令和8年2月25日(水曜日)10時00分~12時00分
文部科学省 東館17階 局会議室2・・・事務局
Web会議システム・・・委員等
(委員)笹川主査、岡村委員、西條委員、野口委員、野呂委員、平尾委員、喜多村委員
(説明者)長崎大学 森内高度感染症研究センター長、安田高度感染症研究センター副センター長、中嶋高度感染症研究センターバイオリスク管理部門長、渡邊高度感染症研究センターリエゾン推進室長、南保教授
淵上研究振興局長、佐藤研究振興戦略官、秋野先端医科学研究企画官
【秋野企画官】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第14回長崎大学高度安全実験施設に係る管理委員会を開会いたします。
研究振興戦略官付先端医科学研究企画官の秋野でございます。よろしくお願いします。
委員の皆様方におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
まずは、事務局から出席委員数の確認及び事務局と委員の異動・変更について御説明いたします。本日は、全委員7名のうち7名全員の委員に御出席いただいており、長崎大学高度安全実験施設に係る管理委員会設置要綱第3条の(5)に基づく会議開催に必要な定足数に達していることを御報告いたします。
続きまして、事務局側に3名人事異動がございましたので、併せて御紹介いたします。
研究振興局長として淵上が着任いたしました。
大臣官房審議官として坂下が着任いたしました。
研究振興戦略官として佐藤が着任しました。
それでは、開会に当たりまして、研究振興局長、淵上より一言御挨拶を申し上げます。
【淵上局長】 皆様、おはようございます。研究振興局長の淵上でございます。第14回、長崎大学高度安全実験施設に係る管理委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
文部科学省では、平成17年度より感染症に関する基礎研究を推進する事業に取り組んでいるところでございまして、令和4年度より開始をいたしました感染症有事に対応するためのワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業、これに加えまして、昨年、令和7年度の補正予算におきまして、感染症有事に備えた治療薬・診断薬の研究開発などに取り組む事業を計上いたしまして、感染症対策の強化に努めているというところでございます。
また、御案内のとおり、平成27年度には、国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議におきまして、BSL4施設を中核とした感染症研究拠点の形成を支援するということで、我が国における感染症研究機能の強化を図ることが決定されてございます。そして、昨年度には、厚生労働省より国立大学法人長崎大学が特定一種病原体等所持者として、また、長崎大学BSL4施設が特定一種病原体等所持施設として指定をされたところでございます。
文部科学省としましては、長崎大学BSL4施設の安定的な運営のため、研究施設の維持管理、研究体制の整備等に必要な支援を行うとともに、本管理委員会におきまして、長崎大学が実施をする安全性の確保、住民の理解などに向けた取組につきまして、第三者の立場から御確認をいただいております。
引き続き、長崎大学が実施をいたします安全性確保、住民理解などに向けた取組について、それぞれの専門的な御見知から忌憚のない御意見、御助言を賜れればと存じます。どうぞ活発な御議論をよろしくお願いいたします。
【秋野企画官】 淵上局長におかれましては、次の公務のために、これにて退席をさせていただきます。御了承いただきますようにお願い申し上げます。
続きまして、議事に移ります。議事につきましては、設置要綱第4条の規定により、本委員会は公共の安全性確保に支障を及ぼすおそれがある内容を含む検討を行うため、非公開とされています。プレスや一般傍聴の方はここで退室をお願いいたします。ただいま、傍聴者の確認をしておりますので、少々お待ちください。
それでは、再開させていただきます。これより非公開の議事に移りますが、投映資料や説明内容には機微な内容にわたるものがございます。委員及び関係者においても、録画、録音、写真撮影は厳禁とさせていただきます。御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。
次に、本委員会の委員に変更がありましたので、御説明いたします。
これまで地域との合意形成の専門家として神田玲子委員に委員をお務めいただきましたが、神田先生より本委員会の委員を辞退する旨の申出があり、新しく量子科学技術研究開発機構放射線医学研究所リスク評価グループ、グループリーダーの喜多村紘子先生に委員として御参画いただくことになりました。
