長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会(第9回) 議事録

1.日時

令和3年3月5日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 研究振興局会議室(17階)・・・事務局
Web会議システム・・・委員等

3.出席者

委員

(委員)笹川主査、筧委員、春日委員、加藤委員、河本委員、平尾委員、平川委員、堀委員(欠席:小松原委員)
(説明者)長崎大学 調学長特別補佐(感染症共同研究拠点・核兵器廃絶研究担当)、安田感染症共同研究拠点高度安全実験施設設置準備室長、信濃感染症共同研究拠点学長特別補佐、深尾感染症共同研究拠点地域連絡部門長、中嶋感染症共同研究拠点施設・安全管理部門長、岡野施設部長

文部科学省

杉野研究振興局長、塩崎大臣官房審議官、高木研究振興戦略官、岩崎先端医科学研究企画官、金光計画課長

4.議事録

【笹川主査】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第9回長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
まずは事務局から出席委員数の確認をお願いいたします。
【岩﨑企画官】 それでは、研究振興戦略官付の岩﨑でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、小松原委員を除く8名の委員に御出席いただいておりまして、設置要綱第3条(5)に基づく会議開催に必要な定足数に達していることを御報告いたします。
また、昨年7月に事務局側に3名異動がございましたので、御報告いたします。
まず、1人目ですが、研究振興局長として杉野が着任いたしました。続きまして、大臣官房審議官として塩崎が着任いたしました。また、研究振興戦略官として高木が着任いたしました。
それでは、開会に当たりまして、研究振興局長の杉野より一言御挨拶申し上げます。
【杉野局長】 杉野でございます。第9回の長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
委員の先生におかれましては大変御多忙の中、この委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。新型コロナウイルス感染症は発生から1年以上が経過した今も、世界中で猛威を振るっております。感染症は既に解決された過去の疾患という捉え方もあったわけでございますけれども、グローバル化に伴い、国境を越えて、感染症が拡大する、そういうリスクは以前よりも増大しております。今回の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を見るにつけ、あるいは、研究を進めておりますワクチンの開発のスピードということを考えるにつけ、まさに感染症対策は平時の備えこそ大切だということを実感しているところでございます。
現在、長崎大学におかれましては、BSL-4施設の建設が進んでおります。本年7月には竣工の予定と伺っております。長崎大学として、この施設の安全性確保に万全を期していただき、地域の理解を得るための努力を継続していただきながら、長崎大学が我が国における感染症研究の中核機関の一つとしての役割を果たしていただくことを大いに期待したいと思っているところでございます。
委員の先生方におかれましては、施設の設置に向けた取組が円滑に進みますよう、長崎大学の安全性確保と住民理解などの取組につきまして、専門的見地から忌憚のない御意見、御助言をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。
【岩﨑企画官】 続きまして、事務局より設置要綱の一部改正について御報告申し上げます。今回の監理委員会より、ウェブ会議システムにて開催させていただいておりますが、これに伴い、必要なことを定めるため、資料1のとおり、設置要綱を一部改正させていただいております。改正部分につきましては、アンダーラインを付して表記しております。
本設置要綱第4条の規定により、本委員会は、公共の安全性確保に支障を及ぼすおそれがある内容を含め検討を行うため、非公開とされております。プレスの方はここで退出をお願いいたします。
それでは笹川先生、議事の進行をお願いいたします。
【笹川主査】 承知いたしました。ありがとうございました。
本日の配付資料につきまして、まず事務局より確認をお願いいたします。
【岩﨑企画官】 議事次第の下段にございます配付資料一覧に基づき御説明いたします。事前に委員の皆様にはメールで送付させていただいておりますが、本日は画面で共有させていただきますので、適宜御参照ください。
資料1といたしまして、長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会設置要綱、資料2といたしまして、長崎大学感染症共同研究拠点実験棟の建設工事の状況について、資料3-1といたしまして、地域理解の促進に向けた取組について、資料3-2としまして、地域連絡協議会に提示された委員からの意見書について、以上でございます。
