、例えば外注できるようなものを、いろいろ意味があって中でやるという必要性は理解するのですが、外注で事足りることもあるかと思います。その辺を明確に、こういうことは専門的支援体制でやって、そうでないことは自分の研究費の中でやりなさいというようなことはあってもよいかと思います。「高度な」というのは曖昧な表現なので、どこで線が引かれるのかは少し明確にしておいてもいいのかなと思います。支援体制というのが必要なのは理解するのですけれども、あるところまでは自分でやるということも大事だと思うので、そこはちょっと明確にしてもいいのかなというふうに思います。
【宮園主査】  分かりました。
【古矢委員】  宮園先生、古矢です。
【宮園主査】  どうぞ。
【古矢委員】  今の西川先生の御提案、全く賛成です。私もこの部分で、「高度な研究機器や」の前に、可能であれば「費用対効果やコストを意識して」という言葉を入れていただけるといいかと思いました。
【宮園主査】  ありがとうございます。よろしいですかね。今、様々なものが外注できるようになってきていて、一方で、外注した後、解釈ができないということもあるので、その辺りの専門的なアドバイスというのは支援機関あるいは専門の方にいただくということもあるかと思います。ありがとうございます。
【野田委員】  よろしいでしょうか。
【宮園主査】  野田先生、どうぞお願いします。
【野田委員】  今、西川先生が言われていることと、古矢先生の言われていることは、必ずしも一致していないと思います。費用対効果で話を済ませたら、西川先生の話は全く意味がなくなってしまうと思います。ここで、「高度な研究機器や」というのを前に出しているため、そういう議論になるのだと思いますが、一方、西川先生が言うように法律のように明確な線を引けというのもどうしても無理なところがありますから、この「研究機器」は、もう除いたほうがいいと思います。お二人が共通して主張されている重要なこと、例えば、「外注等で済むようなものはするべきではない」ということは、後半部分のどこかに書き込めば良いと思います。
【堀田委員】  堀田ですが、私がよく理解してないかもしれませんが、これは、例えば、クライオ電顕とか結晶構造解析のような、とても普通の施設ではできないような研究を支援するという意味かと思いましたけど、そういうレベルの話じゃないのですか。
【野田委員】  そうです。そういうレベルの話です。それが「高度な研究機器」から始まる記述の意味するところですけど、ここに研究機器とあるため、例えば、西川先生は、高い機器を使うというのは外注すればいいとおっしゃるのだと思いますが、例えば、結晶構造解析、それもハイブリッド型解析で、さらにいわゆるスパコンを使う作業が組み込まれるという、そういう先進的解析が、ここに書いてあるわけです。
【堀田委員】  具体的にそれを例えばということで明示すれば、分かりやすいですね。
【野田委員】  そうですね。そうしていただけるといいと思います。
【堀田委員】  NGS機器を持ってないから支援するなんていうことは、今どきないわけですよね。
【野田委員】  その通りです。また、僕は西川先生が言っていることは、コストの話とは違うことと捉えております。西川先生、違いますよね。
【西川委員】  特にコストだけを言ったわけではなくて、どこまでを支援するのかというところを、野田先生がおっしゃったとおり、明確にしたほうがいいのではないかということを言わせていただきました。何でも支援してもらえると思っている方もおられるので、ある程度、自分の中でやるということも必要だと思いますし、それがある意味、ずっと前にも出てきたような、いわゆる研究の底上げにもつながって、いろいろ新しいことにつながっていくと思います。研究って専門的な支援があればできるわけではなくて、例えばシングルセル解析をやればできるというような考えは明らかに間違っているということはみんな分かってきているところだと思いますので、本当にこの部分のサポートが必要であるということをより明確にするべきだと思っています。私が言った、この部分というのは一体何なのかというと、ある程度は明確にしたほうがよいのではないかということです。
【野田委員】  ここで具体的にシングルセルの話が出てきましたが、シングルセルについて具体的に気になる点がありますか。
【西川委員】  特にシングルセル解析を取り立てて言ったわけではありません。何かに対して網羅的解析をやったから何かが分かるというような曖昧なものではなくて、ちゃんと、こういうものに対して解析をした結果、こういうふうなったということが見えるようにしたほうがよいということです。堀田先生がおっしゃったとおり、例を挙げるのがいいんじゃないかと思います。
【宮園主査】  例えば、野田先生の支援班に対して依頼があった場合に、それは外注でできるのではないか、などある程度のアドバイスはもちろん今までもしてこられています。また、外注ではできないようなことは今後も継続して支援するという、そういう形の支援になるということと思いますがいかがでしょうか。ルーチンの仕事になっているものに関してはできるだけ外注も考えてもらうという、そういうアドバイスはこれまでしてこられています。
【野田委員】  具体的な支援の実施に関しては、その判断をしているのはPOなので、古矢先生が一番よく分かっていることだと思います。
【宮園主査】  POですね。
【野田委員】  技術支援班自身では、何も決めていません。
【宮園主査】  失礼しました。そうですね。
