がん研究の推進の在り方に関する検討会(第3回) 議事録

1.日時

令和3年3月23日(火曜日)13時00分~14時00分

2.場所

文部科学省 Web会議システムによる開催

3.議題

  1. がん研究の推進の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

宮園主査、島主査代理、中釜委員、中山委員、西川委員、野田委員、古矢委員、堀田委員

文部科学省

高木研究振興戦略官、岩﨑先端医科学研究企画官、清家がん研究推進係長

オブザーバー

岩佐がん対策推進官(厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課)、浦課長(日本医療研究開発機構 創薬事業部 医薬品研究開発課)

5.議事録

【清家係長】  それでは、時間となりましたので、ただいまより第3回がん研究の推進の在り方に関する検討会を開会いたします。本日も、前回と同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点より、Web会議システムによる開催とさせていただいております。委員の皆様には、御配慮、御協力いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、青木先生がまだいらっしゃっていないのですけれども、定足数に達しておりますことを御報告させていただきます。
 Web会議システムについて、前回同様ではございますが、御発言の際だけマイクをオンにし、お名前をおっしゃってから御発言いただきますよう、お願いいたします。システムの不備等がございましたら、随時お知らせいただくよう、お願いします。御不便をおかけすることがあるかもしれませんが、何とぞ御理解のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の進行は宮園主査にお願いいたします。宮園主査、よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  本日は、研究推進の在り方として必要な支援などについて、御議論いただくということにしております。今回、野田委員とAMEDの医薬品研究開発課の浦課長に御発表いただきまして、その後に、前回御確認いただきました検討事項の内容について具体的に議論を進めていきたいと思います。時間が1時間と限られておりますので、できるだけ効率的に進めてまいりたいと思います。どうぞ御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それから、議事の公開に関しましては、設置要綱の第4条第1項に基づきまして、冒頭より、傍聴者として事前に御登録いただいております報道関係者と一般の方向けに本検討会の模様を配信しております。
 それでは、事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。
【清家係長】  配付資料の確認をさせていただきます。議事次第に記載のとおり、資料1-1から1-4と、参考資料を2点用意しております。参考資料1は、文部科学省が研究代表者に対して技術支援班の活用に関してアンケートを実施した結果をまとめたものです。また、参考資料2は、前回の検討会でも提示した委員の先生方の主な御意見をまとめたもので、前回の御議論を踏まえ、一部更新しております。事前に委員の皆様にメールで送付させていただいておりますが、本日は画面でも共有させていただきますので、適宜御参照いただければと思います。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、早速、議事に入ります。議題(1)がん研究の推進の在り方についてということで、まず、野田委員より、今後必要とされる技術支援についての御発表をお願いいたします。
 では、野田先生、よろしくお願いいたします。
【野田委員】  ありがとうございます。
 それでは、よろしくお願いします。次のスライド、お願いします。
 まず目次です。本日は4つのことについてお話しますが、2番目のところが一番重くなっています。全体としての「組織・体制」に関する議論と、それから、その中に埋め込まれている各支援の「構成要素」そのものに関する議論というふうに、分かれております。次のスライド、お願いします。
 これが今の組織・体制でありますが、支援班は左側にありますように、全課題の半分近い課題の支援を行ってきましたが、それが可能になったのも、あるいは、それらをある程度適切な支援で行うことができたのも、右側のAMEDのPS/POの下で、研究代表者と支援班とのやり取りをサポート機関がきちんとトランスレートしてくれるという、この組織・体制があってこそのことだというところをまず主張しておきたいと思います。その中で支援班がやってきたこと、そして、これからやるべきことというところに移ります。次のスライド、お願いします。
 大きく三つのカテゴリーの支援を、支援班は常に話し合いながら、毎週一回会議を持って話し合いながら、行っています。一つ目が、創薬ツールを創出する阻害薬探索の部分です。それから、二つ目が、POC取得・薬効評価であり、三つ目が、後期開発の部分の支援で、製剤開発促進ということになります。次のスライド、お願いします。
 その具体的内容としては、ここにあるような支援をこれまでやってまいりました。ここでの位置づけに合わせて、今後やるべきことという観点から、これらの構成要素について、少し細かくなりますが、話していきたいというふうに思います。まずは、上のⅠとⅢのところになります。次のスライド、お願いします。