【笹川主査】 ありがとうございました。それでは、本日の議事に入らせていただきます。
まず、今日は議題1、感染症共同研究拠点実験棟(BSL-4施設)の建設工事の状況について資料2について、長崎大学より御説明をお願いいたします。
【長崎大学】 長崎大学感染症共同研究拠点実験棟(BSL-4)施設の建設工事の状況について御説明させていただきます。
まず、1ページを御覧ください。本施設の工事及び契約内容の概要になります。中身は御覧になっていただければと思います。
続いて、2ページを御覧ください。最新の工程表でございます。2021年3月の初旬に、赤の1点鎖線で縦線を引いております。これは現在の時点を示しているわけですが、本体の工事はおおむね完了しております。残っている外構工事を進めておりまして、試運転調整に入っていっているという状態でございます。
3ページを御覧ください。上段が2月末時点の全景の写真となっており、左側が南側の外観、右側が北側の外観となっております。下段の左側から、建物の内装工事が完了した様子、中央は空調、右側は建物周囲のフェンスの施工状況でございます。引き続き7月の末まで試運転調整を行ってまいります。建設工事の状況は以上でございます。
【笹川主査】 ありがとうございました。写真が大変きれいで、完成の最後の段階になってきているということが良く分かりました。今のご説明につきまして、何か御質問、御意見等ございましたら、お受けいたします。いかがでしょうか。どうぞ、手を挙げておられる方御発言ください。
【春日委員】 春日です。
【笹川主査】 春日先生、失礼しました。どうぞ。
【春日委員】 よろしいでしょうか。建物が実際に目に見える形になったということで、大変わくわくしております。2つお伺いしたいと思うんですが、工事の過程で、非常に効率的に御説明いただきましたけれども、何かトラブルといいますか、気になったようなことはございましたでしょうか。それからもう一つ、現時点でも、中も含めてこの外構工事の外側、また建物の出入口等に監視カメラはついていますでしょうか。
【笹川主査】 ありがとうございます。いかがでしょうか。2つの御質問でございます。
【長崎大学】 長崎大学の施設部でございます。1つ目の御質問の工事中に気になったこと等は特にございませんが、昨年の4月、5月の新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が出ていたときには少し、建設作業員の方々についても注意をしていたということがございました。2つ目でございますが、監視カメラにつきましては、周辺を監視できる場所に設置をしているところでございます。以上です。
【笹川主査】 ありがとうございました。
【春日委員】 ありがとうございました。本当にコロナの関係の中、御苦労があったと思います。ありがとうございます。
【笹川主査】 どうぞ。筧先生でしょうか。
【筧委員】 はい、筧です。この工事スケジュールを拝見すると、10月ですかね、10月の段階で屋上までの躯体が建ち上がっている。この施設の一番肝は中身だと思うんですけれども、この中の、特に一般の施設の設備とは違う設備を組み立てなくてはいけないという工事自体は、これはもう既に終わって、この3月の頭から試運転調整という期間に入っていますので、建物としては、もう出来上がっているという理解でよろしいんでしょうか。
【笹川主査】 いかがでしょうか。
【長崎大学】 長崎大学施設部です。おっしゃるとおりでございます。建物の中身がもうおおむね完了して、設置すべきいろいろな機械設備、給排水設備、電気設備等の設置は終わっております。もう試運転調整を始める前の準備段階に入っております。
【筧委員】 ありがとうございます。
【笹川主査】 他はいかがでしょうか。
【河本委員】 河本です。1件お伺いします。春日先生の御質問とも関連しますけれども、工事期間中のセキュリティの状況ですよね、工事関係者その他の立入りのセキュリティはどういう状況になっているでしょうか。
【長崎大学】 受注していただいております戸田建設と秘密保持契約を当初から結んでおります。工事を進める上でいろいろな知り得た情報については、戸田建設でも、社内全体を挙げてしっかり秘密保持に努めてもらうようにお願いをして進めているところでございます。
【河本委員】 建設現場そのものの立入りのセキュリティ、立入り規制はどうなっていますでしょうか。
【長崎大学】 この建設工事の周辺は、基礎工事が始まる前から3メートルの鉄板による仮囲いを行い、3か所の入構ゲートを設置しておりますが、ここには1人ずつガードマンを立てて、立哨警備をしながら工事を進めております。以上でございます。
【笹川主査】 ありがとうございます。私から一つだけ、写真のほうでは中のいわゆるBSL-4の、一番中心になるところというのは見えなかったですけど、そこの工事は既に全部設置は終わっていると理解してよろしいでしょうか。
【長崎大学】 中心になるBSL-4実験室の写真は今回載せておりませんが、今から内部の装備を入れる準備段階に入っております。以上でございます。
【笹川主査】 ありがとうございます。いかがでしょうか。もしなければ、次に進ませていただきます。
次は続きまして、議題2、安全確保の方策等に関する検討状況について、でございます。