【野田委員】  全てはPOが判断されて、この研究課題にとっては、今、この支援が必要であり、それは外注ではできないものであるとなれば、「この支援を実施するように」との指示が、POから支援班に来るというシステムでやっています。そして、今、その支援、すなわちその解析が、各研究代表者の研究推進に、いかに必要かということをマッチング会議で理解いただくというシステムになっていますが、このシステムが若手研究者の研究開発の志向性を明確にさせ、結果として育成につながっていると思っています。こうした、マッチング会議を、これまで100回以上やってきています。
【宮園主査】  分かりました。了解しました。
 古矢先生、いかがでしょうか。
【古矢委員】  ありがとうございます。私の意図としては、お一人の方にあまり予算が使われ過ぎないように、大勢、できるだけ一人でも多くの先生をサポートできるようなことを常に考えておりますので、ついつい、費用対効果とか、コストとか、書かせていただきました。
【宮園主査】  分かりました。私も言葉足らずでしたが、今までそういう形で、まさにPOの体制の下で必要な技術支援班の支援を行いつつサポートをしてきたということで、これをどういうふうにうまく書くかということですね。これはまた事務局と相談させていただいて、今日、御意見をいただいたところをまとめさせていただくということでよろしいでしょうか。
【古矢委員】  野田先生のところのサポートは、野田先生といいますか、技術支援班のサポートが大変すばらしいので、お一人でも多くの研究代表者のサポートをしてさしあげたいのですけれども、予算に限りがあるということもあるという、この辺りを書き込みたかったということです。
【宮園主査】  分かりました。どういうふうに書き込むか、事務局、どうでしょうか。
【清家係長】  先生方、御意見、ありがとうございます。事務局のほうで今の御発言内容を踏まえまして案文のほうを作成させていただきたいと思いますので、そういう形でよろしいでしょうか。
【宮園主査】  はい。すみません、私の不手際で少し混乱しましたけど、少し整理して、事務局と相談して提案させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ほか、いかがでしょうか。
【堀田委員】  堀田ですが、よろしいですか。
【宮園主査】  どうぞ。
【堀田委員】  今の矢印の後段の部分ですが、例えば、小児がんや希少がんのような、患者が少ない場合や、なかなか検体にアクセスできない場合の支援というのは、これはこれで重要だと思います。例えば、革新がんでは、希少疾患を扱う場合には、患者レジストリとか、あるいは検体が収集されているということが条件として採択の基準になるのですが、次世代がんの場合には、検体へのアクセスの必要がないような研究として最初から想定して研究するのか、あるいは途中で確かめるために検体が必要になるという位置づけなのか、そこはよく分かりません。中釜先生はよく分かっているので、コメントをいただければと思いますが、いかがですか。
【中釜委員】  私の理解では、革新がんの場合はヒトの検体での検証の有用性がより問われます。次世代がんでは、ヒトの細胞株であるとか、そういうところから抽出されたエビデンスに基づいたシーズ開発というのが恐らくスタート地点で、ただ、細胞だけではなく、それをヒトの検体で検証したいときに十分な検体がないケースはあるのだろうと思います。そういうときに十分な、希少性、小児がんの検体を持っているところの何らかの協力を支援班のほうでしていただけると、非常に有望な、興味深い、科学的なエビデンスをつかんだ研究者がさらにそれを臨床的な有用性・妥当性等に展開するときの支援としてあるといいのかなと、個人的には感じています。そういった意味では、革新がんとは研究のスタート地点が多少異なってもよいかと思います。
【堀田委員】  そうですね。恐らくは細胞レベルとかPDXでやったことがヒトではどうだというときに必要になってくるということで、研究の途中で必要になってきた場合には、革新がんの、中釜先生は両方に関与しているのだから、そこでうまくコーディネートしてもらえると話がスムーズになるのではないでしょうか。コーディネートがない場合には、技術支援班にぽんと投げて、患者の検体の収集まで技術支援班がサポートするのは負担などが懸念されるのではないでしょうか。
【宮園主査】  野田先生、どうぞ。
【野田委員】  前回の会議で私がご説明したのは、要するに、その研究者が追求してきたバイオロジーを、ヒトがんでコンファームするのに適したサンプルに、その研究者がアクセスできるようにするというレベルの話です。まだ、革新がんに進むというようなフェーズでない研究課題の場合に、そうしたアクセスを、支援班のほうで道筋だけでもつけてやってほしいという要望も聞こえており、先のプレゼンで、次期に向けてはそれを検討する必要があると、私が説明した内容がこの部分に取り込まれているのだろうと思います。なので、革新がんレベルのような、多数の、均質なサンプルを集めて、解析チームを組んでというような話とは、少し異なります。
【宮園主査】  そうですね。ちょっとここは少し誤解を招くかもしれないので、少し書きぶりは変えたほうがいいかもしれないですね。了解しました。
 ほかはいかがでしょうか。古矢先生、どうぞ。
【古矢委員】  次の矢印のところで、知財、特許のことですが、最初の行に「十分な特許調査を実施するとともに」という記載があるのですが、私の理解は、十分な特許調査というのは、Webあるいはオンラインによる調査だけではなくて、紙の資料を1ページ1ページ繰って調べるというのも入っています。これはとても、お金がかかる、時間もかかることなので、例えば、「十分な」の代わりに、「効果的な」とか、そういうふうに変えていただけるといいのではないかと思いました。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。これ、そうですよね。
