(参考3)日本学術会議「国際リニアコライダー計画に関する所見」(平成25年9月30日)(抜粋)

3 総合的所見

2 ILC 計画の我が国での実施の可否判断に向けた諸課題の検討
(略)
大震災からの復興や将来のエネルギー・資源・環境問題など、我が国として取り組むべき重要課題は山積している。ILC計画を我が国で実施するには、国家財政が逼迫している中で長期にわたる巨額の財政的負担の問題をいかにして解決するかについて、政官学が知恵を出し合って国民に支持される持続可能な枠組みを示す必要がある。ILCへの資源配分によって、国家的諸課題への取り組みに影響が及んだり、科学技術創造立国を支えるべき諸学術分野の停滞を招いたりするようなことがあってはならない。これらのことを勘案するに、ILC計画の我が国における本格実施を現時点において認めることは時期尚早と言わざるを得ない。
日本学術会議としては以上の観点から、ILC計画の実施の可否判断に向けた諸課題の検討を行うために必要な調査等の経費を政府においても措置し、2~3年をかけて当該分野以外の有識者及び関係政府機関を含めて集中的な調査・検討を進めること、を提言する。
(略)

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(研究振興局基礎研究振興課素粒子・原子核研究推進室)