・長崎大学より、運用に係る規則等の検討状況について説明。
・各委員からの質疑に対して長崎大学から回答。
【笹川主査】 ありがとうございました。大変様々な意見が出されたと思います。
それでは、次は、議題の今度は議題3に移らせていただきます。これもなかなか重要な課題でございまして、地域における理解促進に向けた取組について移らせていただきます。
長崎大学のほうからは、用意していただきました資料の3-1、3-2について説明を引き続きお願いをいたします。
【長崎大学】 長崎大学の調でございます。これまで、私どもが住民の方々に対して、いろいろ御説明をしたり、意見交換をしたりしながら進めてまいりました。これまでは、世界最高水準の安全性という言葉に象徴されるような考え方で、安全なものをつくるので、つくらせてくださいというようなことでやってきたわけですが、着工以来、随分、地域の雰囲気は変わってきたと考えており、励ましであるとか期待する雰囲気が生まれてきてございます。そういう中で、私どもは、地域の長崎の夢を乗せて、あるいは高校生に科学の未来を信じてもらえるような取組として説明をするというニュアンスも加えながら取り組んでいるところでございます。具体的には2人から説明をしていただきます。
【笹川主査】 それでは、よろしくお願いします。
【長崎大学】 総務担当の信濃といいます。資料3-1でまず御説明いたします。地域連絡協議会の概要が書いてありますが、4ページを御覧ください。これまでに34回開催してまいりました。特に前回の監理委員会、これは昨年の2月ですけれども、それからは5回開催をしております。そして再来週ですが、3月17日にももう一回開くということで、今年度については6回開催する予定になっております。右側に写真がございますけれども、コロナ禍での開催ということで、今年度につきましては、委員の方に従来の会場だけではなくてオンラインで参加をいただくという工夫をしております。それから委員と委員との間はなるべく距離を取るというようなことも行っております。さらに、従来ですと、傍聴の方は同じ部屋でお聞きいただいていたんですが、別室でオンラインで見ていただくというような工夫をしているところでございます。
それから5ページにまいりますと、この1年間の概要の整理があります。8月21日の30回、それから8月25日の31回、これはコロナ禍で久々に開いたわけですけれども、新型コロナ関連や、あるいはそれに対する長崎大学や拠点の対応についての御質問が多かったと思っております。例えば5ページの上の表、1段目、2段目にありますが、新型コロナへの対応の状況ですとか、当拠点の安田が開発した蛍光LAMP法の状況とか、こういったことをお尋ねいただいています。それから31回ですと、2段目にありますけれども、リレー講座についても御質問いただいたところであります。
次、6ページにまいりますと、32回以降ですけれども、ここからちょっとシフトチェンジをしております。32回から35回は、リスクアセスメントを踏まえた対応についての御説明をしています。これまで30回以上の会議の中でも、リスクアセスメントについては例えば169項目を網羅的に説明してきたわけですけれども、なかなか難解であると、理解が難しいという御指摘をいただきました。そういうことも踏まえまして、委員の方の関心事項を確認した上で、具体的な事象とか対策ごとにまとめて、理解しやすい形でもう一回、おさらいのような形で御説明するという取組を始めております。
例えば32回は、安全の一番要であります陽圧防護服、33回は実験者や実験内容の管理、34回は、廃棄物とか排水、廃棄の管理、実験動物の管理、こういったことを説明しております。さらに35回、これから開催する予定ですが、そこでは年度内にいろいろな御疑問があったことについて、しっかり総括をしていきたいと考えております。
このような取組を続ける中で、地域連絡協議会というのはかなり正常進化しているかと感じております。例えば、これまでですと、大学側がいろいろ説明をして、委員が質問するという形だったんですけれども、むしろ委員からいろいろな積極的な提案をいただけるようになっているということがございます。例えば、7ページの上の欄、12月18日の33回に、2つ目の行ですけれども、チェックリストを作成し見える化してほしいと。委員の方からこういう御意見があったんですが、これについて、むしろ委員の方からチェックリストの具体的な提案をいただいています。また、人物審査ですとか、教育訓練について、そのチェックすべき項目とか、チェックの仕方、こうしたらいいんじゃないかという具体的な提案をいただけているというところがかなり進化したところかと思っております。
我々も気がつかなかった点とか、住民の方はこういうことを気にしているんだというようなことが具体的な形で分かるということで、非常に参考になっていると思っています。
