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研究機関における公的研究費の管理・監査に関する検討会(第8回) 議事録

1.日時

平成20年5月27日(火曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

コンファレンススクエア エムプラス「サクセス」

3.議題

  1. ガイドラインに基づく実施状況報告書の次年度の分析等について
  2. 最近の制度改善の横断的事項の状況について
  3. その他

4.資料

  • 資料8‐1 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)に基づく体制整備の実施状況について(分析結果報告)」概要
  • 資料8‐2 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)に基づく体制整備の実施状況について(分析結果報告)」
  • 資料8‐3 今後のガイドラインの運用について
  • 資料8‐4 文部科学省関係研究費の制度改善等の取組例について

5.議事内容

【石井主査】
 本日は、先般の検討会で申し上げたとおり、研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づく機関における体制整備の実施状況についての分析結果報告を机上にお配りしている。概要もついているかと思うが、これが、まず第1番目の議題であるが、2番目の大きなくくりとして、最近の競争的資金に関する制度改善の横断的な事項という問題の進捗状況について報告を受け、ご議論をちょうだいする予定である。
 清浦競争的資金調整室長より、資料8‐1、資料8‐2、資料8‐3、資料8‐4、第7回の議事録案の5種類の資料の確認があった。

【石井主査】
 それでは1番目の議題に入る。実施状況報告書をめぐり次年度以降の分析等について、ご議論をちょうだいしたいと思う。それではまず事務局から、資料の説明をお願いする。

【清浦競争的資金調整室長】
 それでは資料8‐3、今後のガイドラインの運用についてという資料をごらんいただきたい。
 ここでガイドラインに関して、1回目の初年度の回しが一通り終わったのだが、次回以降どうするかという点について、一つはガイドラインの趣旨の周知徹底という点についてである。この検討会の議論の中で、ガイドラインの趣旨というものを実際に伝えていく、ここがなかなかまだ達成されていない。これを地道にやっていく必要があるというようなお話があった。このため、(1)であるけれども、説明会、研修会の開催と書いている。まず1のところであるが、参考のところにも書いてあるが、昨年度についてはいろいろなパターンがあり、例えば文科省主催の科研費説明会であったり、あるいは大学等の希望に応じて大学等に出向いて、科研費等の説明とあわせてガイドラインの趣旨の説明をさせていただくような場合。それから公立大学団体あるいは私学連盟等のご依頼に応じて説明に行くというようなケース。トータルで33回ほど足を運んだ。このような活動は引き続き今年度もやっていくということがまず第1点である。
 ただし、これらの説明会等はどうしても時間が限られる。そこで、2であるけれども、ガイドラインに関する研修会の開催を、新たにガイドラインに特化した説明会というのを開催してはどうかと、企画しているところである。
 大久保委員等から、こういう研修会の必要性というものはご指摘をいただいている。我々が今考えているのは、夏以降に回数としては2回程度、場所は東京、それからもう一回は場合によっては関西の2カ所ぐらいで開催してはどうかと思っている。
 対象者としては、特にガイドラインの総括管理責任者や、管理セクションの部課長級の方々というマネジメントの責任者の方に対する研修会という格好で、丸1日かけてしてみてはどうかと思っている。
 内容としては、ガイドラインの趣旨そのものを再度わかりやすく説明するというところである。特にご指摘があった不正防止計画とか行動規範の重要性等について、再度、これは委員の先生方のお力添えもいただきながら、こういう研修会を開いてはどうかと考えている。
 それから(2)で現地調査の実施であるが、現地調査を30機関程度、昨年度の実績では参ったけれども、昨年度については各機関の取り組みをお聞かせいただくという側面が多かったが、今回こうやって分析の報告書が出たということを踏まえて、これから引き続き現地調査に赴く際は、ガイドラインの趣旨等の説明という、こちらから発信するほうも力を入れてまいりたいということで、ここに書いている。それから、もちろん今回分析結果報告書がまとまりまったので、こちらについてはホームページ等に掲載して周知を図っていくということも考えている。
 それから2ポツ目で、ガイドラインに基づく体制整備等の実施状況の確認である。こちらについて、昨年度については平成19年11月中旬に第1回目の状況の報告というものを各機関にいただいたわけである。ガイドラインには毎年1回程度報告を受けるということになっており、平成20年度についても、時期としては少し早い10月末を目途に、各研究機関から文科省へ提出いただき、文科省において内容確認をしていくというところを考えている。これは引き続き継続的に資源配分を受けるところ、あるいは新規に配分を受ける機関に対して、それぞれ報告を受けるということを考えている。
 それからその下にある米印である。実施状況報告書の提出についてはe-Rad(府省共通研究開発管理システム)を利用して行うことを検討中とある。少しこの解説をさせていただくが、その次のページで今現在政府において府省共通研究開発システムというところであって、これは文科省に限らず府省横断的に競争的資金制度を中心として、いわゆる電子申請のプロセスをオンライン化するとともに、研究費の不合理な重複、過度の集中排除というような観点で、このようなシステムが実は20年1月から運用開始している。これによって、今登録している研究者数でいうと、実は46万7,000人程度の研究者の方が科研費の番号をベースとして1人1つの番号を持つということになっている。それから研究機関、配分機関が、今このシステムにつながっている状態である。
 昨年度まで、ガイドラインに基づく体制整備の状況についても、紙ベースで郵送で送っていただいたのだが、次回からは府省共通システムなどを利用して電子的に受け取ることも検討しているので、詳細については各機関にご連絡したいと考えている。
 (2)は上と同じ趣旨でが、現地調査についても引き続き行うということを考えている。

【石井主査】
 ご意見をどうぞ。

【中村委員】
 今後は毎年報告するのだろうか。

【清浦競争的資金調整室長】
 ガイドライン上毎年1回程度ということになっていて、その次の年度からどうしていくかというのはまた議論が必要かもしれないが、これは初年度に引き続いて次の変化がどうなっているかという点に関しては、とり方の工夫はいろいろあると思うが、ご報告はやはりいただかなくてはいけないのではないかと事務局としては考えている。

【石井主査】
 いろいろなケースがあると思う。この前の報告では、うちのほうでは体制整備はあまり進んでいないという報告をしたところは、それをどれだけやったかということが主眼になるだろう。かなりしっかりとやった研究機関、大学等については一体何を求めるのか。それをやってみて、研究者との間にえらいトラブルがあったとかというような結果を求めるのか、さまざまなフェイズないし、レベルの問題があると思うが、それについては事務局のほうではどういうふうに考えておられたのだろうか。

