国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議 人材の確保・育成方策検証作業部会(第6回) 議事録

1.日時

平成28年6月20日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省13階 13F2~3会議室

3.議題

  1. 人材の確保・育成方策検証作業部会(第5回)の議事録について
  2. 報告書(案)について
  3. その他

4.出席者

委員

中野座長、小関座長代理、浅井委員、池田委員、大熊委員、岡本委員、熊田委員、山本委員、横溝委員、横山委員

文部科学省

小松研究振興局長、渡辺基礎研究振興課長、萩原素粒子・原子核研究推進室長、吉居加速器科学専門官
三原科学官

5.議事録

【吉居加速器科学専門官】  それでは、会議に先立ちまして、事務局より御連絡をいたします。本日の会議は公開としております。本日はプレス1社から撮影の希望がございましたので、冒頭の撮影を許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【吉居加速器科学専門官】  それでは、撮影希望の方はお願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは中野座長、よろしくお願いいたします。

【中野座長】  それでは、国際リニアコライダーに関する有識者会議、人材の確保・育成方策検証作業部会第6回を開会いたします。本日は、御多忙のところお集まりいただき、まことにありがとうございます。
本日の出席状況等について、事務局から報告をお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  本日、中家委員が所用により御欠席でございます。
出席は10名、当作業部会の定足数は6名ですので、会議は有効に成立しております。
以上です。

【中野座長】  続いて、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  資料の確認をいたします。お手元の資料、資料1が前回の議事録、資料2がこれまでの主な意見(案)、資料3が報告書(案)でございます。それから机上資料といたしまして、本日御欠席の中家委員から報告書に対する事前の御意見を頂戴しておりますので、その資料を置いております。このほか、参考としていつものドッチファイルを机上に置いておりますので、適宜御覧ください。
以上、不足がありましたら、お知らせ願います。

【中野座長】  ありがとうございます。
それでは、議事に入ります。
議題1について、前回の議事録(案)について、お諮りしたいと思います。既に事務局から確認があったと思いますが、もし、この場で何か御意見があれば、お願いいたします。
よろしいですね。
それでは、前回の議事録につきましては、資料1のとおりで決定させていただきます。
続いて、前回の会議の主な意見を資料2にまとめております。前回は報告書骨子(案)についてでしたので、適宜御覧いただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは、次の議題へ入ります。
議題2は本作業部会報告書(案)についてです。本案については前回議論していただいた骨子(案)を基に、これまでの議論を踏まえ、事務局で作成されたものです。委員の皆様には先週あらかじめ送付させていただき、既にお目通しいただいていると思いますが、いま一度事務局から御説明いただき、議論を進めていきたいと思います。
本案は本日議論し、取りまとめを行った上で、7月7日に開催が予定されている有識者会議に報告し、その場でも議論いただく予定です。本日は議事の運営上、報告書を前段と後段に分け、黒い帯の付いたタイトル1、2を前半、3を後半に議論したいと考えますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【中野座長】  それでは、まず前半についての議論を行いたいと思います。本日欠席の中家委員からも事前に意見を頂いているので、それも含めて事務局から説明をお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  はい、御説明いたします。先週メールにてお送りしておりますので、既にお目通しいただいていると思いますが、確認も含めまして、少し長いですが読み上げて御説明をさせていただきます。資料3を御覧ください。
人材の確保・育成方策検証作業部会報告(案)
当作業部会は、国際リニアコライダー(ILC)計画の建設及び運転等に必要となる人材の確保・育成方策について検証し、同計画における課題を具体的に検証するためこれまでの大型加速器等に係る人材確保や国内外の状況等について、平成27年11月以降、6回にわたり議論を行った。これらの議論の結果について、主要事項を以下に示す。
1.本部会で聴取したILC計画の人材確保・育成に関する概要
国際リニアコライダー計画の技術設計報告書(以下「TDR」という)における人材の構想について、概要は以下のとおり。
建設期間9年間に必要となる人材数、そこにある表のとおりです。2つ目のポツ、年平均として建設関係1,024人、据付関係479人、7年間が必要。それから、上記の人数は基本設計書における労務量見積もりから算定、職員職種は研究、技術、管理部門及び業務委託。内訳は書いてあるとおりです。
TDRでは、世界各地域の相当の規模を有する素粒子・原子核研究所が国際的に連携し、適切なバランスで分担・貢献することを前提としている。
参考として、建設関係年平均約1,100人は、国際的連携を持つ各国の主要研究所(CERN、フェルミ、高エネルギー加速器研究機構等)の現員の約10%に相当。
TDR後の検討では、建設開始前の準備期間を4年と設定し、その間に282人(建設段階に必要となる年平均約1,100人の約25%)を建設段階のコアメンバーとなる人材として育成することを想定している。
次のページに参ります。
2.大型加速器プロジェクトをめぐる人材確保・育成の状況
1.国内の状況
1.大学、研究所等
我が国では、これまで大型の加速器プロジェクトの建設・運営に際して必要となる人材については、職場内訓練(以下「OJT」という)によって育成されてきた経緯がある。
具体的には、1970年代のKEK-PS、1980年代のTRISTANなどによって、構想、設計、製造、組み立て、建設、運転調整、これらに係る関係機関・関係企業との連携、それら全体をシステムとして理解し、監督する人材等が育成され、その後の大型加速器プロジェクトが開始される際も経験を生かし、分野の進展を支えてきた。
しかしながら、近年は、研究の進展に伴い計画が大規模化してきているため、若手の人材が大型加速器を建設するプロジェクトに携わる機会は減少しており、OJTによる育成の機会が少なくなっている。
また、既存施設の運用や改修、要素技術開発だけでは、大規模システムである加速器に係る全体的なマネジメントという点で研さんを十分に積むことができず、今後、徐々に全体を俯瞰して加速器をシステムとして扱うことのできる人材が枯渇していくことも懸念される。
さらに、大学等においては加速器を専門とする研究室が減少してきている。素粒子・原子核実験など関連する他の分野の人材をリクルートして加速器の専門家に育て上げるというキャリアパスも行われるが、加速器研究者と類似の技術分野の研究者との人事交流は余り盛んでなく、人材が滞留している状況にある。
2.企業等
加速器の製造には広範な要素技術が必要であり、電磁場解析、高周波技術、構造・強度解析、断熱設計、精密機械加工、表面処理技術、高清浄度溶接、精密据付など、これだけの要素技術が要求される製品はほかに余りなく、一通り経験することは企業にとってもよい人材育成となる。
3ページに参りまして、加速器に関する製品の特質は、製品(ハードウエア)自体が研究対象になっていることであり、研究者とコミュニケーションができないと製品が実現できない。このため、プロトタイプ等での試験を研究者と一緒に経験することで企業側の人材が育つことが大きい。
ILC計画のような大規模なプロジェクトに対応するためには、十分な準備期間と具体的な見通しの下に、計画的に人材を雇用し、育成していく必要がある。
企業において、加速器に中心的に携わる人材を確保・育成するためには、具体的にいつ頃からどのような作業が開始されるかといった工程が明確になることが重要であり、それによって人材の確保やプロジェクト終了後の人材活用等の計画が立てられることとなる。
企業では、加速器だけを専門とする人材は非常に限られており、加速器プロジェクトの受注の繁忙に応じ、類似技術分野の部門との間で人員を融通することで対応している。
現在は、将来的な大型の加速器プロジェクトの展望が見えないため、海外の複数の加速器プロジェクトに参加することにより、人材と技術の維持を図ることや、人材の新規採用について技術の伝承において断絶を起こさないために、景気に左右されず継続的に採用するなどの場合もある。
なお、ILCの機器製作を想定した場合、一般の量産品と比較すると特殊なものが多いが、量産が進むにつれて作業の効率化、品質維持等を工夫するようになり、人材の面でも量産効果が出てくる。このため、設計作業としては大人数を必要としないが、一方で、エンジニアは想定外の問題が発生した際等に原因究明や対応策の立案を行うため、相当数が必要である。
2.海外の状況
海外においてもOJTにより人材が育成されるが、我が国に比べると人材の流動性型が高く、官民あるいは研究分野の壁を越え、人材が循環している。
これにより、欧米においては現状必要となる人材は育成・確保できているが、これから新たに国際協力で大型計画が開始される場合は、人材を確保するための見通しが必要である。
CERNの正職員には任期付き(5年任期)と任期なしの2種類があり、任期付き職員のうちの50%以下が任期なしのコアスタッフとなり、昇任していく仕組みになっている。また、大型ハドロン衝突型加速器(以下「LHC」という)の建設の際は、CERNの研究者・技術者だけでなく外部の参加機関からも貢献してもらうスキームとして、プロジェクト・アソシエイトというシステムを導入した。
外部の参加機関からの出向スタッフは、事前の契約により自身の役割が終了した段階で所属機関に戻ることとなる。その合意の上でCERNに出向しており、CERNではその後の雇用等に責任はない。さらに、任期付き職員の多くは技術者、応用科学者、エンジニアであり、高いブランド力を持つCERNでのプロジェクトに従事した後は、ほかの国際機関やプロジェクト等に参加が求められるなどニーズも高く、特に問題も生じていない。
3.ILCとの関係
ILC計画のような大規模な国際協力プロジェクトを実施するに当たっては、相当量の人材を国内外から結集させる必要がある。現状の国内の関係する人員だけでは、そのための人材は十分に確保できない状況と考えられる。したがって、海外からの研究者の組織的な参加を可能にするシステムの整備が重要である。CERNがLHC建設の際に導入したプロジェクト・アソシエイトという仕組みは極めて効果的に機能しており、ILCにおいても参考にすべきである。
ILC計画の建設では、平均して年約1,100人の人員が必要であるが、ピーク時には約1,600人の体制を作る必要がある。
現状、新たな要素技術開発や既存施設・整備の改修等を行う人材は充足できているが、仮にILC計画との関連で大規模に人材が必要となった場合は、現在の育成状況では不足することが想定される。
また、ILC計画の建設全体において、加速器に関する技術開発が重要となるフェーズは前半であり、建設が進むに連れて開発の要素は少なくなっていく。必要となる人材については、建設のフェーズに応じて変化することに留意が必要である。
今後、我が国として加速器プロジェクトを継続して遂行していくためには、持続的に人材を育成・確保していくことが必要であり、ILC計画の実施の可否によらず、加速器分野の人的基盤の強化が必要である。
また、ILC計画のような国際協力プロジェクトを実施するに当たっては、少人数の加速器の専門家が役割を分担しつつ相互に助け合いながら進めるという我が国の従来的なやり方だけでなく、各技術分野に高い専門性を持つ技術者をプロジェクトの実施に際して適材適所で動員・配置し、全体を統括する海外のやり方をも取り込み、両者が融合したような新たなやり方にシフトすることも検討する必要があるとなっております。
それでは続きまして、本日御欠席の中家委員の御意見を紹介いたします。机上資料を御覧ください。
今読み上げました前半部分について、中家委員からは1枚目の2つの御意見を頂戴しております。1つ目、1ページの下線、現員の約10%に相当という部分につきまして、こう書くと10%なので何とかなると読める気がしますが、日本の研究機関であるKEKの人員数以上です。ILCを日本で造る場合は、現地のマンパワーの大きな割合を外国から呼んでくるという意図も含めて書いているのでしょうか。国際間のバランス、日米欧で何人ずつかも欲しい情報です。ただし、「3.ILCとの関係」で、日本だけでは足りないことが書かれているので、最初に誤解を生まないようにだけ注意をしてくださいという御意見。
それから、2ページの下線部分についての修正意見でございますが、このやり方がこれまでのOJTを支えてきています。例えば、「何々というキャリアパスが積極的に推進されてきた。しかし加速器研究者と類似の」というふうに文章を修正してはどうかという御意見がございました。
事務局からは以上でございます。