喜多村委員より一言御挨拶をいただけましたら幸いでございます。
【喜多村委員】 皆さん、初めまして。QSTの喜多村と言います。どうぞよろしくお願いいたします。
私自身は医師で、産業保健を専門にしております。労働者と事業者の橋渡しをしていくような仕事です。放射線に関わるようになりまして、広島の放射線影響研究所、それから、放射線医学研究所で、放射線という目に見えないものですけれども、住民の方への理解促進、放影研の場合は、特に被爆者や被爆2世の方々、黒い雨の経験者の団体の方々などとのコミュニケーションを通して、どのように分かりやすく共通の言葉で伝えていくか、ということをやってまいりましたので、その経験が生かせればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
【秋野企画官】 ありがとうございます。
委員の変更については、以上となります。
さて、資料につきまして確認させていただきますと、資料1、安全確保の方策等に関する検討状況について、それから、資料2、地域における理解推進に向けた取組についてになります。
事前に委員の皆様にはメールで送付させていただいておりますが、本日は画面でも共有させていただきますので、適宜御参照ください。
それでは、笹川主査、議事の進行をお願いいたします。
それでは、次に入らせていただきます。2番目は、地域における理解の促進に向けた取組について。資料2でございます。これも長崎大学のほうから説明をお願いいたします。
【長崎大学】 長崎大学の渡邊のほうから御説明をさせていただきます。資料の地域における理解促進に向けた取組についてまとめて説明させていただければと思います。
まず、地域における理解促進に向けた取組ということで、1枚めくっていただけますでしょうか。BSL4施設の計画を進めるに当たって、地域の住民の皆様とのコミュニケーションは非常に大切でございます。そのコミュニケーションを取る主要な場として、地域連絡協議会という委員会組織を設けております。
まず、この協議会の立てつけから御説明をさせていただきます。地域住民の方々に特に安全・安心の確保等について情報をお示しし、それから質問とか意見をいただくという場として、平成28年に地域連絡協議会というものが設置されておりまして、今日に至るまで継続的に開催されております。
当初はBSL4施設の建設・整備が主な議論の対象でございましたけれども、BSL4施設が竣工いたしまして、その後、その施設の運用、慣熟的な運用段階に入ったことを受けまして、令和5年度から新たな協議会という形で一応リニューアルをし、現在は、施設の運用状況、それから安全対策、災害対策等について情報共有及び協議を行う場というふうに位置付けられております。
この協議会の構成員が2以降に書かれてございます。まず、重要なプレーヤーでいらっしゃいます地域住民の方々。具体的には、右下のほうに地図が書いてあるかと思いますけれども、BSL4施設は、下から2番目の水色のエリア、長崎大学坂本キャンパス1というふうに称しておりますけれども、ここの場所にありまして、ここに隣接している自治会の自治会長の方が主にこの構成員のメンバーとなっていらっしゃる。これが1ポツでございます。近隣の連合自治会長、自治会長。
それから、2ポツで、その他地域住民等ということでさらに2名ございますが、こちらもやはり地域の自治会の会長さん、もしくは副会長さんの方になっていただいています。
それに加えまして、3ポツで有識者の方、それから4ポツで行政の方が入っております。BSL4施設の計画は長崎県、長崎市と長崎大学が協力して進めておりますので、県、市の行政の担当の方というか、担当課長とか担当室長というような方に入っていただいています。それから、5ポツで、長崎大学の教員が入っていると、こういう構成になってございます。
委員構成員としては、長崎大学の教員も、それから地域住民の方も、等しく委員という立場で参加しておりますけれども、実際の議事はこの後ちゃん概要を説明しますが、大学側の委員がBSL4施設の現状を説明し、それに対して住民委員の方が、住民の自治会長の方がいろいろと質問をしたり意見を述べられるという形でずっと進んできております。
次のページをお願いします。協議会自体は平成28年度から設置されておりますので、非常に多くの回数、リニューアル前の協議会については、令和4年度までの44回を開催しております。ここの部分について、詳細は割愛させていただきます。
次のページお願いします。リニューアル後、令和5年度からは、これまで10回の開催を数えてございます。前回、令和7年1月28日の第6回までの議事について、ここの管理委員会で御説明させていただきましたが、今回は令和7年3月からの第7回から直近までの会合の議事の概要について、かいつまんで御説明をしたいと思います。