【清浦競争的資金調整室長】
 まだ具体的に報告書の様式そのもののレベルで詰めているわけではないが、まず報告書自体も2つの層に今回分かれていて、基本的には記述を中心として機関のほうに状況について記述していただくというところがあって、ここについては今先生のご指摘にあったように、どういう変化があったかというところと、どういうご苦労があったかというところなどを、できるだけ書きやすいガイドが必要ではないかという点が1点である。
 それから、マクロで状況がどうなっているかというのを出していただく。後ろのほうに添付していた様式については、いわゆるマクロの変化自体が継続的にとれるところも念頭に置きながら、問いを変えてみたらいいところについては付加するなりという工夫をさせていただく。大まかにはそういう考えでいる。

【佐藤主査代理】
 そろそろガイドラインそのものの見直し要求というのは出てこないのか。ガイドライン見直しの要求が出た場合、それをどうやって受け入れるか等々は、あらかじめ考えておいたほうがよろしいのではないだろうか。前回のアンケートはまだ1年目であるから当然まだ周知段階だと思うが、今度の調査は2回目になるから、現場のほうとしてもこんなものではやっていられないとか、もっとこういうことをやれとか、そういう意見が出てきて当然だと思うのだが。

【清浦競争的資金調整室長】
 当然今回の調査においても、もちろんガイドラインそのものに対する意見も書いていただいたので、それは引き続き書いていただく。ご指摘のとおり今回も少し議論したが、例えば中小のところに対する取り組みをどうするかといったような観点というのは、より鮮明に浮かび上がってくると思うので、そこは議論をしないということでは全くないと思っている。ただ、様式上どう工夫するかというところについて、まだ準備ができていないが、認識はしている。

【中村委員】
 この検討会の最初のほうにも、たしか私とどなたかが申し上げたが、研究が萎縮してくるのは望ましくない。研究は活性化されたほうがいいわけである。研究費が効果的に活用されるために行っているのだから、そういうニュアンスをどこかできっちり調査してほしい。あくまでも研究費を効果的に活用して研究が活性化された、否定的に言えば損なわれなかったということだが、そういうような指標をほんとうは取り入れたほうがいいと思う。下世話に言えば、例えば何かインパクトファクターの雑誌にたくさん出したとかいうことになるけども、それをやるかどうかは別だが、ニュアンスとしてはやはり研究が限られた資金でより効果的に行われたかどうかに関する、うまく何か指標を少し考えていただいて、そういうものも次回以後取り入れていただくことが望ましい。

【石井主査】
 この検討会はガイドラインをつくり、きちんとやってくれというお願いを片方でする一方、公的研究資金の制度のあり方、あるいはその使い勝手のよさ等について、とにかく改善点を見つけ、かつ、それに向かって検討会としてもいろいろ発言していくということもやってきたのだから、どうせやるのならそっちのほうの問題についてもまだ足りないとか、あるいは例の繰越明許をやってみたが、何かやたら面倒くさくて失ったエネルギーのほうが大きかったとか、例えばそういうことである。我々のタスクは両方あったと思い、実際それをやってきたわけだから、これもぜひお願いしたいということで、去年と同じものが繰り返されていくということではない、もう少し我々の本来のタスクに立ち戻った観点というものを、ぜひ入れていただきたいというのが私の感想である。
 それから、この報告を求める求め方の問題だけではなくて、この計画に入っている研修会をやるとか、先ほどご説明にあったいろいろな努力を引き続き文部科学省としてはおやりになるということであるが、くれぐれもガイドラインをきちんとやれというだけで話が終わらないよう、ご努力をぜひお願いしたい。
 前回か前々回か、大久保委員のご発言に触発されて私自身の個人的な体験の話もついここでやってしまったが、事務方というか、管理をしている事務方と研究者との間のインターフェースというのは大変大事なことなので、その問題をぜひこの研修会なり説明会等においでになった方々におわかりいただけるような努力というものが望ましいのではないか。そういう意味で、研究者にもこういう会に来てほしいので、それに向けて何かいい工夫はないだろうか。自分たちにも言い分があるのなら言ってもらったほうがいいと思うし、今中村委員がおっしゃったように、一体活性化したのか萎縮したのか、これは研究者とのコミュニケーションが、我々や文部科学省なり何なりとの間でないと無意味で、ぶつぶつ陰で研究者がこぼす。それだけに終わってしまうとかえって逆効果ということもあり得るので、ぜひそここのところをご注意、ご配慮いただきたい。そんな感想を持った次第である。
 もし、そういう研究者を引っ張り出すために必要だということだったならば、私も多少のお手伝いはしてもいいと思うわけで、文部科学省と大学の事務方だけが集まって、「やれ」「はい、ちゃんとやる。でもなかなか難しくて」なんていう話で終わってしまうと何にもならない。それから、渡邊部長もいらっしゃるので、ファンディングエージェンシーのほうでも科研費の説明等をおやりになるときを活用して、ぜひお願いしたいと思う。

【長谷川委員】
 ガイドラインが示されて初年度ということもあって、今回の調査結果の分析を見ても、必須事項でも検討しているとか対応できていないという機関がかなりあるということなのだが、そこからまたさらに1年が経過しているということで、資金配分機関として同じような状況にあるときにどういう対応をするのかということを、この調査に先立って明確に示さないと、去年もそうだったからこのままでいいのではないかということで、何かガイドラインが生かされずそのままで終わりそうな感じもしないではない。そうすると対応できていないとか、検討しているというような状況の研究機関に対しては、資金配分機関としてヒアリングをするとか、何か一歩踏み込んだ初年度とはおのずから違った形での対応が必要になるのではないかという感じがするが、その辺はどうなのだろうか。

【清浦競争的資金調整室長】
 ご指摘のとおりだと思っている。今回の件に関しても、途中の回でも少し状況をご説明したが、必須事項としている事項に対応できていない機関もあった。その中で我々も事務的に精査をして、比較的資金としては配分されたにもかかわらず必須事項ができていない機関に対しては、今は40ぐらいあるが、少し質問を投げるところである。必須事項を達成されないまま公的資金が流れるということはガイドラインの趣旨に合わないわけであるから、そういうところには質問票を投げながら改善を促していきたいと思っている。同様に、次に状況を聞くときについても、そういう条件提示といったものは、つまり今の委員のご指摘のようなところは、明確に示すところは示していきたいと考えている。

【石井主査】
 今の問題はまことにごもっともというか、そうあるべきだと思うが、ここで対応を求められているのは機関である。研究者が仮に申請して、科研費なら科研費が採択された場合にどうするのか。ちゃんと機関が対応するまで交付をとめ置くとまで言えるのか。その辺の腹はちゃんと決めておかなければならないと思うが、どういうふうにその辺は省内で議論しているのか。