 まず、ⅠとⅢのところについて、これからどう進化すべきかという点ですが、まず一つは、多くのシーズがリードから、さらに最適化からリードへと進んで来ていますので、今後は、この出口への推進力の強化というところを、ちょっと戦略を改めて立てて、更なる進化を進める必要があるのではないかと思います。そして、先に示した構成要素に関しては、何といっても中分子創薬の部分の支援を拡充することが重要であると考えています。現在の事業でも、抗体やペプチド創薬の支援はやっていますが、この部分の更なる強化が必要であろうと思います。一方、下にありますPOCのほうは、さらに深いレベルでのPOC取得を行うことが必要です。そして、そのPOCが得られたものを見るべき対象として、患者由来バイオリソースへのアクセスをより強化して行うというのが、次期の目標になるのではないかと思っています。上のほうは、支援をより早く、より多彩に行う、下のほうは、POC獲得をより深く、より詳細に行う、という目標になっています。次のスライド、お願いします。
 まず、上のほうですけれども、創薬ツール創出や製剤開発促進のところでは、AとB、出口への推進力強化と中分子創薬の支援の拡充ということになります。次のスライド、お願いします。
 これはAのところです。Aの1番目としては、出口への推進力強化のところで、最適化の部分です。従来から、インシリコ創薬のグループがいて、その支援対象となる課題があり、あるいは、10を超えるテーマでヒット化合物が取れていて、その最適化などを行ってきましたが、近年、そこに構造解析を加えるような形での支援が出てきています。要するにインシリコと実際のスクリーニングから得られた化合物のデータをキャッチボールしながら先へ進めていく。その構造を意識して、さらに望まれる化合物の改変はどういうものであるべきかという知見得て、最適化を進めるという形で、要するにコンピュータ創薬ですけれども、正確にはハイブリッド創薬と考えています。すでに、こうした支援も入ってきたので、次期に向けてはこの部分の充実が必要と考えています。次のスライド、お願いします。
 もう一つは、中分子創薬です。本事業がスタートしたときに比べて、現在、多くなってきているのは、やはり抗体創薬支援です。標的に対する抗体が取れて、その抗体を今は、右の箱の上の方に示すように、キメラ化や二重抗体の作製を支援として行っているのですが、そこからさらに抗体のヒト化のフェーズに入り、さらに、より多くの構造改変をしようとすると、そこの部分は、知財等での制約が多く、支援と言う形式のみではなかなかやれないのです。特に最近、課題代表者、あるいはマッチング会議で話題になるのは、抗体医薬で治験に入っているものを見れば、ADCであったり、CAR-Tであったりという方向に、抗体創薬の先が見えているのに、それを支援で進めるには、なかなかハードルが高いということがあります。次期事業では、この辺りを解決して、この部分を充実させる必要があると考えています。次のスライド、お願いします。
 中分子創薬の拡充においては、先に述べた抗体の先にあるものの充実に加えて、重要と考えているのが、左の下の核酸創薬と、それから、真ん中にあるように、PROTACと言ったほうが分かりやすいかもしれませんが、いわゆる標的タンパク質分解による創薬で、これらのとシステムを導入することが必要なのだろうと考えています。それからもう一つは、製剤開発促進のDDSのところも、今までは主に、化合物であったり、あるいは、ここ2年ぐらい多いのは核酸医薬であったりというものをDDSにくるんで導出しようというテーマが幾つかありましたが、さらに、タンパク質やウイルス製剤といったようなDDSを用いるという点への拡大も必要になるだろうというふうに考えています。次のスライド、お願いします。
 一方、下のほうです。POCをとり、その阻害剤を取り、またさらにPOCを得るという、POCの取得を中心とする技術支援です。研究代表者の持つ標的分子のPOCを取得し、さらに、阻害剤が取れたら、その薬効評価を行って、そして、その効果におけるPOCをさらに確認するという支援をやりますが、これに関しては、AとBは大分異なります。Aが、この支援の完全な構成要素になります。まず今後は、がんの多様性の理解に基づく、さらに深いレベルでのPOCの取得が必要であろうと考えられています。そのためには、ここに示すようなシステムを導入してはどうかと考えています。もう一つのBは、患者由来のバイオリソースへのアクセスを強化してキャッチボールが常にできるようにしておかないと、先に進むのはなかなか大変だということで、強化が必要かと言う、この二つです。次のスライド、お願いします。
 まず、Aの多様性も含めたPOC取得技術の要素技術の深化ですけど、今は、さらに二つのシステムを導入しようと考えています。一つは、完全にドライの技術ですが、標的が見えて、その標的に対するがんの依存性が見えてきたときに、まずはドライで、どういうがん種、どんなタイプのがんが、その治療対象にふさわしいかと言う情報を、今、データベースが物すごく充実してきているので、バーチャル検索をやるドライのシステムを構築したいと考えています。それから、ウェットの方では、皆様、よく御存じのように、標的がん種が見えて、そのがん種の中でも、どういうミューテーションを持っているがんがターゲットになるのかといディスカッションで、必ず出てくるのは合成致死です。今は、このsynthetic lethalityの考え方が出てきますので、synthetic lethalityのスクリーニングという形を入れたいと考えています。具体的には、まずその標的の阻害のみではがんに変化がない場合、その状態のところで合成致死をスクリーニングすると言うものです。標的分子機能が抑えられたがんが依存している遺伝子に変異が導入されたポピュレーションは、数日後に減っていくという形で、合成致死遺伝子が同定できます。次世代シーケンサーをフルに活用することも必要ですが、技術支援として、これができるということになります。次のスライド、お願いします。