令和7年3月に第7回がございまして、大体大学からの報告は、教育訓練と、それから事故・災害等の対応訓練の話が多いんですけれども、例えば、教育訓練の上のカラム、ハザラウイルスとかクニンウイルスとかの3種類のウイルスを実験棟の中に搬入しまして、これを用いて教育訓練を行っていますというような御説明をしたところ、右側のカラムで、委員からは、これは住民委員の方ですけれども、今回の訓練は何人参加し、どの程度の時間を実施したのか、BSL4施設を稼働させるには習熟者が何人必要になるのか。
何人参加しということについては25名程度、それから、どの程度の時間ということについては、1回当たり4時間以内と定められていますので、その範囲内でというふうにお答えしています。また、習熟者が何人必要というのは、実験の内容とか規模によるので一概には答えにくいですけれども、できるだけ多くの方が参加できることが望ましいというお答えをしております。
それから、その下のカラム、実験棟における事故等の対応策の検討について、例えば、2つ目のポツ、災害事故発生時の対応策について、市と消防局との訓練を計画していますというお話をしたところ、右側のカラムの一番上のポツ、東日本大震災で避難訓練を多く実施している学校の生徒は助かり、そうでない学校の生徒の死亡事例が多かったという教訓があるので、毎年1回は必ず警察との訓練を実施していただきたいという御意見がありまして、これに対して毎年実施いたしますというふうにお答えをしております。
次のページお願いいたします。令和7年の7月に第8回を実施しております。一番上のカラムで、教育訓練で管理区域に立ち入る者を対象とした年次訓練を実施したということに対して、右側のカラムの一番上のポツ、海外のBSL4施設で経験のある研究者は、こういう毎年受ける訓練とかで例えば一部免除されるとか特別待遇がなされるのかという質問がございまして、それに対して、そういうことを関係なく、いかなる者も特別待遇はございませんと、みんな一律に受けていただきますというお答えをしております。
それから、その2つ下のカラム、実験棟の屋外スピーカーの使用訓練。BSL4実験棟の屋上にスピーカーがついておりまして、特に重大な非常時に際して地域の住民に直接伝えるためのアナウンスをできるようになっております。スピーカーも機械でありますので、年に1回ぐらいは作動させないといけないということで、使用訓練を実施しています。
それから、その使用訓練を行うときに何か流すんですけれども、実際にチャイムとかサイレンとかを流して、その後アナウンスを流すという構造になっていますが、前回これを流したときに、冒頭のチャイムがピンポンパンポンという普通の学校の放送で鳴るようなチャイムだったものですから、あんまり非常時という感じがしませんねという御意見をいただいていたこともありまして、幾つかチャイムとサイレンの音種を用意しまして、それをこの協議会の場で流して、どれがいいでしょうかというような議論もさせていただいております。
右側のカラムで、いろいろな御意見いただきました。いきなり放送が鳴って聞き逃すこともあるので、チャイムをまず2回鳴らして注意を引いた上でメッセージを1回言うというようなことを2回繰り返してはどうかという御意見をいただきまして、それについては、そのとおり実施させていただきますというふうにさせていただいております。
それから、令和7年の11月に第9回はその下で実施しております。教育訓練でスーツ着用下でウイルス取扱い訓練、それから小動物を用いた訓練を実施いたしました。これに対して、右側のカラムで、ウイルスを入れて保存する細いチューブをバーコードで管理するとのことであるが、具体的にはどのように管理するのかという御質問がありました。
細いチューブにバーコードを印刷したシールを貼りまして、スキャナーで読み取って管理をする。これによって保管、実験で使用する、それから廃棄という一連の流れにおいて、ずっとウイルスの状態を追跡できるようになっているということをお答えしております。
それから、その下のカラムで、屋外スピーカーの使用訓練を実施しましたということで、結果の報告をいたしております。これに対して右側のカラムで、家の中では聞こえなかった、家の中でも聞こえるような方策を考えていただきたい。これはなかなか難しいところがありまして、あまり、非常に大きな音を鳴らしてしまうと、路上で聞いている方がびっくりしてしまうというようなところもありつつ、ある程度家の中で聞こえないと非常時のときに要をなさないのではないかというような御意見も分かるので、そこの辺りのバランスを取っていかなければいけないんですが、次回の使用訓練では音量を上げる等のことを検討したいというふうにお答えしております。