【清浦競争的資金調整室長】
 例示であるが、基本的にはガイドラインに基づく責任体系はうちの機関はつくれないし、示そうとも思わない。ただ、配分してくれと申請を出すと。要するに今回の調査にちゃんと回答していないようなところもあるわけであって、そういうところはどういうことかというのをきちんと聞いてみる。それで、仮に機関としてそういう管理体制を我々の機関はやるつもりはないということが明らかになった場合は、それは研究者の個別の申請にかかわらず、機関として管理体制がないという判断をせざるを得ない状況というのも、可能性としてはあると思う。だから、その基準をどう構築して文科省の中でコンセンサスを得るかという議論にはまだなっていないというのも事実である。

【佐藤主査代理】
 必須事項が現時点でできていない機関が40ぐらいあるとおっしゃったが、できない原因は大体見当がついているのか。例えば組織が小さくて整理をする能力がないとか、そもそもやる気がないとか、そのあたりの大ざっぱな見通しはあるのか。

【清浦競争的資金調整室長】
 大ざっぱに言うと、規模が小さくてそもそもガイドラインにそぐわないというようなご意見と、タイミングとして間に合わないので正直に書くと未対応であるという回答になっているようなケース、大体そういうパターンであると思う。

【佐藤主査代理】
 概して言うと小規模機関が多いということなのか。

【石井主査】
 だからその場合は前者と後者で随分事情が違うと思う。おそらくうちはほとんどお金をもらってないからという気分が前者についてはあるだろうと思う。機関の対応がだめでも研究者の申請が採択されてしまうというケースは極めてまれなケースかもしれない。それももちろんきちんと対応策は考えておかなければならないと思う。後者の場合については、さぼったまま出てきはしないだろうが、はなから研究者がかわいそうだから機関が対応しなくても何とかしなければという甘い顔をしていたらなめられるから、それなりの姿勢は示す必要があるだろう。しかし研究機関としては何かはっきりしないというようなときに、一体どうするのかという。機関が申請するわけではないので、そこの理論的な整理である。
 渡邊部長、科研費の中でそういうケースが出てきたら、どう考えるのか。

【渡邊部長】
 文科省のガイドラインの扱いとして、対応状況について未回答の機関については競争的資金を受けることができないということであったので、そうした機関については科研費も受けられないという扱いになる。結果としては、20年度の科研費の応募のうち1件がこれに該当したため、この課題については審査に付されなかった。科研費の応募が1件という非常に小規模な大学であったが、いずれにしても、大学が回答を怠ったことにより研究者が不利益をこうむったことになる。

【石井主査】
 その場合はだれにどういう通知をされたのか。

【渡邊部長】
 不採択者に対しては理由を通知することになっており、その一つの項目として、所属機関の不備によって審査に付されなかった旨の通知が本人に行くことになる。結構厳しいと言えば厳しいけれども、さすがに回答してこないというようなところについては、そういう措置が現にとられている。必須事項をいつまでも満たさない機関について、今後どうするかということが課題になると思うが、研究者本人の責任ではないので、直ちに厳しくして審査に付さないというのはなかなか難しいのではないかと思う。

【石井主査】
 回答そのものがない場合については、これで一応先例ができたということになるが、必須事項を満たしていないときにはどうするかということはこれからの問題で、まだオープンだと考えてよいか。

【渡邊部長】
 科研費について来年以降どうするのかについては、文科省とも詰めていかないといけない問題である。

【石井主査】
 大久保委員、どうぞ。

【大久保委員】
 ガイドラインが入った後の状況で、私の限られたつき合いでもないのだが、いろいろ話を聞いていくと、大きく2つに反応が分かれていると思う。簡単に言うとこのまま適当にやっていけば何とかなるだろうという感覚を持っていらっしゃるところと、逆に形式的要件にこだわり過ぎている大学が出てきている。ガイドラインを逆手に、いわゆる我々が一番危惧している形式的なルールの適用の強化を一層促進させてみようということをするところが出てきている。私は、実際に直接見た事例もある。
 例えば今日ここにいらっしゃっているような方々の大学というのは、わりと率先してやっておられるように私はお見受けするが、少し矮小化した例で申し上げていくと、例えば一般競争入札が厳しくなってきたよと、徹底的に競争入札するというのは構わないのだが、地方大学なんかの場合には地元の企業との関係を適正化にしつつ適度な競争ルールというのは確立していかなければいけないにもかかわらず、どうもそこで企業をだますような行為もだんだん出てきている。例えばわかりやすいのは銀行の手数料を下げるために地元行を全部追い出して1行に絞り込むまではいいが、実はそこははるかに赤字を企業側に負担させておきながら、当然資金運用でプラスがあるようなあめをぶら下げておくわけである。ところが、いざそこで絞り込んだと思ったら、今度は資金運用のところでも入札にかけて徹底的なコストを図っていく。
 これはどうも地元の出身じゃない方が、簡単に言うと、東京から異動されている方がやるのだが、結果として何が起こったかというと、地元の企業がかんかんに怒って、結局その大学からの採用を著しく減らすという行動まで出てきてしまっている。これは幾つかそういったところから私も直接把握しているが、何か最近の流れの取り組みが違った方向に進んできているところが出てきているのではないか。
 私は3点、今後の取り組みの中に当たってぜひご提案申し上げておきたいのは、一つは今議論があったように、このガイドラインの位置づけがよくわからないという声が研究機関から出てきており、今渡邊部長の話は初めて知ったけれども、おそらく多くの大学にとってみると一体どういう位置づけなのかわからないところがある。少なくともこれはポジティブに、このガイドラインをきっかけに大学をよくしていこうという発想を持っていらっしゃるというのは極めて限定的と言わざるを得ないのではないかなということが1点。
 2点目は、そういう意味ではあめとむちできちっと罰則のところも明確にする必要があるのではないか。そのうえで、もう少しポジティブなあめの部分をそろそろ明示していってもいいのではないか。むちがあっての話だが、あめの部分が出てきてもいいのではないかと思う。
 私は2つ提案を申し上げたいのだが、一つは非常にいい取り組みをしている大学をどんどん積極的に開示していくようなデータベースというか仕組みをつくってはどうか。こういう取り組みはいいというかたちで、小さな取り組みをかき集めて、それを大学に開示していく何か仕組みがいいと思う。また、今度、研修会を行うようですが、いい取り組みを出すをのはいいのだが、恒常的にこういう取り組みをしたらきちんとそれが社会に出ていって披露ができるという仕組みを、もう少しどこか制度設計の中でつくられてはどうか。
 それから最近企業不祥事とか、我が法人もインサイダーの問題とか、いろいろ起こっているが、結局コンプライアンスの問題というのは職員の一人一人の啓発にたどりつくのではないか。とすると、ルールの規制強化ということばかりを考える、それも必要なことは必要だと思うが、何か職員の方たちを少し啓発できるような、もう少し実態に落とし込んだプログラムというのをつくっていってもいいのではないのか。
 私は当初ガイドラインの研修会を頻繁にやって、それで浸透させてはどうかと思ったのだが、どうもそれ以前の話のような気がしてきた。例えば法令との向き合い方一つにしても職員一人一人の方がいろいろなセンシビリティーを持って物事に前向きに取り組んでいくという風土とか仕組みが必要なのではないか。今このままガイドラインの研修をやり続けると、今度やるようなある程度上位職の方にはいいと思ったのだが、結局現場の方々にとってみると細かなルールを積み上げていってとにかく形をつくらなければいけないということに、どうしても過去の経緯から陥ってくる。それを何か脱却するような研修プログラムをむしろ文科省のほうで主導的に提示して、それをどう実行するかどうかは各大学で考えればいいのだが、得てしてこういうプログラムというのは過去の人事・研修のプログラムの経緯があるから、個々の大学だけでは考えにくいと思う。文科省でこういうようなことを職員の育成の中でやっていったほうがいいのではないかと、こんなことを明示して、もう少し取り組みを実態的、具体的なものに展開できるような規制というのをきちっとやろうという提案をさせていただきたいと思う。