 次は、多様性ですから、やはり、がん組織、腫瘍組織ということになります。今年、文科省に御支援していただいて導入して、今年から活躍させようと思っているのはフリューダイムのHyperionで、組織構造が見える状態で、1マイクロメーター四方の各エリア内で、40種類の分子の発現を、同時に全て定量化できます。全ての遺伝子の細胞ごとの発現量のばらつき、これが全て多様性の基本ですが、そのデータがもう1回統合されて、組織の全体像として見られるという形での、組織内多様性の理解です。そして、その組織内多様性の理解に関して、さらに今後は、単一細胞解析技術の充実を図って、細胞間多様性という観点からの理解を支援できるにしようと考えています。薬効を見る場合でも、腫瘍全体の大きさのみではなく、その中の細胞間多様性の変化という視点でも捉えることが、その先に進むためには大変に重要であると言うことです。次のスライド、お願いします。
 これは、その一例ですけれども、一応、現在の我々の支援では、トランスクリプトームでの細胞間多様性をみる支援を行っていて、さらに、ATAC-seqですけれども、エピゲノムでの細胞間多様性も、技術的には完成しています。さらに今は、同時にこの二つを見ることができないかということにトライしているという形です。繰り返しになりますが、POCを見るときに、腫瘍の大きさという全体で見るというところから、さらに内部に深く入って、こういう細胞間多様性を見ようということです。次のスライド、お願いします。
 ということで、また支援の全体像に戻りますが、まず、この上の部分です。中分子創薬、それも抗体から、さらにADC、CAR-Tにまで支援を進めていくと、あるところから知財の壁もあり、支援という形だけではやっていけなくなる場合もあります。また、むしろ、早い導出に向けては、そういう開発経験や、それらの開発技術に関する知財を持っている企業等との共同研究をマッチングできる体制というのが必要なのではないかと思います。それが、上の部分で言いたいことです。それから、下の部分になりますが、POCがきちんと取れれば、次に見たくなるのがヒトサンプルで、先に進むためには、早めに対象がんしゅを絞り込み、その上で、必要と認められれば、そのがんのヒトサンプル手に入るという形の支援体制を作ることも考えています。ただし、ここで臨床情報が付与されているヒトサンプルを用いる場合は、ここも共同研究になるという可能性が強いですが、ハイボリュームセンターとの共同研究を簡単に組めるような体制も重要ではというのが、最後に、一つのシステム、あるいは体制整備で、次期へ向けての課題ではないかと思います。次のスライド、お願いします。
 それから、もう一つ重要なことは、若手研究者に対する支援体制です。先程のスライドで示した「共同研究の体制構築」が、出口に向けての話だとすると、こちらは入り口に向けての話になります。入り口で、強く意識すべきは若手研究者の参画であり、非常に優れたバイオロジーをやっている若手研究者が応募をされ、その一部が採択をされてきます。ここではあえて「課題」というふうには言わずに「特徴」と言いますが、それら若手研究者の特徴は、バイオロジーは優れているのだけど、どうしても視野がバイオロジーの中にとどまっている。それも、ランドスケープを見るという形にとどまっている研究者が多い。確かに優れたがん研究を行っているけれども、創薬研究の経験がないためか、そういう研究者が結構多く見られます。こういう研究者のバイオロジーから創薬研究を立ち上げていくために、技術支援でできることが、もう少しあるのではと考えています。それの一つが、データベース活用のための研修や検索サポートです。ゲノムデータだけではなく、先ほど触れたように、特定の化合物に対する各種細胞の薬剤感受性データも、今、大変に多く蓄積しています。さらに、見るべきものとして、パブリックドメインのバイオリソース検索というようなものも可能です。こういうものを、若手研究者と一緒にやっていくと同時に、それから得られる情報をもとに、マッチング会議において、POの先生方の下で、標的としての妥当性のディスカッションを進めることは大変に貴重な機会を若手研究者に提供すると考えます。そして、種々のモダリティを考慮した創薬シーズ育成の方針を最適化していき、その中でも常にターゲット・プロダクト・プロファイルを意識して、それを意識した上での出口というのを見るという癖をつけるという、これが大事なのではないかというふうに思います。最後のスライドをお願いします。
 ということで、これがまとめですが、組織・体制についての考えと、その組織・体制の中に埋め込むべき各要素を、今後、どのように前向きに変革していくかという点について、我々の考えを発表させていただきました。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。どうしても聞きたいことがありましたら、一つぐらいですけど聞けますが、何かありますか。よろしいですか。
 それじゃあ、野田先生、どうもありがとうございました。
 次に、AMEDの他事業との連携という観点から、AMEDの浦課長から説明をお願いいたします。
【浦課長】  AMED医薬品研究開発課長の浦でございます。本日、医薬品プロジェクトにおける実用化推進ということで、お時間いただいて恐縮ですが、少しお話しさせていただきたいと思います。次のスライドをお願いできますでしょうか。
 こちらは医薬品プロジェクトのフェーズルーラーになってございます。先生方、御存じのとおりかと思いますが、次世代がん事業については今年度から医薬品プロジェクトに位置づけられるということで、推進してきたところでございます。各種疾患系事業が、モダリティごとの再編によって、各プロジェクトに振り分けられるという形になっております。真ん中ほどにありますが、医薬品プロジェクトの中で従来やっておりましたモダリティ技術の開発等を行う創薬技術開発というのも、このプロジェクトの中で行っているところでございます。一番下の基盤というところで書いてありますが、創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業というところでは、クライオ電子顕微鏡ですとか、放射光施設ですとか、そういった非常に高額な機器の共同利用などを推進してアカデミア創薬の支援を行っているというところがございます。その下、創薬支援推進事業でございますけれども、創薬支援ネットワークの機能を生かしながら、アカデミアシーズ開発を支援して企業導出までつなげていくというようなこともやっているところでございます。そのほか、レギュラトリーサイエンスに関する研究開発ですとか、治験の段階を支援するようなものもあるというところでございます。本日の資料の後ろのほうに岩﨑PDのスライドも参考としてつけさせていただいておりますけれども、先生方のすばらしい研究成果をいかに患者さんに届けるかという視点でプロジェクトを推進しているところでございます。次のスライド、お願いいたします。
