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長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会(第8回) 議事録

1.日時

令和2年2月21日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 研究振興局会議室(17階)

3.出席者

委員

(委員)笹川主査、筧委員、春日委員、加藤委員、河本委員、小松原委員、平尾委員、堀委員(欠席:平川委員)
(説明者)長崎大学 調学長特別補佐(感染症共同研究拠点・核兵器廃絶研究担当)、二村副学長(BSL-4施設設置計画担当)、安田感染症共同研究拠点高度安全実験施設設置準備室長、中嶋感染症共同研究拠点施設・安全管理部門長、長野施設部長

文部科学省

村田研究振興局長、吉田研究振興戦略官、岩崎先端医科学研究企画官、西井学術機関課長、藤井計画課長

4.議事録

【笹川主査】 それでは、定刻より少し早いのですが、開始をさせていただきたいと思います。よろしいですか。ただ今より第8回の長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会を開催させていただきます。
本日は大変お忙しいところ、委員の先生方、事務局、長崎大学、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。
まず、事務局から出席委員の数の確認をお願いいたします。
【岩﨑企画官】 研究振興局戦略官付先端医科学研究企画官の岩﨑でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、平川委員を除く8名の委員に御出席いただいておりまして、設置要綱、3の(5)に基づく会議開催に必要な定足数に達していることを御報告いたします。
また、開会に当たりまして、研究振興局長の村田より一言御挨拶申し上げます。
【村田局長】 研究振興局長の村田でございます。一言御挨拶申し上げます。
第8回の監理委員会開催ということでございますが、委員の皆様におかれましては大変御多忙の中、御参集いただきましてありがとうございます。新型コロナウイルスでございますけれども、昨年末に中国・武漢で発生したということで、アジア、欧米、世界中で感染者が多数確認されている状況でございます。御案内のとおり、我が国における感染者数も増加し続けているということで、もちろん、健康、公衆衛生上ということもございますけれども、実は研究振興局関係の行事も幾つか中止になってきてございます。そのような意味では社会的・経済的にも大きな影響を及ぼしているということだと思います。
そうした状況の中で文部科学省としては研究面でということでJ-GRIDの枠組みの9大学に少し今回の件を踏まえてということで御相談申し上げたところでございますけれども、今般、長崎大において森田先生を研究代表者とする、そして、本日御出席いただいております安田室長にも研究者として御参画いただく研究グループを設けていただきまして、これに対して科研費の特別研究の助成をさせていただくことが、昨日、決定したところでございます。そういったことで、研究面でもまた引き続きの御指導をこちらでも是非お願いしたいと思っております。
今、こういった状況に鑑みれば、グローバル化が進めば進むほど感染症は国境を越えて拡大するリスクが高い。これはまさに現実のものとなってしまったわけでございますけれども、我が国においても日頃から未知の感染症に関する備えとして病原性の高い病原体を扱うことのできる体制を整備することは極めて重要だということを再認識したところでございます。
長崎大学におきましては、BSL-4施設の設置に関して、施設の安全性確保に万全を期しつつ、地域の御理解を頂くための努力を続けていただいているところでございます。我が国における感染者研究の中心機関の1つとしての役割を果たせるよう、着実に取組を進めていただけるように私どもとしても大変期待をしているところでございます。
委員の皆様方におかれましては、施設の設置に向けました取組が円滑に進むよう、また、長崎大学の安全性確保と住民の皆様の御理解が更に進むよう、そのための取組についてそれぞれの専門的なお立場から引き続き忌憚のない御意見、御知見を賜りますようお願いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【岩﨑企画官】 それでは、笹川主査、議事の進行をお願いいたします。

