平成30年5月16日(水曜日)14時00分~16時00分
文部科学省3階 3F2特別会議室
中野座長、梶田座長代理、駒宮委員、棚橋委員、陳委員、徳宿委員、中家委員、初田委員、早野委員、松本委員、山中委員、横山委員
渡辺振興企画課長、岸本基礎研究振興課長、轟素粒子・原子核研究推進室長、山本加速器科学専門官、三原科学官
高エネルギー加速器研究機構 藤井教授
【中野座長】 ただいまより、国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議素粒子原子核物理作業部会(第5回)を開催いたします。本日は、御多忙のところお集まりいただき、まことにありがとうございます。
冒頭のみカメラ撮影を行いますので、御承知おきください。撮影希望の方はお願いいたします。
では、本日の出席状況について、事務局から報告をお願いします。
【山本加速器科学専門官】 本日は、酒井先生が御欠席、他の委員には御出席をいただいておりますので、会議は有効に成立しております。
事務局から以上でございます。
【中野座長】 それでは、続いて配付資料の確認をお願いいたします。
【山本加速器科学専門官】 本日の資料につきまして御確認をお願いいたします。本日は、議事次第に記載しておりますけれども、資料1、素粒子原子核物理作業部会へのリニアコライダー国際推進委員会(LCB)からの回答、資料2、素粒子原子核物理作業部会報告(案)としております。このほか、参考資料として、机上にドッチファイルを置かせていただいておりますので、適宜ごらんをいただければと思います。
以上、不足等ございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。
以上でございます。
【中野座長】 ありがとうございました。カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
それでは、議題に入ります。本日の議題は、本作業部会における報告(案)でございます。本作業部会の設置後、本日で4回部会を開催し、議論をしてきたところであり、本日、取りまとめを行いたいと考えております。
本日は、報告(案)の取りまとめに入る前に、前回委員から御意見のありました、昨年11月にリニアコライダー国際推進委員会(LCB)から出された声明について確認をしたいと思います。
LCBから出された声明ですが、ILCと同様の最近のプロジェクトの例として、欧州X線自由電子レーザー(E-XFEL)及び反陽子・イオン研究施設(FAIR)が取り上げられた理由について再度確認するよう御意見があったところであり、LCBに問合せを行ったところ、回答がありましたので、本日、資料1として配付しております。
事務局より紹介をお願いします。
【轟素粒子・原子核研究推進室長】 資料1をごらんください。今、座長からお話がありましたとおり、前回の当作業部会での議論を踏まえまして、事務局から、中田達也LCB議長、スイス連邦工科大学ローザンヌ校教授に問合せをさせていただきました。その回答が資料1となっております。本文を読ませていただきます。
「2017年11月に開かれたオタワでのLCB会議で出されたILCに関する声明文において、リニアコライダーから派生したX線自由電子レーザー施設のXFELと、素粒子原子核物理施設のFAIRが、ILC推進議論を進めるために関連するとされた部分の2点は、両方のプロジェクトにおいてホスト国が、
1 負担する割合が高く、
2 まず施設を相当額の拠出をしてホストしたい意思があると宣言し、国際協力の立ち上げとプロジェクト推進のイニシアティブを取った、
である。現状においてILC建設を立ち上げるには、ホスト誘致国が国際協力の話合いを立ち上げるイニシアティブをとる必要があり、その際にホスト国として相応なレベルの貢献を考えているとの示唆があることが望ましい、との判断に基づくものである」。
ということでございました。後ほど、また、本文の中で御議論があると思いますが、まずは御紹介させていただきます。
【中野座長】 ありがとうございました。本内容については、報告(案)の中で参考の部分に引用しているところですので、その際、改めて御確認いただくことといたします。
それでは、本日の議題になります報告(案)の議論に入ります。報告(案)について、前回の部会での議論を踏まえて修正し、本日、資料2としてお配りしております。ここからは、有識者会議への報告として議論を行っていただき、本日、最終的に取りまとめたいと思いますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
まず私から、前回からの修正点など内容について説明いたします。長いですので、読み上げることはいたしません。
まず、修正点ですが、報告(案)の構成としては、本文と別添の1として、「LHCの13TeV運転の成果に応じた500GeVILCのビジョン」、別添2として「500GeVILC(当初計画)と250GeVILC(見直し後)の科学的意義の比較(案)」としております。
前回からの主な変更点としては、全体ですけれども、英語・数字の表記を半角に統一しております。それから、1ページ目ですが、計画の見直しの経緯や注釈を追記しております。最初に、そういうことを記述しております。
2ページから3ページ目をごらんください。前回はシナリオの3だけを記していたんですが、中家委員から御意見がありまして、1から3全て含めた方が分かりやすいということで、シナリオの1から3全てを表記しております。
4ページ目から5ページ目に掛けてです。ヒッグスの精密測定について、いろいろ分かりにくい部分がありましたので、それについて修正しております。また、暗黒物質探査に関しても、松本委員からいろいろと御意見を頂きまして、それを反映させた形にしております。LHC実験の結果を受けての記載についても、若干分かりやすくなっているんではないかと考えております。
それから、ページの5、シナリオの修正及び留意点、最後のところになるんですが、ここを整理しております。
別添1に関しては修正ございません。これは前回の報告書に付いていたもので、赤枠というのは、今回、LHCの結果を受けて、どのようになったかということを示しております。
別添2は大きく変更ありまして、まず、ぱっと見て、欄が減っていることが分かると思いますけれども、これも松本委員から御指摘ありましたように、ヒッグス三点結合に関しては、500GeVでも30%程度の精度でしか測れない。それ以上のずれが出た場合は、ヒッグスの精密測定、結合定数の方に表れるので、これの意義はもう下がっているということで欄から省きました。その結果、備考に移ったので面積が増えておりますが、最初にヒッグス粒子の精密測定による新たな物理の探索というところが可、可で、科学的意義が上がったというところで出ております。
それから、間接方法による暗黒物質や余剰次元等の探索というところについても、本文と合わせた形にして、内容を正しいものに修正しております。
以上が主な修正点です。その他、細かい修正もたくさんあるんですけれども、メーンとなるのは今のような修正ですので、ここから時間を十分取りまして、皆さん、御意見とか御質問というものを受けて、よりよいものにしていきたいと思います。
それでは、意見交換を始めたいと思いますので、御意見、御質問がある方は挙手をお願いいたします。少し読んでいただく時間も置いた方がいいと思いますので、少し時間を取って、まず目を通していただきたいと思います。
参考の部分ですが、別添2以降の部分ですけれども、これについては後ほど時間を取りますので、今回は別添2までのところで御質問、御意見をお願いいたします。
どなたか口火を切っていただけますでしょうか。
【駒宮委員】 前回のに比べて、座長はじめ皆さん、大変努力していただいて、かなりよくなったと思います。私は、もうこれで満足して帰ろうと思ったんですけど、まだちょっと帰れない部分もございますので。でも、前のときに比べて、語句の修正とか、いろんな部分がより明確になって、250GeVにした意図がかなりはっきりとしてきたと思います。
あとは、私、30分前に来て、これを読んだのであれなんですが、非常に小さいところ、まだ幾つか修正したいところがあるんですけれども、それはまた後でやります。
【中野座長】 ほかに大きなところで、何か御意見、御質問はないでしょうか。
【中家委員】 質問いいですか。
【中野座長】 どうぞ。