地域連絡協議会に関連しまして、資料が替わって申し訳ないんですが、資料3-2について御説明をしたいと思います。31回、8月25日の会合で、3名の委員の方から意見書が提出されております。その中に、この意見書を、ぜひ監理委員会に提出してほしいという記述がありましたので、準備をいたしました。資料3-2は、私どもで経緯を整理した資料でございまして、委員の方から実際に提出された意見書というのは、別添1、別添2になっております。別添1は、先ほど堀委員からも言及がございましたけれども、委員の方の御意見として、例えば事故発生時の住民向けマニュアルとか、事故発生時の責任の明確化、それから運用開始後の情報開示、意見交換、こういったことについて意見をいただいているということでございます。
これらの点は、これまでも何回か、協議会で指摘されてきた項目でありますけれども、今回いただいた意見書の中にも大事な点が含まれていると考えておりますので、今後しっかり対応していきたいと考えているところでございます。
また資料3-1に戻っていただきまして、今度は8ページから、地域理解活動について、御説明をしたいと思います。
【長崎大学】 地域理解活動については、地域連携部門の深尾から説明をさせていただきます。資料3-1の8ページでございます。これは皆様方も同様だと思いますけれども、この1年というのはコロナにかなり振り回されまして、私どもとしても、なかなかリアルな説明会を開けないという状況になっております。実際には、キャンパス周辺の自治会の皆さんに、説明会の御希望等を細かく尋ねているんですけれども、自治会そのものの活動がほぼできていないと。数人の単位でも集まるのが難しいというようなお話もあり、具体的な説明会というのはなかなか難しいという状況になっておりました。
そういう中で、建物のほうは、冒頭説明させていただきましたように、工事が進んで、もうほぼ外観は、完全に見えるような状況になっておりましたので、そういったことを少し意識しながら、昨年末に長崎の経済団体を対象に説明会を実施しております。8ページの上から2番目のところです。また、市議会、県議会での説明会を、年末から今年の年明けにかけて、実施をさせていただいております。それと、建物の建設に伴って、周辺住民に限らず、いろいろと視察、見学等も申込みを多く受けておりまして、例えばこの8ページの下から2番目のところに、福岡県議会からの視察・見学等を受けた事例を紹介させていただいております。
前もこの監理委員会でも少しお話をさせていただきましたけれども、我々としては、顔の見える関係をつくることで、ある意味、地域の皆様の理解を得たいと思っておりまして、そういう場がなくなってきてはいるんですけれども、地域イベントへの参加ということで商店街のイルミネーション点灯式などにも参加をさせていただいて、御協力をさせていただいて、実施をしております。
それと、9ページを御覧いただきたいんですが、説明会はできないものの、それでも何とか情報をお伝えしたい、あるいは感染症に関する理解を促進していきたいということで、市民向けの公開講座というのは2回ほど開催をさせていただきました。7月19日と12月19日で、これはもちろん一般の市民の方も当然、受講されるわけですけれども、リアルな会場での講座だけではなくて、ネットでのオンライン参加も認めると。オンラインのほうは、高校生とかにも積極的に参加を募っていくという形で実施をしております。
こういった取組は今後も継続をしていきたいと思っておりますし、周辺の住民の皆様向けの説明会も、何らかの形でこれから再開できるように持っていきたいと思っています。
刊行物として、事例を2つ載せておりますけれども、コンセプトパンフレットをつくりました。これは、冒頭、調がお話ししましたように、これまでのパンフレットは、安全をひたすらうたっているものが多かったんですけれども、BSL-4施設というものが将来的にどんな役割を果たしていくのか、果たしてほしいのかといったようなことをむしろ訴求するという形でつくったものです。
こういったものを作成して配布をするということと同時に、BSL-4 Report、これは本来は周辺の住民の方に、個別に説明会を開いて、施設の状況、大学の検討状況がどうなっているかを説明していく予定だったんですけれども、なかなかこのコロナの状況で難しいということがありまして、報告のためのパンフレット、A4で4ページのものですが、つくりまして、実際に周辺の自治会にお住まいの方にポスティングをして配布をするということで、理解の促進を図っております。
こちらのBSL-4 Reportは、既に3回発行しておりまして、ここに書いてある通り6,000から7,000部印刷して、ポスティングをしていっているという形になっております。なかなか地域理解の活動が難しい時期ですけれども、より多くの理解を確保していくということで、今取り組んでおりますので、また御意見等をいただければ幸いでございます。ありがとうございました。
【笹川主査】 どうもありがとうございました。大変詳しい説明をいただきまして。最初のほうが、地域住民の理解促進に向けた取組ということでございます。特に地域住民の方から今回、この意見書要望書をまとめて、本委員会、監理委員会にそれを見せていただきたいという御意向もございまして、大変今回、私どもとしましては、住民の声をこのような形で聞かせていただくということは大変よい機会であったと思っております。また、引き続き、この住民の理解に向けての活動をよろしくお願いしたいと思います。