 こちらは医薬品の研究開発プロセスを低分子の例を取ってお示ししたものです。あくまで例ということになりますので、全てのものがこのとおり進んでいくというわけではないかもしれませんが、一番左側に基礎研究というところがございます。次世代がんの事業においては、標的探索、標的検証のところを中心としてやっていただいているというふうに理解しておりまして、標的の分子同定ですとか、ターゲット・バリデーションのところ、この辺りを中心にやっていただき、さらに、技術支援班の先生方のお力添えもいただきながら応用研究のほうにも食い込んでいるというようなところだというふうに理解しております。次世代がんの事業をPS・POの先生方の指導の下で各研究者の方が企業導出についてしっかりと取り組んでくださっているということは、第1回の会議でもお示しさせていただいたとおりかというふうに思っております。その後、開発研究ということで、前臨床開発、臨床試験というところがございますが、ここは、AMEDの事業で言えば、革新がん事業でサポートしていただいている部分になるかと思います。この間をつなぐ応用研究の部分になりますが、ここをつないでいくというのは本当に非常に大変な作業だというふうに思っておりまして、特に研究期間の制約がある中でここを突破していくというのはなかなか難しい場合もあるのかなと思っております。そうした中で、先ほどお示ししましたような多様な事業を有効に機能させながら進めていく、そうした形で実用化を進めていくというのが必要になるケースもあるのではないかと思っているところです。次のスライド、お願いいたします。
 こちらは先ほどお示しした医薬品プロジェクトの各事業の概要を簡単におまとめしたものですが、下から二つ目と三つ目、創薬支援推進事業と、次のものは医薬品プロジェクトではありませんが、橋渡し研究戦略的推進プログラムといったものがまさにシーズ開発を支援していく事業として存在しておりまして、次世代がんからこうした事業につないで、さらに革新がんにつなぐといったことも、場合によってはあり得るのかと思っております。こうした形で、いろんなツールがございますので、そのツールを有効に機能させていきながらアカデミア創薬を支えていくということが大事だというふうに思っているところです。また、上から四つ目、先ほど創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業(BINDS事業)というのを御紹介させていただきましたが、この中でもクライオ電子顕微鏡などで構造解析等の支援を行っておりますので、疾患系事業、次世代がんの場合には技術支援班がありますので必ずしも必要でないケースもあるかもしれませんが、構造解析等の支援がアカデミアに対しては無料でできるというようなところもございますので、こうした事業との連携もしながら実用化というのを推進していくというのが理想的な形なのかなと思っております。こうしたいろんなツールがあるということで、御紹介させていただきました。
 あと、本日、資料にはお示ししておりませんが、健康・医療戦略室の医薬品開発協議会において、アカデミアと企業のシーズの捉え方にギャップがまだまだあるのではないかというようなことが指摘されております。AMEDでは、この課題に関してAMED支援課題の研究者と企業の方が自由にディスカッションをする場というのを設けていく必要があるのではないか、それが大事なのではないかと思っておりまして、現在、企業の有識者の募集というのを行っております。来年度早々にでもこうした会議体を設置して、最終的に製造販売承認を取得する企業の目線でどういったことが考えられるかというようなインプットをもらいながら進める、そういった仕組みもつくれないかということで作業を進めているところでございます。
 以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。今、浦課長から御説明いただきましたが、何か質問、これも一つぐらいしか聞く時間はありませんが、どなたかありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。それでは、次に移りますが、前回、事務局が提示した検討事項に基づいて議論を進めていきたいというふうに思います。資料1-3、今後のがん研究推進の在り方に関する検討事項の研究推進のための取組についてということのうち、必要な専門的支援と企業や他事業との連携ということになります。資料1-3の下の二つですね。これについて何か御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 どうぞ、中釜先生。よろしくお願いします。
【中釜委員】  研究推進のさらなる推進のための取組として、先ほど野田先生のほうから、技術支援機関のこれまでの取組、それから、さらに深化したPOC取得のための新しい技術支援の提案があったと理解します。非常に重要な御指摘であったというふうに思うのですけど、その中で一つだけ、例えば、組織の単一細胞を使った多様性の解析は非常に重要なことだと思うのですが、この支援があると十分な施設がない機関の研究者は非常に助かると思うのですけど、一方でかなり費用もかさむ展開だろうと思います。詳細な単一細胞解析に入る前の、その解析を支援するための妥当性評価のための一次スクリーニングみたいなものというのは必要ないのか、そこはどういうふうにお考えか、もし現時点でのお考えがあれば、教えていただければと思います。