【石井主査】
 今の大久保委員からご提言をどう受けとめるかということについて。

【清浦競争的資金調整室長】
 ご指摘のとおりのことだと思う。今具体的にどうするというのはなかなか言い難い部分もあるが、研修の実際に座学的なというか、一方的にガイドラインの分析報告書を配って口で説明しても伝わらないところは多分あると思うので、やり方の問題はぜひこれからまた研究して、先生方の意見もお加えしながら検討していきたいと思っている。

【石井主査】
 研究者のほうに、ランダムでサンプリングする以外ないと思うが、ガイドラインの前と後でどういう変化があったかみたいなことを聞いてみるということは難しいのだろうか。

【清浦競争的資金調整室長】
 直接ガイドラインに特化した学校で、どう問うていくかというところは今具体的にあるわけではないが、実は今回の検討会でも間に合えば参考にお配りしようかなと思っておったのが政策研究所などで研究者の定点調査という意識調査で、毎年度どういう意識かというのをとっていて、そこで結構研究費の使い勝手の問題に対する意識についてはフォローしているということであって、これはガイドラインだけではなくて全部総合的な取り組みとしての意識だと思うが、これがどう変わってくるかというのは我々も実は注目していて、そういうものも少し参考にしながら図っていくのかと思っている。

【石井主査】
 中村先生、何か特に研究者のほうの意識というのか、あるいは我々は一生懸命やっているけれども、どうもであろうか。

【中村委員】
 私の近くでは随分よくなって、預け金をやる人がいるわけはないという状況になっていると思う。大変に改善されていると思っている。ただし、相変わらず会計検査のほうの問題ではないかと思われる事象はある。なぜこんな細かいことを言ってくるのかというと、会計検査のためにやるのだということで、科研費そのもののことではなくて科研費を使うほうだから、印象としてはかなりよくなっていて、一部の大学ではまだそうなっていないのか、なっているのか、よくわからないし、先生方も研究者のほうも誤解している人も多いかもしれないが、正しく情報が伝わってくれば随分よくなったと思われる。

【石井主査】
 院の検査は文科省との関係というか、資金配分機関との関係では問題はあまりなかったが、突然会計検査で絞られたというような話というのを時折聞くのだが、これは先生方は実際問題としてかなり問題があるというのか、何かそういう実感をお持ちなのだろうか。もしあるとすれば、そちらの議論というか話し合いをしていかなければならないと思うのだが。

【中村委員】
 よくわからない。

【石井主査】
 何かほかに、これに関連してあるだろうか。
 ないようならば、次の制度改善の横断的な諸問題の状況について、いわゆる日本版FDPなどが特に話題に上っているが、これについてご議論をちょうだいしたいと思う。
 それでは、まず事務局からご説明いただきたい。

【清浦競争的資金調整室長】
 それでは資料8‐4をごらんいただきたい。「文部科学省関係研究費の制度改善等の取組例について」という資料である。今のご議論の中にもあったけれども、制度改善については一つの大きなテーマだと思って取り組んでいるが、その状況を報告させていただく。
 前回の検討会でも各制度の改善の事項についてはある程度紹介をしているので、8‐4の1ページ目の上のほうに主要な制度で科研費、振興調整費、JSTの経費という事例が載っているが、これは前回の資料のとおりであるので特に詳しい説明は割愛する。それぞれの制度での改善を図ってきつつあるというところである。
 特にご説明したいと考えているのはその下の2で、ルールの統一化など制度横断的な事項というところである。特に最初の丸で、「大学関係者有志、配分機関、関係府省が集まり、研究費の使いやすさの改善に向けた、関係者間での情報交換を実施」、これが先生から今ご紹介があった日本版FDPという動きについてはご紹介を特にさせていただきたい。
 その下に書いてあるのは、統一的な事項しては間接経費の問題であるとか、あるいは下の丸のほうは日本版FDPにも大きく関係するのだが合算使用の問題。この検討会でも少し議論になったが、例えば試薬の購入等については、これまで科研費のほうで大瓶の試薬をそれぞれの授業で買わなければいけなかったという事態は、今回科研費の制度で改善されている。そういう着実な制度改善を図りながら、異なる制度間での使い勝手の問題をよくしていこうという点である。
 最後の丸は、先ほどご紹介したe-Radに関するところである。
 1ページおめくりいただいて2ページ目であるが、こちらがいわゆる日本版FDPである。「研究費の効果的活用へ向けた勉強会」というところで、内閣府で取りまとめていただきながら、今関係者の有志が集まった勉強会をしているというところである。
 経緯を書いているが、実は今年の2月に第5回の検討会でJSTの高橋先生にプレゼンテーションをしていただいたのだが、米国のFDPというファンディングエージェンシーと大学が集まって資金制度の改善について話し合う場の紹介があった。こちらについて、実は19年8月に総合科学技術会議でこういう米国の動きがあるというご紹介をしたところから始まっているが、JSTのほうでも実際にアメリカの関係者を呼んでお話を聞いたりということもやりながら、20年3月に、一遍に関係者を増やすとワークスしないということもあって、内閣府を中心にして、大学、配分機関、関係省庁が集まって情報交換をしていくということを考えている。
 こちらについては、まずそれぞれの研究費のルール、もちろんその統一化であるが、何が問題であるかというのを再度まず突き合わせをして、それで改善を図るというアプローチ、ボトムアップ的なものをしたいということで、このような会を実際これまでに3回ほど開催している。
 下のほうに載っているのは、統一化に向けての動きというものを、基本計画やさまざまなアプローチペーパー等で指摘されているところを抜いているところである。
 その次の3ページ目では、何をしているかというところを、実例ではなくて模式的なもので恐縮であるが、研究費の使い勝手の問題は往々にして一緒くたにして議論をされているわけであるが、我々の意識としては使い勝手に関してのルールの障壁となっているところには幾つかの構造があると。それぞれの構造に基づくのが何で問題が何かというのをつまびらかにしていきながら改善していきたいというところを考えている。
 真ん中であるが、使い勝手の壁と書いてある。下にある太線で囲っているところであるが、ここはそもそもの会計の仕組みの問題であるとか、独法の通則法とか財政法という国全体のベーシックな規制のところである。それからその上にそれぞれのファンディングする制度のルールというのは当然ある。この2つがいわゆる出し側のルールに近いところである。
 その上に、各大学で決めている各機関の独自の、受け取るほうの、それから使うほうのルールというのがあろうかと思う。これはこの議論を通じてすごくよくわかった話があって、その上のほうに点々で「不明確なルール、周知不足等による不必要な管理強化」と書いているが、この領域というのはいわゆる実際のルールは何もないが、実質上そこはできないと思ってやっていないというようなところがある。
 左のほうにあるが、これは個々のファンディングエージェンシー、役所のほうの担当レベル、大学のほうの事務担当者レベルでの議論で、どうしても少しグレーな領域になるとそれぞれのケースで保守的に判断していって、今ご指摘があった例えば会計検査の問題でどうかというところが出てくると。そこで保守的な方向にどんどん陥る。過去の例に基づいて、全体としてやはりルールはないけれども、そこはやらないというふうなものがある。
 実際に今回の議論で大学から改善点を持ち込んで、机の上に並べてよく話してみると、出し側のほうはそれは全然規制していないと言っていて、大学のほうはそれはだめだと言われているというような実際の例も幾つか散見されて、こういうようなところはまず取り除きながらやるところを議論していこうと考えている。
 それから、もちろんアメリカと状況は違うので、実際アメリカのやり方をそのまままねるということではなくて、アメリカで各ファンディングエージェンシー間、それから大学間でこういう情報交換があるわけだが、日本については実はファンディングエージェンシー間で議論する場というのはこれまで実際あまりなかったというのと、それからファンディングエージェンシーと大学間での交流、それから大学間での交流も実はあまりなかったというところであって、そういう場をつくりながら改善していくというところである。
 一番最初のページに立ち返っていただいて、具体的な例の一つで、本省委託費で、中ほどに振興調整費にかかわる事項で、「裁量労働制に対応したエフォート管理手法の導入」と書いてあるが、これは実は大学のほうから指摘があって、NEDOで最近新しい裁量労働制を踏まえたより適切に管理できる、しかも柔軟に管理できる方法がとられているので、それを広げてくれという要望があって、それでは、それも取り入れようかということになっているわけだが、そういうことをやる場所というのが実は今までなかったので、こういうふうなものを増やしていきながら全体として改善していこうという活動を今続けているというのが、今日本版FDPの状況である。