【笹川主査】 それでは、本日の議事に入らせていただきます。最初は議題1で、感染症共同研究拠点実験棟(BSL-4施設)建設工事の進捗状況に関しまして、資料2を基に長崎大学より御説明をお願いいたします。
【長崎大学】 長崎大学施設部でございます。資料2に基づきまして、BSL-4施設の建設工事の状況について御報告いたします。資料は2枚物となっております。
前回、8月の本委員会では、本施設の建設工事について平成30年度に設計、入札手続きを経て、年末の12月に工事契約を締結し、翌1月末に着工し、本年度になりまして令和元年8月の時点で杭工事までほぼ終わるという報告をいたしましたが、今回、その後の工事工程について御報告いたしたいと思います。
1枚おめくりいただきまして、工事概要を1枚にまとめたもので、これは前回8月と同じものを付けさせていただいております。概要は御覧のとおりで、ここは省略させていただきたいと思います。
2枚目に簡単な工程表を示しております。平成30年度末より赤のラインのところですが、赤のラインが現在終わっている。青のラインが今後の予定と分けております。令和元年8月の杭工事を経て御覧のとおり基礎躯体のための掘削工事を8月から9月にかけて実施し、9月から10月にかけて基礎躯体を打設し、その上に免震装置を設置して、その後11月、12月、1月にかけて1階の床の躯体の施工を終わらせたところで、現時点で鉄骨工事を含めた1階の躯体を施工中でございます。
1枚めくっていただきまして、写真を簡単ではありますが付けております。上2つが前回もお示しした定点で写真を撮っているところで、右側が遠景で左側が近景の上部からの写真を付けております。現実には1月末ぐらいの写真でして、下の3つが直近の2月の状況であります。左から1階躯体のための鉄骨を組んでいる状況の写真。それから、鉄骨工事が終わって、真ん中がその周りに鉄筋を配筋している状況。それから、右側が、鉄筋工事を経て1階躯体、コンクリートを打設、構造躯体を成形するための型枠工事というものを進めておるところで、その後、3月、今年度を目途に1階の躯体を立ち上げていこうと思っているところです。現在、大きな遅れもなく、概ね工程どおり順調に進んでいるところです。今後もこの工程表に沿って完成に向けて着実に工事を進めていきたいと思っているところです。
簡単ではございますが、以上が報告です。
【笹川主査】 ありがとうございました。大分形が見えてきたようでございます。これに関しまして、先生方から何か御意見がございましたら、お受けいたします。よろしいでしょうか。もしないようでしたら、先に進ませていただきます。
続きまして、議題2、「安全確保の方策等に関する検討状況について」ということでございます。
・長崎大学より、運用に係る規則等の検討状況について説明。
・各委員からの質疑に対して長崎大学から回答。