【中野座長】  ただいま説明のあった前半部分に何か御意見あるでしょうか。
山本さん。

【山本委員】  幾つかありますけれども、皆さんの御意見もあると思いますので、自分として最も重要と思われる点、3点ございますので御説明させてください。
それから最初に、これだけのところまでしっかりと、これまでの作業部会の意見を集約し、簡潔にまとめていただきましたことに深く感謝申し上げます。
その上で、この趣旨も生かすという観点から、一番重要と思うことを申し上げますと、国際協力でこのILCを建設するというのは、もう大前提になっておりますので、ところどころで日本では人材が不足するから外国からの人材に期待する、補充する、それを考えましょうといったようなことが読み取れてしまうところがございます。例えば4ページ目の「3.ILCとの関係」というところでありますが、最初の丸ポツでありますけれども、一番最初のところで相当数の人材を国内外から結集させる必要があるということを明確に書いていただいております。その後に、現状の国内の関係する人員だけではそのための人材は十分に確保できない状況と考えられるということが書いてあるのですが、これは当初から国内の人材では十分ではなく、国際協力でお互いに分担するということをうたっておりますし、第1ページ目でもそういうことをうたっているわけですから、この文章、第2番目の文章はむしろ削除いただいて、第3番目の文章に直接つなげた方が意味が明確になるのではないかと。それからこの委員会としての議論の趣旨にも違っていかない、沿っていくものになるのではないかと思います。
ですから、第1番目の文章が「結集させる必要がある」と丸を打った後に、「したがって海外からの研究者の組織的な参加を可能にするシステムの整備が必要、重要である」というふうに書けば、中家さんのおっしゃった、国際的にみんなで作るということが大前提ですよね、そういうことをしっかりしましょうといったことが生きるのではないかと思います。
それから2番目でありますが、同じページですので、最後のILCとの関係の前の丸ポツのところで、3行目のところに「任期付き職員の多くは技術者、応用科学者、エンジニアであり」というところがありますけれども、その当時の議論を思い出してみまして、CERNの場合に加速器の専門的な関係者だけでなく、広い人材を集めているということがあったかと思います。そのことによって、よりまたプロジェクトが一定の成果を出した後外に出ていくことも非常に容易になっていくということがありまして、「広い分野から技術者、応用科学者」といった形で、広い分野ということを入れられると、よりこの部分全体が生きてくるのではないかと思います。
それから3番目でありますが、第1ページ目に戻りますけれども、誤解を生まないためにということで、後でまた外国の方が聞いたときに違っているということがないようにするための安全のためでありますが、一番最初の「本部会で聴取した」といった次の文章の丸ポツで、国際計画の技術報告書から始まるところで、人材構想についてとありますが、この前に「加速器関係の」という言葉を入れられた方がより明確で誤解がないのではないかと。つまり、測定器、実験装置についてはこれ以外のところで別途議論されておりますので、後でそれも入っていなかったのではないかというようなことにならないように、ここに一言入れておけば誤解がないのではないかと思います。
その他幾つかありますが、皆さんの御意見もあるかと思いますので、一旦ここで終了いたします。失礼いたします。

【中野座長】  ありがとうございます。ただいまの御意見について、御意見ありませんでしょうか。
はい。

【大熊委員】  今の山本委員の意見に関して、私も国際協力が前提であるということは、もちろんこの計画では当たり前の話だと思っているのですが、その辺がちょっと逆に明確に書かれていないのではないかと思うようなところもあると思うのです。例えば可能性という言葉を幾つか使われているのですが、例えば先ほど御指摘のあった削除のところで、「したがって、海外からの研究者の組織的な参加を可能にする」というふうなことが書いてありますが、これ必須なんですよね、ある意味でね。

【山本委員】  そうですね。可能という言葉もとっていいので、もうちょっとはっきり、鮮明な言葉に。

【大熊委員】  「それが必須であるから、そのことを可能にするシステムを」とか、そういう表現にした方が、私はいいのではないかと思うんですね。

【山本委員】  そうですね。

【大熊委員】  それから「したがって」というのは、その前の文章をとるとちょっとつながりが悪いかなと。今山本委員がとられるという案を出されたのですが、もしとられるとすれば、「結集させる必要がある。したがって」というのは、ちょっと何となくつながりが悪いと思います。

【山本委員】  その「したがって」もとればいいのかな。

【大熊委員】  「しかしながら」とか、ちょっと分かりませんけれども、何かちょっと違う言葉にした方がいいのではないかとん思うんですが。「したがって」という言葉を。

【山本委員】  1番目の文章と3番目の文章は逆転するものではなくて、素直につながる文章だと私は読んだのです。要するに結集する必要があるから海外からの参加を明確にすることであるということになるので、むしろそのままつながるので、「しかしながら」ではないような気がする。

【大熊委員】  そうかもしれませんね。ただ、いずれにしてもちょっと「したがって」というのは。助詞もちょっとおかしいかなという気がしますので。

【山本委員】  ええ。それは考えていただけるとありがたい。
それから、最初の国際連携が明確でないということについては、第1ページ目の1、それから丸で始まってポツが1、2、3、4、5とありますが、その4番目のところで、「国際的に連携し、適切なバランスで分担・貢献することを前提としている」というふうに明確に書いてあるんです。だからそこをちゃんと順番に読んでいただければ、国際連携が明確でないということにはならないと思いますが、いかがでしょうか。

【大熊委員】  いや、明確でないというのは、ちょっと表現の問題だけなので。

【山本委員】  ああ、そうですか。

【大熊委員】  要するにILCに関しては国際協力がもう前提、必須というのがありますから、そのことをもう少しちゃんと、きちんと書いた方がいいのではないかと。場所においても。可能性があるとか、可能という言葉はやっぱり何となく、前向きでないような感じも逆にしますので、必須なんだと。だからどうするんだというような表現に、きちんとした方がいいのではないかと。
この後ろの、まだ議論になっておりませんけれども、3のところにも可能という言葉が出てくるんですけれども。

【山本委員】  ええ、私もそこでまた。

【大熊委員】  私はそれもちょっと引っかかるんです。それで今、そこのところを言いました。

【山本委員】  大賛成です。ありがとうございます。

【中野座長】  よろしいでしょうか。ほかに御意見ありませんか。

【池田委員】  2ページの1の1の最後の丸の最後の行ですが、「人材が滞留している状況にある」というところで「滞留」という単語がありますが、その前の文章から見ると、どこに滞留しているのか、この前の文章とつながりが読めないので、この単語は必要ないと思います。

【山本委員】  省けばいいのではないかと思います。「盛んでない状況にある」ぐらいにするとすっきりするかと。

【池田委員】  交流が進んでいないということだけでよくて、どこかにたまっているというニュアンスになっているので、これは要らないと思いました。

【中野座長】  まず第1点、山本先生から指摘のあった、一番大事なところ。4ページのところですかね。「現状の国内の関係する人員だけではそのための人材は十分に確保できない状況と考えられる」という一文を省くという方向で、御異論ある方いらっしゃらないでしょうか。よろしいですか。では、この文は省くということで。
それと池田先生から御指摘のあった「滞留」というのも省きます。
ほかに御意見ないでしょうか。