次のページお願いいたします。これが直近に開催いたしました2月4日第10回の内容でございますが、今回は教育訓練で、BSL4実験室内で意識不明者が発生した場合を想定して、緊急搬出のための搬出訓練を実施いたしましたという説明をいたしました。大体実験は2人1組で行うんですけれども、その2人1組のうちの片方の人が急に倒れてしまって、もう片方の人がその人を実験室の外に運び出すというその流れを訓練したということであります。
まず、床に毛布を敷いて、その上に倒れた人を転がせるように載せて、実験室外に引きずって運んでいくということですけれども、右側のカラムで、意識不明者を搬送用の毛布に載せるまでが大変じゃないか、サポートの在り方等、練習を継続いただきたいということで、これについては、しっかり継続させていただきたいと思っていますとお答えをしております。
このような感じでずっと、地域連絡協議会を開催して住民の方々に状況を報告し、疑問点を解消するということを継続してきておりますし、今後も継続していく予定でございます。ここまでが地域連絡協議会の話でございます。
それから、次のページをお願いいたします。ここから先、広報とかアウトリーチ活動に属する話でございます。まず1で、刊行物として「感染症ニュース」と称する地域広報紙を発行いたしております。これまで申し上げてきた地域連絡協議会は、基本的に誰でも傍聴可能なんですけれども、ただ、地域住民の方が当日これを傍聴に来られるということはほとんどないので、地域住民の方に議事の内容、結果をこういうニュースレターという分かりやすい形で能動的にお知らせしようという目的というか、そういうのが主な趣旨でございます。
このニュースレターは全部で4ページなんですけれども、そのうちの2ページが協議会の議事の結果概要で占められております。これは7,000部作りまして、そのうちの4,000部は、隣接する自治体の各お宅に直接投函をするという形でお届けをしております。
それから、2番以降はいわゆる普通のアウトリーチ活動なんですけれども、うちの研究センターの研究者等によって一般市民向けに公開講座を開催している。今年は、既にエイズウイルスの講演を行い、それから、3月にはmRNAワクチンの話を行う予定でございます。
最後のページをお願いいたします。中高生、若い方へのアウトリーチ活動も非常に重要だと思っております。毎年夏には、同じく長崎大学の附置研である熱帯医学研究所というところと共同でサマースクールというものを開催いたしまして、これは誰でも参加できるんですけれども、一応、中高生優先。もし定員を超えたら中高生優先という扱いにしております。
講演を聞いていただいたり、それから、研究所、ポスターセッションみたいなところで個別に御説明をしたり、それから、写真の中で水色の割烹着のようなものを着ている写真があると思いますけれども、これは当日、順次先着10名ぐらいの方に、小中高生ですけれども、来ていただいて、実際にBSL3ぐらいのレベルで着る防護具を着ていただく。着るのも大変なんですけれども、手袋とかをつけていくと、いろいろと手先が器用でなく、手先が不自由になるので字を書くのも大変ですねみたいな、そういうところを体験していただくというイベントも実施しております。
同様に、令和7年9月には、これ毎年行っているものですけれども、長崎南高校というところに出前授業に行きまして、座学として講義を行うほか、そこの写真にありますような、ウイルス研究で使用するようないろいろな実験器具を生徒さんに使うということを体験いただいているということもしております。
それから、4番で地域イベントへの参加。これは長崎大学のイベントではなくて、地域の自治会のイベントなんですけれども、そういうところにも会場の応援のスタッフ、お手伝いのスタッフとして参加するということも継続的に行っております。
以上でございます。
【笹川主査】 渡邊先生、ありがとうございました。
今、住民理解の促進から始め幾つかの御説明をいただきました。地域住民への理解促進について、私自身も感染研のBSL4施設に関する地域連絡協議会に長年委員として関わってきました。自治会長をはじめ、地域行政機関、小学校、医療機関などの参加者の世代交代が進む中、BSL4施設の広報活動や施設見学会、交流活動などの取り組みにより、施設に対する理解が着実に深まってきたことを実感しています。
地域住民の方々のBSL4に対する理解について、長崎大学より感想あるいは課題等はございますか。何かこれに関しまして御質問がございましたら、よろしくお願いいたします。
【西條委員】 笹川先生も御指摘されておりますけれども、地域の住民の理解を超えて、自分は今、札幌市のほうで勤めていますが、気持ちとしては応援してもらいたいんだと。地域の方に応援、この作業、研究とか、これが感染症対策につながって、そして、このBSL4を含める国立感染症研究所がそこにあってうれしいと思われるような組織になりたいというふうに思っていたんです。今でもそれは期待しているんですけれども。