【石井主査】
 最後におっしゃったNEDOで何かいいのがあるという話は、NEDOから出たのか、それとも大学のほうから出てきたのか。

【清浦競争的資金調整室長】
 大学のほうからである。

【石井主査】
 日本版FDPを目指しての取り組み等についてお話があったわけだが、渡邊部長、何か補足はあるだろうか。

【渡邊部長】
 日本版FDPと呼ばれる勉強会についてはJSPSも参加している。問題の階層構造に関する資料が配付されているが、使い勝手の壁としては、法令による規制だけではなくて、いろいろなレベルで存在している。こうした問題点について検討しているが、結構多くの問題点が、実は研究機関独自のルールで縛っているとか、各制度のルールを知らないがためにそういう問題が起きているとか、あるいはファンディングエージェンシー側もそれを十分に説明してこなかったなど、実際にはできるのにやられていなかった事例も多いというようなことがわかった。そして、研究現場では、こうした細々したことのやりとりでかなり苦労しているという面もある。勉強会の中で、大学から質問事項を出してもらい、それに対して各制度の対応を並べてみるというような作業を何回かやっている。現在取り組んでいるのは、例えば、各制度で同じ扱いをする場合には、ルールの表現も揃えて誤解されないようにするとか、経費の費目の分類の仕方について制度を通じてできるだけ大くくりに合わせるといった、現場レベルで取り組めることをまずやっているという段階である。
 また、大学などからの問い合わせについてQ&Aの形にして、できるだけ表現ぶりも合わせた上で、ウェブ上でわかるようにするというようなことをやっていこうと考えている。なお、Q&Aとしては具体的に記述してわかりやすくした方が当然いいわけだけれども、あまり具体的に示すと、それを都合良く拡大解釈する機関が出てきてしまい、そうした事例が会計検査でひっかかることによって、制度全体が迷惑するということがこれまでもあったようだ。この辺は、研究費を使う研究機関側も良識をもって対応することによって、信頼関係を形成していくことがお互いのためになるので、研究機関の側でも、そういう意識を高める活動もしていただきたいと思う。
 科研費については、研究者向けのハンドブックを毎年作成しているが、今年は、全ての科研費採択者に当たる数万人に配った。その中でも、研究者が疑問に思うような経費の使い方、あるいは間違いを犯しやすい点などを盛り込んで、制度に関する正しい理解を広げるように努力している。このガイドラインについても同様であり、研究者の手元に届くような形で発信していくことが重要である。インターネットが発達はしているが、ウェブというのはのぞきに行かないと見えないので、冊子を何万部も配るというのは古くさいやり方ではあるが、そういった方法も必要なのではないかと思う。

【石井主査】
 いろいろご努力に感謝したいと思うが、今までだとどんどん研究者にとってきついほうへのスパイラルが行って、今度は逆に緩むほうのスパイラルが回り出すのを心配するようなことになってきたのか、ある意味では感無量で、大変それ自体は流れとしては結構なことだろうと思う。
 ここの4つあるうちのフェイズ3はもちろん大きな問題なのだが、フェイズ2までの統一化というか、各省庁あるいは各プログラムというか、制度の間の標準化、統一化というのは、これは省庁の壁を越えてかなり可能だと思っていらっしゃるのか。

【渡邊部長】
 勉強会の活動としては、まだ3回しかやっていない段階だが、各制度間で統一化できるところはしていこうというスタンスである。経費の費目の考え方を統一化しようという取り組みもこの一環である。
 ただし、日本の研究費制度は、ファンディングエージェンシーではなく各省が制度を持っている場合もあるし、勉強会のメンバーとして横の統一をとる権限を持ったメンバーが全部入っているわけではないので、できるところから徐々にやっているという状況である。

【石井主査】
 今入っているのは文科省関係のほかにはNEDOだけか。

【渡邊部長】
NEDOだけである。

【石井主査】
 厚労省のほうはまだ?