【横溝委員】  別なことでいいですか。

【中野座長】  それでは横溝先生、横山先生へと順番に。

【横溝委員】  1ページ目のこの人数が書いているところをどう考えるのかということですけれども、まずこの表ですが、建設関係の人、据付関係の人、この書類だけを見たときに、どういう人を言っているのかというのはよく分からないんですね。人数が、最初は410人から1,600人くらいになって、最後679人に下がると。この構造のときに、いわゆる加速器の研究者、それからエンジニア、技術者と、それぞれいると思うのです。据え付けの人が同じ人種じゃなくて、むしろテクニシャンに近いような人が多いのかなというような感じがするので、もうちょっとそういうのを分かるようにした方がいいのではないかという気がするのです。
それは下の方の文章のところでもちょっと混乱するんですけれども、下から2番目のポチで建設関係の人1,100人といっていて、これは海外の研究所の10%に相当しますと言っているのですが、海外の研究所の人数というのは、この間3の話でも、研究する人たちも含めた人数を紹介されたと思うんですね。だから建設に関わらない人も、海外の研究所では人数に入れていると思うので、ここら辺書くのであれば、そこら辺もうちょっと内訳を明確にした書き方にした方がいいのかなと。
日本の中ではこういう大きな仕事をやるときは会社に発注して、人材をそれで補ってもらうやり方もあるわけで、そこら辺、余り検討しない部分もあるので書きにくいかも分からないんですけれども、より混乱しないような書き方に工夫した方がいいのではないかというのを感じました。

【中野座長】  多分事務局に対する負担が大きくなってくると思うんですけれども。もう少し丁寧にということですね。可能な範囲で努力してみるということでよろしいですかね。

【大熊委員】  ちょっと関連するのでよろしいですか。

【中野座長】  どうぞ。

【大熊委員】  私もちょっとそこは引っかかって、それから中家先生の意見もあって、これCERNとフェルミと高エネ研が出ているんですけれども、私がやっぱり一番問題にするのは、人数が圧倒的に違うんですよね。CERNとフェルミと比べると、高エネ研はやっぱり大分違うと。そのことを問題にするわけではないのですが、日本でやる場合には、やはりそこはよく考えないといけないということが分かるように書いた方がいいと思うんですよ。
例えば今意見があったように、CERNにはどういう研究者が何人いるんだと。フェルミにはどういう研究者、何々が何人いるんだと。KEKには加速器関連の人が200人いるんだとか、そういうことが、構造が分からないと、この10%という言葉をぽんと出されると、ちょっと引っかかるんですよね。

【中野座長】  どう言ったらいいか、人数数えるときに各研究所において数に上がっている人数と上がっていない人数があると。例えばKEKの場合だったら企業の方にもたくさん手伝っていただいているという点と、それからILCの建設の際に年度によって必要となる人材が変わっていく、それがもう少し分かるようにという、そういうことでよろしいですかね。

【横山委員】  すみません。関連するところで4ページ目の一番下の丸のところ、今後は高い専門性を持つ技術者をプロジェクトの実施に際して適材適所に動員して、全体に統括する海外のやり方も取り込みというのは、まさにCERNのやり方をお書きになっておられると思いますが、人数体制など現状がすぐにCERNと同様にシフトできる状況でないときには飛躍が大きいことを意識してこの辺はもうちょっと丁寧に、日本の状況とCERNの状況を加筆しながら書いていただくとよいと思います。

【中野座長】  これ作業部会で、多分純日本的なやり方も不可能だし、純欧米的なやり方も不可能なので、両者使わざるを得ないと。

【横山委員】  得ないと。

【中野座長】  それで、各国が国際協力を作っていくわけですけれども、どう言ったかな、それぞれの局ごとに違ったやり方をとるということもあり得ると。その2つが出てきていたような気がするんですけれども、山本先生、何か。

【山本委員】  あと第4回目でリン・エバンス先生が来られたときに、日本の場合とCERNの場合の違いという議論も多少あったかと思います。そのときにリン・エバンスさんがおっしゃったのは、いや、日本は人数は少ないかもしれないけれども、やっぱり要所、要所に人が配置されていて、企業の方と協力してやっていくという姿そのものは、やり方はそんなに大きな差はないですよというふうに彼は見られたと思うんですね。

【中野座長】  まあ、そうですね。

【山本委員】  だからそういった点を踏まえて、日本の状況はそうはなくて、外国のやり方ならできて日本の今のやり方ではできないというのは、KEKの加速器の方も含めて、ちょっとそれは違うだろうときっと言われると思うんですよ。

【小関座長代理】  そうですね。

【中野座長】  ただ国際協力のときに、海外まで同じやり方でというふうにはできないですよ、きっと。

【山本委員】  ええ。だから今座長がおっしゃった、まさに両者を融合した新しいやり方、中間的なやり方を探らなければいけないというのは、多分一番妥当な言い方ではないかと私は思います。

【中野座長】  必ずしもこれ、日本のやり方を捨てて欧米のやり方にシフトしろということを書きたいわけではないので、そういう誤解が生まれないように気を付けて書き換えます。

【池田委員】  今の件に関して、直接的な議論は今までなかったかもしれませんが、企業サイドから見ての意見です。これだけの大きなプロジェクトになると、日本で過去にないということも事実です。一方、CERNではLHCはじめ、同じような規模の経験がある。ただし、日本でやるときに、どういう形が国際プロジェクトとして望ましいかと考えると、プロジェクト自体が大きいので責任所掌をきちんと分けて、その中で適材適所のマネジメントをやることが必要だと思います。例えば、前回申し上げましたが、非常にたくさん加速器を作らなきゃいけないと。その場合に、その品質であるとか、コストとか、工程のコントロールを研究者の方がやるというのは、結構な無理があるだろうと思います。さらに海外も含めて、企業群をまとめていくということになった場合には、そのポジションにもよりますけれども、やはり企業のエンジニアリングマネジメント力というのを取り入れていく必要性がどうしても出てくるだろうと思います。どこまでを企業のエンジニアリングマネジメントが責任を持って、どこからはプロジェクト全体をもっと上位の立場で研究者のマネージャーが見るとか、そういうように階層をきちんと分けて、どこまでを誰が責任を持つのかということを明確にしていくやり方が必要だろうと思います。
全く同一ではありませんが、例えばロケットの打ち上げでは、打ち上げと、その先の衛星の運用で明確に責任を分け、打ち上げは企業が集中してマネジメントをやり、衛星運用に関してはJAXAが担当するという例があります。このような例もあるので、加速器建設の部分は打ち上げに相当すると考え、加速器のコミッショニング以降は衛星運用のフェーズと考えて、フェーズを分けてマネジメントをやっていくというやり方が、1つの案ではないかと思っています。

【中野座長】  今の御意見は、ここのただ単に日本型、欧米型と分けるだけじゃなくて、その企業と研究者の間の役割分担というか、所掌の範囲というのもよく考えて明確にした方がいいのではないかという御意見ですね。

【池田委員】  はい。

【中野座長】  どうでしょうか。

【横溝委員】  今の点、まさにおっしゃるとおりですけれども、企業と研究機関の分担という言い方にしないで、会社の人の人種、エンジニアが多いところ、研究所は研究者が多いところで、そういう表現で海外も同じようなやり方をやっているところあるでしょうし、日本もそういう意味で、きちっと切り分けて仕事を進めるようにした方がいいとか、そういう表現の方がいいかも分からないですよね。

【池田委員】  私の考えも企業だけがというのではなくて、エンジニアリングを主体に置くところと……。

【横溝委員】  研究開発したいところ。

【池田委員】  そういうところを分けて、そこの能力のある人がその部分は見るという意味です。

【横溝委員】  そうですよね。

【池田委員】  組織はどうなるかという問題もありますので。

【中野座長】  例えばクオリティー・コントロールというところを誰がとか。

【池田委員】  あとはコストであるとか、工程ですね。そういうところはそういうマネジメントができる能力のある人、あるいは集団がきちんと見ると。

【横溝委員】  それは非常に重要ですよね。そういう書き方がいいかなと思います。

【大熊委員】  非常に重要だと思うんですけれども、私も後で言おうと思ったのですが、これもしそういうことを書くのだったら、3に書くべきなんじゃないかなという気がするのですけれども。1、2ではなくて。

【横溝委員】  3ページ目の上から2、4、6番目の丸のところがちょっと気になっているんですけれども、これ量産が進むと人材面でも量産効果が出てくる。これがそれに近いことを言っているのですが、このためという文章がつながらないんですよね。だから、開発の部分と量産効果できちっといくところ、ものを作るところは工程管理も含めて、そういう専門のエンジニアがしっかりやっていくことが必要ですよと。だからそこでいろいろトラブルが起こってくるときには、きちっと開発を経験しているような研究者も含めて、きちっとした体制がとれるようにする必要があるんですよとか、そういう内容をこういうところに入れていけたらいいのかなと思ったのですが。

【池田委員】  この辺の文章ですね。ただ、「てにをは」までをきょう議論するのというのは……。

【中野座長】  「てにをは」の細かいところは、議論はやめましょう。

【池田委員】  そういうところがあるので、あえて申し上げていないですけれども、主にこの企業のところの文章に関しては、集中的に見てきたのですが、主語が不明だったり、というところがあって、文章として意味が誤解されないような表現に変えたい部分がありますので、それはまた別途意見を出したいと思います。

【中野座長】  表現の部分については別途、この会が終わってからでも御意見を伺いたいと思います。
今の横溝先生の御意見は、せっかく量産効果が出てくるんだけれども、そこできちっとした、ここでも適材適所という意味での人材が必要だということをここに書き入れた方が分かりやすいのではないかと。

【横溝委員】  うまく文章がつながらないので、ちょっと直してもらって。

【中野座長】  直した上で。

【横溝委員】  今のは反映してきれいに書いておいてもらえればいいかなと思いました。

【中野座長】  はい。ほかに御意見ないでしょうか。

【浅井委員】  そう思うと、後ろがすごいプレシジョン、一番前のテーブルに有効数字4桁のテーブルがあって、そこから後がこういう議論を踏まえて、本当にどのくらい、どういう分野の人間が必要なのかということまでがマンデートなのですか。

【中野座長】  違います。

【浅井委員】  じゃあ、いいです。

【中野座長】  はい。

【浅井委員】  何か違和感があったんです。何かここからテーブルまでのプレシジョンと、そこから後の議論のプレシジョンとに多少の違和感を私は感じたんですけれども、マンデートじゃないんだったら議論しても仕方ないです。すみません。