【笹川主査】 ありがとうございます。
では、次、議題3、「地域における理解促進に向けた取組について」ということで、これは資料の3-1、2について説明をお願いいたします。
【長崎大学】 総務部門から御説明をさせていただきます。
まず、A4横の資料3-1を御覧いただきたいと思います。「3.地域理解の促進に向けた取組について」という資料です。1枚おめくりいただきまして、内容はまさにここに何度も御紹介させていただいております地域連絡協議会の状況がメーンの資料でございます。2ページ目はこれまでの構成に変わっておりませんで、3ページ目を御覧いただきたいと思います。開催実績の下のところです。前回の管理委員会開催後、9月27日、11月19日、それから、本年の2月7日、3回、地域連絡協議会というのを開催しております。主な議題は書いてあるとおりの内容でございまして、基本的には工事の状況ですとか、まさに本日御説明させていただきました運用規則の前段になるような話を地域連絡協議会で御説明をさせていただきました。
具体的にどんな意見が出たかということですが、4ページ目以降、御覧いただきたいと思います。各回の主な意見ということで整理をさせていただいております。例えば、9月に行われました第27回のときですが、3つ、主な意見をピックアップしております。
1つは、地域の説明会について、キャンパス周辺だけではなくて、長崎市全体、中心でも開催すべきである。市民の広報を強化すべきという御意見がありました。これについて、大学側からの回答としては、施設周辺と市全体の広報は分けて考えていますと。後ほど紹介しますが、公開講座といったものは広く市民向けに行われておりますし、周辺の住民の方には従来の説明会をやると同時に、「地域連絡協議会報告会」、これまで地域連絡協議会を行ってきた内容が、地元の、特に周辺の方々に十分伝わっていないという御指摘が協議会の中でありました。これを踏まえて、協議会が終わった後にどのような議論をしましたということをまた改めて別の機会になるべく分かりやすく、地域の方々に御参加いただくという会を始めますと。実際、2回開催しておりますが、そのようなことをやることにしましたという答えをしております。
それから、これも何度か御紹介したことがあると思いますが、アンケートを実施してほしいというのが強くありました。これにつきましては、従来、市の方に要望があったわけですが、市の方は「これはやりません」ということで、大学の方でやってくれないかといった御要望でありました。これについては、アンケートを実施することに自治会への影響が懸念されます。これは大学というよりも、自治会長さんからの御発言でありました。大学としては、まさにこういった十分に意見が吸い上げられていないという御指摘を踏まえて、地域連絡協議会等の状況を報告するという新しい取組として、その中でいろいろ御意見を言っていただきたいということで回答しております。
3点目、研究内容につきまして、です。軍事研究とかデュアルユースに関する規制を明確にしてほしいと。生物兵器等につながるのではないかという御懸念からの質問だと思います。これについては、大学としては、防衛装備庁の公募研究には応募しないよう要請する通達、これはBSL-4というだけでなくて、大学全体としての通達であります。これを毎年出しておりますといったことを回答しております。
続きまして、第28回の11月の会議です。1つ目の質問ですが、建設現場の進捗が分かるような時系列で写真を示してほしいということで、本日の説明資料の中でも1月、それから、2月の写真ということで御紹介させていただきましたが、地域連絡協議会が終わった後、1か月ぐらいのタームでその同じところから定点的に撮った写真で、このように変わっていますということを御紹介するという対応をさせていただいています。
それから、協議会報告会というのを行ったときに、案内チラシを周辺の全戸に配布することをお約束したのですが、それが来ていない家があったという指摘がありました。「一体どういうことでしょうか」という質問でした。これは確認しましたら、やはり時間的なこともあったのですが、一部配布されていないところも明らかになりました。したがって、大学としては改善いたしますということで、第2回目の説明会のときから、「ちゃんと届きましたでしょうか」と、主だったところに確認をする。それから、業者にもきちんと周知をするという対応をしております。
それから、「感染症とたたかう」というニューズレターを定期的に発行しております。最近ですとコロナの話もありますが、基本的にはインフルエンザとか、ノロウイルスといった話、時節の話題を中心に感染症の話題を御紹介するニューズレターです。これも関心が高いので引き続き配布してほしいという御要望がありました。これについては、「早急に配布いたします」という言葉で回答しております。