【渡邊部長】
 厚労科研の関係者がオブザーバーで参加している。

【石井主査】
 それは声はかけておられるのだろうか。

【清浦競争的資金調整室長】
 基本的に運用のほうは内閣府のほうに仕切ってもらうけれども、厚労省にも声がけをしていて、オブザーバーで会に出席していただいて、おそらく内容的なところの議論にも参加していただくのではないかと期待している。

【石井主査】
 それでは、中村委員。

【中村委員】
 この検討会の話もずっと、どちらかというと物品購入の話で来たけれども、今我々の研究現場にいると、研究者の時間管理が少し問題になっている。10年前までは科研費も研究者は雇っていなかったのでよかったのだが、いろいろなところで研究者を雇うようになり、時間管理の問題が少し気になる。それで、一部の科研費の場合には研究費が大学に行くので、大学の管理である。JSTの場合も、そういう人もいれば、JSTが自分で管理している人もいて、NEDOも委託費とかいろいろなところでいろいろな時間管理が行われている。
 もう一つはエフォート管理というのが行われていて、エフォート管理は多分週40時間を前提にして管理しているのではないかと思われる節もあるし、実は全研究時間で管理しているから週80時間ぐらいで管理しているのかもしれないし、よくわからないところがある。実際に多くのポスドクの方は週40時間の9時から5時でやっているはずだが、一方で最大の成果を上げろと言われているから、9時から5時ではおそらく世界の競争には勝てないと思っている人もいるかもしれない。
 そういうエフォート管理の場合に、共同研究をああいう人がやろうと思うとすると、時間を管理しなければいけないのである。外の人と何時間エフォートを与えるということになると、40時間でとられてしまうと自分の研究ができないというのはある。現実的には40時間で働いていないわけだが、紙の上では40時間で働くので、何か具体的に共同研究を正式にやろうと、最近大学なんかもどこでも正式にやらないと権利関係の問題があるから、具体的に権利関係で10パーセントはこの共同研究、40時間中4時間か、いや、それは時間外でやる、そうなると兼業だと、全くよくわからない問題は、現実を離れているのである。現実は全く無関係だが、時間管理上の問題でさまざまな問題があって、今のところはあまり問題なく行われているが、きっちり管理するという立場だとしたらどこかで整理をしないとぐあいが悪いのではないかと思っている。
 研究者は時間管理ではなく、成果管理で十分だと思う。だから、ここまでエフォートの話が出てくると、そろそろ何かきっちりやっていただかないと良くないのではないか。労働災害の問題なども含めてそうなのだが、何となく労働災害の問題があるし、権利関係の問題が出てきて、具体的な研究申請するときに、例えば10パーセントではだめで、30パーセントぐらいは費やさないと研究費が取れないとか、全く違うベクトルの問題が複雑になってきている。このあたりはそろそろ現実に合わせて整理していただきたいと思っている。
 これは文部科学省だけでやる問題ではないのだが、いろいろなファンディングエージェンシー全部がかかわっているもので、せっかくこの検討会があるので少し議論していただいたほうがいいではないか。

【石井主査】
 エフォートあるいはエフォート管理という問題が浮上したきっかけは、研究費の集中の問題だったと思う。特定の人にいろいろなところからのお金が来ると。できる、できないの問題ではなくて、要するに、特定の人に集中しているという問題をチェックするため、エフォート管理というのが2001年か2002年ぐらいに急に浮上したと私は認識している。総合科学技術会議の方から出てきたと思う。研究費の管理の問題というのは今は名寄せがかなり出てきて、エフォートとは違う次元できちんとチェックができるようになりつつあると理解してよろしいのだろうか。その辺の実態を伺いたい。

【清浦競争的資金調整室長】
 エフォートの議論で、先ほどのe-Radのシステムのところと深くかかわるけれども、今各競争的資金は、申請者は自分のプロジェクトに対するエフォートが幾らかというのと、既に取っているものに対するエフォートがどれだけかというもの、それからほかに申請しているやつにエフォートをどれぐらいかけるかというのも最近は書かなくてはいけないということになっていて、それは全部書いていただいて、今紙でも出してもらっているし、e-Radのほうは、その先生がほかのところでエフォートをどのくらい申請しているという情報がいわばレシートのように残るシステムなので、その先生がどこにエフォートを幾らで申請しているかわかるということになっている。それを審査のときに参照しながら、各ファンディングの審査の過程で、これは過度に集中しているとかということを判断していただくということになっている。
 もちろんエフォートに関する全政府的な基準を置くべきかどうかといったようなところは、まだ十分な議論がなされていない状態だと理解している。

【石井主査】
 e-Radはだれでもアクセスできるのか。それとも省庁の関係者だけなのか。

【清浦競争的資金調整室長】
 それぞれアクセスできる階層が決まっていて、例えば大学の管理者は自分のところの大学の研究者のデータは見られる、審査員は自分が審査するところは見られる、ファンディングエージェンシーは自分のファンディングエージェンシーに申請があった申請者の情報は見られるとそれぞれの制限がかかりながらというシステムである。

【石井主査】
 そうするとエフォートの問題のうち、研究費の集中の問題というのはあまり気にしなくてもいいということになりつつあると認識してよろしいのか。

【清浦競争的資金調整室長】
 いや、どのようなものが過度の集中で、どのようなコントロールをするべきか、あるいはすべきないかという議論は、まさに今後全省庁横断的に必要な議論と考えていて……。

【石井主査】
 e-Radがあるから大丈夫だとは……。

【清浦競争的資金調整室長】
 というわけではないと思う。

【石井主査】
 本来の趣旨、少なくともアメリカでつくられたのとは少し違った筋からエフォート概念が日本に入り込んできたという違和感は私自身は持っているのだが。

【渡邊部長】
 科研費でも申請にあたってエフォートを書かせているが、全体で100パーセントになるように記入させているので、応募中の研究費の分を含めて実態を表しているというよりは、むしろ数字合わせのようになってしまっている。
 アメリカのエフォートの場合は、大学との間で、人件費の何パーセントを研究グラントから出すかに関わってくるので、大学としてもきちっとやっているし、当然エフォートを30として出していたのに次の年勝手に50にしてグラントから50パーセント取るなんてことはできない。したがって、エフォートを変更する場合には、ファンディングエージェンシーときちんと交渉しなければならないというふうに厳格である。
 日本のエフォートというのは、いろいろないきさつで導入されているけれども、あまり意味をなしていないのではないか。重複の関係については、e-Radを見れば、どこでどれだけもらっていて、あるいはどこに申請中でどこは受かったというのがリアルタイムでわかるので、エフォートがどうかというのはあまり関係ない。逆に、申請に際して正直にエフォート15パーセントとしたときに、それでは低いから採択しなくてもよいというような審査をされると、研究者に不利になってしまうという問題もある。