【中野座長】  こういう人何人とかいうのがマンデートならいいのですが。

【岡本委員】  ほかの委員から質問が出ていないので、私だけ詰まっているのかもしれないんですけれども、2ページ目の丸の上から3番目、「近年は研究の進展に伴って計画が大規模化してきているために、若手人材が大型加速器を建設するプロジェクトに携わる機会が減少している」というのはどういう意味なのか、ちょっとよく分からない。

【大熊委員】  私も思いました。

【山本委員】  ここは、いいですか。私も何度も読み返して、こうしたらどうかと。意味が通じるのでないかと思ったところがあるので、ちょっと紹介させていただいてから議論していただくといいと思うんですけれども、恐らく言葉を足せば大丈夫そうな気がするのです。要するに計画が長期大型化して、そのために若手の人が新しいプロジェクトに参加する機会が減った、そういうことじゃないかなというふうに。だから、例えば1行目のところに「研究の進展に伴い、計画が長期・大型化してきているため」とやって、その後「若手の人材が大型加速器を建設する新しいプロジェクトに関わる機会が減少する」というと、非常に一つ一つが長期化になってしまったので、若手の人が新しい計画に入っていくサイクルが減ってしまったことだけは多分確かなのです。そういうふうに読めば、何とかこの文章を生かすことができると思ったんですけれども、いかがでしょうか。
それは実際に起きていることで、例えば私が入った頃のKEKのPSでは5年ぐらいで1つの計画が回っていったから、5年たてばまた新しい人が来てそこに最初から参加していくことができたけれども、TRISTANではやっぱり10年だった。KEK-Bでも10年近い。LHCでは最初から考えれば20年だということになってきて、その次々と出てくる若い人たちが最初からぽんと入っていく機会が減ってしまったことは確かで、それを一生懸命考えなければいけないと言っているのであれば分かると思います。どうでしょう。

【小関座長代理】  多分、それで良いと思います。

【岡本委員】  人が慢性的に不足してきているということですか。

【山本委員】  不足というよりも、やっぱり会社でもそうだと思うんですけれども、大企業になっていって、大きくなっていったときに、若手の人が思い切り腕を振るうようなチャンス、場所が減っていっているというような、そういう意味に捉えればいいと思ったのですが、そういう趣旨でよろしかったでしょうか。事務局の方での案を出していただいたときは。

【吉居加速器科学専門官】  もともとの趣旨としましては、計画が大規模化してきているということで、要するに予算的にもかなり大規模なものになってまいりますので、新規のプロジェクトを立ち上げてゼロからみんなで切磋琢磨しながら育っていくという機会が減少している。昔のようにプロジェクトが次々と立ち上がらない状況にあるということが基にある文章なのですが、ちょっと分かりにくい表現で申し訳ございません。

【大熊委員】  そういうふうに私も読んだんですね。言われたとおり。だからすごく平たく言うと、大規模化したためになかなかプロジェクトがスタートしないと。進まないというニュアンスがやっぱりここにあるのかなって感じもしたのです。

【中野座長】  1つのサイクルが長くなっているということもあるかもしれないですけれども。

【大熊委員】  そうですね。だからそこをどう書くか。

【山本委員】  長期になってしまったので、新しい計画に携わるチャンスが減ったということは多分おっしゃるとおりだと思いますので。

【中野座長】  使われている予算は何か減っているような感じはないので。

【大熊委員】  積分値としては一緒だと考えていいんですかね。

【中野座長】  はい。いわゆるどういうフェーズで若手が関わるかといったことを考えたときに、立ち上げ時というところで関われる人、ラッキーにも立ち上げ時に関わることができるという、そういう機会がここのところ減ってきている。そういう意味だと思います。

【大熊委員】  だとすれば全体の計画数が、大規模化したために減少しているということも1つの言い方ですよね。

【中野座長】  そうですね。

【山本委員】  それが長期・大型化ということとちょうど逆なので。

【中野座長】  もう同じだと。

【山本委員】  数が減ったと書くよりは、長期・大型化の方がポジティブな表現になる。

【大熊委員】  まあ、そうですけれども。

【山本委員】  そうかなと思って、私はそう味方するというか、サポートする立場で書くとこうなったのですけれども。

【中野座長】  ほかに御意見ないでしょうか。よろしいですか。

【大熊委員】  4ページ目の3の3番目の丸ですが、「現状新たな要素技術開発や既存施設・設備の改修等を行う人材は充足できているが」ということなのですが、これは日本のことを述べているんですよね。そこがちょっと明確ではないのですが。

【山本委員】  これも充足ではなくて存在程度であって、決して充足ということはないと思うので、日本のことだというふうに私も読んだのですが、存在というのは確かで、充足と言ってしまうと、何か足りているじゃないかというふうにまた誤解する方もいらっしゃるような気がしますが、それでいきますか。

【大熊委員】  要するに、先ほどもお話がありましたけれども、主語がないんですよね。

【山本委員】  そうなんです。

【大熊委員】  これは機関によってやっぱり違うと思うんですよ。例えばKEKは充足しているけれども、どこどこは充足していないということだってあるので。ちょっとその辺はどう書くのか。要するにこの書き方だと、一体どこのことを言っているのかという気がするんですよね。

【中野座長】  これは日本のことだと思います。

【小関座長代理】  そうですね。

【山本委員】  人材は存在するのであれば、何か自動詞みたいな感じで、人材を主語にして。

【中野座長】  そこもちょっと工夫しましょう。存在するのは当たり前なので。

【山本委員】  よろしくお願いします。

【中野座長】  何か。現場ですしね。

【大熊委員】  それとそこに同じくですけれども、「仮に」という言葉が2カ所ぐらい出てくるんですね。

【中野座長】  はい。

【大熊委員】  「仮にILC計画が進むならば」とか、「仮にILC計画が」って、「仮に」という言葉は何かちょっと気になるんですよね。

【山本委員】  これ3のところで出てくるので、申し上げたいと思っていました。後半の議論のところに。

【大熊委員】  そこにも出てきますね。だから「仮に」だと何かネガティブな感じがするんですよね。ある意味では。

【山本委員】  多分なくても十分通じるので、なくていいのではないかなというのが提案です。

【大熊委員】  そう思います。

【池田委員】  今のお話で、4ページの3の「ILCとの関係」という章が国内のことだというようなお話が出ましたけれども、何か必ずしもそうではなさそうで、丸の2つ目の1,100人というのは冒頭のトータルの人員になりますよね。ですからここは、国内のことを言っているのではないのではないか。

【小関座長代理】  今言われた「要素技術開発云々」というところは国内のことを書いていると思いますね。

【山本委員】  日本もそうだし、日本はそうなのでイエスなんですけれども、世界もそうだからでいいのではないかと思ったんですけれども。別にこれ、日本だけに限ったことではない。海外も現在の計画に対する人は存在していますけれども、ILCが進めばそれに関連した現在の育成状況では不足することが想定されて、育成しなければいけないと。不足するというのも育成することが重要であると書けば、国内、国際両方に当てはまる文章になると思うし、その方がおっしゃるように適切なような気がいたします。

【小関座長代理】  でも、今までの議論の流れからいうと、少なくともこの3の3番目の丸に関しては、国内の状況を言っているのだと思います。

【山本委員】  なるほど。それはそうですね。どうすればいいんでしょう。

【小関座長代理】  「国内では」を加えれば良いと思います。

【中野座長】  「国内では」でいいのではないでしょうか。

【山本委員】  ああ、なるほど。

【大熊委員】  「現状国内では」と書けばいいですかね。

【小関座長代理】  ええ。それでいいのではないですか。

【山本委員】  ますます充足ではなくて存在か何か、言葉を工夫したいところですね。

【中野座長】  はい、どうぞ。

【萩原素粒子・原子核研究推進室長】  この場の御議論にお任せしたいところはありますけれども、存在とかになってしまうと、現状人がいないのであればこんなプロジェクトやれないだろうという話にすぐつながりますので、そこはある程度前向きの言葉で書いておいた方がよろしいかとは思います。ほかのところでよくネガティブな表現というのにつながって、現状人がいないんだったらやれないのだから、ほかの人のいるところにお金を回したらいいじゃないという議論にすぐなりますので。現状、少なくとも我々人がいるし、お金さえつければできると思ってやらせていただいているので、そこはその辺も斟酌をしていただければと思います。

【大熊委員】  確保ではいけないんですかね。

【中野座長】  そういう類いの言葉ですね。

【小関座長代理】  確保できている。

【大熊委員】  確保できているだとか。

【山本委員】  それはすばらしいと思います。

【大熊委員】  充足というと、何か十分足りているというような感じがするのですが、確保だとどうにかやっていると。やれているというニュアンスが。

【中野座長】  ほかに御意見ないでしょうか。

【山本委員】  あと先ほどのコメントだけさせてください。数が4桁、後半ではそうじゃないという意見については、一番最初の1ページ目は過去に実際に報告された事実をしっかりと書いていただいたという点で、実際に存在している数字をそのまま引用いただいたということでよろしいんじゃないかと。

【横溝委員】  いや、そうかもしれない。

【山本委員】  ということで、これ以上書くと、先ほどもあったのですが、どのくらいの分担でという数字が中家さんのところにもありましたけれども、これは逆にいうと、この技術を用意した側からしますと、それは許されてなかったわけですね。各国がどれだけ分担するかと言うことを書きなさいと、よく何回も言われるんですけれども、一方でこれはお国の方からは、それは国が交渉するべきことであって、私たちが勝手に言うべきことではないということでいつも御指摘を頂いていたし、私たちもそれを守ってきたので、それはそういったことで御了解いただけるとありがたいなという気がいたします。

