次期フラッグシップシステムに係るシステム検討ワーキンググループ(第2回) 議事要旨

1.日時

平成26年7月4日(金曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省15F特別会議室

3.出席者

委員

(委員)
小柳主査,浅田委員,梅谷委員,笠原委員,加藤委員,工藤委員,小林委員,善甫委員,中島委員,平木委員,藤井委員,松岡委員,宮内委員
(HPCI計画推進委員会委員)
土居主査
(理化学研究所計算科学研究機構)
米澤副機構長,宇川副機構長,石川プロジェクトリーダー(PL),佐藤副PL,牧野副PL,富田副PL

文部科学省

下間参事官,川口計算科学技術推進室長,遠藤参事官補佐

4.議事要旨

・議事開始に当たり,議事を非公開とすることを確認。

(1)ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題についての検討委員会の議論について

・事務局より,「ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題についての検討委員会」の議論について説明。

(2)理化学研究所からの追加説明(第1回ワーキンググループにおける指摘事項への回答を含む)

・石川PLより,次期フラッグシップシステムに係るシステムの検討状況について説明。
・第1回に欠席の平木委員よりコメントの提示。内容は以下の通り。
-価格が高いことが大きな問題だ。電力性能は良いと考えるので,価格について何とかすることができれば,価値あるシステムになるのではないか。
-加速部については,高価で,しかも電力性能がそれほど良くないということを見直すことができないのか。
・主な質疑応答は次の通り。
【宮内委員】このシステムができる2020年は東京オリンピックが開催される予定だが,サイバーテロ対策等,セキュリティに対する考え方を新たに構築しておく必要があるのではないか。
【石川PL】ポスト「京」だけでなく,HPCI全体の話になるので,そちらと相談しながら進めていきたい。
【加藤委員】検討されているアプリケーション(アプリ)は,実効性能がピーク性能に対して7割程度になるとのことだが,ほとんどL2キャッシュに乗るものなので,メモリバンド幅を上げなくても性能は落ちないと考えられる。一方,産業界で多く使われている流体計算等はメモリバンド幅を要求しているので,メモリバンド幅を2倍に上げてほしい。
【石川PL】メモリバンド幅を上げることを検討する。
【浅田委員】ピーク性能を出すためにPower Knobを使い,電力性能を満足するようにしているのか。
【石川PL】Power Knobを使わなくても目標電力制限を満足し,ピーク性能を出すことができる。ただし,Linpackの目標性能に関して言えば,Power Knobを使うことになる。
【笠原委員】今までできなかったこととして「人工光合成への道を切り開く」,「新型電池開発」,「街の10ブロックレベルのきめ細かさで,30分後の天気を予報」とあるが,これは重点的に取り組むべき社会的・科学的課題と関係があるのか。
【富田副PL】これらは,「ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題についての検討委員会」で議論されている課題のうち,インパクトが高そうなものを抽出したものだ。
【小林委員】汎用部のみで増強することによる得失を示しているが,「創薬・医療」,「新物質・エネルギー」,「防災・減災」,「次世代ものづくり」,「基礎物理学」それぞれの分野全体のアプリがそのようになるのか。
【富田副PL】「アプリケーション分野からみた将来のHPCIシステムのあり方の調査研究」(アプリFS)での計算量をもとにしており,加速部込みの構成と汎用部のみの構成で,その分野全体のアプリを対象に,どのくらいスループットが上がるかを示している。
【松岡委員】電力の見積りの詳細が分からないので,例えば「京」をベースとした商用機の異なるバージョン間で電力性能が向上した実績をもとにして,ポスト「京」の電力性能を説明する資料を出してほしい。
【加藤委員】メモリバンド幅を2倍にしたとすると,直感的にインターコネクトが弱く,バランスが悪いと思うので,ネットワークについてもう一度精査してほしい。
【石川PL】この件は基本設計を実施する際に検討したい。
【工藤委員】電力性能についてTop500の予測値と比較しているが,示されている予測値と目標値の差が非常に小さいので,半年ずれるとチャレンジングとは言えないのではないか。
【石川PL】半年遅れたときに我々が考えているものより微細の半導体製造技術を使うことができるようになった場合には,そちらの方が電力性能は良くなってしまう。
【工藤委員】これから企業選定ということだが,例えば機材等の理由でほかの会社が全く参入できない状況にはなっていないと考えて良いか。
【石川PL】原理的にどこの企業であっても参入できると考えている。ただし,汎用部のみのシステムとなることは重要だ。
【工藤委員】エラーに関して,「京」と同じ程度の故障率となることを目標とするのか,あるいはプロセスルールが変わったために上がることを想定しているのか。
【石川PL】RAS機能を強化する形で,「京」と同等になることを考えている。
【平木委員】汎用部のみのシステムを採用したということを納得するために,加速部についての検討内容を示してほしい。
【石川PL】加速部に関しては,「将来のHPCIシステムのあり方の調査研究」において筑波大チームが検討しており,その結果として開発コストが想定よりも高かったため,汎用部のみとなった。
【松岡委員】演算性能について,「京」をベースとした最新の商用機をもとに議論すれば精度の高い数字が得られ,かつ,ネットワークが半分になったときにどうなるかということについても,信頼性の高い数字が得られるのではないか。
【石川PL】アプリを幾つかに絞り,オープンな形で候補ベンダにベンチマークしてもらうということはありうる。ただし,それには時間がかかってしまう。

(3)中間取りまとめについて

・事務局より,中間取りまとめ(案)について説明。主な意見は次の通り。
【中島主査代理】大体の目途は立っている状況ではあるが,細かいことは今後精査するというスタンスにすべきだ。
【加藤委員】開発主体の提案に対して本ワーキンググループ(WG)の中でどういう議論したかを書くべきではないか。
【松岡委員】キーワードである“社会的・科学的課題の解決に資するシステム”としての成功に導くことが,このWGが目指す最も重要なことだと考える。
【平木委員】理化学研究所が提出したプランについて方向性は良しとしたが,細かいところは良しとしたわけではない。

(4)その他

・今後の論点について意見交換が行われた。

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