【野田委員】  いいですか。
【宮園主査】  野田先生、どうぞ。
【野田委員】  まさに古矢先生の言われる通りだと思います。そこで、ちょっとだけ区別させて頂くと、今、サポート機関がやってくれている特許調査のほうは、ネットから紙レベルのところまで、つまり、一つ一つの特許に関するところまで、お金を払って契約しているツールを用いて行っています。そのため、調査する側の、「知る」、「把握をする」というところに関しては、ある程度は行えていると思いますが、それを「十分」という言葉で表すかどうかというところだと思います。ただ、むしろ大事なのは後半の部分だと思います。「導出利便性の高い特許の取得を支援する」ということで、ここになってくると、そうした特許調査だけでは、とてもとても十分に行えることではありません。それで、後ろの文の意味するところですけれど、「そういった支援は引き続き実施すべき」というのは前半部分の特許調査についての記述であり、「AMEDの知的財産部やアカデミアのAROなどの活用」は、後半の「導出利便性の高い特許の取得を支援する」ということにつながる記述です。そして、ここに踏み込んでいかないと、さっきのKPIに関わる「導出」のところの数字が、なかなか上がらないということです。古矢先生、そういう意味だと理解していますがよろしいでしょうか。
【古矢委員】  はい。先生の御説明のとおりです。
【宮園主査】  ありがとうございます。これはよろしいでしょうか。次は、「優れた学識経験や高い見識を有するPS/POにより」ということで、今後もこのような形でぜひ進めてほしいということで、ここはまとめてあります。この項は大体よろしいでしょうか。専門的支援体制の整備というところですね。
 もしなければ、企業や他事業との連携ということで、最後ですが、「文部科学省事業のみならず、AMEDの他事業と連携しながら、研究ステージ間の移行がスムーズに行え、確実にアカデミア等のシーズを実用化に繋げることが期待され、AMEDにおいては継続的に研究費が獲得できるような支援が望まれる」。それから、「企業への導出率を高めるために、研究者がもつ研究開発シーズに対して企業から率直な意見を聞けるような仕組みがあると良い」ということであります。ここはいかがでしょうか。これはよろしいでしょうか。
 どうぞ、野田先生。
【野田委員】  これもまた古矢先生への質問になるのですけど、この後半の部分というのは実施可能とお考えでしょうか。もちろん、私も必要だと強く思ってはいますが、この仕組みの構築というのは難しいようにも感じています。もう一回、先の議論に戻りますが、事業の最初には、KPIのところで導出だけをカウントしていましたが、ほとんどの場合、知財をきちんと前向きに確保してあって、きちんとした開発であっても、そのまますぐに企業が導出に応じるということがないというのが、この5年間の経験で強く感じていることです。企業は、その代わり、共同研究契約を結んで何年間か役割分担を明確にして共同研究を進めて、その結果で、導出を受け入れるか否かを判断するというパターンが数多くありました。従って、ここはそうした共同研究フェーズに進む手前のところの仕組みづくりが必要ということだと思いますが、それは可能でしょうか。
【古矢委員】  野田先生、よろしいでしょうか。とても難しいことはあると思うのですが、例えば、AMED-FLuXという取組があると聞いています。AMEDで新しい仕組みをお考えというふうにアナウンスがあったのですが、これは、企業、特に日本製薬工業協会の研究開発委員会の方が御参加いただくような御説明だったと思いますが、ちょっと違っているかもしれませんが、私が気になるのは、ばりばりの現役の方ではないとすると、個人の形で参加いただくにしても、ある程度、情報を企業の中に持ち帰って、企業の中で情報を共有して、それで、いいものについては後から例えばAMEDと秘密保持契約を結んで話を聞きたいというような、段階を踏んだようなアプローチというのがもしかしたら考えられるかなあというふうに思いました。ですから、今回新しい仕組みをスタートされるということで、特に、どういう方が聞きに来られるかというのが最も重要です。そういうある程度責任のある方が出てきていただいて重みのある発言をしていただくと、社内でもそれなら聞いてみようかということになり得ると思いますので、いかにそういうキーパーソンを引っ張り出せるかというところがポイントだと思います。
【野田委員】  あのメンバーを見させていただくと、各企業3人ぐらいずつのお名前があって、そして、何となくそういうインターフェースを担当している方たちですが、開発そのものをやるような立場の方とは違う方たちがあそこに並んでいるようには見えます。
【古矢委員】  ちょっと申し上げにくい部分はありますが、当然、技術もよく御理解されていると思いますが、問題は社内でのお立場ということもあります。ですから、意見が通りやすい方をいかにインボルブしてくるかというところに注意されたらいいと思います。例えば、社内でこういった情報をある程度共有しながら企業同士で競争させるような仕組みをうまくつくれば、例えば、A社さんはすごく興味あるように聞いていたよというような情報がB社に持ち帰られると、これは中での競争になるかと思います。そういううまく競わせる仕組みというのをぜひお考えいただければと、そのように思います。
【野田委員】  分かりました。
【宮園主査】  なるほど。分かりました。ありがとうございました。
【浦課長】  宮園先生、もしよければAMEDから御発言してもよろしいでしょうか。
【宮園主査】  どうぞ。お願いいたします。