【野田委員】  二つ、お答えがあると思うのですけど、一つは、今、中釜先生が言われたようなプロセスを進んでいかなければ、そこには行かないと思います。そのためには、まずはターゲット・プロファイルが重要であると言うこと。もともと、特定のバイオロジーに基づいてプロファイルが出て来ているので、腫瘍内あるいは細胞間多様性こそが鍵だと思われる標的であり、こうしたシステムで見なければ、POCも、あるいは薬効も何も見られないという課題に対して行われることになります。腫瘍内多様性を見ることが、単に面白いからという依頼も多いのですが、そういう課題には使われるということはない。それは先生にもよく理解していただいていると思いますが、POに、研究代表者に対して、そこのところを分かりやすく説明して頂く形で、今までも様々な支援を進めてきています。まず、それが一つ目の答えです。
 二つ目は、先ほどのように「解析手法を多彩に」という点です。単一細胞解析に限らず、メソッドが多彩になるということは、今、中釜先生が言われていることで言えば、「より明確な方向づけができる」ということです。手法が多彩になると、バイオロジーを考えた場合には、どの解析もみな面白いので、それをどうやって選ぶのかという話になります。その時、さっきの若手プログラムの課題のように、POと支援班も含めてターゲット・プロファイルをもう一回共有し、改めて出口を見据えての議論の中で、「この課題こそ、この解析が必要である」、あるいは逆に「あなたの課題では、この解析はPOCにつながらないのではないか」というようなことを、中釜先生をはじめとしたPOの先生方から、研究代表者に投げかけて頂き、そこで選ばれたものだけが、支援の対象になるわけですが、そのプロセスそのものが、若手研究者にとっては、大切なステップになると考えています。
【中釜委員】  分かりました。確かに、御指摘のところは非常に重要なステップかと思います。ありがとうございました。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。確かに、そのとおりですね。
 ほかに御意見、必要な専門的支援と企業や他事業との連携ということについて、何かありますでしょうか。
 今、クライオ電顕の話が出ましたけれども、これは支援班から紹介していただけるのでしょうか。それとも、何か別のルートになるのでしたっけ?
【野田委員】  クライオ電顕などは、直接は、支援班のほうはコンタクトを取っていません。単一分子解析中心になるクライオ電顕の拠点というのは日本内にいくつもできましたが、どちらかというと、次世代がんでは共結晶が多いので少し違うと考えています。PFや播磨のほうの紹介はやりますし、それよりも何よりも、まずは共結晶作成までは支援します。それから、その得られたデータ処理のところも戻ってきたら支援しますけど、クライオ電顕そのものはやっておりません。
【宮園主査】  分かりました。これはAMEDのBINDSなどでやっておられると思いますので、それは今後御紹介いただければと思います。了解いたしました。
 ほかに何かありますでしょうか。
 古矢先生、どうぞ。
【古矢委員】  二つあります。一つは、野田先生が御説明なった点は非常に重要な点です。マッチングの機会というのはとても大事なのですが、逆に言いますと、技術支援班、サポート機関の予算が十分だろうかと。その辺りの透明性をどう確保していくのかというところが出てくるのではないかと、そのように思います。同時に、例えば応用研究との対比で技術支援班が相当なことまでやっていただけるのはありがたいのですが、果たして企業導出に当たってどこまで必要か。特に企業導出に関しては、ターゲットが旬かどうかという、時間軸がとても大事になるのですが、その時間軸を、手元に置いて研究をするほうがいいのか、早く企業にお渡ししてどんどん進めるほうがいいのかというのは、恐らく、ターゲット、プロジェクトごとに違うのだろうと思います。こういうのをコントロールするような仕組みというのもやはり要るのではないかと思います。
 以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。そうですね。ターゲットごとに企業導出のタイミングというのは違うということですね。
 野田先生、いかがでしょうか。
【野田委員】  古矢先生とは、いつもこういうボールのキャッチボールで、議論をさせて頂いていますが、ただ、実際に、多くの課題の支援をやっている立場からすると、いきなり導出が、というほどインパクトが明確で、かつ旬でおいしいものは少ないのが現状です。そして、企業側からは、まずは一定期間の共同研究を要求されることがほとんどなので、その共同研究をどれだけ互いに信頼性を持って、なおかつ共同研究の中で企業と行う部分と次世代のプロジェクトが行う部分を、透明性の高い形で、きちんと分けながら進められるようなシステム、すなわち、その支援が必要と思います。そこでPOは、古矢先生が言われたように、なるべく早くという課題は、なるべくそちらの方向へ進めるし、魅力的だがPOCがまだまだ、というようなもの、そして企業がそちらの部分はアカデミアで並行して進めてほしいというものに関しては、そのシステムで支援しながら、キャッチボールをもう少し長く続けてもらうことが重要と思います。そこでの判断は、POの先生たちの判断で進めるということなのではないかと思っています。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。堀田先生、どうぞ。
【堀田委員】  必要な専門的支援というところで野田先生の技術支援は非常に有効に機能していると思いますし、今やこれなしでは進めないという状況になっていると思います。大体半分くらいの課題を今までサポートしてきたとさっきおっしゃいました。そうすると残りの半分は、自前で解決できる、あるいはまだそこには至ってないということなのかもしれません。若手の意見の中に、応募したけれどもいろんな都合で採択されなかったということについて、全体としてキャパシティーの問題とか予算の問題があるから当然そういうことになるのでしょうが、サポートを受けた人は非常に進展してうまくいくが、そうでない人は、例えば、研究が滞ってしまうとか、なかなか次に応募ができないとか、何となく格差が出てくるのではないかということを少し心配しているのですが、その辺は今後どのように解決したらいいでしょうか。