だから、今後は、実際にこれから稼働、実際の病原体を用いて作業とか研究が行われると思いますけれども、これまでは理解を得ることが目標であったりしたと思うんですが、今度は、この研究施設が長崎大学にあることによって長崎市が世界的に有名になるとか、または、施設の存在が地域の方々にとって本当にうれしい組織、ものであるというふうに思われるようなことが次のステップになるかなと思います。
それには特別なことをする必要はなくて、と思っていることを言うと、しっかりと情報を公開して、それから、市民の方々の考えとか、いろいろな意見があると思いますけれども、それをやっぱり聞いて、そして、それに応えていくことと、先ほどの講演会もそうなんですが、より、これは継続してしっかりと行っていく。
その対象の人方も、本当にすごくすばらしいなと思ったんですけれども、高校生、中高、若い人方に対するアプローチも重要かなと。若い人が理解すると、家でその話をすると、家族とかにもお話しすることにもなると思うので、決して参加した人の数だけではなくて、その裾野にもつながることなので、これからもしっかりと継続していっていただきたいと思っています。
私からのコメントは以上です。
【笹川主査】 ありがとうございました。
野口先生、いかがでしょうか。
【野口委員】 どうも御説明ありがとうございました。
先ほど西條先生のおっしゃったことは僕もとても大事なことだと思っていて、どの程度のリスクを許容してくれるかというのは、その施設の必要性を理解すればするほど、リスクに対する理解も深まっていきます。そういう意味で、みんなのための長崎大学というのをつくるのは大賛成です。
こういうふうに個別に対話をやっていただくことによって、大学の信頼性も増えるということは言うまでもく大事な事だと思っています。ただ、リスクコミュニケーションに携わってきた立場でいうと、専門家として問わなきゃいけないのは、今、このリスクに関して一般の方々に考えてもらうときに、提供しているリスク情報はこれで十分かという検討が意外と足りていないということです。
要するに、今のリスコミは、専門家が分かっているリスクもしくは捉えているリスクを提供することによって、「自分たちが心配している大事な事を情報として提供しているので、このことを議論すれば良い」という状況を作り出しているような気がします。本当に全体的にリスクを議論するときに必要なリスクがそろっているか、情報がそろっているかどうかという検証が特に今回の感染の問題として言っているわけではありません。一般的に日本のリスクコミュニケーションに関してですは甘いです。そのために、限られたリスク情報で仮に同意を得たとしても、本当の同意になっていないということもたくさんあります。
さらに、今、先進技術の問題に関して市民との対話は沢山行われているんですが、分かってきたことは、市民の方の御意見というのは、経験したことに対する御意見としては本当に参考になるけれども、経験していないことに対する御意見は、ある種、その方の知見であるとか感性であるとか、もしくは提供する情報によって限定されてしまっているということです。過去起きたことに対する市民の方の意見は本当に参考になるけれども、これから起こるかもしれないことに対する意見に関しては、必ずしも市民の方がいいよと言ったからいいとは限らないということを、専門家として重く受け止めておく必要はあると思っています。
そこがこういう先進技術、世界最先端の技術を持つ者の地域共生との難しさだと思いますが、その点も、いろいろなほかの分野ではそういう問題も明らかになってきていますので、ぜひ御活用いただければと思います。
私からは以上でございます。
【笹川主査】 ありがとうございました。長崎大学のほうはいかがでしょうか。渡邊先生のほうからコメントございますか。よろしいですか。
【長崎大学】 前半のコメントについて、現状を申し上げますけれども。安全・安心というのは地域連絡協議会でずっと議論されていることで、それについて地域住民の理解をいただくというのは、そこはミニマムラインだと思っておりまして、御指摘されたように、それを超えてさらに、応援される長崎大学、地域の誇りと思ってもらえるような長崎大学というのを目指していくというのは、我々は気持ち的にもすごくそう思っております。
そのようなお声は、地域連絡協議会というよりも、市民公開講座で毎回アンケートを取るんですけれども、アンケートの自由回答に、BSL4施設について今後望むこととかそういうことをいろいろ書いていただいておりますが、こういう施設が地域にあるとは知りませんでしたとか、こういう世界に誇れるような研究成果を出してほしいと、そういうお声は結構多々いただきます。