【浦課長】  AMED-FLuXに関しては、これから開催しますという案内を4月の初めに出させていただいたところで、5月頃に第1回を開催するということで進んではいます、詳細についてはこれから考えていくというところです。この会議体だけで全てのマッチングが進むというようなことではないと思いますので、その一つのツールとして活用していけるように検討を進めていきたいと思います。先生方の御意見も踏まえながら対応していきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  ありがとうございます。企業や他事業との連携ということでこういうふうにまとめていただいていますが、ほかに何か、お気づきの点はありますでしょうか。
 じゃあ、一旦、これで4番のところの個別の議論は一応終了ということにさせていただきまして、残った時間で、本報告書の5ポツ、「終わりに」ということで御意見をいただければと思います。ここまでは検討会報告書の骨子案についての個別の御意見をいただきましたが、最後に、「終わりに」ということで、検討会として文部科学省が推進するがん研究に期待することなどをフリーに、委員の皆様の思いを自由に御発言ください。これまでの議論を基に皆様がお考えのことを御発言いただければと思います。
【宮園主査】  6時まで、あと30分ぐらいかけて自由に御議論くださいということですので、ぜひ皆様に御発言いただければと思います。よろしければ、まずは御自由に御発言いただいて、最後に一言ずつ皆様に御意見をいただけれればと思いますので、全体を通じて何かお気づきのことがありましたら、御発言をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
 野田先生、どうぞ。
【野田委員】  今、導出につなげるところの議論にまでなりました。この6年間を見てきて、多くの課題が、他の事業にきちんと導出されたり、あるいは企業との共同研究が始まりました。そして、実際に企業へ導出される課題も少なからず出てくるという形になってきました。きちんとしたバイオロジーを持っている先生方が、そうやって進んでいかれる様子が、PO を始めとするAMEDの皆さんからも理解されていると思います。それに対して、AMEDが若手研究者や、あるいは、2年間の研究期間の課題に採択された先生たちが、マッチング会議なるものの、自分の研究開発にとっての必要性が分からないでいるときに、POの方達に、「いいですから、まずはマッチング会議をやってみましょうよ」と言って頂いたことは、大変に重要だったと感じています。主にバイオロジーをやってきた若手を中心とする研究代表者と、さまざまな創薬開発の専門家とが、まずはマッチング会議で、このバイオロジーは、あるいはこの標的分子は、こうしたがん医療開発に役に立つのではないだろうかという熱い議論を行うことになりました。これが始まって初めて、これならば何年後も、そういう優れたがん医療シーズが、いっぱい生まれる可能性があるのだと感じさせる、一連の流れが動き出したような感じを、支援の立場としては感じています。ですから、そうした流れがより加速したり、あるいはその流れがより太くなるような、そういう在り方の事業が、今後も推進されることが望ましいと強く思います。その点においては、今のPOの方たちの考え方は非常に正しかったと、特にこの1年間はそう感じていますので、そうした側面も、より書き込めたらいいと思います。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。そういう意味では、本当にありがとうございます。
 評価委員会についても、私、個人的な印象を申し上げさせていただくと、最初はPOの先生方が中心となって評価をしていましたが、途中からAMEDのシステムで評価委員会というのを別に立てていただいて、評価委員という方がたくさん加わっていただいて評価をするようになって、島先生には本当に御苦労をおかけいたしました。また、たくさんの方々が次世代がんの評価をしていただきましたが、そういう意味では非常に多くの方が評価をしていただくようなシステムになって、利益相反などもきちんと管理できるような状態で、こうやって、後半の3年ぐらいですか、4年ぐらいですか、やらせていただくようになって、最初はちょっと心配でしたが、非常に円滑に進んでいるように思います。その辺り、島先生には本当に感謝しております。島先生から何か、お考え、御意見等、ありますでしょうか。
【島主査代理】  評価委員がすごく責任を持って、非常に重要な研究の申請であるところから、皆さん真剣にやってくださいました。今、先生に褒めていただいたのですけど、私は逆に心配なことがあって、我々は一応、POの先生が、こういう公募だよ、こういうところに力点を置いているよと、その文面を見て、それに沿って全てバランスよく書かれているものを挙げたのですけれども、中には本当に原石みたいなのがあって、POの先生が審査した場合、もしかしたら磨けば光ると考えられてより高い評価を与えて採用になった可能性がありはしないか、というのが、実は少し心配でした。ですから、今のように我々複数で評価するのは間違いのないことではありますが、POからすると、平均点に行ってなかったんだけれども実はすごいんだよというのがあって、採用して欲しかったものがあったのではないか、というのが、今の私の感想です。もしかしたら見逃している可能性があったかなという気もします。つまり、我々、評価するときに、バランスよくというか、いろいろなところでいい点数を見て採るわけですね。というのは、ある評価でマイナスの欠点があるかどうかというところがあって、欠点がちょっと多いと、それだけで駄目ということがあります。