4点目が、BSL-4実験室に入る者の健康管理の重要性ということで、これはまさに安全管理の話をした際に委員の方から御指摘がありました。それについては定期的な健康診断とか、臨時の健康診断により、あるいは相互にチェックしあう体制を構築することを考えていますということを御回答しました。
それから、次の5ページ目であります。第29回、直近の地域連絡協議会で、1つ目の質問が、工事の進捗状況について周辺住民の周知をお願いしたいと。一応、看板等にはこのような工事をしますということは出ているのですが、もう少し詳しく、今、このような段階にありますとか、今後、このような工事をしますということを周知してほしいという御要望がありました。これについては検討させていただきますということです。
それから、各協議会で質問があれば出してくださいということを事前に大学側から申し上げもしているのですが、それに対して質問がきた中で、具体的に言いますと7つほどに分けて細かい質問がきていたのです。これについて大学側からまとめて回答するという対応をしていたのですが、これについては個別に対応してほしいと。ここに「誠意が感じられない」と書いてあるのですが、このような強い言葉での御指摘を頂きましたので、ここは大学としては真摯に反省をいたしまして、次回から地域、質問項目ごとに回答することにしますということを申し上げました。
3つ目、万が一の情報伝達方法として、防災ラジオというものを活用してほしいと。これについて、周辺住民に無償配布をお願いしたいという要望が一部の委員からありました。これについては、大学というよりも長崎市の防災部局が中心になる話であります。基本的にはなかなかそれにお応えできるのは難しいということでありますが、御趣旨を踏まえてどのようなことが現実的な対応としてあり得るのかということについて引き続き市と大学と関係部局と検討させていただきたいという回答をしております。
それから、地域連絡協議会の構成員が2ページ目についておりますけれども、ここに例えば、武蔵村山の例を参考として、周辺の学校の校長といった地元の関係者、もう少し幅広い方に入ってもらったらどうでしょうかという御指摘は前からありました。これについては、その時々に応じた構成にする必要はあるということで考えておりますけれども、来年度、協議会の構成を変えるということは考えていない。というのは、広報委員の公募が今、行われておりまして、その広報委員を改定するという中でこのような質問があったというところでございます。
全体を見ていただきまして、1つ明らかなのは、従来の地域連絡協議会におきましては、施設の設置にそもそも反対だとか、なぜ坂本に作るのだといった、そもそも論の質問が一定程度あったわけですが、これを御覧いただきますと分かりますように、施設が着工されて建設が着実に進んでいっている中で、施設があるという前提でどのような安全対策を取ってくるのですかと。あるいは、万が一の対応はどうするのでしょうかと。こういった質問が非常に多くなってきたということで、協議会の雰囲気と言いますか、質問内容と言いますか、状況もだんだん変わってきたということが明らかになっております。
6ページ目、それ以外の活動であります。住民説明会等の開催ということですが、1つは地域住民を対象とした説明会として、11月9日の協議会報告会、先ほど申しました協議会の内容を報告するという協議会報告会。それから、同じ協議会の報告会を12月11日にも行っております。また、2月に行いました協議会を3月24日にまた報告会を行うことを予定しております。その途中に経済団体への説明会も行いました。
それから、地域イベントへの参加ということで、これは恒例になっておりますが、12月も地元のクリスマス会に調先生がサンタクロースで参加していただいたということもございました。
それから、市民向け公開講座ということで、下2つです。1つは、11月の終わりに人材育成部門長であります南保教授が、これまで研究されてこられました内容を分かりやすく紹介するということで、「ウイルスの一生を視る」という市民公開講座を行いまして、非常に多くの方に御参加いただきましたし、女性の研究者ということもあったのですが、特に女子高校生が参加されて活発な質問をしていただいたのが非常に印象的でした。
それから、直近なのですが2月10日、まさに新型コロナウイルスの、時流の話題でもありますので、これについてどのようなことが分かっているのか、あるいはどうやって感染を防ぐのかということについて、熱研の森田所長、泉川センター長が講演するということで、これはまた非常に地元の関心の高い市民公開講座を開催させていただいたということでございます。
続きまして資料3-2を御覧いただきたいのですが、これは前回の地域連絡協議会におきまして、一度こちらでも御紹介させていただきました地元の説明会の議事録でどのような議論があったかを是非この管理委員会で御報告していただきたいという要請を受けた資料でございます。具体的には資料の3-2と公開資料の2を御覧いただきたいと思います。