【中家委員】 今、3番のところを見ていて、ふと思ったんですが、「13TeVLHCで新粒子や新現象が観測されない場合」、「ヒッグス粒子やトップクォークの精密測定から」という文章が始まっているんですけど、トップクォークというのもここで書いていていいものなのでしょうか。
【中野座長】 どこですか。
【中家委員】 3ページ目の(3)というところなんですけど。
【中野座長】 これは前回の転記です。ここは前回報告を抜粋したものです。
【中家委員】 済みません。次を見ないといけない。分かりました。
【中野座長】 今回の方針については5ページ。
【中家委員】 5ページの方ですか。今、前から読んでいたので。
【駒宮委員】 これ、でも、中家さんが全部入れろっておっしゃったんです。
【中野座長】 それが反映されております。
【駒宮委員】 面倒くさいことを言うから、こんなになっちゃった。
【中野座長】 いや、分かりやすくなったと思います。
徳宿さん。
【徳宿委員】 私も、今、文章を見ていて、大分よくなったと思っています。そういう意味では、細かいところで、ぱっと読んで違和感がある所がないかを今見たので。細かいですけど、言い始めますと……。
【中野座長】 結構です。どうぞ。
【徳宿委員】 まず、4ページの丸の2番目のところです。「一方、500GeVILCから250GeVILC」というところですが、三点結合の話が書いてありますけれども、ジェネラルにはこのとおりだとは思うのですけれども、科学的に見て、「少なくとも衝突エネルギー500GeVが必要であり」と書いてありますが、これが科学的に正当性があるかどうか分かりませんので、「少なくとも500GeV」って、少なくとも480かもしれないし520かもしれないし、これ、ぴったりした数字があるものではないということと、500GeVとの比較は最初に書いてあることからも明らかなので、この「少なくとも」「必要であり」までは要らないのではないかと思います。つまり、三点結合の測定は250GeVILCでは実現が不可能であるということで十分なのではないかと思います。
それと関連して、これも同じところで8ポツで、250GeVのZの結合の精密測定により検証できると書いてありますが、これは間接的に影響が分かるということなので、「検証」というのはちょっと言い過ぎかなという気はします。三点結合がずれていればヒッグスの精密精査でも出てくる可能性はもちろんあるということだとは思うのですが、「検証」とは言えないと思うので、今、ここ、何という単語を使えばいいか分からないけれども、もうちょっと弱めじゃないかと思います。
【中野座長】 そちらに影響が出るはずだと。
【徳宿委員】 出る可能性があるぐらいだけれども、「可能性がある」だと弱過ぎるので、もうちょっと強い表現がいいかもしれません。
【中野座長】 そうですね。分かりました。工夫します、ここは。
【徳宿委員】 あと1つは、同じページの一番上のところですが、ここの最後のところがちょっとひっかかります。「ヒッグス粒子の精密測定の実現可能性が明確になった」とありますが、精密測定の実現可能性は最初から明確であって、これで変わることではないのだと思うのですね。僕、最初に直したのは、「ヒッグス粒子の精密測定の重要性が明確になった」なら分かります。多分、よく読んでみると、それが意図ではないのかもしれなくて。
【中野座長】 この意図は、有効場理論が利用できるということです。
【徳宿委員】 だから、言いたいのは、もしかすると、ヒッグス粒子の精密測定をやることによって、ヒッグス粒子の結合定数の精密測定が実現可能になったのだと思うのですが。
【中野座長】 ここの意図は、そもそも500GeVないと全幅が測れないので精密測定できないと言っていたんですけれど、有効場理論を使うことによって精密測定、250GeV、ヒッグスの断面積、最大のところで行うことができるようになったという、そういうことを言いたい。
【徳宿委員】 まあ、いいかな。「ヒッグス粒子の精密測定」というのは、言葉として漠然としているわけですよ。たくさんあれば精密測定はできるわけで、そこから物理の量を出すところの実現可能性が明らかにはなったんです。
【中野座長】 じゃ、結合定数を加えますか。
【徳宿委員】 結合定数があるとはっきりするとは思います。
【中野座長】 下の7ポツに書いてあるんですけどね。
【徳宿委員】 ああ、そうですか。7ポツはどこにくっついているのか。
【中野座長】 4ページの一番下のところです。7ポツがこの文に付いている注釈で、そこには一応詳しく書いてあるんですけど。
【徳宿委員】 分かりました。こちらは、それほど強い主張ではありません。
【中野座長】 ほかにございませんでしょうか。小さいことでも構わないです。
【駒宮委員】 非常に小さいことなんです。2ページ目の丸が付いているところの3行目にシナリオが3つあって、そのうちの「(1)(2)は困難となり」と書いてあるんですね。「困難」という言葉は評価に値するわけですね。そうではなくて、「(1)(2)は適用しなくなり」と変えた方がいいと思います。大変細かいところ。
それから、3ページの黒く塗り潰してある「250GeVILCの科学的意義について」とございます。それの最初の丸の一番最後のところで、「ILC計画の目標について焦点を絞ったものにすることができる、とされている」と書いてある。「とされている」というのが余り気に食わないんですけど。とされているけれども我々は考えが違うと、これから文章がつなぎそうなので、「することができる。」でお願いします。
【中野座長】 文学作品であったらそうかもしれないんだけど、ここはやはり、いわゆる、どういう状況があって、それについてどう議論したかという報告ですので、ここで「絞ったものにすることができる。」にしてしまうと、今度はここの作業部会が全員そう思っているという前提の下で議論していることになりますので、それ以降に書いてあることの客観性が失われるんじゃないかと考えます。
【駒宮委員】 客観性が失われる?
【中野座長】 ええ。ILC推進というものについてアグリーした人たちが議論して、最終的に報告をまとめているんではないかと取られかねない。
【駒宮委員】 でも、ここに書いてあるのは意義についてで、意義について「とされている」というのは、ちょっとおかしいんじゃない? だって、これはここで認めたことじゃないんですか。認めてないんですか。
【中野座長】 ここで認めてないです。「絞ったものにすることができると報告された」とか、そういうことでいいですか。
【駒宮委員】 その方がまだ少し。
それから、次のやつは、これは真面目な話なんですけど、5ページ目の四角で囲っているところなんですが、「効果」とございますね。効果のところで、「そのズレの大きさとパターンから、標準理論を超える物理の方向性と関連する新物理のエネルギースケールが明らかになる」と書いてあるんです。これ、ズレの大きさとパターンというのが、よく意味が分からないんじゃないかと思って。これはズレの大きさと、多分、素粒子ごとのパターンですよね。素粒子ごとの大きさとパターン。「素粒子ごとの」という言葉をどこかに入れないと、1つの粒子で測って、それの大きさとパターンだけで分かるように見えてしまうので。要するに、多くの素粒子に関して、これをスタディーして、その大きさがどれだけ標準理論とずれているか、そのパターンがどうかということからこれが分かるので、「素粒子ごとの」とか、そういう言葉をどこかに入れていただきたいと思います。
以上です。
【中野座長】 この点について、もうちょっと分かりやすくというか、多分、この部屋にいらっしゃる方々はこれで分かるんだと思いますけれども、一般の方に伝えるときにちょっと不親切かなと思うところがありますので、素核室の皆さんとも相談しながら書き換えたいと思います。
【駒宮委員】 ありがとうございます。
【中野座長】 書き換えたいというよりは、書き加えたいですよね。
【駒宮委員】 以上です。
【中野座長】 どうぞ、松本先生。
【松本委員】 最初に、これは多分、前回に少し議論していたと思うんですけれども、一番最初なんですけれども、LCCでまとめられたILC計画の見直し(案)がと書かれているところに、この見直し(案)が来たのは、LHCの結果を受けて見直し(案)が提出されたという話でしたよね。で、それを書くという話だった気もするんですけれども、違いましたっけ。
【駒宮委員】 書いてあるんじゃないですか。
【松本委員】 書いてあります?