ですから、欠点があっても、それが関係ないぐらい、すばらしい、いいところがあれば採るという、そういうものも、なかなか我々評価委員ではそこまで判断できなかったので、そういうところは落ちた可能性があります。そこがちょっと心配です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。選考委員の先生方のかなりのエフォートを使って丁寧に審査をしていただきまして、ありがとうございます。先生がおっしゃったことはたしか古矢先生と以前議論したことがあって、非常にいいシーズであるが評価をしてしまうとどうしてもいい点数がつかないので、それをどう考えていくかということになるかと思いますが、それは今後また考えていかなきゃいけないのかなと思います。文科省だと、挑戦的萌芽研究ですか、将来が全然見えないものにも支援するという仕組みがありますが、そういうのはAMEDの研究事業としてどういうふうに考えていくかというのは、今後の課題かもしれません。ありがとうございました。
【島主査代理】  比較的、間違いのないものを選ぼうと考えたと思います。そういう意味では、審査員の皆さんは自信を持っていると思います。ありがとうございます。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 あと、ここにはあえて、次世代がんでは書いておりませんけど、若手の研究者とともに女性研究者の育成ということもずっと皆さん念頭に置きながらやっていただいていて、これまでの次世代がんでは、評価委員の方もかなり女性の研究者に来ていただいておりますし、それから、若手の方とかシニアの方でも女性の研究者が非常によく活躍しておられるように思いますので、あえてこの報告書には書く必要ないかなと思ってこれまでは触れておりませんけれども、審査会などでもそういったこともある程度念頭に入れながら、これまでバランスよくやってきていただいたんじゃないかと思いますが、何か、そういうことに関して御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
【中釜委員】  中釜ですけど、既に意見が出ていると思うのですけど、冒頭に野田先生が説明されたことにもつながるのですが、次世代がんでアカデミアシーズの開発を非常に強力に支援することによる、新しいコンセプトを導入したシーズ開発と、それによるターゲットのバリデーションが非常に重要であると思います。それを通して、さらに本態解明研究が深化し、また新たな治療標的が導出される。このサイクルが非常に重要であるということが何となくここに込められるといいのかなというふうに、個人的には感じます。実際、その間にPO/PSの協力を得たり、マッチング会議によってPO自身も、ターゲット・バリデーションの重要性、あるいは申請された研究内容の妥当性も改めて認識したりしながら学んでいくケースもあるので、この事業全体としてそういうことが育成されることが今後のアカデミアシーズ開発にとって重要だというところが込められるといいのかなというふうに思いました。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 野田先生、お願いします。
【野田委員】  確かに、中釜先生に今おっしゃっていただいたサイクルが一番の基軸になるべきだと、私も思います。ただ、最後まで気になるところが一つだけあるので皆さんの意見をお聞きしたいのです。この2ページのところのシーズプッシュ型に加えて、ニーズプル型が今度入りますね。このニーズプル型では、堀田先生のお話なんかを聞いても、結局、ここにちゃんと「基礎的研究」と書いてありますから、このニーズプル型は基本的に基礎的研究だけど、出口も意識した基礎的研究を意味することになるわけですね。例えば、先ほど話題になったカヘキシア(悪液質)のメタボロームだとか、そういう研究になるわけですよね。そこを皆さんはどうお考えになるのか知りたいです。今、そこに関する基礎的な理解、すなわちバイオロジーが全く見えていないけど、こういうもののバイオロジーを、それも出口を意識した形で見なきゃ駄目だという主張に基づき、がんの病態や特異ながんに関するニーズプル型の研究を、次世代がん事業でやるということを、皆さんはどうお考えになるかお聞きしたいです。そして、点線の四角の中の部分が、それを表すのだとすると、よほど気をつけてこの部分を書いていただかないと、これだと、全ゲノム解析等のデータを活用した研究や希少がん・難治性がん研究が一緒になって書かれているから、ニーズプル型の意味するものが、よく分からなくなっちゃうように思います。その辺、もう一回だけ議論というか、堀田先生も含めて、どうでしょうか。
【宮園主査】  皆さん、いかがでしょうか。
【堀田委員】  堀田ですが、よろしいでしょうか。
【宮園主査】  堀田先生、どうぞ。
【堀田委員】  私も、この一連の並びは少し違和感があります。同じ次元の話じゃないのではないかという感じがしました。全ゲノム解析のデータを使って新しいシーズを見つけていくというのは大事なことですが、疾患別にとか、あるいは病態として、今、こういうアンメットメディカルニーズがあるということとはちょっと違って、方法論的な話になるので、ここは整理して書いたらいいかなと思いました。例えば、全ゲノム解析データを基に新しいシーズを見つけていくということは戦略的にやるべきだと思いますので、そこはいいのですけれども、並びで書かれると、何となく違うという気がいたしました。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 じゃ、中釜先生、いかがでしょうか。
