資料8 競争的研究費改革に関する検討会 検討に当たっての主な観点

○ 大学等のデュアルサポートを支える基盤的経費(国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常費補助など)の減少、若手研究者の安定的なポストの不足やキャリアパスが不明瞭なことなどの人材問題、事務負担の増大等、近年の研究を取り巻く環境には様々な課題があるとの指摘がある。


○ その一方で、学術研究や戦略基礎研究の「イノベーションの種を蒔き、育てる」役割には社会から一層の期待が寄せられ、それらへの現代的要請(挑戦性、総合性、融合性、国際性)に応え、また学術研究によって生み出された「知」を社会的・経済的価値の創造に向けて発展させていくことは、我が国の持続的な発展のために必要不可欠である。


○ このような状況の中、イノベーションの源泉である新たな「知」がたゆみなく生まれるよう研究活動を活性化し、卓越した研究成果の持続的創出と次世代育成を図るため、研究費政策について検討することが必要である。


○ こうした点に関し、委員から事前に以下のようなご意見が寄せられているところ。

 ・ 研究振興への全体としての投資の充実とシステム改革
  -大学・研究機関における研究への投資が「未来への投資」であることを踏まえれば、国際比較の上でも、現在の政府投資の強化が必要ではないか。
  -研究投資を一層効果的なものとするために、必要なシステム改革はどのようなものか。
  -若手研究者に挑戦を促す環境をどのように整備するか。
  -研究力向上のためには、間接業務から生まれる価値をどのように向上させるべきか。

 ・ 研究活動の持続的な活性化に向けた競争的研究費の仕組み
  -競争的研究費を通じて、若手研究者にとって魅力的な研究環境整備をどのように進めるか。また、学術研究・戦略的基礎研究への現代的要請や社会的要請に応える研究をどのように支援するか。
  -間接経費の役割や効果的な活用について検討すべきではないか。
  -経費の効率的活用(施設設備の共用の促進等)について検討すべきではないか。
  -資金の効率的配分(過度の偏在・集中の排除)について検討すべきではないか。

 ・ 大学等へのデュアルサポートの充実
  -「基盤的経費」と「競争的経費」それぞれの役割はどのようにあるべきか。
  -運営費交付金をめぐる現状を踏まえ、大学の財源の多様化についてどう考えるか。
  -大学内の自律的な資金配分の在り方はどのようにあるべきか。

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科学技術・学術政策局研究環境課競争的研究費調整室

(科学技術・学術政策局研究環境課競争的研究費調整室)