【石井主査】
 科研費を例にとると、エフォートを今記入することになっているが、連携研究者の場合とか共同研究者の場合は、それをやめてしまうという選択肢は今のところは考えられないのだろうか。

【渡邊部長】
 科研費だけで判断できない問題であり、政府の競争的資金全体の問題として考えていただくしかないのではないか。

【石井主査】
 もちろんそうだけど、科研費の仕組みの内在的な問題として、あれを今のまま括弧を記入させ続ける必要があるのかどうかという質問である。

【渡邊部長】
 個人的に思うのは、100パーセントにしろといって書かせるのはあまり意味がないのではないか。例えば、1億円の研究費の申請を出したとして、ほかの申請が通るかどうかわからないけれども、私はこの研究に自分の時間の50パーセントは割くという意思として、エフォート50パーセントと言ってもらえれば、それなりに審査の材料にはなると思うので、書かせ方の工夫が必要と考える。

【石井主査】
 大学、つまり研究者が所属している研究機関のほうで、佐藤先生なら佐藤先生のエフォートを全部足し合わせて管理しているという例は、今のところ日本にはないと考えてもいいのか。

【渡邊部長】
 私が聞いている限り日本ではそういうところはないと思う。

【石井主査】
 逆に、アメリカのは本来そっちのほうから出てきているものである。

【渡邊部長】
 科研費を含むいろいろな競争的資金について、大学や機関を通して申請を提出することになっているが、機関できちんとエフォートを足したら100パーセントになるようなチェックはやっていないと思う。場合によっては、研究費の申請ごとに、異なるエフォートの記述で提出されていることすらあるのではないかと思う。

【石井主査】
 実は今でも、私は競争的資金の次元では東大の人間として扱われている。しかし、東大が私のエフォート管理をするということの意味はほとんどないわけで、だからいつも気持ちが落ち着かないのだが、とにかく30パーセントと書いておいてみたいな話になるわけで、ほんとうは問題があると思うので、これも日本版FDPの一つの問題として議論なさるということか?

【清浦競争的資金調整室長】
 いや、今のところは、今言われた集中の問題自体を日本版FDPのところでとらえるという格好にはなっていない。もちろん人件費の管理の仕方が制度ごとに違うので、それをどういうふうにわかりやすく理解すべきかということに関しては議論になってきている。

【石井主査】
 だから本来しなくてはいけないのである。だけど、そもそも日本ではねじれがあって、変なコンテクストでもってこの問題ができてしまっているものだから、それがすぽんと何となく整理されれば、まさに給料の管理とか大学における人事管理の問題を含めて、きちんと問題として取り上げる必要が出てくるし、取り上げられると思うが、そこの交通整理ぐらいはやっていただかないと、どうもこれはいつまでたってもねじれが解消しないのではないかという気がする。いろいろ問題が多岐にわたって、お願いするのはお気の毒だが、FDPの問題の中で多少は念頭に置いておいていただきたい。

【佐藤主査代理】
 日本版FDPについてお伺いしたいのだが、ここでは研究資金の配分時期の問題は議論されていないのか。なぜならば、2年前と記憶するが、東京大学で様々な競争的資金が研究者に配分される時期を調査したところ、年度末の1月、2月、3月になってようやく研究資金が配分されるという例が随分あった。文科省関係は昔に比べてかなりよくなっていたが、厚労科研が特にひどかったという記憶がある。年度末に資金を配分して研究実績をあげろというのは、そもそも無理。研究資金の効率的活用からいったら、研究資金の配分時期の問題は最優先で議論すべき問題である。アメリカのように資金が実際に研究者に配分された時期から起算して1年間と、国の会計年度を超える手法を導入するか、そうでなければ、ともかく会計年度内のごく早い時期に研究者に資金を配分するというのが、考えるまでもなく効率的活用についての再緊急課題だと思うが、そのあたりは議論されているのか。

【清浦競争的資金調整室長】
 研究機関について、時期の問題はやはり批判があって、近年急速に改善されたと聞いていて、特に大学の先生方から、その問題にとりわけ問題があるという感じでは今のところはない状況である。

【渡邊部長】
 厚労科研については、かつては非常に遅いとか評判が悪かったと私も記憶しているが、先日聞いたところでは、年度内に審査は終えて6月、7月には交付しているということだった。スケジュールが急速に早まって、科研費と全く同じ、あるいは科研費よりも早く交付内定が出るということで、厚労科研については非常に改善されたと聞いている。

【石井主査】
 あるかないかは別にして、交付決定が通知されればお金使っていいというふうに……。

【渡邊部長】
 科研費についてはそうなっているし、大体の制度で4月1日から使えるようになっているかと思う。

【石井主査】
 アメリカ式のFDPにほんとうにずっと進んでいけば、その問題もいわば自動的に解決するような気もしてくるが、そういう問題でもないのか。各ファンディングエージェンシーの努力が必要だという話になるのか。

【渡邊部長】
 その問題というのは、今の……。

【石井主査】
 あるいは配分時期の問題。

【渡邊部長】
 配分時期は非常に遅かった厚労科研も6月、7月になったと。ほんとうは4月1日にちゃんとお金が行けばいいけれども、それは審査にどのくらいかかるのかとか……。

【石井主査】
 要は佐藤委員がおっしゃったように、それは6月に交付でもいい。だったら次の5月31日まで使えるようにするという仕組みというのは、FDPの仕組みがほんとうに定着すれば可能になるのではないだろうか。むしろ可能というか、容易に実現しやすいのではないかということなのだが。つまりフィスカルイヤーではなくて、お金の動きで1年間やるという。

【中村委員】
 それはほんとうは簡単で、繰越明許のときに交付が例えば半年遅れたために半年研究が遅れたというのを最初から認めてくれれば全部1年遅らせられるのではないだろうか。ものすごく単純で、これを一律に認めれば一瞬に解決すると思うのである。

【清浦競争的資金調整室長】
 アメリカの場合との違いの一つの大きなところは、アメリカのほうは連邦政府から出るお金の基本ルールというのが1本あって、それはすべての資金についてOMBのほうで定めているものがあって、そこにどう穴をあけるかという観点でアプローチができる俎上があったわけだけれども、日本のほうは大きく分けると3つほどの資金を出す形態があって、ファンディングエージェンシーから流すもの、国から直接委託費で流すもの、補助金のほうで流すやつというふうに、もともとの体系が違うところもあるので、そこをアメリカ式にモデルを1個つくって全部それにのるというようにはおそらくいかないと思うのである。だから、まずできるところの改善はした上で、問題の本質を出していって、骨太のところを議論する俎上にのせなければいけない、議論の順番としてはそういうアプローチなのかなと思っている。