【駒宮委員】 「2017年までの13TeVLHC実験の結果を踏まえた上で」って、真ん中辺に書いてある。これとは違うの?
【松本委員】 あっ、次に書いてある。了解です。
【駒宮委員】 1ページ目ですよね。
【松本委員】 はい。速読して見落としました。済みません。じゃ、気にしないでください。
もう一つは、4ページの2番なんですが、「(2)については」の文章です。最初はそのとおりです。「1.5TeV~2TeV以下に存在する可能性が極めて低いと考えられる」。次なんですけど、「したがって、ILCで発見される可能性があり」と続いて、「ILCで発見できる可能性は低く」と文章がつながっているので、いまいち何が言いたいのかよく分からない。済みません。なので、多分ここで言いたいのは、当初期待していたことは、LHCでもし何か強い相互作用をする新粒子が発見されたら、そいつの崩壊から崩壊粒子の秩序も大体分かって、それを直接ILCで作ろうという目的があったわけですけれども、それが見えなくなったということですね。
【中野座長】 そうですね。
【松本委員】 なので、ちょっと文章は変えた方が多分いいと思います。これ、多分矛盾しているので。
【中野座長】 ここのところは、もちろんモデルに依存するんですけれど、強い相互作用をするSUSYと強い相互作用しないSUSYの質量の比が1対7ぐらいであろうというのに基づいて……。
【松本委員】 強い相互作用をする新粒子から期待される、強い相互作用をしない新粒子の直接測定は難しくなったんじゃないかという。
【中野座長】 はい、そういうことです。
【松本委員】 多分、多少文章をいじらなきゃいけないのかなと思います。
【中野座長】 分かりました。後ほど、お知恵を拝借したいと思います。
【松本委員】 最後に1つは、次の文章で、「一般に電子・陽電子衝突実験はLHCに代表される陽子・陽子衝突実験では検出が困難なタイプの新粒子にも感度があるが」というところですけれども、そこで「250GeVILCで直接生成される可能性は低いため、主にヒッグス粒子の結合定数の精密測定や輻射補正」、そのとおりなんですけど、「低いため」って、「低いが」の方が多分ポジティブでいいんじゃないかなという気が。言っていることは同じかもしれませんけど。
【中野座長】 分かりました。
【松本委員】 以上です。ありがとうございます。
【中野座長】 ありがとうございます。
初田さん。
【初田委員】 僕もすごい細かいところ。徳宿さんが言われたのの、多分、7ページ目のところも同じ文章があるので、備考のところ、それも忘れないように変えておかないと、検証できるのところ、コメントです。
あとは、本当に細かい、細かいかどうか分からないですけれども、5ページ目の真ん中の枠の中の「方針」、「効果」のところの2行目から3行目に至るところで、これ、日本語なんですけど、「標準理論を超える物理の方向性と関連する新物理のエネルギースケール」というのが、僕、ちょっと意味が。関連する新物理って標準理論を超える物理じゃないのかとか、何か、文章がよく分からなくて、標準理論を超える物理の方向性とそのエネルギースケールと、同じものだったらそれでもいいし、そこら辺、文章をちょっと。
【中野座長】 そうですね。同じものですね。
【初田委員】 同じものですよね。
【中野座長】 物理としては同じものです。
【初田委員】 それから、4ページ目の上から2行目に、これは単に好みかもしれないんですけど、2行目で、ヒッグス粒子の精密測定の実現可能性が、有効場理論が利用できることが明らかになったことから、ヒッグス粒子の精密測定の実現可能性が明確になった。利用できることが明らかになったので、より明確になったんじゃないかと思ったので、本当に細かくて申し訳ないですが、「より明確」の方が僕は分かりやすいかなと思っただけです。
以上です。
【中野座長】 山中さん。
【山中委員】 日本語で申し訳ないんですけど、4ページの一番下の、先ほどの松本さんが指摘されたところ、「一般に電子・陽電子衝突実験は」、「250GeVILCで直接生成される可能性は低いため」の主語が分からないんですね。電子・陽電子実験が直接生成されないみたいに読めるので、そこは直していただいた方がいいかな。
【中野座長】 分かりました。新粒子ですね。
松本さん。
【松本委員】 表の方についてコメント。今回新しくしたのは、多分、別添2の表なんですけれども、まず最初に、1、2、3、4とあるのが、ILCにおける重要度順、ILCにおけるですよね。なので、2と3は入れ替わるんじゃないかなというのが1点。
あと、もう一つは、これは前回の議論にありましたけれども、「実験の可否」と「科学的意義の変化」のコラムを、どっちを先にするかという話があったんですけど、これはこっちの方がよろしいんでしょうか。
【中野座長】 まず、新粒子直接探索についてなんですけど、もちろん可能性が低いとか、可能性、更に低いって、ネガティブなこと、いろいろ書いてあるんですが、やはり発見されたときのインパクトが非常に大きなものがあって、ILCの意義、将来アップグレードとかそういうことも含めた意義と考えたときに、新粒子というのをなかなか下げられないんじゃないかなというので、上に置いたままになっております。
実験の可否と科学的意義の変化、これ、入れ替えた方がいいんじゃないかとか、いろいろ意見がございますが、まず、この表なんですけれども、科学的意義というのは、実はLHCの結果を受けた変化と、250GeVにしたことによる科学的意義と併せたものになっております。「科学的意義」を前に持ってきますと、確かにいろんなコミュニティで議論された議論の経緯とは一致するんですけれども、あくまでもここでは2つを併せた科学的意義としたいということで、この順番にさせていただいています。
前回、ヒッグスの自己結合が入っていたので、それが可から不可になっていて、科学的意義も下がっているので、何となく500GeVから250GeVにしたので、重要なものであるにも関わらず意義が下がったように読まれかねなかったんです。それが欄としてなくなりましたので。別の理由でなくなったんですけれども、なくなりましたので、全体としては余り誤解がないようになっているのではないかと思って、このままでもいいんじゃないかということで、こんなふうにさせていただいております。
【駒宮委員】 そこなんですけども、やはりこれは意義の変化が、意義の変化というのは、要するにLHCの結果ですよね。結果が主で……。
【中野座長】 そうじゃないということを今申し上げたんです。
【駒宮委員】 いやいや、そうじゃないと言われても困っちゃうんだ。だから、意義の変化がエネルギーを下げるというモチベーションになったわけですよね。
【中野座長】 それはコミュニティではそうだったかもしれません。ここで議論したのは、あくまでも250GeVILCの科学的意義なので。
【駒宮委員】 そうしたら、これ、実験ができなくなったから意義が下がったということなの?