また、かなり住民の理解も深まり、それに伴い質問の質が変わってきたというのはこの記録を拝見すると感じられます。一つは長崎大学のこれまでの御努力、それから、やはりコロナによる様々なこの社会的な要因で、皆様が感染症及びこれに関わる施設の役割と重要性の認識以前より深まったのではないかと想像されますけれども、実際に、近隣住民の方にとっては理解できないところがまだまだありそうだということも事実であると思っております。
今日は、残り時間があともう10分をちょっと切ってしまいましたけれども、私たちの持ち時間、全体を通してお一人、お二人、何かございましたら、お受けいたしますが、いかがでしょうか。どちらが先に行きましょう。
【西條部長】 ありがとうございます。最後のディスカッションのところで、COVID-19の流行がBSL-4に関する追い風になっていると。これは本当にそのとおりだと思います。ただ、その追い風を利用するという姿勢はあまり出さないほうがいいのかとは思っています。これと関連するポイントで、ワクチン接種が広く行われていくことになると、COVID-19はもしかしたら根絶されてしまう、それは期待されるんですけれども、そういった状況になったときに、世界中でCOVID-19が、SARS-CoV2が消えて、そういったときに、この病原体の管理というのは、将来的にはすごく大きな問題になると思います。つまり、またそれが社会に出てしまうと大変なことになるかもしれない。そういったことの観点からも、BSL-4施設の重要性というのはあると思います。ですから、COVID-19の流行と、将来の病原体の管理の在り方から、BSL-4の施設の重要性があるんだということを、説明していければいいのかと思いました。
【笹川主査】 西條先生、どうもありがとうございます。大変貴重な御意見、最初のところですね。COVID-19とBSL-4施設の今後の在り方はおっしゃるとおりだと思います。
あとそれでは、一つぐらいお受けします。どうぞ。
【筧委員】 施設の維持管理をしっかりとした業者に任せるのは当然ですが、この施設が動き始めて5年10年たつと、施設がどんどん古くなっていきますよね。もちろんBSL-4の直接的な実験施設だけでなくて、建物の空調設備、水回り、みんな古くなってくるわけです。そうなったときに、それを改修しようとか、修理しよういうと、ついつい、今の既存の建物、つまりこのBSL-4の建物の図面を開示することができないので、匿名で、随意契約で、同じ業者に継続的にということになりがちですよね。この手の施設でよくそういうことが起きるわけです。
そうなってくると、契約金額も落ちないなんていう問題もありますが、それ以上に、今のような慣れとか、それまでの、ズブズブの関係という言い方はよくないでしょうけれども、新しい刺激が外から入ってこないというようなことになりがちですね。ですから、その辺り、かなり先の話になりますが、施設の維持管理というのを、どうやって半分情報開示しながら適切な業者を選び続けるかということが、非常に難しい問題として今後、出てくると思います。ぜひともお考えいただければと思います。
【笹川主査】 ありがとうございます。大変貴重な御意見だと思います。長崎大学のほうは、何かコメントはございますか。よろしいでしょうか。それでは、御対応どうぞよろしくお願いいたします。
今日の、一応私どもの議題は、時間も迫ってまいりましたので、一応ここで終了させていただきます。その後、事務局から大切な御案内がございますので、今しばらくお待ちください。それでは、岩﨑企画官にお返ししますので、よろしくお願いいたします。
【岩﨑企画官】 ありがとうございます。本日は長時間にわたりまして、貴重な御意見を賜りましてどうもありがとうございました。
それでは、事務局から今後のこの委員会の在り方について御説明申し上げます。長崎大学から説明がありましたとおり、現在建設中のBSL-4は7月に竣工を予定しております。本日御議論いただきました運用規則につきましては、新しい体制の委員会において、確認作業を進めてまいりたいと考えております。したがいまして、本委員会は運用規則の第2章が確定される夏以降の竣工後のタイミングで開催するとともに、次回をもって閉会とさせていただきたいと思います。それまでの間につきましては、本年3月31日までとなっております委員の皆様の任期につきましては、延長させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【笹川主査】 どうもありがとうございました。そういうことで、あと1回で、この委員会も一応終了ということでございます。
本日は第9回の安全施設に係わる監理委員会を終了させていただきます。委員の先生方、大変貴重なお時間をいただきまして、また、大変様々な御意見をお寄せいただきまして、ありがとうございます。それから長崎大学の方も、毎回大変膨大な資料を準備いただきまして、本当に感謝いたします。また、次回の会議、よろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。これで終了いたします。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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