【中釜委員】  私もニーズプル型の意味づけは難しいかなと思ったのですけど、一方で「がん研究10か年戦略」の中でも言われている、例えば、支持療法やがんの悪液質の研究は、先ほど堀田先生がおっしゃったように、ほかの創薬開発と比べると、研究提案としてはなかなか競争がしづらいところがあります。それはモデル系のがんが十分にそろっていないということもあり、課題の設定の仕方によると思うのですが、そういう領域に関してはある程度ニーズプル型の課題設定もあってもいいのかなという意味合いかなというふうに考えていました。点線の四角の中のこれは必ずしもニーズプルというわけでもないかもしれませんし、ニーズプルの表現の中で幾つかのパターンがあるのかなと思っています。ただ、この何年かの間、アンメットニーズの中でも支持療法等の開発研究というのは最近徐々に出てきていて、少しずつ進んでいるのかなあというふうに思います。そういうことを意識した上で「がん研究10か年戦略」の中のまだ取り残されている部分を意識した書きぶりかなというふうに思いましたので、それが少し分かるようにすると、ニーズプルの一つの意味が分かるのかなと思いました。その点、どうでしょうか。あまり詳しく書かなくて、「戦略的に推進する研究」というふうに書くだけでもいいのかもしれません。
【宮園主査】  そうですね。中釜先生がおっしゃるとおり、書くと、これが表に出てくると、皆さん、それに引っ張られる可能性があるのは確かではありますね。分かりました。これも検討課題とさせていただくことになるかと思います。ありがとうございます。
【宮園主査】  ほかはいかがでしょうか。
【古矢委員】  古矢です。
【宮園主査】  どうぞ。
【古矢委員】  今、中釜先生がおっしゃったことに近いです。私も基本的にそうかなあと思いました。先ほど島先生が正しいシーズ評価ができたかなというようなことをおっしゃって、正しくできていると思うのですが、ただ、おっしゃったとおり、バランスのいい申請、要は点が引きにくいものが通って、いいものは残っているのですが、例えば、ぴかっと光って、欠点も目立つけど魅力も発揮しているやつというのはなかなか通りにくいという、そういうことは体験してきたところです。そういう中で考えますと、要は、バランスがいいというのは、作用機序が明確だったり、いろんなデータがそろっているということになるのですが、その中でニーズプルタイプのものというのは、言わばゴールははっきり分かるのですが、ちょっと提案に飛び飛びのむらがあったりするという可能性もある。ですが、これはニーズプルのタイプだからちょっと目をつぶってみたいな話ができないのかなと、そういう意味でニーズプル型というのを捉えたのですが、少し違っていますでしょうか。
【野田委員】  いいですか。
【宮園主査】  どうぞ、野田先生。
【野田委員】  まさにそういう側面もすごくあると思うのですけど、きちんと書かないと、いろいろな形で勝手に理解をされちゃうと思うんですね。少なくとも四角の中の表現は考えないといけませんが、そうではなくても、さっき中釜先生が言ったことを中心の基軸とするのかと言う部分について、みなさまの意見が聞きたいです。この数年間、ニーズプルで、支持療法とか、そうした医療の開発を、きちんとやらなきゃいけないという意見もあり、例えば革新がん事業では、精神的な療法なども、ある程度サイエンティフィックな評価をすべきだという研究課題が、少しづつ出てきていますが、この次世代がん事業のほうでは、そうした医療の開発や評価の基礎になるような研究というのは、今の100を越す課題の中で。一つか、二つしかないと思っています。
【宮園主査】  そうですね。
【野田委員】  そのため、ここで書いてあるのは、そうした領域を広げるということですか、ということを、僕は聞いています。そうだとするとしたら、それが分かりやすく書いたほうがいいのではないかなと思いますが、中釜先生が言ったのは、そういうことですよね。
【中釜委員】  私はそこを強く意識していましたね。それ以外のところもまだあるのだろうと思いますが、私はそこを意識しました。
【宮園主査】  なるほどね。
【野田委員】  そうであれば、そういうイメージをきちんと伝えるべきと思います。患者さんの立場に立っての問題・課題を解決するための基礎研究というような、そういう視点からのニーズプルというのも必要だと。
【宮園主査】  分かりました。
【堀田委員】  堀田ですけど、私もまさにそういうことを言いたかったです。アンメットメディカルニーズについて、患者さんのニーズはあるのだけど、なかなか方法論的に詰め切れてない状況で、研究の進展がない部分に対してどうやってアプローチするかという問題です。革新がんでは、もうちょっと臨床に近いからアプローチしやすいところがあるのですが、これを基礎的にどう詰められるかというのは非常に難しい問題があります。そういうことを問題提起してエンカレッジするというのは必要なのではないかなと思っています。
【宮園主査】  ありがとうございます。了解しました。そこも事務局とちょっと相談させていただいて、うまくまとめられるようにしたいと思います。ありがとうございます。
 じゃあ、残り20分程度になりましたので、5ポツのまとめということになりますが、皆様から一言ずつ御発言いただいて、次回の検討会につなげていきたいと思います。今日お感じになったことを、皆様から一言ずつ、お言葉をいただければと思います。五十音順でお願いいたしますが、青木先生、つながりますでしょうか。
【青木委員】  大変勉強になりました。ありがとうございます。臨床の視点を出すことで、組織としてどういうところに焦点を当てて研究してほしいかという、今、議論されていたようなことも含め、ここを一度きちっと議論して何か分野を明記できると、日本のがん研究全体がいい方向に向かうのではないかなというふうなことを感じながら、今、聞いておりました。そのためにはかなり議論が必要なのかなというふうに思います。