【中野座長】 併せわざです。だから、科学的意義がLHCの結果を見て下がったものもあるし、それから、当然のことながら、ここにはないですけれども、本当は科学的意義が高いんだけれども、不可になったので科学的意義が下がったというものもあり得ます。ただし、ここでは幸いにして、科学的意義が下がったものと、250GeVILCでできないというものが一致しておりますので、どちらから見ても科学的意義が下がったということになっております。
【初田委員】 同じ意味で、一般の人が見たときに多分、別添2の実験の可否の意味が分からない。実験の可否って、初めてこれをぱっと見たら、ILC実験の……、この可否の定義が分からない。この可否の定義って何でしたっけ、もう一回、言葉で言うと。
【中野座長】 実験でフィージブルかフィージブルじゃないかということです。
【初田委員】 普通、可否とか言うと、実験やるとかやらないとか、そういうふうに僕は、ぱっと、実験家じゃないからかもしれないんですけど、捉えてしまうので。
【中野座長】 「可」というのを「可能」にしておきますか。
【初田委員】 「可」とか「不可」とか、そういうふうに丸バツのように見えるので。
【中野座長】 可能性が低いとか、可能性、更に低いとかとなっているので、別にこれは「可能」としても構わないですよね、「可」というのは。「実験可能」って。だから、ただ、「可」と書いても「可能」と書いてもいいので。
【初田委員】 可否というと、何かの判断があって、やるべきだ、やるべきでないみたいな、そう聞こえちゃう。
【中野座長】 分かります。だから、本当はできるんだけれども、何らかの理由でやらないと決めたとか、やらないことにしたとか、そういうふうにも取られかねないということですね。
【初田委員】 言葉をうまく、どう書けばいいのか分かりませんけれども。前の別添1はそういう書き方は全くなかったですよね。
【中野座長】 はい。
【山中委員】 それは多分、実験そのものと思われかねない。本来言いたいのは、一番左のカラムの探索とか検証ということができるかどうかということですよね。そこをはっきりさせてほしいという話なんですよね。
【初田委員】 そうです。
【中野座長】 どうぞ。
【陳委員】 この表の一番最初なんですけれども、備考の上から3番目、「結合定数の精密測定に必要なヒッグス粒子の全崩壊幅は、新粒子が直接生成されないエネルギー領域では、有効場理論を用いて決定できることが判明した」と、かなり断定的に書いてあるんですが、4ページの7番だともう少し控えめに書いてあって、「全崩壊幅の決定に有効場理論に基づく近似計算が十分な精度で適用できることが判明した」と書いてあり、この表にある書き方は、本当に判明してしまっているんですか。ここまで書いていいのかどうか。
【中野座長】 これ、理論の方に御意見を聞くのがいいと思うんですけど、かなり一般的な理論で、普通、このモデルを仮定したらとか、そういうレベルじゃなくて、そのエネルギー領域に新粒子さえいなければ十分信じられるというか、そうですよね。
【藤井教授】 何かを手でゼロにするというようなことなく、ローレンツ不変性とゲージシンメトリ(ゲージ対称性)を満たす考えられるディメンション6(次元6)までのオペレーター(演算子)を全部、レレバントなもの全てを決められると、そのすべての係数を決められると。
【中野座長】 だから、理論対応と書くところを注意深く書かないといけないんですけれども、ここのところは、理論というか、手法が開発されたに近いと思われますので、これぐらいの強い文章でも構わないんではないかとは考えます。
松本先生。
【松本委員】 やっぱり意義の変化、本当に済みません。LHCの結果を受けて、意義は変化するものだとは思うんです。それはなぜかというと、実験事実で、その事実を受けて見通しが変わったりするので。250と500GeVというのは、まだ行われてない実験なので、まだ行われてない実験を比べて意義が変わるというのはどういうことを言っているんでしょうか。
【中野座長】 500GeVから250GeVに変わって意義が変わるというよりは、我々の知見に基づいた科学的意義のリストがあって、それに対して、例えば、SuperKEKBをやるなり何なり、計画があって、その科学的意義はどうかと問うわけですよね。
【松本委員】 科学的意義が最初に並んでいて、実験があって、それがやる価値……。
【中野座長】 いや、そうじゃなくて、科学的意義が幾ら高くても、例えば、SuperKEKBでSUSYを探すって、直接探すといったら、それはないです。
【松本委員】 そうですね。それは実験が不可であるから。
【中野座長】 不可であるから。それは科学的意義、低いわけですね、そこでは。
【松本委員】 そうですね。それで、科学的意義が低い。
【中野座長】 はい。だから、どちらも併せてと考えていただいた方がいいと思います。
【松本委員】 多分、何となく2つの意義があって、それがコンバインしていて、その2つの意義がかなり違う意義なんですよね。コンバインしたので、すごく複雑に見えているので。だから、ここは思い切って、LHCの結果を受けた科学的意義を。
【中野座長】 それだと、やはり我々が報告しなさいと言っていることからはかなり離れてしまうので、ここではやっぱり250GeVILCをやることの科学的意義というものを審議して、それを報告しなさいというのが我々に対するミッションなので。
【松本委員】 言っていることは分かるんですけど、それというのは、多分、1個1個の解明される物理に対して意義が付随しているんじゃなくて、全体を全部足し算して、結果、ILC250GeVの意義があるかないかという話になるんですよね。
【中野座長】 それだと、やはり分かりにくいと思うんですよね。例えば、新粒子直接探索、科学的意義低いかといったら、僕、高いと思うんです。
【松本委員】 僕もそう思います。
【中野座長】 だからといって、ここ、高いとして、250GeVだったら……。
【松本委員】 高いとして250GeVは実験可能性が低い。高いんだけど、そこはできないということ。
【中野座長】 いや、それだと非常に分かりにくい表になってしまうということです。
【棚橋委員】 その横に「実験の可否」という項目があって、今の説明だと、科学的意義の変化というのは実験の可否の情報を含んでいるという理解でいいんですか。
【中野座長】 はい。
【棚橋委員】 こういう表だと、直応したものを書くのが普通のような気がして、横に「実験の可否」というのが書いてあるので、そこの科学的意義の方は、実験の可否とは独立な情報を書いても、十分表としては見やすくなる気はするんですが。
【中野座長】 ある意味、この表、最終的に報告(案)というのが正式なものなんですけれども、報告(案)の内容をまとめたものになっているので、科学的意義に対して、我々、報告しなさいというミッションに対して、最後の欄だけで250GeVILCの科学的意義を報告するという形を取りたいわけです。
【轟素粒子・原子核研究推進室長】 国民の目線で見ていただきたいんですが、今回検証しているのは、科学的意義とコストだと思っていただきたいと思います。前回の御提案は、当初計画の500GeV、前回報告書取りまとめ時点での提案と、今回、250GeV見直し後の提案、この2点を比べる必要があります。それに対して、科学的意義は当然下がっているというのは変な話で、上がっていれば上がってもいいんですけれど、なぜかと言えば、2つの提案、前の提案と今回の提案でコストが下がっています。当然、科学的意義も、上がっている部分、下がっている部分ありますけれども、変化はあるんですと。両者を比べて、では、コストが下がった部分に見合った科学的意義の変化になっているのかどうかということが国民目線だと思うんですね。その意味で、この表が、さっき座長がおっしゃったとおり、LHCの結果と、500から250に変えたこと、この2つを含めて科学的意義を見るというところが国民目線から見れば分かりやすいということなんだと思います。
【駒宮委員】 その国民目線というの、私も全く分からないんですけれども、要するに、それだと両方下がっているからコンベンセートされたとか、そういうことがおっしゃりたいわけですか。ここで言っているのは、そういうことじゃないでしょ。あくまでも、サイエンスの意義がどうなったかということを言っているわけですよね。