あと、若い人の声という意味でいいますと、先ほど、防護着を着ていただくとか実験器具を体験的に触っていただくというようなことを若い人にしていただいているんですけれども、その後のアンケートの結果とかを見ましても、親御さんと話をしましたというようなお声もいただいておりますので、そういうことが今後も継続していくことによって少しずつ地域の皆様に浸透していくことが大事なんじゃないかなというふうに考えておる次第でございます。
【笹川主査】 ありがとうございます。
BSL4施設に対する理解については、地域住民の立場から見ると、例えば高度病原体に対する安全対策は分かりにくく、私たちが考えている以上に不安を抱かれることもあります。こうした点を真摯に受け止め、丁寧な意見交換を継続していくことが重要だと考えます。
だいぶ時間も過ぎておりますが、喜多村先生のお手が上がっております。
【喜多村委員】 いえいえ。短くコメントになるのですけれども。西條先生、野口先生がおっしゃっていた内容で、放影研のことを思い出したのです。オープンハウスを開催し、初めは市民に開かれた研究所という思想だったところから、もっと知ってもらいたい、その次は放影研のファンをつくりたいと、そういう取組になっていたのでした。
丁寧に説明することで、理解してもらい、もっと知りたいと思っていただく。見えないから怖いと思っていたところから、見えないけれども、見えるようにするすべ、科学があるとか、自分たちを守るにはどうしたらよいかをここに行ったら知ることができるとか、そんなふうに皆さんの捉え方が変わってきたのだと感じたところがありました。丁寧な取組をずっと続けていくというのが、基本の基本なのでしょうけれども、本当に必要なことだと感じたところです。
1つ、放送もニュースレターも、多分日本語でされていると思うのですが、海外の方が長崎どのぐらいいらっしゃるか分からないですが、そのような日本語があまり通じない方に対する広報や異常の連絡について、その手段はどのように考えられているかを教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
【笹川主査】 ありがとうございます。渡邊先生、いかがでしょうか。
【長崎大学】 御質問ありがとうございます。
地域連絡協議会は全員日本人の方ですので、コミュニケーションは日本語でやっておるわけですけれども、おっしゃるように、海外への発信というのも重要であります。昨年度ぐらいから英語のコンテンツの充実に力を入れてきました。1つは、パンフレットを日本語と英語両方作る。外国人の方が視察とかに来られたときに、そういうのをお配りするという形で活用しておりますし、ホームページも載せているという状況です。
それから、ホームページの内容、コンテンツについても、かなりの部分、研究の内容、施設の内容、それから、あと、よく聞かれる質問をQ&Aという形で、今、50個ぐらい載っけているんですけれども、それも全て英語化して載せておりますので、海外の方にもっと見てもらいたいなと思っておるところでございます。
以上でございます。
【喜多村委員】 ありがとうございました。
【笹川主査】 ありがとうございました。
それでは、用意した議題は以上でよろしいでしょうか。事務局のほう、どうでしょうか。
【秋野企画官】 全て議題のほうは終了しております。
【笹川主査】 それでは、本日の議題は、よろしいでしょうか。また、フリーディスカッションもよろしいですか。委員の方々から何か補足はございませんか。
ないようでしたら事務局にお返ししますので、よろしくお願いいたします。連絡事項の共有をお願いいたします。
【秋野企画官】 笹川先生、ありがとうございました。事務局からでございます。
次回の開催につきましては、長崎大学における取組を踏まえ、主査と相談の上、適宜開催の予定でございます。年に1から2回程度の頻度での開催になると思われますが、確定次第御連絡いたしますので、委員の皆様におかれましては、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【笹川主査】 それでは、今回、第14回の高度安全実験施設に係る管理委員会を終了させていただきます。
文部科学省のご担当の皆様には、委員会を代表して、本日の会議に向けた資料のご準備をいただき、ありがとうございました。また、長崎大学の皆様にも多大なるご協力をいただき、本日の委員会が滞りなく終了いたしましたことに、厚く御礼申し上げます。さらに、委員の皆様から忌憚のないご意見を賜りましたことに、心より感謝申し上げます
それでは、これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
研究振興局 研究振興戦略官付