 あと、一つ、小さなことですが、私がちゃんと理解してないのかもしれないのですが、基礎研究という言葉が前面に出ていて、リバースTRというか、臨床の結果に基づいた研究も考える必要があるのではないかと感じております。臨床の視点も入れるなど新しい概念が必要なのかなというのを少し感じました。聞こえていましたでしょうか。どうもありがとうございました。
【宮園主査】  少し音声が途切れましたけど、基礎研究だけではなくて、臨床の現場からのリバースTRとか、そういったことを少し考えてほしいと、そういったお話でよろしかったでしょうか。
【青木委員】  はい。そういうことを申し上げました。
【宮園主査】  ありがとうございました。
 じゃあ、一言ずつということで、島先生、お願いいたします。
【島主査代理】  ありがとうございます。この次世代がんというのは、PSの先生、POの先生が一緒にタッグを組んで、いかに新しい次世代のがんを基礎研究から出口までやろうと、そういう熱意がこの場でも非常に感じられて、非常にすばらしいなあと思って、そういうふうにぜひ、及ばずながら審査の中でお手伝いしたいなと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。本当にありがとうございました。
 では、西川先生、お願いします。
【西川委員】  ありがとうございました。今日、お話を聞いていて、特に領域を横断する研究であるとかいうところの領域の定義もよく分かりましたし、逆にそれとは別の、専門性が異なる方が入ってくる融合型研究というスタイルもこれから推進されるというのはとっても大事だと思います。融合、横断もちょっと似ていますけれども、意図することは異なっているわけですが、そういった研究は今後特に重要になってくると思います。さっき青木先生がおっしゃったとおりで、特にリバースTRというところになってくれば、いろいろな情報学的な話はより重要になってきます。もちろんそれだけではないですが、情報学を含めた融合型研究が重要になってくると思いますので、そういったことは比較的しっかりとした、チーム型というのが正しいかどうか分かりませんが、そういったタッグを組んだ研究が進められるといいのではないかなあというふうに感じました。
 ありがとうございました。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 次、中釜先生、お願いいたします。
【中釜委員】  もう何度か申し上げているのですけど、がんの開発研究において次世代がんは非常に重要な役割を果たしているなというふうに思います。シーズ開発という視点を通して本態解明というところを非常にダイナミックに新たに展開しようというムーブメントが見えてきていますし、それを通して、次のがん研究を担う世代をこの中で興味を持っていただいて育てていくためにもこの仕組みは非常によくできているなというふうに感じます。ぜひ、全体的な研究費の枠も大きくしていただいて、がんの次代を担う研究者にとって魅力的なフィールドとして参入していただけるようにぜひしていただきたいと思います。まさに、先ほど野田先生もおっしゃっていましたように、本態解明研究がダイナミックに動き始めている、そういうムーブメントは我々も感じますので、ぜひそこのところの強化をお願いしたいというふうに思います。
 私からは、以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 中山先生、お願いいたします。
【中山委員】  中山です。すみません、今日は遅くなりまして。まず、女性のことを宮園先生がおっしゃったのですが、最初は一人だったのですが、少なくとも審査委員会に行って女子トイレでほかの先生とお話できるようにどんどんなってきているので、そのように本当にこの領域で女性の研究者たちがたくさん活躍いただいていて、すごくうれしく思っています。
 まず一つは、ニーズプル型の話がちょっとあったのですが、公募要領でこういう領域というふうにばーんと出していただいて、AMEDのいいところは、6点行かなければ不採択でいいので。実は、随分前にゲノム編集を使った何とかという公募をやったことがあったと思うのですね。それはかなり特別な形の公募で採択あったと思いますが、AMEDのいいところは、ゼロ件があるので、そういう意味では、本当にこういう人たちがいるのですかという公募をやってもいいのかなと思っています。そういう意味では、今日の話とはずれると思いますが、がん研究で必要な領域の人を探すということができるかなと思って、ちょっと聞いていました。
 あと、今日拝見していても、診断とか、そういうのがあんまり出てこないのですが、診断とか機器開発というものがあったからこそ、いろんな分野の方が入ってきている気がしていました。特に、審査をしていて今まで会わなかったような理工学系とか薬学系の方もすごく応募されてきているので、それが融合研究にもつながっているような気がするので、そこはどこかにあってもいいかなとは思いました。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 それじゃあ、野田先生、お願いいたします。
【野田委員】  私は、もう十分しゃべりました。
【宮園主査】  分かりました。
【野田委員】  中山先生が言われたことで、一つだけ思い出しました。かつてゲノム編集でいろいろな申請が出てきて、その中に、外国に独占されている知財に引っかからない内容のCRISPR/Casに関する研究課題が出ていて、ある意味、後追いになるけれど、独自性の高さ故に採択されました。そして、実際には、その技術を使った治療のヒトへの応用が、今、革新がん事業で2課題動いています。あのような独自性の高い課題が出てくるんですね。その点では、ニーズプルという考えも、独自の技術を持っていたり、深いバイオロジーを推進していたりする研究者が、そういう部分を強く意識するようになるということでは、すごく大事なのかもしれないと思いました。すみません。さっきからニーズプルと言う考えが気になっているんです、いい意味でも、悪い意味でも。