【轟素粒子・原子核研究推進室長】 そのサイエンスの意義というのを2点で比べるというのは、前回の御提案と今回提案されているもの、その2つを比べる必要があるということなんだと思います。
【中野座長】 科学的意義が、全部ひっくるめて下がったとはどこにも書いておりませんので、各項目についてどうなったか。それに対して、どういうストラテジーで250GeVILCか、方針としてどう行われるべきで、その効果はどうかということでまとめておりますので、それが伝わるように表がなっていればいいと思います。
【藤井教授】 ある科学的な目的というか、測定なり課題の意義がどう変化したかということと、ILCの科学的意義がどう変化したことというのは別なので、それを一緒くたにしちゃうと、どっちのことを言っているのかって、やっぱり分かりにくい気がするんです。
【中野座長】 あくまでも両方を考慮した科学的意義と、ILC計画の、250GeV ILC計画の科学的意義というふうに考えています。
【藤井教授】 それ、分けるというわけにいかないんですか。
【中野座長】 いかないです。
【駒宮委員】 それがどうして国民に分かりやすいわけですか。それがよく分からない。
【轟素粒子・原子核研究推進室長】 よろしいでしょうか。前回の御提案と今の御提案について、変化量は2つだと思います。1つはLHC実験の結果が出たこと、それからもう一つは、500GeVというのを250GeVに変えたこと、この2つをひっくるめて提案が変わっているので、その2つを合わせた上で、提案の科学的意義がどう変わったのかというのを見るということが、もう一つ、コストが変わりますけど、コストと見合って、どう変わったのかということを分かりやすく説明することになるのではないかと、そういう意味でございます。
【駒宮委員】 でも、それはあくまでもそこで言っている実験が可能かどうかということで、それは科学的意義ではない。これに既に含まれていると思います。実験の可否という言葉はよくないかもしれませんが、実験の可能性ということに、それはもう含まれていると。むしろ、この右側のやつは、LHCの実験が相当なところまで進んできて、それによって変わった科学的意義なわけです。
【中野座長】 だから、それは違うと申し上げています。
【駒宮委員】 何で違うの、それ。
【中野座長】 そうじゃなくて、だったとしたら、この科学的意義というのを、もう少し分かりやすいように、ILC250GeVの科学的意義というふうに加えて書きます。
【駒宮委員】 そうしたら、この実験の可否というやつと全く同じじゃないですか。デュプリケーションですよ、それは。
【中野座長】 いや、違います、これ。これは実験できるかできないかを書いているだけです。
【駒宮委員】 そうしたら、例えば、新粒子直接探索というのは、どうして科学的意義が下がったんですか、これは。
【中野座長】 できないからです。
【駒宮委員】 それも左に書いてあるじゃない。
【中野座長】 それだけじゃないということですよね、全部の欄が。
【初田委員】 本当は欄3つにして、AとDで、A掛けるBでCに、で、Cが科学的意義というのが一番分かりやすいですね。多分、そういうの皆さん、2つあって、それ掛け算なのか、どうあれするのか知らないけど、それは書きにくいですね。
【中野座長】 物すごく、いやいや、だから、平面から飛び出すような気がするんですけど。
【山中委員】 欄を増やすのは大変なんで、下がったところについて、理由を小さく、例えば、1とか2とか何か、そんなのを付けておいて、その脚注として、1はLHCで、これこれこうだったから、2は250にしたからとか、何かそういう補足があれば、まだましかなと。
【初田委員】 備考に書いてある。
【山中委員】 備考に書いてあるから、まあ、いいのか。
【中家委員】 ちょっと話が。ちょっと確認したいんですけど。この別添2の科学的意義、(1)が上がって(2)が下がったことで、下がった方を今議論しているんですけど、これって、1個前のページの別添1の方の赤いところで、前回報告していた13TeVの実験結果による変化というところで、ILCの科学的意義が、やっぱり上がったとか下がったというのと全く同じ答えを指している。ヒッグスの場合には上がるか変わるか分からなかった答えになっているんですけど、基本的には同じですよということを言っているに近いようなでいいんですか。外の人から見た場合。我々いろんな議論をして、いろんな価値観を、今のこの科学的意義に入れているんですけど、この資料だけをさっと見ると、前回の委員会の報告どおり、ヒッグス粒子というのは、LHCで新粒子の発見がない場合は上がるか下がるかのパターンだったんだけど、上がるよということになって、超対称性粒子などの標準理論を超える新粒子の方は、LHCの新発見がなかったから下がったねという、コンシステントだという。
【中野座長】 ある意味、これとコンシテスントだという理解です。
【中家委員】 本当は更に500GeVから250GeVになって、更に下がっているかもしれないんですけど、そこはもう見えなくなって、単に前回とコンシステントだという理解……。
【中野座長】 そうです。例えば、3番に関しても、若干、これ実験的には500GeVより250GeVの方が下がっているわけですよね。実験可能性。ただ、それは変化が少ないということで、この欄を変えるほどでもないだろうということで、変わらないというところに行っております。
【中家委員】 外から見ると、今言ったように見えて、そんなに議論にならないのかなという気がしました。
【陳委員】 日本語の問題だと思うんですけど、私から見ると、この「意義」という言葉の定義が余りよく分からないんですよね。恐らく、ここで言っている意義というのは、こういうことを積極的にやる価値みたいなものだと思うんですけど、そういうふうに言ってくれれば、例えば、実験が可能であるかという問題と、それをやる価値があるかという問題は明らかに違う問題なので、もう少し明確になると思うんですけど。
【中野座長】 初めにそういう議論ができればよかったんですが、科学的意義を審議する場となっておりますので、ここで急に、科学的意義というのは、我々、議論してきたことと違うので、価値に変えますというのは、なかなか難しいかなというふうに思います。
時間とればとるほど、いろいろ出てきそうな気もするので、この辺でやめてしまいたいんですが。いろいろ細かい議論もあるんですけど、大筋のところは、やはりLHCの結果を受けて、新粒子というのが、なかなかILCの500GeVでも見つけにくいと。ただし、そういう状況をうまく使えば、250GeVでも、精密測定というものはできるということが分かって、なおかつ、ILCを含めてですけど、ほかに手がないんだったら、精密測定というところが、次の新物理について一番ストレートにアプローチできる方法ではないかというところで、その価値を認めたというところが、この作業部会だと思うんですよね。
【駒宮委員】 すいません。
【中野座長】 はい、どうぞ。
【駒宮委員】 これも多分、文科省がどうしても変えたくないみたいなんで、それでもしようがないといえばしようがないですね。
でも、作業部会が有識者会議に報告する場合は、必ずこれはLHCの結果を見て、それでこういう結果になった、それが主であるということを、きちんと座長の方から報告していただくということが極めて重要だと思います。
【中野座長】 それについてですが、科学的意義がどういう判断で、こういう星取り表になっているかというのは、報告(案)、それから、この表でしたら、この備考のところ、これはほとんど抜粋ですけれども、そこに書かれています。
その表の書き方をどうこうするというよりも、出ていくのは、この報告(案)とこの表ですので、ここをじっくり、分かりにくくても読んでいただくしかないわけですよね。そこに書かれている内容が誤解を招くようなもの、あるいは正しくないというところがあると、それは一番問題ですので、表の構成というところよりも、まずは、その報告(案)の内容、それから表でしたら備考のところに問題がないかということを御確認いただきたいと思います。私、ここで議論されたことを、この報告(案)に従って、有識者会議で報告するつもりです。
【松本委員】 備考のところを、一応、科学的意義の変化の理由みたいなのを括弧書きに書いておいてくれると。これ、一番右側は多分そういう理由で書いてあった。
【中野座長】 分かりました。