【野田委員】  あの意見をまとめて発表してくださった北大間石先生に、あの意見を届けた若手研究者が、どこで支援班とのコンタクトがあったのか分からないですけど、希望を出したけれど、そのまま却下されるということは全くないです。希望を出した方はみんな、マッチングなり、何なりで、もう少し詳しい情報をというようなやり取りが、POや支援班と行われているので、そのため、「もう少しステージが進んだら」と言う結論が出ることはありますが、却下されたというイメージを持っている人はいないのではないかと思います。
【堀田委員】  そうですか。それなら非常にいいことだと思います。
【野田委員】  そういうふうに思います。そういう意味でのやり取り、すなわち、支援自体の手前の段階になりますけど、それはきちっとやっているつもりです。例えば「標的がこうした形でもう少し絞られてからですね」、と言うような意見をお伝えして、またお待ちすることになります。それも、その後、研究者側から、こちらに声をかけにくくなると困るので、必ず定期的にアンケートを全員に行い、その中で、ステージも進んだと思いますが何か支援が必要なものはありませんかという点も、常に、聞き続けています。前回の会議で、今、堀田先生が触れられた若手研究者のコメントが出ていたので、私も気になっているのですが、あのコメントにあるような対応はしてないと思います。一方、初めから、自分たちでやれるというふうに思って自前でやっておられたけれども、専門性が違っていてうまくいかなかったというような方はいらっしゃると思います。ただ、今年度になってからだったと思いますが、POの先生方が、「特に若手研究者にとっては、アンケートで、支援が必要だというのも言いにくいような場合があるのではないか」、あるいは、「この方たちは、実際には自分たちでやっているけど別の専門家の話も聞いたほうが良いと思われる研究者もいるのではないか」ということで、そうした研究代表者の方々に働きかけて、マッチング会議を設定して頂いているので、そこの門戸はもっと広がっており、先生の御心配のようなことはなるべくないようにはしているつもりです。
【堀田委員】  ありがとうございます。できれば、せっかくですから、支援をしなくてもいいといって自分でやっていたところが、実は支援は受けたいが、ボスの顔を立てねばならないからあまりできないという、そういうことがないようにしていただきたいところです。
【野田委員】  まさに、そう考えております。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。古矢先生、どうぞ。
【古矢委員】  今の点です。野田先生はあまりおっしゃらなかったのですが、マッチング会議ではコンサルティングというのが最初にあります。このコンサルティングはとても大事で、研究代表者の方が慣れておられないと言葉だけでこれをやってほしいとか言ってこられますが、内容をよく理解されると気づきにつながるということで、まずはコンサルティングを、お金はかかりませんので、やっていただければと思っております。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 中釜先生、どうぞ。
【中釜委員】  私も今の古矢先生と関連した話題になってくるのですが、先ほどの堀田先生が御指摘の前回の若手の御意見に関しては、私も、マッチング会議、全ては出てないのですが、参加した議論の中では、研究者の中で、支援をいただけると先に進むというふうに期待はするのでしょうけど、その辺り、実際はまだまだ十分なPOCは取れていなかったりするので、そのところを丁寧に議論しながら、次のステップとして、もう少しこの点がはっきりすると技術的な支援がさらに有効性を発揮する、というところは丁寧に議論をされていると思います。その辺りは、POとしても御指摘受けた議論を踏まえて研究者とのやり取りを密にするとお互いの理解も深まるのではないかというのは、先日の話を聞いていて、恐らくそういう事例も含まれるのではないかというふうな理解でした。追加です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか、もう少し時間があるようですが。どうぞ。
【中山委員】  中山です。中釜先生がおっしゃったように、特に若手は、何を支援してもらえるか、よく分からず、何かデータを出せばもっといいものにしてくれるとか思っている場合もあるのではないかと、野田先生たちからいろいろお話を伺って感じました。やはり、目的があるので、そこはきちんと若手に理解してもらって、かつ、うまくこのラインに乗れば創薬にきちんとつながるから、そのためにここまで進めましょうということを御指導いただけると、若手たちもより意欲を持って進められるのではないかと思います。恐らく、基礎研究ばかりやっていた人たちは何となく、ターゲットを見つけたぞと思うと、これは持っていけば進むのではないかと思いがちだと思うので、そこはぜひ、コンサルティングなり、マッチング会議でいろいろお話しいただけると、彼らも進める方向をより意識できるのかと思って、今伺っていました。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。支援班に対しても、皆さん期待が非常に大きいので、野田先生も大変だと思いますが、企業との連携も含めまして、大体こういったところでよろしいでしょうか。
【中山委員】  すみません、もう1点。
【宮園主査】  どうぞ。