【宮園主査】  分かりました。ありがとうございます。
【宮園主査】  じゃあ、古矢先生、お願いいたします。
【古矢委員】  古矢です。このような会議に呼んでいただきまして、本当にありがとうございました。私がお役に立てたかどうかは全く分かりませんが、言いたいことは言わせていただけたかと思います。
 感想のような形になるのですが、次世代がん医療というのは、日本中の研究者の方がぜひ採択してほしいと熱望・希望される、そういうものになっていると思います。ですから、先ほど島先生もおっしゃいましたけれども、我々POとしても、一人でも多くヒアリングに来ていただきたい、一人でも多く採択をお願いしたいというふうについつい考えてしまうというところで、これはある意味うれしい悲鳴なのですが、これからもがん研究がますます発展していかれることを切に希望しております。
 以上でございます。
【宮園主査】  ありがとうございます。そういう意味ではヒアリングを物すごく丁寧にやっていただいて、本当に皆様には感謝しております。ありがとうございます。
 では、堀田先生、お願いいたします。
【堀田委員】  堀田です。私も、こういう会に参加させていただいて、全体がよく見えるという状況で、大変参考になりました。特に私は、次世代がんと革新がんとの両方見させていただいているのですが、次世代がんの特徴というのは、革新がんにはない、非常に紳士的で、非常にまとまっており、先ほど少しありましたように、少し異端であっても面白い提案を採択するというのはなかなか難しいのかなあというふうに感じています。革新がんでも同様でありますが、ある意味でニーズプル型で新しい課題を引き出してあげるというのは必要かもしれないなと思います。特に、先ほど中山先生がおっしゃったように、これは頭出しをするという意味がある。例えば、これからの研究の方向性とか、大事な領域だという意味で頭出しをしておき、実際に採れるものがないのならないでいいという具合にして、少し意識づけをするということも大事ではないかなと思いました。特に、AMED研究は皆さん非常に注目されているのだけど、採択率がかなり厳しく、ハードルが高い。あそこに通ったらすごいけれども、ちょっと自分には遠いように思っている人が結構います。そこのハードルをどうやって下げたらいいのかということが、一つ、我々の課題じゃないかなというふうに思っています。例えば、科研費なんかで一般研究のCなんかは割と、若くても、あまり実績がなくても、取れています。それは、金額も低いからそういった部分があるのかもしれませんが、今後、若手を採択していくということの中でハードルをどうやって下げていくかということが極めて重要ではないかと考えます。先ほどどなたかおっしゃっていましたが、例えば、大きなラボ、伝統のある、しっかりしたラボにいれば研究費が取れるが、そうじゃなかったらなかなか取れないということではない仕組みというのもあってもいいと思っています。いずれにしても、次世代がんは今後の日本のがん研究を支えていく登竜門として非常に重要ですので、予算の獲得も含めて、ぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。皆様に一言ずつ言っていただきまして、一応、今日はこれでまとめたいと思います。「終わりに」とありましたので皆様に御意見いただきまして、何となく、これでこの会は終わるかということになってしまうというと、そんなことはありませんで、あと2回ありますので、どうぞそれはよろしくお願いします。今日は、骨子案をまとめて、皆様に5ポツの「終わりに」についての自由な御意見をいただいたということで、これから最終的に、予定としてはあと2回ですが、この検討会を開かせていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。
 それでは、今日はたくさん宿題をいただきましたが、いただきました御意見を事務局で整理いたしまして、報告書にまとめた上で、次回の検討会で議論したいと思います。
 最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【清家係長】  事務局です。本日は、貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。次回の検討会は、既に御連絡させていただいておりますとおり、5月11日、13時から15時の2時間を予定しております。詳細につきましては、決まり次第、御連絡させていただきます。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 今日は、本当に2時間びっしりと、長い間、皆様に御意見をいただきまして、ありがとうございました。繰り返しになりますが、大分、私どもの宿題が多くなりましたが、今日いただきました御意見をしっかりと反映して、一応6回を予定しておりますが、あと2回、引き続き議論をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、皆様、お忙しいところを本当にありがとうございました。これで今日の会議を終了させていただきます。
 
―― 了 ――

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