資料3-2は、これもおよそ1年前です。着工してすぐだったのですが、上野町東部自治会、本原町自治会という自治会が主催で質問会を行うということで、議事録を彼らが1年ぐらいかけてようやく起こしてきたということです。見ていただきますと、例えば、3ページ目の真ん中下の「住民」というところですけれども、ここで発言の中の3行目辺り、「研究施設設置ありきで、意見交換はガス抜きではないのか?」、それから、ちょっと飛ばしましてその住民の発言の最後ですが、「国策としての設置であるなら、国や県や市とのすり合わせ、意見調整はどうしているのか?」といった質問がありました。
ちょっと飛ばせていただきまして7ページ目を御覧いただきたいと思います。例えば、住民の方からの御意見で、7ページ目の上の2行目です。「ストレスで人間は病気になったりもする。大学は考えたことがありますか?」と。要は、BSL-4施設が設置されることによって、それがあるというだけですごいストレスだと。これで自分が病気になるかもしれない。あるいは、心拍数が上がると。そういったことを大学は考えていますか。つまり、住民の気持ちに寄り添ったことを大学は考えていますかといった質問が出されたり、あるいは、同じページの大学、下から2つ目の住民の御意見です。「研究者の事故とか、持ち出し、テロ、盗難、実験動物や小さな虫の逃走などの可能性はある。」ということで、どんなに万全な安全対策を取っても、こういった些細なリスクと言いますか、細かいところからウイルスが外に出たりするのではないでしょうかといった御質問がありました。
それで、10ページ目を御覧いただきたいと思います。上から4行目です。これは住民の方の御意見の途中ですが、「住宅地に立地を決める場合、何処まで検討されたのか。急ぐ必要はないので、他の候補地を探すべき。」ということで、ここでも坂本ではなくてほかの場所に設置すべきではないかといった御意見があったりしました。
それから、これに関連して16ページ目を御覧いただきたいと思います。これも下から2番目の「住民」というところの発言ですが、「風評被害」という言葉がありますけれども、BSL-4施設ができることによって土地とか家とか値打ちが下がってしまうと。そういった場合、誰が責任を取るのですかといった質問もありました。
これも住民の方の御発言の中で、取り扱う技術は公表しないのでしょうと。情報公開と言いながら、現に今でも公開していないといった、情報公開を徹底してほしいということに基づく御質問が出たりということで、1年ほど前の話ですのでちょうど着工した直後で、そもそも坂本に何で作るのかといったところから、できることによって自分たちはすごくストレスを感じるといったこと。それから、最後は出来上がった後にそういった風評被害も発生するじゃないか、どう考えてくれるのだといった御意見もありました。
地元の調整につきまして、駆け足ではございますが、以上、御紹介させていただきました。
【笹川主査】 国としては国の安全は最優先事項でございますので、これはやはり曲げることはできないということはよく分かっているわけですね。これはもうどなたもよく分かっていることです。一方で、どこでも村山のケースもそうですが、付近の住民の方の安心も、科学的な根拠を示しても溝が埋まらないということも、村山の地域連絡協議会とも大分理解は進んできましたが、それでもやはりずっと残っているという状況でございます。私の個人的な感想として、このような方々とのやり取りはもちろん重要なのですけれども、もう少し若い方も含めて、中学生、高校生あたりも、今、新型コロナの問題で非常に社会的な関心も高まっていますので、私も春日先生と一緒に学術会議のときにも提言を引き続き出しましたが、この病原微生物に対するリテラシーが、日本は独特になかなか理解されにくいということでございます。提言を出しても実際読む方も非常に限られていることもよく承知で出したのですが、文科省もこれは今まで進めてこられたことでありますし、学術会議でも20年来にわたって提言を出してここまできたもので、もう少し病原微生物感染症全般に対する、これから次の世代の方にはもう少ししっかりとこの辺を教育できるような先生、大学教員、教育学部の先生等含めてやらないと、これがうまくいかないと日本国の経済活動、観光を含めて、もちろん、これに携わっている医療従事者も、文科、厚生の方々も非常に疲弊すると感じております。住民の方も非常にストレスがたまっておりますので、この辺は2つの感染研と長崎の事例を踏まえて、日本国としてはもう少しこの辺のところは課題にして、何と言うのでしょうかね……。私の神経医学研究センターなどでは、千葉県の進学校、トップクラスの高校生を呼んで、実習も含めて、PCRとか、DNAをアガロースで流したり、病原性のカビなどを見ると非常に熱心に何回も来てくださるような状況ですので、やはり若い方もこのような問題に少し関心を持っていただくと、新型コロナを一体誰がどうやって最終的にはきちんとした対策を立てるのかといったことも含めまして、もう少しやるのにちょうどいいきっかけになるのではないかなと思いますので、是非その辺も……。