【松本委員】 備考というと、多分、読まないで飛ばす人が多いんじゃないかなと。読んでもらいたいので。
【中野座長】 分かりました。科学的意義の理由ですね。
【初田委員】 実験の可否ですけど、やっぱりどういう言葉がいいか考えていたんですけど、実験の可能性で可能、可能性低い、不可能とか、そういう非常に単純に書くのはどうなんですか。
【中野座長】 いいと思います。
【徳宿委員】 今の議論聞いていて、いろいろ考えていたのですけど。先ほどの轟室長の発言とかも聞きますと、やっぱりこの表とこの文章で、この1のところのヒッグスのところの最後のところで上がったというのが、これだけしか書いてないと、一般目線で、何で上がったのだか、よく分からないような気が私にはします。つまり何回か前のときに私も言ったと思うのですが、やっぱりLHCの結果を受けて、何でヒッグスが重要な……。ヒッグスが重要だけじゃなくて、ヒッグスの精密測定をするというのが非常に重要になったわけですよね。つまりLHCでもヒッグスの測定ができるわけなのです。ざっとならできるけれども、これだけ新粒子ない状態だったらば、やっぱりできるだけ精度よくヒッグスを測るというのが、今の我々が進む上で重要であるということが分かって、それが、ここのヒッグスの科学的意義が上がったことの1つなのですよね。それがこの文章と表には、まだ1つも書かれていないので、その点はちょっと入れておいてもらえるとありがたいと思います。
つまり、500から250になって、いろいろ測れないものが出たけれども、いろいろ有効場理論とか何とかができたから上がったのがメインではないのですね。それもありますけれども、だけど、そればっかり書かれているので、それで上がっているように見えると、やっぱり一般の人に対して間違った印象を僕は与えると思います。ですので、ヒッグスをできるだけ精度よく測るというのが、LHCの今の結果を見ると、それが一番重要なのだということを、少なくとも僕は思っていますし、もし、ここの委員がそう思っているのだったらば、その点は、やっぱりちょっと強調していただけないと、一般の人に分かりづらいのではないかと思います。
【中野座長】 備考の一番最初が、そのつもりなんですけどね。その「標準理論を超える新物理の探索が可能であり」というところが、その。
【徳宿委員】 でも、だから精密測定を非常によくやらなければ、やるのが一番……。これは何か250の方が生成断面積が大きいから250がいいように取られる文章になっていますよね。
【中野座長】 なるほど。分かりました。
【徳宿委員】 だから、その辺ちょっと……。
【中野座長】 文章を2つに分けるとか、そういうことですかね。
【徳宿委員】 ええ。だから、その物理的意義が、ヒッグスのできるだけパーセントレベルの精密測定が重要になったのだということは、みんなにメッセージで分かるように、表に入れていただけるといいと思います。
【中野座長】 はい。
【横山委員】 同じ意見なんですけど、物理の先生が、ちゃんと御発言いただいて安心したんですが、一般目線から見て一番違和感があるのは、やはりここですね。500から250になったというタイトルがあるのに、なぜここで意義が上がったのか。表だけしか見ない人たちもたくさんいますでしょうし、それで上がったというのは物すごく違和感が強いです。だから、今、徳宿先生がおっしゃったような添え書きは非常に重要だと感じます。
【中家委員】 それもさっきのあれで、別添1の方を見ると、ある意味では書いているんですよね。LHCで新粒子の……。別添1の方のヒッグス粒子のLHCで発見がない場合、ILCしか他に手段がないとして、科学的意義は更に高まるというところも対応しているわけですよね。両方見比べないと分からないというあれかもしれないですが、意外と。
【徳宿委員】 その辺、もう一回、リピートしていただけるとありがたいです。
【中野座長】 備考欄があふれ出ない程度に。
【初田委員】 関係したところで、同じことですけど、3ページと4ページのところで、僕も確かに違和感が少しあって、3ページの終わりから4ページのところで、むしろ書くべきなのは、4ページの3行目からの丸を最初に書いて、その後に有効場理論がという話で、やっぱり順番が逆なんじゃないかという気が。上から読んでいくと、どっちが大事かということが。
【中野座長】 それはそうですね。
【徳宿委員】 もう一つ、よろしいですか。
【中野座長】 はい、どうぞ。
【徳宿委員】 表に移りまして、一番下の解明される物理、この標準理論真空安定度の検証というのが、僕には意味が分からないのですが、このままこう書くのでしょうか。単語が全部くっついてて、どれがどこにくっついているんだか分からないんですが、標準理論真空というものの安定性の検証なのですか、これは。標準模型……。まず標準模型は要らないのではないかという気もするのですが。
【松本委員】 標準理論における真空安定性の検証ですかね。
【徳宿委員】 標準模型という枠内で考えたときの真空安定性の検証であると。それは実験における観測量はトップクォークの質量精密測定しかないというのはいいのですか。
【松本委員】 ヒッグスマス、ヒッグス質量です。
【徳宿委員】 ヒッグス質量もある。
【松本委員】 はい。
【徳宿委員】 もし、左が重要であれば、実験における観測量も、そこには、それだったら書くべきなんじゃないですか。
【松本委員】 そうですね。
【徳宿委員】 つまり、ここはトップクォークの質量だけを言うのだったらば、4番の左にトップクォーク質量を出すべきなわけですけれども。そうすると、ヒッグスマスも入るんであれば、不可とは、トップクォークについては不可ということですよね。
【中野座長】 ヒッグス質量に関しては、十分な精度で測定できるということだった。
【松本委員】 ILCで。
【中野座長】 ILCで。ええ。
【松本委員】 一応、ヒッグス質量、トップクォーク質量のプレーンで、何かこう丸書いていましたね。
【徳宿委員】 だから、4番がトップクォークだけに話があるものであったらば、この形は正しいですけれども、解明される物理がある、もうちょっと大きなものであって、いろんなもので測れるものであって、トップクォークがその1つであるのだったらば、そこはある程度そういう形で書いておかないと、客観性を損なうような気がします。
【棚橋委員】 すいません。多分、ヒッグスマスの方はLHCで十分な精度が出ているという、そういう説明だったように記憶しています。なので、ILCでやるべきはトップクォーク質量であるという説明が前はあった気がします。なので、ここではトップクォークだけになっているという理解ですが。ですよね。
【中野座長】 そうだと思います。
【棚橋委員】 すいません、いいですか。
【中野座長】 どうぞ。
【棚橋委員】 ちょっと話が変わるんですが、備考のところをよく読むといろいろ気になってきて。先ほど徳宿先生もおっしゃったと思うんですが、例えば、備考の(1)のところの備考の2つ目、これはヒッグスの3点結合がほかの精密測定で検証できると言い切っているのは、これは明らかに書き過ぎなので、それはまずいだろう。あと、(2)のところの備考も、これ質量500GeV以下に新粒子が存在する可能性はほぼ棄却されたという話になっているんですが、それはかなり言い過ぎな気がします。これ、半分の250ならともかく、それでも、ちょっとというか。
【松本委員】 250でもきついよね。
【棚橋委員】 500というのは、かなり言い過ぎな感じがしますので、ちょっとここは。
【松本委員】 これはLHCで新粒子の兆候が、超対称模型の兆候、シグナルが見えなかったという話ですよね。
【中野座長】 はい。
【松本委員】 なので、確かに500GeVとか250GeV以下に新粒子が全くないと言い切ることは、まずできないはずなので、ちょっと表現がきつ過ぎるのかなと。
【中野座長】 分かりました。
どうぞ。
【陳委員】 先ほどの横山委員の意見なんですけど、先ほど轟さんが言ったように、2つの変化があったということですよね。1つはLHC、13TeVの結果が出たという変化と、それから500GeVから250GeVに下げたという変化と2つがあって、それがごちゃごちゃになっているので、ここで、例えば、科学的意義の変化が上がったというのは違和感があるということになると思うんですが、僕の感じでは、結局ここは250GeVでも500GeVでも科学的意義は上がったわけですよね。LHCの結果を見ても。そう考えると、この一番上の題名がちょっと問題なんで、ここに「500GeVと250GeVの科学的意義の比較」と書いてあるので、どうしても、これは比較をしているというふうに見られてしまうので、いっそのこと、この「比較」は取っちゃって、「科学的意義」で終わりというふうにした方が分かりやすいんではないかと思います。
