次期フラッグシップシステムに係るシステム検討ワーキンググループ(第3回) 議事要旨

1.日時

平成26年8月18日(月曜日)17時~19時

2.場所

文部科学省15F特別会議室

3.出席者

委員

(委員)
小柳主査,浅田委員,梅谷委員,加藤委員,小林委員,善甫委員,中島委員,平木委員,藤井委員,松岡委員
(理化学研究所)
平尾機構長,米澤副機構長,宇川副機構長,石川プロジェクトリーダー(PL),佐藤副PL,牧野副PL,富田副PL

文部科学省

常盤研究振興局長,山脇審議官,安藤振興企画課長,鈴木参事官,川口計算科学技術推進室長,遠藤参事官補佐

4.議事要旨

・議事開始に当たり,議事を非公開とすることを確認。

(1)理化学研究所からの追加説明(第2回ワーキンググループにおける指摘事項への回答を含む)

・事務局より,「ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題についての検討委員会」の議論について説明。
・石川PL,佐藤副PL,富田副PLより,次期フラッグシップシステムに係るシステムの検討状況について説明。主な質疑応答は次の通り。
【平木委員】「京」の資産を生かすことのできるネットワークを検討しているとのことだが,その考え方を聞きたい。
【佐藤副PL】基本設計において精査しなければならないと考えるが,経験上,フィットするアプリケーション(アプリ)が多いと考えられるネットワークを選んだ。
【平木委員】プロセッサのチップ面積についての妥当性はどのように考えているのか。
【牧野副PL】現在想定している面積の妥当性を基本設計で確認することになると考えている。
【平木委員】コストについて,下方展開が可能なものとなっている必要があるが,どのように考えているのか。
【石川PL】基本設計担当企業が選定されてから実現性があるかを確認しなければならないが,若干でも下げる方向で検討を進めている。
【加藤委員】Co-designで決めることを明らかにしてほしい。また,主要な仕様はいつまでに決まるのか。
【佐藤副PL】現在のところ,必要な演算量や通信量の見積りを基にCo-designを進めているが,この先は,コンパイラへの動作命令を含めて,シミュレータを用いて検討することを考えている。これを年度内に行い,主要な仕様は来年の夏までに決めたい。
【加藤委員】流体・構造計算において,想定されるメモリバンド幅の限界に応じてアプリを設計し直すことを考えなければならないが,コードによっては簡単にアルゴリズムを変更できないことがあるということを,十分考慮すべきだ。
【佐藤副PL】アルゴリズムレベルのCo-designの過程で対応していきたい。
【浅田委員】信頼性について,これまでのような形ではいかないと考えられ,楽観的な議論になっているように感じる。
【浅田委員】Co-designはどのようなことを実施することを考えているのか。
【佐藤副PL】動作命令のところを変更することもCo-designではあるが,まずは,例えば,キャッシュ,ネットワーク及びメモリバンド幅といったシステム全体のパラメータを決定していく。
【富田副PL】Co-designの第1フェーズは,アーキテクチャのパラメータを決定する上で物理的に性能が出るかというところを検討するフェーズで,第2フェーズでは,I/O関係のところやコンパイラに対してどういった指示文を作るかを検討するフェーズであるといった認識だ。
【浅田委員】アーキテクチャの方向性は,ポスト「京」の先を見通して出すべきだという話があった。ポスト「京」の先はどうなると考えているのか。
【佐藤副PL】基本的には演算機がたくさん入り,メモリバンド幅・ネットワークバンド幅が相対的に少なくなると考えられ,それらのバランスを考えていくことになると考えている。
【平木委員】Co-designについても,ポスト「京」の先を見据えて進める必要がある。
【松岡委員】Co-designによる性能の向上がなければ,商用機をもとに作れば良いのではないかという話になる。Co-designによる性能の向上をどう実現するのか。
【佐藤副PL】商用機をもとにして,単にCPUを小さくし,ノード数を増やすのではコストが上がってしまうので,メモリバンド幅等のバランスを考えていくということになる。
【牧野副PL】エクサスケールの実現には,商用機をもとにすることは現実的ではなく,演算機の密度を上げることが必要になると考える。
【佐藤副PL】演算速度を遅くすると,性能あたりのコストの目標値が達成できなくなるので,SIMD(Single Instruction/Multiple Data)を使えるようにして,実行効率を上げることが必要だと考える。
【小林委員】アプリケーションの実行効率について,Co-designの効果を聞きたい。
【石川PL】東大の「将来のHPCIシステムのあり方に関する調査研究」の結果が性能の底になり,そこからCo-designによって上げることを考えている。また,アルゴリズムを変えることで上がるものがあると考えている。

(2)その他

・事務局より,総合科学技術・イノベーション会議に対して説明を行うポスト「京」の開発の検討状況について説明。
・事務局より,HPCIコンソーシアムからの提言を紹介。

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