調先生、何か御意見ございますか。先生のみが地域に住んでおられるので、私も個人的には存じておりますけれども、調家は代々非常に地域ではよく知られた医家のあれを持っておられるので、それは住民の方も随分信頼されているようなコメントがここにあります。先生だけではなくてほかの方も含めて、何かコメントがもしございましたら。
【長崎大学】 ありがとうございます。僕の家は建設予定地から70メートルと言っていたのですけれども、施設部に測ってもらったら100メートルでした。訂正を皆さんの前でしたのですけれども、それはそれで受け入れていただいて、サンタクロースもやっております。最近は名指しでくるようになりました。
先生のおっしゃることは我々も実感しておりまして、これまでは「安全なものを作るので作らせてください」というキャンペーンをずっとやってきた。建設が始まってから住民の態度も随分わりましたし、反対をしている近隣の住民の方々も、「どうせできるのだろうから、せっかくだから安全なものを作るために自分たちは意見を言いたい」というような言い方をされるようになりました。それを受けて、というわけでもないのですけれども、安全なものを作りますというのは、それはそれでやり続けるけれども、BSL-4があることによってこんなにいいことがあるのだとか、更にそこには夢があるのだとか、そのようなキャンペーンを今度からやりましょうということを、少し方針転換をしようということで、このムエンベ先生のエボラの話あたりからそのような議論を積み重ねてまいりまして、おかげさまで地域の高校生とかがいろいろ来るようになっております。南保先生は若い人向けのお話が大変お上手で、既にファンクラブみたいなものがありまして、「先生と一緒に研究したいから勉強します」と何人かが講演会の後に来たり、それから、緊急企画で新型コロナの感染症の話がありましたけれども、地元に感染症に強い大学があるということが地域に貢献すれば役に立つということの存在感をきちんと示そうということでやりました。この時期に人を集めてやっていいのかという議論がないわけじゃない中、一応250枚から300枚ぐらいのマスクを用意して全員に配付してやったということでございます。先生の御指摘については肝に命じながら、そのような思いも……。
それから、文部科学省が指定するスーパーサイエンスハイスクールのプログラムとも連携しながらやっておりまして、一時期はその中に一種感染症ウイルスとBSL-4を研究するチームとがあったみたいで、今後ともそこは考えながらやりたいと思います。ありがとうございます。
【笹川主査】 先生方、いかがですか。コメント、どうぞ。
【河本委員】 感想というか、思いつきで申しわけないのですけれども、海外の例を説明会でおっしゃっていますよね。海外でも大都市の街中にあるのですよというお話をされていて、ただ、それは恐らく聞いていない方ってなかなかそれが自分のこととして受け止められないというところがあって、もし仮にお金をかける話で何なんですけれども、実際に海外でもBSL-4の施設と、その周辺の住民の方で、運営されるまでに同じような問題があったかもしれないのですが、それをどうやって克服したか、あるいは、どのようなお付き合いの仕方をしてきたのかということを、実際に海外のBSL-4を運営しているところとその周辺の地域の方あるいはそこの行政の方をお呼びして、「うちではこんなふうにやったのですよね」「こんな感じで信頼していますよ」みたいな話をして差し上げると、なるほどというようにひょっとすると……。要するに、先生方の口から出るお話ではなくて、実際経験した人たちの口から聞く話というのは説得力があるのではないかなと前から思っているのですけれども、どんなものですか。実現可能かどうか分かりませんけれども。
【長崎大学】 ありがとうございます。これまでには地元の市議会議員さん4名と、住民の方の4名だったですかね、連れて行きました。市議会議員さんは政務調査費で行っていただくという前提で行きました。ドイツとストックホルムと、一番観光客のいない極寒のスウェーデンを行きました。それで、彼らは彼らなりに情報発信をしていただきましたし、行った住民の方もそれなりに発信をされた。ただ、ヨーロッパって、そもそも反対運動がないみたいです。それでBSL-4のあるところの行政府の危機管理担当官にわざわざ来てもらったのですけれども、何で呼ばれたのかよくわからないみたいな感じで、ほとんど、何か、民度の差みたいなことを言われちゃって、「説明もちゃんと聞いて考えれば別に危なくないと分かるはずなんだけれど、どうして反対するの?」みたいなことを言われました。それで、アメリカではかなり反対運動を苦労してやっていますので、本当に深刻な話やどうやって乗り超えてきたかということについてはアメリカなのだなと思っている次第で、それについてはまだ具体的な検討までいっていませんけれども、我々としましては次に待ち受けている、それなりのハードルというのは最大のハードルがウイルスの搬入と、そのウイルスを使った実験の開始。その前に施設の完成、引き渡し。大臣の施設認定。いろいろ考えられることはありますが、そのような機会に向けて何ができるかという検討をしていこうと考えてございますので、是非そのようなところにアイデアについても活かしていきたいと思います。ありがとうございます。