【横溝委員】  ちょっといいですか。これはそういうTDRの数字を表現しているのだろうなと思うんですけれども、ここにせっかく書いているとすると、理解しにくい数字だと余りよくないかなと思うんですよ。だからこの1,600人くらいがどういう種類の人がいるとかいうのをもうちょっと分かるようにしてもらうと、1,100人が海外の研究所も含めて10%に相当しているというのにもつながっていけると思うので。ただ数字だけを合わせてその10%ですよといっても、人種が違う人を比較していても意味は通らないのではないか、それがちょっと気になったんですけれども。だからこれはほかの方の資料だというのは十分分かった上で、もうちょっとこのサイトの仕方を工夫していただけるといいのかなと思いました。

【萩原素粒子・原子核研究推進室長】  表の部分については、山本委員に御協力いただければ、この内訳の資料、例えば別添の資料などで付けることはできると思いますので、対応ができるかと思いますが、3機関の人員の内訳については、KEKについては我々の話なのでどうとでもなるのですが、CERNとフェルミについてどこまで正確な数字が出せるかと言う問題が、ちょっと山本委員とも御相談をしながら考えたいと思いますけれども。

【山本委員】  実際御報告したときには、もちろんここの3つを代表例で引用いただいたんですけれども、例えば大きな研究所といたしましてはブルックヘブン、それから中国のIHEPさんも大変大きな研究所で、ここで等としてあるので、私はよしというふうに考えたのですが、これ書き出すとずっと書けて、それはまた内訳どうというふうになっていくと、本当に相手の扉を開けて勝手に書くようなことになってしまって、私たちもなかなか無責任にはできない。それで、報告するときにはアニュアルレポート等を引用しながら、余り無責任にならないことを努めてまいりましたけれども、研究所によっては、特に前の年の状態はどうであったかということを直接聞いて引用したという点もありまして、同じように皆書いていくことはなかなか難しいのと、どういう業種でどうだという分け方自体が、研究所でまた全然違うんですね。技術分野をどこに置くかというのが、場合によっては倍ぐらいずれるので、なかなか簡潔に書くことが難しかったというのはあります。ただ工夫して何か。

【横溝委員】  いいですか。無理してほかの研究所の10%とかというふうに言わなくてもいいのかなという気はしています。

【山本委員】  そうですね。

【横溝委員】  この後の議論で、会社の人の仕事の分担とかという、研究者はどのぐらい新たに欲しいとか、そういうのもあるとすれば、大ざっぱな感触でこういう人材を研究機関としても充足しよう。海外からも来てもらおうとか、この部分は民間の力を利用させてもらおうとかということにつなげていければよくて、余り厳密に数値、この資料にこだわる必要はないのかなという気はするのです。

【中野座長】  ここで10%と書いていて……。

【横溝委員】  そう、10%と書いているので余計それが気になる。

【中野座長】  10%だから大丈夫なのか、10%だから難しいのかというのはよく分かりませんし、その辺のところは、省くべきところは省いてというふうにしたいと思います。

【山本委員】  そうですね。

【中野座長】  熊田先生、何かありましたら。

【熊田委員】  先ほど池田さんが言われているような意見に近いんですけれども、表の数値の増減が非常に厳しい部分があって、特に据付関係なんかもそうなのですが、年間で700人ぐらい増えているわけですよ。こういうようなのはほとんど研究所で用意するのは多分無理なので、恐らく民間の協力を得るとかいうのをはっきり書いた方がいいのではないかと思うんです。それは企業の方の丸の、例えば企業の丸の上から4つ目、それから企業側の方の活用というのが書いてあるので、やはり我々としては、企業の側としては計画的なプロジェクトの進行具合とか、そういうのをきちっと工程を管理していくような形でやっていくと。それは企業側でも、かなり難しいのですが、できない話ではないと思うので、それをやはりきちっと明記していただいた方がいいかなと思います。

【中野座長】  今の御意見は、急激な変化に対応するにはもう企業の協力を得なくてはいけないんだけれども、そういう工程とかいうのが明確になっていないと、そういう協力もなかなかうまくいかないので……。

【熊田委員】  そうですね。

【中野座長】  きちんとすべきであるというような、そういう御意見ですね。

【熊田委員】  はい。

【池田委員】  後半の議論になるかもしれないですけれども、いま熊田さんがおっしゃったように、最初のページに9年間の人員の推移の表が出てしまっているので、最終的にいつまでに何をしないといけないのかということやその人材を確保するために何をすべきかという記載が必要だと思います。先ほど浅井先生が言われたように、冒頭のところはえらく細かいけれども、じゃあ具体的にこの人員プロファイルをどうして実現するのかというところが、今の案だと見えない。スタートがいつというのは分からないとしても、例えば建設開始時期からマイナス何年のところでこんなことをしておかないと、とても人員確保が間に合わないとか。ですから、こういう表を出す以上、これに対して何らかの対案を出さないと、報告書としては言いっぱなしになるかなという気がしました。

【大熊委員】  それに関連して、山本先生が個人的な意見ではあるけれどもと、私の観点だけれどもというので、KEKが主体になるのと、それからどこで切りかわるのかという議論を一度したことがありますよね。9年間の中で。あの数字はこの全体の合意で得られているものではないと思うので、その数字そのものを書く必要はないと思うのですが、そういうふうにシフトしていかなければいけないのだというようなことはやはりちゃんと議論されたわけなので、その9年間をどういうふうにシフトして行くことを考えることが重要だとか、そこが非常に今後検討していく必要があるとか、やはり3の議論になるのかもしれないのですが、そこは私は書くべきだと思うんですね。

【中野座長】  多分それ、もう少しこの1ページ目を丁寧に書けば、それはどういったかな、TDR、あるいは人材の作業部会の中での発表で山本先生の方から発表された中に入っていたことなので、そういうところをもう少し分かりやすく書いていただくということで対応したいと思います。それに対する我々の意見として、この報告書があるという、そういう位置付けにしたいと思いますが。

【大熊委員】  エバンスさんが来たときの話だったと思いますが。それに関連して9年間という話が出てきて、主体となる研究機関がどういうふうに変わっていくのですかという議論が少しあったような気がするので。そのことを踏まえて報告書に書いていただきたいなというのが希望なんですけれども。

【山本委員】  後半で議論するといい点かもしれませんね。

【中野座長】  はい。

【大熊委員】  そうですね。

【中野座長】  それでは大体これで前半部分の議論を終えて、後半部分に移りたいと思います。
前半の部分についても御意見があれば、また後半の議論のときに述べていただければと思います。
それでは後半の3について、事務局から説明をお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  はい。御説明をいたします。5ページの3を御覧ください。
3.今後の課題と当面の対応方策
(1)国内での人材育成
ILC計画のような大規模なプロジェクトを実施するに当たっては、現状の国内の人員では圧倒的に質・量ともに不足しており、戦略的・計画的に人材を育成していくことが不可欠となる。
特に、我が国が主導的な役割を果たす場合は、大規模プロジェクトのマネジメントができる人材の育成・確保が必要である。
また、加速器分野の人材の必要量は、ILC計画のような大規模計画により一時的には増えても、増員分の一部は恒常的なものではないので、計画終了後を想定し、育成した人材のキャリアパス(国内の展開のみならず、海外での活躍も含む)をあらかじめ考えておくことが求められる。
その際、加速器というシステム全体を俯瞰して見られる加速器の専門家を着実に育成・確保するとともに、各技術分野で高い専門性を有する技術者をプロジェクトに動員することにより、必要な人材量の変動に柔軟に対応できるような体制を整えることが望ましい。
例えば、現在でも既存施設の改修や機器の大規模なアップグレードなどは行われており、そのような機会を捉え、現場経験を踏めるよう積極的に若手人材を投入する。
また、仮に新たな加速器の建設計画が実現する場合には、国を挙げて若手人材の育成の場としても活用する。可能であれば、システム全体を統括するようなポストに若手を登用し、マネジメントについても経験させ、リーダーとしてプロジェクトを牽引していくような人材を育成することも重要である。
加えて、規模の大小を問わず、国内の加速器施設を連携させてネットワークを構築することで、加速器分野の人材の交流を活性化し、どこかで加速器の建設が行われるときに、そのネットワークから人材を集中的に投入し、多くの人に建設の経験を積ませることができるようにする仕組みの導入を図ることも考えられる。
6ページに参ります。
人材育成に当たっては、海外における加速器施設の建設・改修についても積極的に若手人材を派遣し、その場を活用して経験を積ませることも検討すべきである。
このほか、システムとしての加速器に必要とされる各技術分野の技術者との交流を積極的に進め、少数の加速器の専門家だけがプロジェクトを担う体制から、関係する技術分野の多様な技術者も加わってシステム全体を支える体制へと、人材の裾野を広げていくことも重要である。
2.海外からの人材供給
ILC計画に必要となる人材については、国内の人的資源を推定し、その量的・質的な不足分を補う可能性について、海外パートナーと綿密に調整を図ることが前提となる。その供給量については、実行可能な計画となるよう、先方からの供給可能量や供給可能時期を踏まえた上での調整が重要である。
加えて、海外の研究者、技術者が参画することを想定すると、海外研究機関における給与や勤務条件等(特に給与・処遇面での格差)の調整のみならず、住環境、各種の生活サポート、家族への生活支援等を含めて総合的な環境整備が重要であり、そのための検討が必要である。
続きまして、中家委員の御意見を紹介いたします。先ほどの机上資料の2ページ目を御覧ください。
5ページの「例えば」から始まる丸、続く3つ分まとめまして、右側に書いてある御意見を頂いております。
この国内の活動やネットワークの中に、プロジェクト・アソシエイトのようなシステムで外国人人材を組み込むことも重要だと思います。外国人人材も国内若手と同様に、ILC計画前から準備する必要があると思います。今の書き方だと、「2.海外からの人材供給」が絶対必要であるにもかかわらず、少し内容が少ないかなと思いますという御意見を頂いております。
事務局からは以上でございます。