【中山委員】  もしかしたら、それこそ私たちよりもっと地方の、東北大ですらそう思うのですけど、今、最新で何ができているかということがよく分からずに、例えばクライオ電顕をやれば構造がばんと決まるのだというような認識をもっている研究者もいるのではないかと思っています。そういう意味では、今、研究施設とか設備は何ができて、このフェーズではこれをやるべきというところも少しずつ、個別例ではなくて、もしかしたらレクチャーみたいなのもあってもいいのかと思います。それのための準備にどのぐらい労力がかかるかとか、研究者はどこまでやらなければいけないかみたいなこともレクチャーがあると、若手たちも、そこまでこれだけの時間をかけて頑張ろうということができるかもしれない。目の当たりにしていない、特に自分の施設にないような人たちは分からないと思うので、特に若い方たちをエンカレッジするためにも、そこはあるといいかと思いました。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 中釜先生。
【中釜委員】  企業との連携のところで御意見いただきたいと思うのですが、野田先生がいいのかどうか分からないですけど、早期導出のための仕組みに関してはPOとしては十分に把握していなければいけないのですが、以前に比べると、企業側の協力体制、手の差し伸べ方は割と距離が近づいてきているのではないかという感じもします。一方で、早期導出のためにアカデミア側の支援としては依然としてかなり高いハードルがあるのか、その辺りが少し変わってきているのでしょうか。企業としては、例えば研究者に指導するときに、もちろん技術支援と一緒に議論するのだろうと思いますが、野田先生の御経験として、早期導出のための仕組みとしてどの辺りを指導していくとPOとしてもいいのかというところで、もしお考えがあれば教えてください。あるいは、まだまだこういう技術的なところが足らないから必要であるとか、ハードルと感じているかなど教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
【野田委員】  今おっしゃったように、技術的側面から、これを足したら導出に近づくという形は、なかなか難しいところです。早期というのは、なるべく早くという意味の早期と、とても早いフェーズでの導出をという意味での早期と、二つの観点があって違いがあると思いますが、早いフェーズでとにかく企業に導出をと言うときには、それを決めるのは、次世代がん以前の問題というか、その標的なりバイオロジーの新しさだったり、旬だったりというところを企業がどう判断するかということなので、P-DIRECTのときには、そういう課題を対象に企業の方とのマッチングのセットアップを随分と頑張ってやりましたが、それで結果を出すのは、なかなか大変でした。おまけに技術支援班の技術そのものはあまりそこには関係ないので、むしろ、まずはPOの先生たちというか、マッチング会議のところでの判断が重要になると思います。マッチング会議で、「この課題は、今の段階から、導出あるいは今から共同研究を始めてくれる企業があったらいいのではないか」となり、POの先生方から、「そうした企業を探しなさい」と言っていただければ、こちらはその形でやっていきます。それが先に説明させて頂いたことです。そういうものに興味を持ちそうな企業に、早くからつなぐということはあり得るとは思います。そういう点で、国立がん研究センターをはじめ、いくつかの機関には、多くの企業が近づいて来ているのかもしれませんが、一般のアカデミアには、そんなに接触の機会が多くはないという感じはしていますので、まずは繋いで、その上で共同研究をやって標的やバイオロジーに対する信頼を醸成するというステップを持つのは、次世代がん事業には相応しいシステムではないかというふうに、私は思います。
【中釜委員】  分かりました。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。時間が過ぎてまいりましたので、これに関する議論はここで一旦終了とさせていただきます。
 次に、前回までの議論の内容を踏まえまして、事務局で報告書の骨子案を作成しましたので、これの説明をお願いいたします。
【清家係長】  事務局です。資料1-4を御覧ください。これまでの検討会における議論や事前のヒアリング等でいただいた意見、次世代がん事業の暫定的事後評価を踏まえ、本検討会報告書の骨子案を事務局にて作成いたしました。
 骨子案の構成でございますが、最初に、事実関係として、研究推進の経緯、現状、現事業の成果や課題を挙げております。次に、「今後のがん研究の在り方について」ということで、検討事項に沿って、「(1)推進すべき研究について」では、次期事業の目的・役割、推進すべき研究領域・研究フェーズ、次期事業の目標、「(2)研究推進のための取組について」では、次世代のPIとなる研究人材の発掘・支援、必要な専門的支援、企業や他事業との連携と、項目立てをしております。今後は、この骨子案に基づき、肉付けをしていく形で報告書を取りまとめていければと思います。必要な専門的支援、企業や他事業との連携等、本日御議論いただきました内容を追記いたしまして、次回第4回検討会で本骨子案について御意見をいただければと考えております。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 今御説明いただきましたが、この報告書の骨子案については、次回の検討会でも引き続き議論をしていただく予定でおります。ただ、今、ここで出てまいりましたが、現時点で何か御意見や御質問はございますでしょうか。今日、お聞きしておきたい、あるいは言っておきたいというようなことがありましたら、ぜひお願いいたします。
 どうぞ。