【笹川主査】 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
【加藤委員】 よろしいですか。聞き流していただければいいのですけれども、住民の人から見ると、やっぱりBSL-4施設はリスクがあるというのは確かなので、リスクがあるというのは地域住民にとっては迷惑施設なんですね。それで、街中に迷惑施設ってあるのか、ないのかと聞かれたら、清掃工場とか、いろいろなものがあって、反対運動に遭っていて、そのようなときはどうするかというと、迷惑施設だけれども、地域住民に利益を還元できるように一般的にはしているのです。温水プールを作って何々するとか。私が思うのはBSL-4施設があって、リアルタイムPCRもあるし、プライマーも作ろうと思えばすぐ作れるし、じゃあ、コロナウイルスを長崎大学周辺の人たちは別に保健所に持っていかなくてもすぐ検出してあげるよとか。それから、ウイルスを導入されたら、ウイルスがどこにあるか分からないとか、誰が感染したか分からないかもしれないけれども、ウイルスがもってきたときは必ずそのウイルスに対応したプライマーを用意して検出もできるようにしているとか、僕はそのような宣伝をされるといいかなと。その2つのことを言ったのですけれども、1つは万が一、感染症が出たら、別に保健所でしなくても長崎大学の周辺の人は診てあげられるとか。そのようなことが不公平と思われるかもしれないけれども、やっぱり地域住民にとっては迷惑施設があるのだったら、それにあり余るメリットが具体的にそこで学問が発展するとか、国際交流が発展するとか、そのような遠い話ではなくて、手にできるメリットも将来お考えになるといいという気がします。少なくとも都市計画の分野で迷惑施設というのは、多くの場合はそうやってコンプロマイズしていますよね。
【笹川主査】 ま、これは難しい問題で、医療の場合はいろいろと法律の問題がありますので、それは別のイシューだと思います。ありがとうございます。貴重な意見を頂きましたけれども、時間が大分迫っていますので、この機会に文科省から今回、特別研究促進費ということで、アジアで展開する感染症研究拠点を、長崎の安田先生の熱研を中心したところで、新型コロナウイルス感染症に関する緊急研究の助成事業というものが急遽充てられたということで、これは我々、アカデミアのコミュニティにしましても力付けられる、大変あり難いことだと思いまして、感謝をしております。
そのようなことで、先生、簡単に数分で結構ですので、概略だけを委員の先生方に御説明していただけると。
【長崎大学】 これは机上配付されていますか。
【笹川主査】 はい、されています。
【長崎大学】 お手元に資料があるかと思いますけれども、これは昨日、プレスリリースされております。文科省さんから長崎大学を中心に東大、阪大、東北大、神戸大、新潟大学の6大学、これは全て海外に感染症拠点を持っている大学です。アジアでも今、新型コロナが非常に拡大している状況ですので、そういった各国の状況、情報も取り寄せて、我が国の感染症対策に資するということを目的として研究開発を行うというものです。総額として5,000万いただいておりまして、今年度、来年度、緊急研究で診断薬の開発ですとか、今、拡大しているウイルス株の分析、それから、いろいろな自然宿主を見つける活動などを研究として行うということで立ち上がっております。
以上でございます。
【笹川主査】 改めて感謝をいたします。局長にはこのような特別なお計らいをしていただきまして、これで少しでも社会に実際に役立つものが大学から提供できるということは大変いいことだと思いますので、特に平常時とは違いますので、大変あり難く思って居ります。本当に感謝いたします。
大体予定の時間になりましたが、特にコメントございませんでしょうか。今日は大変有意義な意見交換あるいは先生方の御意見も出していただきまして、あり難く思っております。
一方で、地域住民の方に対する安心を少しでも理解していただいて、無駄なストレスというか、お互いにストレスでしょうけれども、住民に寄り添った形の対応は引き続き十分御尽力いただきたいと思っております。
それでは、これで事務局にお返ししてよろしいですか。よろしくお願いいたします。
【岩﨑企画官】 ありがとうございました。
次回の監理委員会の日程につきましては、長崎大学の取組を見ながら別途調整させていただきますので、よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。
【笹川主査】 どうもありがとうございました。

── 了 ──

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