【中野座長】  ありがとうございます。それでは後半の部分の議論に入りたいと思います。何か御意見はありませんでしょうか。

【山本委員】  先ほどに引き続きまして2点、関連することで御意見をさせていただきます。
一番最初の国内人材、1の丸のところでございますが、ここでも1行目のところで後ろの方から読みますと、「現状の国内の人員では圧倒的に質・量ともに不足しており、戦略的」云々とありますが、ここも国際協力に基づいて、対等な立場で分担していくということが大前提でありますので、いかにも外国から補充していただくようなニュアンスの誤解はないようにした方がよいのではないかと思います。それから圧倒的にというのは、ちょっとこういう文章には適さないように思いまして、例えばですが、提案といたしましては、1行目の最後の方からいきますと、「現状の国内の人員では明らかに」程度ではどうかと。「明らかに質・量ともに不足する」で一旦切って、その後に戦略的の前に「国際合意に基づく適切な分担を定め」というのを入れて、「戦略的・計画的に必要な人材を育成していくことが不可欠である」というふうにすると、ここが明確になるのではないかと思います。
それから似たことで関連することになりますが、次のページ、海外からの人材供給、2のところでありますけれども、ここも1行目のところで、省いたらいいと思うところがございます。「ILC計画に必要となる人材については」の後、一旦そこは省いていいのではないかと思うんですけれども、その省けばいいと思うところは、「国内人材資源を推定し、その量的・質的な不足分を補う可能性について」と。この補う可能性についてというところは必要ないと思いまして、そのかわりに今の国内からついてまでのところに、「国際協力における相互の分担について海外パートナーと綿密に調整を図ることが前提となる」、そういうふうな趣旨に書き換えると、その不足を補うといったようなことではなくて、対等に分担を話し合った上で進めるということが明確に伝わるのではないかと思います。
以上、御意見をさせていただきました。

【中野座長】  今の御意見はどう言ったらいいか、そもそもILCというのは国際分担で行うものであるので、そのことを明確にした上で、国際分担なので日本だけでは不足するのは当たり前なので……。

【山本委員】  そうですね。

【中野座長】  当たり前のところは省くということですね。

【山本委員】  はい。

【横溝委員】  ちょっといいですか。こういうのを国際的に進める場合には最初の前提が非常に重要で、国際機関を作るという前提で、そこが人を募集してやっていくのか、日本が中心にやって足りないところを海外から協力してもらうのかというのを決めるのが一番重要ではないかと思うのです。これが日本が中心になって、足りないところを手伝ってもらうとかという、そういうニュアンスで書かれているような気がしてしまいますけれども、例えばリニアコライダーの国際組織というのができると、そこでいろいろな人の募集が行われるのではないか。世界レベルで募集するわけで、募集の基準も国際レベルで決まってくるかなという気がします。それが決まっていないのは、今どう書くかというのはなかなか決められないところでこう書いているのでしょうけれども、ちょっとそういうイメージを持ちながらした方がいいのかなと。そうすると、日本だけで人材を育成するというよりは、募集なり公募するときの条件をきちっとどうしたらいいのかという、そういう視点も入れないとまずいのかなという気はするんですけれども。
特にイーター (ITER)では今、いろいろな情報が入ってきて思うんですけれども、イーターは国際機関だからレベルが決まっていて、それの募集をしますというのが世界に回るわけですよね。そうすると今、個人的な視点ですけれども、イーターで何が困っているかというと、エンジニアリングのフェーズなのに国際基準が研究者を重視するような評価なり、募集の基準になってしまっていて、ちょっと現状のニーズとずれているところが起こっているような気がするのです。だからそういう視点も最初から取り入れてやっていく必要があるのではないかと思っていて、そこが決まっていないと書けないところもあるのでしょうけれども、非常に重要な視点が抜けているのかなという気がします。

【中野座長】  多分この国際協力というか、国際分担というところ2点あって、もちろんILCラボという国際的な研究機関を国際協力の連携の下運営、あるいは建設していくという部分もあるんですが、それとは別に、例えば加速器のコンポーネントを国産分担で製造していくとか、そういうところもあると思うんですよね。
だから、そのときに日本だけじゃなくて、いろいろな諸外国と協力して作っていくということももちろん書くべきなんですけれども、そうはいっても日本の中でILCを建設していくときに、今のままでは、どういったらいいか、人材を育成しないと足りない部分がある。その部分は、やはり書いていかないといけないのかなと思います。

【横溝委員】  だからそれは日本を対象というよりも、世界的な視点で人材をどういうふうに育成して確保してくるかという視点を入れればいいのかなという気がするんですけれども。

【山本委員】  よろしいですか。

【中野座長】  どうぞ。

【山本委員】  もともと、大前提は国際研究所を作って進めましょうという提案になっている。それが認められているわけではないけれども、そういう提案ですから、それが第一だと。その上で、具体的にはどう分担するんですかというのがここでいろいろ議論していただいていることで、そうすると国内と外国の状況で云々というのが入ってくるのだと理解しているので、座長のおっしゃったとおりの理解で文面を改良いただければ大丈夫ではないかなと思うんですけれども。

【中野座長】  何か御意見ないですか。

【横山委員】  5ページ目の3ポツの上から2番目の文章でございますけれども、「我が国の主導的役割を果たす」、ここも今の御議論と関わるので修正が必要かと思います。大規模プロジェクトのマネジメントで、超大型化し違うフェーズに行くときにリスク分析が必要になると思います。宇宙開発は上げたら1回きりなので、リスク分析も徹底的にやる必要があり、特に企業と研究者の責任の分担の明確化や文書化しておく必要がある。加速器においてもスケールが違うものに関してはリスクマネジメント及びリスク分析ができる人材が必要、というような言葉を入れておくとよいと思いました。いかがでしょうか。

【中野座長】  どうでしょうか、皆さん。多分どう言ったらいいか、想定しない状況に対応するということの重要性というか、そういう判断ができる人の重要性というのは何度もこの作業部会の中で議論されたんですけれども、それに加えて専門的にリスク分析するという、そういう人材も必要ではないかということですよね。よろしいですかね。

【池田委員】  入れておくべきだと思います。この間のエバンスさんのお話でも、建設中の土木工事での予期せぬ問題であるとか、あるいはあるベンダーが品質を満たしていない会社だったということが後で分かったという例もありましたし。ただ、こういうことは最初から……。

【中野座長】  分かっている。

【池田委員】  リスクアセスメントをやって、可能性があるかないかというのをある程度切り分けておけば、同じようなことは起こらない、防げる、あるいはもう少し軽くできる、という可能性もあると思いますので、LHCでの経験を材料にして、そういうことも検討するというのは重要だと思います。

【山本委員】  分析はもちろん大切ですけれども、プロジェクトマネジメントとともにリスクマネジメントができるということが多分求められている。分析だけではなくて、リスクをどう克服するかというのが、まさに求められていると思うので、何かそういう表現になると、今の横山さんの御意見が生きるのではないかと思ったりします。

【中野座長】  ほかに何か御意見ないでしょうか。多分ここのところは強調してもし過ぎることはないというか、何度も何度も出てきたところですので、きっちり書きたいと思いますが。

【大熊委員】  違う話に行ってもよろしいわけですね。

【中野座長】  もちろん。

【大熊委員】  5ページの一番下のところなのですが、「国内の加速器施設を連携させて」という言葉がやっぱりちょっと引っかかるんです。まあそれはいいとして、「連携させてネットワークを構築する」と。非常にいいことが書かれているのですが、これを読むと具体的にどうやってやるのかというのはやっぱりどうしても、何となくよく分からないのですよ。そこのところは、だからといってこうやるのだというふうには書けないでしょうけれども、もう少しうまく書けないかなと。現状こういう話は良く言われるのですが、なかなかできないですよね。各研究所からの協力だとか、そういうのも非常に難しいというのが現実的なところであるので、文科省の考え方を書かれたのかなという気がしないでもないのですが、せっかく書くのだったら、どう書けということが言えないんですけれども、非常に難しいことなのだけれども、こういうことを今後も前向きに検討していくことが、特にこういう大型プロジェクトを進めるに当たっては非常に重要なことになってくるのだというような、何かうまい表現を考えて、現実性がありそうな書き方をしてほしいなという気がするんですよね。

【中野座長】  小関さん、何か。

【小関座長代理】  僕もこういう仕組みがあると良いと思いますが、具体的にどういう仕組みなのかということを考えると、すぐにアイデアがあるわけではないですね。もし素核室の方で具体的なビジョンをお持ちであれば教えていただけるといいかなと思いますけれども、今の段階ではそれほどクリアなイメージがあるわけではないような気がしますね。でも、今後、こういう仕組みについて議論することはすごく重要だと思うし、この報告書で言及しておくのは意味があることだと思うんですよね。

【萩原素粒子・原子核研究推進室長】  現段階でどういうものかというのは全く想定はできないですが、やはりかなりポストとしても狭まってきていて、関われる人数がそんなに多くなくなってきている現状で、貴重な機会があればより多くの人に参加いただくというようなここでの御議論もあったので、こういったとこが考えられるんじゃないかということです。
ほかの分野の例で言いますと、例えばナノテクの分野ですと、平成14年にナノテクノロジー総合支援プロジェクトというのを始めて、何をしたかというと、超高圧電顕とか、NMRとか、多くの大学が必ずしも持っていないようなものについて、持っているところがほかの大学に貸してあげると。そのかわりその分のメンテ費、運用費については国の方から支援しますよと。
こういうので始めて、例えばその電顕を使った研究をする大学のネットワークであるとか、NMRを活用した大学のネットワークというのは徐々にできていて、現時点ではそれがナノテクノロジープラットフォームという形で、今のそのネットワークが続いていると。こういうときに物質・材料研究機構だとか、産総研だけじゃなくて、阪大であるとか、九大であるとか、そういったところも中心となってやっていただいていると。それは国が横からお金が出せるので、ある程度、じゃあ国がお金を出すから誰かに貸してあげてよという言い方ができるのですが、なかなか加速器の場合はもともと共同利用施設として整備されていて、もとから一応国がお金を出していると言えば出しているので、それで共同利用が前提のものでもあるので、どういったとこができるのかというのはなかなか厳しいですが、1つあるとすれば、次に新しく何かプロジェクトが始まるときに、もうやはり我が国を挙げて全力を結集して作るという体制を1回作ってしまうというところで、何とかできないかなという思いはあります。今ちょうど実際放射光をどうするかという話がありますので、もし仮にそれが走るのであれば、そのどこの持ち物になるからそこが中心となってやるのではなくて、日本全体の共有財産として日本全体で支えて作るんだというようなネットワークがうまく作れれば、それが基になってこういうのもできていくんじゃないかなというイメージはありますけれども、それはまだ絵に描いた餅ではありますので、なかなか具体案として申し上げられるようなものはないという状況です。