【野田委員】  野田です。「支援はもっと先進的なものにするように」、あるいは「もっと企業が必要とするようなデータを出すように」というご指示には対応しますが、先ほどの議論からも、私には、POの方たちが、世代がん事業をここまで引っ張ってきたという意識がすごく強いです。マッチング会議でも、例えば、古矢先生のように、常に出口を見なさいと。どんなに若手研究者がおぼろげなイメージのまま、マッチング会議に出てきても、いいから出口を見なさいと伝えるPOの先生方と、むしろ、おぼろげなバイオロジーの面白さを理解して、そっちのほうをもっと深くと言われるPOの先生方と、両方がおられますが、その双方のPOがいらっしゃる形でのこの構成というのは、ちょっとないぐらいうまくいっていると感じます。また、その結果、先ほどの堀田先生からの御心配もあるように、支援班が勝手に予算対象を決めて支援をするのではという心配が、全くないようになっているのも、結局、全ての判断は、そうしたPO先生方の判断に基づいて行われているところにあります。POは大変だと思いますが、そうすることにより、その対象のプロジェクトをどのように捉えて、どのように見ているから、この支援が必要であるということを、きちっと示して頂けており、POの重要性というのはとても大きいということを、この在り方検討会でも、打ち出していただきたいと考えています。もちろんPSも大事ですけれども、この領域を全部またいで見続けると言うことは、本当に不可能に近いと思うので、今の領域設定では、各POの方たちの役割がすごく重要だと思います。
【宮園主査】  ありがとうございます。まさに野田先生がおっしゃったとおりで、POが非常にバランスよく配置されて非常に建設的な意見をしていただいていると私も思いますし、次のフェーズでもPOの選考ですね。あと、評価委員会、今回、島先生に座長をやっていただきながら、多くの委員の方、委員をやると自分はこの事業の研究費に申請を出せなくなるという問題がありますので、皆さん、委員を受けるのに判断が必要になってくるような状況ですが、評価委員の方々もPOの方々もかなりのエフォートを割いてやっていただいていて、POの選定をどうするかということも少し書き加えていただきたいというのが、野田先生の御意見です。ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
【中山委員】  先日も次世代がんの領域Bの評価委員会でいろいろあったときに、私はつい、これはPOが見てくださるから支援しましょうと申し上げたことがありました。評価委員会で議論を聞いているPOが、評価委員がこういうことを問題点と思い、かつ審査会がこういうふうに支援をしたいと思ったということを分かってくださってずっと見てくださるという、この研究体制というのはほかの研究費とは全く違うので、そこら辺をぜひ書いていただけるといいかなと思います。POの先生方はすごく大変だと思いますが、とてもそこは感じています。逆に審査する側も、それである意味楽になる。この気持ちを分かってくださる方が支援してくださるという意味ですね。あげっぱなしではないというところは、すごくそこは重要だと思いました。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。予定といたしましては、今日、これを皆さんに見ていただきまして、ほかにも御意見がある場合には、4月9日までに事務局のほうにメールで御連絡いただければと思います。ですので、今日言い残したことがありましたら、ぜひ、4月9日までにもう一回この資料を御覧いただきまして、事務局のほうに御連絡をいただければと思います。あと数分残っていますので、もし何か言い残したようなことがあれば、おっしゃっていただければと思いますが。
【古矢委員】  古矢ですけど、よろしいでしょうか。
【宮園主査】  どうぞ。
【古矢委員】  企業導出の観点で一言だけ。長いこと企業で研究しておりました者の立場として、企業は、とにかくできるだけ早く見せてくださいと、そういう立場です。ところが、アカデミアの先生は、これは面白いからもう少しいいデータを取りたいという、このせめぎ合いではないかと思っております。
 以上でございます。
【宮園主査】  いかがでしょうか。
【堀田委員】  堀田です。一言だけ。今回、P-CREATEでは、応用型とユニット型といいますか、チーム型という形を取ってきましたけど、研究期間とこういう体制というのは今後どうするかという議論は、まだこれからあるのでしょうか。
【野田委員】  これからありますよね。
【宮園主査】  はい。
【野田委員】  あるいは、そこの在り方に関する検討会報告書の項目の中で、そうした部分に該当する、あるいは関係するところがあれば、そこではこういうことを書き込んでおいたほうがいいのではないかというふうに発言すれば、ディスカッションになるということですね。
【堀田委員】  そういう意味で、そういったところも少し触れたらいいと思いました。今後の問題です。
【宮園主査】  ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。そうしたら、繰り返しになりますが、ほかに御意見がある場合には、4月9日までに事務局のほうにメールで御連絡ください。今日いただきました御意見を事務局で整理いたしまして、骨子案のほうに反映させていただきます。
 それでは、時間が参りましたので、最後に事務局から連絡事項があれば、よろしくお願いいたします。
【清家係長】  事務局です。本日は、貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。次回の検討会については、既に御連絡しておりますとおり、4月23日、金曜日の16時から18時を予定しております。議題等、詳細につきましては、決まり次第、御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
【宮園主査】  次回は2時間ございますので今日ほど慌ただしくないと思いますが、繰り返しになりますが、先ほどの資料1-4につきまして何か御意見ありましたら、4月9日までに事務局にお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、これで終了とさせていただきたいと思います。本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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