実際に、この表を見ると、上に書いてあるのは、「LHCの結果を踏まえた250GeVに期待する成果」と書いてあるので、それだけ読めば、これは比較の表ではないというふうに考えれば、別に、これでも分かりやすいと私は思うんですが。
下がったというのは、明らかに可能性が低いとか不可とかということですから、これはもう測定できないんだから、やる価値もないということだと。500GeV出さなくても、それで分かるんじゃないかと思うんですけど。
【早野委員】 でも、それはこの会のミッションではないんですか。やっぱりそれを比べるのが。
【陳委員】 ミッションは、比べるというミッションだから、そこはちゃんとやらなきゃいけない。
【早野委員】 それは駄目でしょう。
【中野座長】 先ほど駒宮さんからも、有識者会議できちんと報告しろということが出ましたし、それからその他いろいろと報告(案)とか備考欄で、正確じゃないと指摘していただいていますけど、これ結局は、この報告書と表が世の中に出ていくということと、これに基づいて、僕はきっちり有識者会議で報告するという、その2つのことが、この会のミッションですので、それを助けていただきたいというか。もちろん最大限努力いたしますけれども、今の段階で、この報告書(案)を、例えば、報告(案)をただ棒読みしたら、必ず誤解を招くであろうというような記述、心配というものがありましたら、そういうところを指摘していただくというのが建設的かなというふうに考えます。
【松本委員】 多分、この1と2というのは、科学的意義の変化を見ると、別添1と同じになっているわけですね。だから、この上の2つというのは、500GeV、250GeVに限らず、LHCの結果を見て、ヒッグスの精密測定の意義が上がったし、新粒子測定は下がった。それはもう前に結論。3、4は、実は前の表には書いてなかった部分で足した、そういう位置付けで、それが読み取れないから問題があるかどうかはよく分からないですけど、そういう理解でよろしい。
【中野座長】 はい。そういう理解で大丈夫です。
【松本委員】 分かりました。
【中野座長】 皆さん、熟読されていますけど、そろそろ細かいところも御意見出尽くしかけたようですので、必ずしも皆さんの御心配とか御不満とか全くなくなったわけじゃないので、この後、報告(案)をまとめるに当たっては、いろいろとメール等で御指摘いただいたらよいと思いますが、次に進ませていただきたいと思います。
それでは、次なんですが、今回、参考が付いております。先ほどの同じ資料2ですね。それで、最後のところに、LCBの声明において、ILCと近い分野の最近の同様の国際プロジェクトとして例示されたXFEL、それからFAIRの概要を報告の参考として整理しております。
本概要については、前回の部会において、徳宿委員、早野委員から説明いただいた内容を記載しております。また、前回部会における議論では、ドイツ国際法に準拠した有限責任会社を設立する特殊な形態であることや、既存の研究所に併設して建設されていること、FAIRについては、国内プロジェクトから発展してきた多目的施設であることなど、両プロジェクトがILCの同様の例とならない部分もあることとされたことから、その旨を記載し、両プロジェクトを例示したLCBの意図についても、最初に室長から御説明ありましたが、その意図についても記載しております。この参考について、意見を交換したいと思います。
どうぞ。
【横山委員】 ありがとうございます。特にLCBへの確認を事務局にお願いできまして、大変よかったと思います。ありがとうございます。
資料1と、その参考の最後の四角の中の項目1、2の確認なんですけれども、内容はよく分かるんですが、一番確認したかったのは、1アンド2なのか、1オア2。だから、要するに、1を置いておいても2だけでスタートできるものなのかというのを確認したかったという点がございます。この文章の意味としては、1アンド2でよろしいという理解でいいですね。
【轟素粒子・原子核研究推進室長】 2ポツの中に、「相当額を拠出して」の「相当額」という部分が1ポツに当たるという理解だと思います。
【中野座長】 どなたかございませんか。
【徳宿委員】 前の方に入っていいですか。その最後のポツでなくて、この2ページ全体にわたってのコメントでよろしいですか。
【中野座長】 はい。
【徳宿委員】 私の説明が悪かったのかもしれませんけれども、この中で一番気になるのは、XFEL及びFAIRのところの2003年の記述ですが、これは余り正確ではないので、ちょっと直してほしいと思います。
まず、2003年に何が起こったかというのは、私も言いましたように、このときにはドイツ政府が、いろんな科学的な大型プロジェクトについて、何を認めるか、何を認めないかということをやったわけですね。そのときに、そのうちの2つがXFELとFAIRだったわけです。というので、別々に書いてあるけれども、本来はコンバインした形で言うのがいいのではないかという気はしますというのが1点だけど、そうするとやりづらいと思うんで、できるだけ今の文章のままの中で、ちょっとおかしいところを考えますと、この2003年に出す時点において、もうリニアコライダーとXFELというのは別のものにするという形にして出していて、別に出しているわけですから、ちょっとここの3番目のポツの書き方がおかしいのと、もう一つ、あくまでもXFELにしても、TESLAリニアコライダーにしても、DESYからのプロポーザルであって、国際研究者のコミュニティから提案があったわけではありません。ですから、ここは僕は単純に、「ドイツ政府はXFELについて建設費の50%の負担を用意することを表明し」という形で十分なのではないかと思います。
リジェクトされたりアプルーブされたのについては、私も発表のときに言いましたように、強磁場とか、そういうのも含めて、FAIRも含めて言っているわけですので、とりたてて、ここでTESLAを言う理由は余りないと思っております。
同じようにして、FAIRの方も、ここで国内プロジェクトとして提案があったと書いてありますが、これが正確かどうか分かりません。早野さんの発表でも、その前から国際的な協力のネゴシエーションしているわけですし、ヨーロッパの中でやるということ、ヨーロッパのプロジェクトにするということも、ここでもドイツ政府側は明言していますので、ここも僕だったら「ドイツ政府はFAIRについて成立条件と決定」と、で、「政府レベルの国際交渉が開始された」。「以降、各国研究者間の議論を経て」とありますけれども、各国研究者との議論は、その前からやっていますし、その後もやっています。
2003年にドイツ政府がこれを言った後での政府レベルでの国際交渉を開始した時期は、XFELとFAIRでは同時期に始めていますので、それも私の発表で言ったと思います。だから、同じ表現でよいのではないかと思います。その辺、ちょっと参考にしてください。
【中野座長】 早野さん、何かありますか。
【早野委員】 私は、事実関係としては、どこまでが国内プロジェクトとしての提案であったかということに関しては、徳宿さんのおっしゃるように、最終的に2003年に出ていったものとしては、外国負担というものが条件として出ていて、それで、それを条件として成立したことは確かなんですが、それ以前の段階で、外国負担がなければ、このプロジェクトの提案を許さないというドイツ政府からのガイドラインもあって、それでこのような形でまとまったということがありますので、もともとは、これ、国内プロジェクトであったということは、全体のコンテクストの中のどこかには残したいという気持ちは私はありますが、確かに2003年のこの文章に、こう書くかどうかに関しては、事実関係をもう一回確認をする必要があるかと思います。
【中野座長】 この点に関して、事実と違う部分というところに関しては、発表された徳宿委員、それから早野委員からインプットいただけるということでよろしいでしょうか。
【早野委員】 はい。
【中野座長】 はい。
どうぞ。