【中野座長】  何かいいですか。

【浅井委員】  本当にポストお召し上げにして、集中管理する以外ないですよね。

【中野座長】  いや、違うと思います。

【浅井委員】  そういうことをやりたいと言ったら。

【中野座長】  そういう恐ろしい話ではないという。

【浅井委員】  両方に属するという。例えばイタリアはそうですよね。大学に属すると同時に、INFSに属していて、その中で自由に人が出入りしている。やっぱりそういう、何かこう、今基本的に大学は大学、KEKはKEK、放射光SPring-8さんはSPring-8さんになっているんですけれども、やっぱりもう一つ別の組織を作って、その中で人材を回せるようにしていく以外は、それこそポストお召し上げする以外はないのではないかなと思いますけれども。

【中野座長】  建設時に非常に人が……。

【浅井委員】  集まって、次に……。

【中野座長】  次は大学で人を育てるとか、そういう流動的な使い方ができればという。

【浅井委員】  という以外には、ちょっと思い浮かばない。強権を発動する以外は。

【中野座長】  はい。いろいろなところで強権を発動されていますけれども。

【浅井委員】  いえ。

【中野座長】  少しでもどういったらいいか、例としてそういうことが始まれば、徐々に広がっていくのではないかなという気がしますけれども。

【大熊委員】  やはりこれをやると、雇用の問題というのが必ず出てくるのだと思うんですね。自分が所属している研究機関の仕事を、例えば一時的にそこの、何というんですか、ルーチンから離れてやれるとか、そういうやり方をしないと、なかなか難しいのではないかと思いますよね。そういう枠組みは是非、国の指導でできるのだったら、作っていただくのは私は非常にいいことだと思いますけれども。

【浅井委員】  給料半々にすればいいんですよね。

【大熊委員】  半々でも、もらう本人からすると半々だろうが何でもよくて、今までどおりちゃんともらえるということが。

【浅井委員】  そこで、だから。

【大熊委員】  終わった後またその雇用が保証されるということもまた重要、キャリアアップでもいいですけれども。何かその辺の仕組みがあると、可能性はあるのかなという気がするのです。

【萩原素粒子・原子核研究推進室長】  制度的には国立大学改革の中でクロスアポイントメントなども進めることにしていますので、例えばその施設を作るのが独法であれば、その独法とクロスアポイントメントで、週に1日2日、その独法で働いたことにして、給料を3、2で分けると。そういったことも考えられはしますけれども、なかなか国立大学全体で年俸制の教官がどれぐらい入っているかというと、そこまで大きく入っているわけではないという現状もありますので、なかなか国がこうやれというよりは、そのプロジェクトが走る中で、最善のやり方としてこういうのがあるんじゃないかと提案をさせていただいて、それに乗っかっていただける方にまず参加していただいて、うまく走り始めたら、なかなかいい方法だなということでほかの方にも参加いただくというような、奥歯にものがはさまったような言い方をしますが、やっぱり国立大学に対しても強制はできませんので、いいモデルをうまく小規模ながら作って、小さく生んで大きく育てるといったようなことをやっていくしかないのかなとは思っています。

【大熊委員】  だったら、今回のILC計画が実際にスタートした場合に、それをモデルとして、例えばこういうネットワーク作りをしていくとか何とか、そういう書き方はできないでしょうかね。

【中野座長】  ILCがゴーになってからですか。

【大熊委員】  なってからというか、なるのを前提としてですね。

【中野座長】  なるのを前提に、そこもなかなか難しいですね。

【大熊委員】  難しい表現ですけれども。仮にといいますかね。

【小関座長代理】  難しいな。

【中野座長】  ただ、こういう方向性自体は加速器の施設の先生方からも賛同を得ていますので、書き方のところでもう少し具体性があるような形で、もう一番具体的な話をしていただいたので、それを頭の中に思い浮かべながら書くということで進めたいと思いますけれども。

【大熊委員】  次の丸もそうなんです。6ページで、「積極的に若手人材を派遣し」というのですが、どこがと。研究所が、国が、こういうふうな疑問がどうしても出てしまうんですよね。研究機関によってはとてもそんな余裕はないというところもあるし。だからこういうのもやはり、何か形を作る必要があるのかなという気がしますけれども。

【小関座長代理】  こういうのは実際にはそれぞれの研究機関でやっていることではあると思いますけれども、それをもうちょっと後押しするような、そういうシステムがあるとすごくいいかなと思いますね。例えばKEKでもマンパワーをやりくりして若い人が建設中の海外の加速器計画に合流して、そこで1年なり2年経験を積んでくるということはやるわけですけれども、そういうことを国としてより組織的にバックアップしていただけるようなシステムになっていると、チャンスが広がっていくのではないかなとは思います。

【大熊委員】  おっしゃるとおりなんですけれども、KEKだからできるんですよと言いたい人も多分いると思うんですね。

【小関座長代理】  まあ、そういうところはあるかもしれませんね。

【大熊委員】  それを含めて、やはり乗り越えてやらないと、こういうものは結局ネットワークにはならないわけであって、だからそこが非常に重要だと思うんですよね。KEKはいけるかもしれないけれども、うちの研究所などは、とても人材なんか派遣できないよというところも、やはりたくさんあると思うんですよね。そこを考える必要があると。

【中野座長】  ほかに御意見ないでしょうか。

【山本委員】  なければ、ちょっと2段目ぐらいの話ですけれども、先ほど1回出たものの確認です。

【中野座長】  何ページですか。

【山本委員】  5ページ目の3の1の、丸でいうと1、2、3、4、5、6のところが、「また仮に」という言葉が入っていて、多分これはなくてよい言葉では、ない方が明確でよいのではないかと思います。
それからその文の場合だと最後は「活用する」なんですけれども、「活用すべきである」の方がよりよいのかなと思います。
以上です。

【中野座長】  ほかに御意見ないでしょうか。池田先生。

【池田委員】  先ほども申し上げましたが、内容的には取り組むべきだし、取り組まないと、ILCだけではなくて加速器を含めた技術の発展という面で、日本が置かれている状況は諸外国に比べると少々厳しいというところだと思うのですけれども、時間軸のどのあたりからこれをやらなければならないかというところが、気にはなります。ILCがなくてもやらなければならないということであれば、なるべく早くこういう手だてを実現しなければいけないという表現にするとか、悩ましいところだとは思いますが、ILCが決まってからやるというのでは、多分もう手遅れだと。やろうと思っていたのに間に合わないということになるのではないかと。特に若手を登用し、というような話がありますけれども、どういう世代をいつからトレーニングして、何年後にマネジメントできるようにするとか、そういうところが見えないので、総論的にはすばらしいのですが、具体性があるのか、という点がどうしても、読んでいて感じてしまうので、時間軸をもう少し何か記載できないかなと思います。

【中野座長】  かなりの部分はILCがゴーになろうが、それはどういうのか、余り言い方がないですけれども、ゴーになろうが、そうではなかろうが、すべきことが書かれていると私は認識していますが、もう少し明確に、この部分はすぐにすべきであって……。

【池田委員】  ええ、そうだと思います。

【中野座長】  この部分は少なくともILCがゴーになる4年前にはすべきとか、そういう具体的な時間スケールを入れろという方が……。

【池田委員】  はい。その方が説得力というか、報告書としての意思がきちんと出るかと思います。

【萩原素粒子・原子核研究推進室長】  この報告書自身は、別にILCをやるために作っていくわけではなくて、ILCというものを考えるときに人材の問題で、まだちょっと検討が足りない部分があるのではないかというのが、去年6月の有識者会議の御指摘だったので、実際に研究者の間で検討されている数字というのがどの程度のものなのかというのを聞かせていただいた上で、今後我が国として何か考えるべきことがあるかということでまとめさせていただいています。
その点でいうと、ILCをやる前提で何年前から何をしなければいけないという話は、当然この中には書き込むことはまだできない。それは決めてからの話になりますので、山本委員からのお話にもあるとおり、4年前から準備することになっていますので、その4年の準備期間で何とかしていくというのは基本だと思います。それ以外の部分について、仮にというのはちょっとネガティブかもしれませんが、ILC計画のような大型の計画を将来的には何らかの形でやるんだということであるとすれば、人材が枯渇していたらもうできなくなってしまうので、そういった危機的な事態は避けなければいけないので、今何をやるべきかということを書かせていただいていて、そういう意味では、ILCをたとえやらなかったとしても必要な部分というのは、時間軸的にはできるだけ速やかに、もっと平たく言えば、お金があれば今すぐにでもやりたいというようなことを書いているというイメージです。ちょっとその辺が分かりづらいということであれば、ちょっと座長とも御相談しながら、何らかの形で時間のイメージがつかめるような書き方には修正をしたいと思います。

【中野座長】  よろしいでしょうか。

【池田委員】  お願いします。

【中野座長】  ほかに御意見ないでしょうか。

【横山委員】  若手を獲得するような活動はたくさんやっておるのですがなかなか難しく18歳人口は減っていくのですから、シニアの先生方の御活躍を確保するような取り組みというのも、一方ではもしかしたら必要かもしれない。もちろんポスト不足は続いているので、採用には若手を優先していただきたいと思うのですけれども、シニアの教員の活躍も確保する必要があると思います。

【中野座長】  現場から見てどういう感じですか。

【小関座長代理】  もちろんシニアの先生方にもかなり活躍していただいておりますし、そういうシステムも少なくともKEKはできていると思います。よその研究所のことはよく分かりませんが、KEKは定年された方に再雇用の形で活躍していただく仕組みがあります。実際そういうふうにやらないと、今御指摘があったように回らないですね。今、60歳、65歳といっても皆さんお元気なので、まだまだ活躍していただけるし、そのようにやっていかないと現場は回らないというのが実情だと思います。

【横山委員】  ありがとうございます。承継ポストは若手に譲っていただいて、違うポストで是非長く御活躍いただけると大変いいのかなと思いました。ありがとうございます。

【中野座長】  ほかに御意見ないでしょうか。

【山本委員】  細かい点を含めて、7日には有識者会議に出されるということなので、時間もそれほどないと思いますが、私たちはこの後どういうふうに何か、コメントがあれば……。

【中野座長】  細かいいろいろな御意見をメールで頂きたいと思います。

【山本委員】  はい。分かりました。

【中野座長】  もちろん。

【大熊委員】  きょうの議論を踏まえて、改訂案がすぐに出てくると考えてよろしいのですか。

【中野座長】  改訂案を待たずに、この報告書について御意見頂けたらと思います。

【大熊委員】  待たずに。

【中野座長】  改訂案は改訂案で早速準備いたしますが、それに対する御意見ももちろん受け付けますけれども、まずはこの案に対して、口頭で言うほどでもないけれども細かい点で気になるという点は、即座にメールで頂けたらと思います。

【横溝委員】  ちょっとコメントですけれども、人材とちょっと離れるかも分からないですが、6ページ目、最後のところの最後の丸ですけれども、海外の人が日本で生活するのはサポートが重要ですというふうに書かれている中で、恐らくリニアコライダーができるのは田舎だと想定すると、田舎の地域のサポートというのは非常に重要なのですね。東海村も東海村が結構サポートしてくれていて、J-PARCなどが外国人もかなり来るんですけれども、いろいろ配慮をしてくれている。そういうところに対して一言何か、地域からの外国人に対するサポートをしていくような、そういう言葉を入れてもらうというのもいいのかなと思います。ちょっと人材とは異なるかも分かりませんけれども。

【中野座長】  よい人材を集めるのに、その環境は大事ですので、それは書いておいた方がいいと思います。
ほかに御意見ないでしょうか。浅井先生。

【浅井委員】  そうですね、これを読んで何をすればいいのかというのが、やっぱり一番最初の違和感だったのですね。1桁目、4桁のプレシジョンの後から読んで、だから本当に加速器アソシエーションを作るだとか、第一歩でもいいので、やはり何かのアクションを起こすようなまとめ方をした方がいいのではないかなというのが、正直申し上げて読んだ瞬間に、じゃあこれで僕あしたからこれをやるからおまえやれと言われても、何をしていいのか分からないというのが正直な印象で、だから本当に皆さんおっしゃられたように、そういう加速器のJ-PARCも含めて、リニアコライダー、J-PARC、アトラス、あと放射光もございますし、SRring-8とか、この辺も含めて本当にそれを加速器人材というもののアソシエーションみたいなものを、やっぱり速やかに作っていくか何かのコメントぐらいにしておかないと本当に。

【中野座長】  1つのアクション。

【浅井委員】  そうでないと、アクションをどうとっていいのか分からないですよね。申し訳ないですけれども。そこが違和感だったのです。

【中野座長】  加速器を建設してこられた、それからこれから建設していただく、そういう人材というものの必要性と、どういったらいいか、重要性というのは十分議論されたと思いますので、そういうことにつながるようなアクションというか、手だてというものをはっきりと書くという方向で。

【浅井委員】  お金と権限を与えられても、何をしていいのか分からないというのが結論になってしまうといけないと思うので。

【山本委員】  少しだけ時間がありそうなので、今の浅井さんの発言に対して改めて考えてみると、そもそもこの人材作業部会は、今考えているような人材の想定で、そもそもこういう計画はできるのですかという問いかけに対して、それがある意味フィージビリティーなのかどうかということを検証しようとしたものだと思うんですね。そういった点では、浅井さんの御指摘も分かるけれども、一方でほぼ同規模のLC計画というのが実際にこの10年、20年の中で世界では建設されていて、そういったスケールから考えると、例えば考えようもないとんでもない計画ではなくて、国際協力というものはきちんと、ちゃんと構築されればできるべきものだということは、多分ある程度浮き彫りにされたのではないかと私は思いました。ですからそういった点で、この今回の報告書がそういったことを述べていたとすれば、それはきちんとした成果として皆さんに受けとめていただけるのではないかと。その上で、今浅井さんがおっしゃったような、より積極的なアクションが見えるようなものにするかどうかというのは、多分ここで議論して本日が最終回だとすると、なかなかそこまでは今回の作業部会で浮き上がらせること自体は難しかった、やむを得なかったのではないかと。

【中野座長】  多分浅井先生の御意見は、もうここで既に書かれていることをもう少し具体的な行動としてまとめればということだと思います。例えばネットワークというのではなくて、それをもう少し具体的にどういう連携にするのかとか、そういうところまで書ければ書いた方がということだと思うんですけれども。もちろん書こうとして諦めるかもしれないですけれども、まあトライはできるかなと思います。

【山本委員】  私は大賛成です。

【中野座長】  一方、もちろんどういったらいいか、全く手が出ない、人材的に手が出ない計画じゃないということはもう明らかですけれども、一方不足している人材とか、結構気をつけて育てていかないといけないタイプの人たちというのも、そういう点も浮き彫りにされたわけなので、そこもきっちり書くべきかなと考えています。
ほかにないですか。よろしいですか。
それでは、予定していた時間にはなっていないですが、意見もほぼ出尽くしたようですので、議論はここまでとさせていただきたいと思います。
もしほかに御意見がありましたら、会議終了後事務局まで御連絡頂ければと思います。本日頂きました御意見並びに、後ほど事務局へ出された意見につきましては、その取扱については私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【中野座長】  ありがとうございます。それでは、これをもちまして当作業部会の報告書として取りまとめさせていただきます。ありがとうございました。
本日最後の議題となりますが、今後の流れについて事務局から説明をお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  今後のスケジュールについて、資料はございませんが、御説明いたします。
先ほど座長からも御説明がありましたとおり、7月7日開催予定の有識者会議におきまして、本日の報告書について報告いただき、議論をする予定でございます。その上で、本報告書につきましては有識者会議の報告として公表される予定でございます。
それから今ほど御提示のありました意見の提出していただくのと、あとは改訂版の御提示、それからさらにそれに対する御意見の集約でございますけれども、例えばでございますが、きょう20日の月曜ですので、22日の水曜日まで、あさってまで、きょう言い切れなかった御意見についてメールで出していただいて、そこで座長、座長代理と御相談しながら改訂案をきょう頂いた御意見も含めて調整しまして、それを24日、今週の金曜日までに先生方にお示しをする、そして28日、来週の火曜日か水曜日頃まで、さらにその改訂版に対する御意見をまた募るというような形で、ちょっと今話しておりましたが、座長、それでいかがでございましょうか。ほかの委員の皆様も。

【中野座長】  私は結構だと思いますが、皆さんよろしいでしょうか。

【山本委員】  あとお願いですけれども、前回の作業部会のときにお言葉ありましたが、是非英語にして、有識者会議等を踏まえた上かと思いますけれども、発信いただくということについては改めてお願いをしておきたいことなのですが、よろしいでしょうか。

【吉居加速器科学専門官】  英語版につきましては、今申し上げたとおり有識者会議に一度お諮りをして、その会議としての公表になる予定ですので、親会議の座長等とも御相談をさせていただきたいと思いますが、できるだけその方向でお話ししたいと思います。

【山本委員】  是非御相談いただきたく、よろしくお願いいたします。

【中野座長】  以上で本日の議題は終了となります。本日の議論をもって、本作業部会は一応報告書(案)を固めることができたということで、今後ですけれども、本内容について7月7日の有識者会議に報告して、それから有識者会議から再度議論するよう指示がない限りは、今後の部会開催というのは予定しておりません。非常に協力的に、かつ建設的に議論が進められたと思います。非常にいい報告書(案)がまとめられそうです。どうもありがとうございました。
それでは最後に事務局からも一言お願いいたします。

【小松研究振興局長】  取りまとめを頂いたということで、一言お礼を申し上げたいと思います。
長期間にわたりまして非常に丁寧な御議論を頂きまして、どうもありがとうございました。TDRにおける人材の記載の検証、それから国内外の大型加速器プロジェクトの人材の育成や確保についていろいろまとめていただきまして、その上に立ってILC計画だけではなく、今後の日本の大型加速器プロジェクトについて、人材の不足であるとか課題、そしてそれに対してどのように対応していくかについて方向性を示していただきまして、大変有意義であったと考えております。
ILC計画につきましては、今後も引き続き有識者会議で御議論を頂くわけでございますけれども、先生方には今後も加速器科学、我が国の加速器科学、それから素粒子・原子核物理学について、様々に御助言を頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【中野座長】  そのほか、事務局から何かあるでしょうか。

【吉居加速器科学専門官】  本日の議事録につきましては、後日メールにて内容確認をお送りいたします。先ほど私口頭で申し上げました残りのメールでのやりとりの期限等に関しましては、きょうメールにて先生方にお送りしますので、またどうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。

【中野座長】  それでは以上で終了いたします。ありがとうございました。


―― 了 ――


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