【駒宮委員】 この参考の扱いなんですけれども、間違いなく、資料2がもちろんメーンなわけですよね。資料2というのは、この有識者会議に出す素粒子原子核物理作業部会報告ですよね。これが主ですよね。
【中野座長】 はい、そうです。これがメインです。
【駒宮委員】 これにこんなふうな形でくっつけてると、あたかもこれの続きのように見えちゃうわけですよね。資料1が前にあると、もっとおかしいわけですよね。だから、これは資料1とまとめて、別物にしてもらいたいですね。
【中野座長】 そうすると、報告(案)から切り離す。
【駒宮委員】 報告から除く、切り離して。
【中野座長】 除いて、切り離して、別の文書で。
【駒宮委員】 この資料1と、この後ろのこの2つの参考ですね。参考2つくっつけて、資料とくっつけて別物にすると。これは、必ずしも、この作業部会の主のものというのは物理の検討なんで、これは全く物理じゃないですよね。だから、本当はこんなもの要らないわけですよね。だから、そこのところを、やっぱりこれは違うものだというのを明確にしてほしいです。
【中野座長】 横山先生。
【横山委員】 恐れ入ります。事務局の方に伺いたいんですけど、先生方にもそうなんですが。この議論というのは、多分、今までだと、人材マネジメント部会の方の案件だと拝見するんですが、そちらの方の部会も新たにスタートするように拝見しているんですけれども、そちらに再度掛けるんですか。そういうことではないんですか。ここの部会だけで有識者会議に上げていくものになるんですか。
【轟素粒子・原子核研究推進室長】 今の横山委員のおっしゃった中で、マネジメント部会と人材部会をもう一度回すという予定はありません。それはなぜならば、研究者コミュニティの提案している新たなものがないので、検証することはできないということでやらないんですが、では、なぜこの素核部会でこの事例を取り上げたかといいますと、これは取り上げる際にも御説明差し上げましたが、前回の報告の際にも、これまでの大型プロジェクトの例というのをヒアリングいただきまして、幾つかのプロジェクトを報告の中に入れていただいていると。SSCとかLHCとか。その並びで、今回、ヒアリングをいただいたということになっています。
【横山委員】 いずれにしても貴重な資料なので、有識者会議に提出されるのは非常に重要だと思うんですけれども、形式としては、物理の話とは、駒宮先生がおっしゃるように違うので、分けても差し支えはないというふうに感じました。
【中野座長】 この件、LCBに再度問合せたり、いろいろな手続踏んだのは、やはり、この部会の中では余り関係ないと思われるXFELとFAIRが、わざわざ声明の中で例示されてしまったと、これはもしかしたら国際的な求心力が下がっているんではないかと、そういう心配から、こういう議論が行われたわけです。それが、今回、LCBからの回答があったように、別にこれは特段、LHCの結果を見て出てきた例ではなくて、そもそも2013年であったり、その前の段階でいろいろと決まっていったことが理由ということですので、そういう意味では、今回の報告書に付けない方が誤解を招かない。付けると、もしかしたら求心力とか、そういうところに話が行ってしまうかもしれないなと思いますので、ほかに御異論なければ報告からは外して、ただし、非常に貴重な情報ですので、参考として有識者会議の方に報告したいと、そういうふうに考えます。
【陳委員】 ちょっと質問があるんですけど。このXFELの一番最後に書いてある、徳宿さんの話のときも、よく分からなかったんですが、加速器建設のみならず、土木建設の費用についても国際分担が行われたが、土木建設はドイツが全責任を持つ体制の方が手続の煩雑性を回避できたはずであるというのは、つまりこれは費用は全部ドイツが持って、残りの部分を国際分担しましょうという、そういう話だと。そうじゃなくて。
【徳宿委員】 そういう話だった方が楽だったのではないかと言っているという人がいましたということです。
【陳委員】 LCBから提案されているみたいに、土木建設費用は日本が全部負担して、その分を……。
【徳宿委員】 その方が楽だったというような意見にはなっているとは思います。特に、この場合は、国際分担といっても、実はそれほど分担していないわけです。それほど、ほとんどが土木についても、XFELの場合にはドイツが持っているのにもかかわらず、国際分担にすることによって、煩雑さだけは増えた上でという。だから、もう、ここまでやっているのだったらば、全部ドイツの方で埋めた方がよかったのではないかという意見があったということで、それがここに書かれているのだと思います。書く必要があるかどうか、よく分かりませんが、述懐として指摘しているので、書いてあるのは、僕は悪くはないと思います。
【駒宮委員】 いいですか。
【中野座長】 どうぞ。
【駒宮委員】 非常に重要なポイントは、この資料1の脚注のところにありますように、要するに、国際的な分担の話というのは、あれはサイエンティストの間でどういう分担にしたらいいかというのを話しているのであって、本来、その分担というのは、政府間で話し合って、最終的には決定されるものなんですね。だから、それがこの資料1の脚注1に書いてあります。これが非常に重要で、だから別に我々はそういうふうに言っているけれども、政府間の交渉によっては割合は当然変わる可能性はあるわけですね。そこはちゃんと留意しておいてください。
【中野座長】 ほかにありませんか。
【徳宿委員】 今ので確認で。先ほど座長が言ったとおりに、この参考のところも、何らかの形で上の有識者会議に上げることは重要だと思いますというので、その上げ方については僕には強い意見はありませんというのが1点で、その中で、今の駒宮委員の言ったように、資料1自体も上げておいた方がよいのではないかという気がします。つまり、この脚注1にも重要であるという指摘なので、それも上の有識者会議の方に資料としては渡るようにした方がよいのではないかと思います。
【中野座長】 どうもありがとうございます。
ほかに御意見ございませんでしょうか。
そうしたら、今回、時間まだ余っておりますけど、皆さん、貴重な時間の中、出てきていらっしゃいますので、おおむね意見が出尽くしたようですので、ここで議論を終わらせていただきます。本日の議論を含めて、この御意見を基に、あとは座長一任ということで取りまとめさせていただきます。
それでは、皆様、ありがとうございました。本作業部会は本年1月に再設置され、これまで5回の開催を経て、本日、有識者会議への報告の取りまとめのめどが付きました。本作業部会は本日最終回となりますので、事務局である文部科学省より御挨拶がございます。それでは、岸本課長。
【岸本基礎研究振興課長】 失礼いたします。局長が本来、御挨拶申し上げるはずでございましたが、別件で外しておりますので、代わりまして、私の方から御挨拶を申し上げたいと思います。
本日の取りまとめに当たりまして、これまで約半年弱でございましたけれども、その間、集中的な御議論をいただきまして、まことにありがとうございました。また、座長をお務めいただいた中野先生、また座長代理の梶田先生、前回の作業部会からも含めて、大変長きにわたり御尽力を賜り、大変ありがとうございました。改めて御礼を申し上げたいと思います。
このたび、様々な御意見を頂いております。その内容も踏まえまして取りまとめさせていただいた報告を有識者会議の方に報告をさせていただき、更に検討を深めてまいりたいと思っております。
また、有識者会議の方から本作業部会の方に御分属いただいている委員におかれましては、引き続き御議論の方、よろしくお願い申し上げます。
重ねまして、まことにありがとうございました。
【中野座長】 ありがとうございました。
それでは、最後に、事務局より連絡事項等ありましたら、お願いいたします。
【山本加速器科学専門官】 本日御議論いただきました報告(案)につきましては、先ほど座長からもありましたように、有識者会議に報告予定としております。
あと、議事録につきましては、後日、委員の皆様にメールにて内容確認をお送りしたいと思っておりますので、また確認をいただければと思います。あわせて、後ほどホームページにて公表させていただきたいと思います。
以上でございます。
【中野座長】 それでは、本日の会合を終了いたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
研究振興局基礎研究振興課素粒子・原子核研究推進室