【石井主査】
 ほかにこの問題に関連して、ご発言はあるだろうか。

【佐藤主査代理】
 もう一つ伺いたい。例えば6月になって研究資金が研究者に配分されるとして、4月、5月をどう切り抜けるかということが研究者にとっては深刻な問題で、かつてはルール違反であることを知りつつ、業者に預け金を行なう研究者もいた。東京大学では、数年前から大学による立替払い制度を充実させ、最近では手続きもきわめて簡素化された。中村委員がとても簡単になったと言うのはそのことを指すと思うが、立替払いが現在全国の大学でどのくらい普及しているか、分かるだろうか。立替払い制度と繰越明許とがセットになれば、競争的資金の管理をめぐる年度末と年度はじめのごたごたは大分消えていく。もしも立替払い制度を持たない大学が多いようであれば、この制度に関する情報を全国の大学に提供すべきではないか。ガイドラインの普及と同時に、立替払い制度の普及と繰越明許の利用拡大を図る必要がある。この制度が普及すれば、研究者の無駄な負担が減って研究がスムーズにいくのだから、とても有効な方法だと思う。

【清浦競争的資金調整室長】
 立替制度の機運は、我々も行くたびに聞いたりしているけども、実は定量的に把握はしていない。立替制度を持っているところは増えてきていると認識している。その点は、もし何か把握できるようなものを今度の機会にでも少し考えてもいいのかなというような気がする。

【大久保委員】
 よくわからないけど、実は何大学かあったが、立てかえ払い制度は中規模大学ほど事務側がかなり反対をしている。だから、まだまだ立てかえ払い制度が実質的に機能しない大学は結構あるのではないかという私の理解である。実は私がよく日ごろ話しているような人でも、一生懸命説得していてもなかなか理解されず、立てかえ払い制度を導入すると研究者が不正をするというふうに決めつけているようだ。私は、そうではないことを指摘しており、検収の仕方を変えるなどを考えなければならないが、その点あまり十分に理解が浸透していない。むしろ、東大や京都は、研究者の声も大きいこともあり、浸透しているのではないか。だから、もっと普及させていくべきではないかと思っている。

【石井主査】
 ほかに何かご発言は。中村委員。

【中村委員】
 最近は東大は立替でやっている。立替しないと皆さんどうしているのだろうか。4月、5月は何もしないのか。大学院生を持っても研究もさせないというのは大学院の義務違反である。だから、立替なくできるということ自身が、教育義務違反か不正をしているかどちらかしかないように思うのである。

【大久保委員】
 不正かどうかはわからないけれども、伝票をため込んでいることは事実ではないだろうか。

【中村委員】
 それはだけど独法のルールに反するのではないだろうか。

【大久保委員】
 会計規則の中では発生主義に基づいて、事実が発生した直後に記録をさせるべきであるが、厳密にいえば、また、監査という観点からいけば、その年度内にきちっと処理をされていれば、それをもって一律に違法行為だとまでは断罪することは難しいと思う。予算執行についても、幾つかの大学で指摘申し上げたら、ようやく、年度内でばらまいて執行されるようになってきた。それでも年度末に執行が集中している大学が今なおある現状を見てみると、やはりどこかに伝票をため込んでいないとああいう印象は否定できない。だから、そこら辺をどう補正していくかというのは今回のガイドラインでも大分入れたはずだが、まだまだ十分浸透しているとは言い切れない。

【渡邊部長】
 東大の立てかえ払いというのは東大本部が負担してくれる制度だが、立て替え払い制度のない大学の場合は、研究者自身が例えばポケットマネーで立てかえ、後で研究費が来たら、その領収書を大学に出して、その研究費から出すというやり方のようである。このガイドラインの関係で視察に行った東京の中堅医大では、立てかえ払い制度はないということだった。数千万円ぐらいあれば自分の大学としては足りると思うと言っていたので、そのぐらいだったらその大学であればできるのではないかと思ったが、やっていないということであった。もう少し詳しく聞くと、物品は4月1日に買ってもそもそも業者に3カ月ほど後回しにして払うからどうにかなるので、人件費だけを先生個々人で立て替えてもらっているということのようである。

【中村委員】
 皆さんお気づきだろうが、個人に負担させて立替するというような風土をつくると、そのまま不正になるのである。これが今までの、つまり業者の預け金と全く同じだろう。ほんとうは払うべき時期に払わないわけだから、これは不正の温床そのものである。

【大久保委員】
 私の考えを少し補足すると、そのケースと、完全に立替払い制度そのものを消極的運用しかしていないというところと両方があって、後者のほうは伝票をため込んでいるというのが私の理解である。

【石井主査】
 どうぞ、長谷川委員。

【長谷川委員】
 茨城大学は、中規模の大学になると思うのだが、一応立替払い制度を設けている。その際申請に基づいて役員会の議を経て認めるということになっている。多くの競争的資金の場合は概算払いでの交付があるので、そんなに大学として立替る額の負担が大きいということは基本的にはない。資金が交付されるまでの間に支出を必要としたものだけについて立替るということになるので、そんなに大きな負担にはならない。一番困るのは委託費などの立替で、大きな場合には、資金交付側が精算払いしか認めない場合には、事業が終わってから交付されることになるので、それこそ翌年度の4月、5月になって補てんされるというケースがある。制度として認める場合にも、資金交付機関としてある程度概算払いを認めるという配慮も必要ではないかという気がしている。

【石井主査】
 文部科学省にもそういう委託費がある?

【長谷川委員】
 委託費の場合は、県とか公設試からの委託もあるので、委託側の会計からすれば頼んだ仕事をやっていただいた後に委託費を支払うという考え方もあるので、必ずしも事前に必要な額が概算払いという形でいただけないというようなケースがある。そういった場合には全額を長期間にわたって大学として立替しなければいけないということがあるので、額とか期間の長短によって大学の負担も変わってくると思う。

【石井主査】
 なるほど。ほかに何かあるだろうか。

【長谷川委員】
 繰り越しの件でお聞きしたいのだが、18年度640件、19年度がおおむね1,300件ということで、倍の数字だが、これが今後もさらに増えていくだろうということは容易に推測できるのだが、その際に個別の繰り越しの協議というのは、一件一件やっておられるのか。

【渡邊部長】
 科研費の例では、おっしゃたように一件一件やっている。重要なのは、理由を書く様式であるが、その理由については、てにをはも含めて、あるいは合理的な説明になっていないと書き直すといったことを現在もやっている。18年度から今回で大規模に繰り越しをやったのは2回目だが、1回目よりは多少なれてきた大学もあったが、それでもまだかなりの手戻りがあったと聞いている。

【長谷川委員】
 全体の簡素化ということであれば、かなり進んでいると思うが、ただ、絶対件数がこれだけ増えてきて、個別の協議というよりも、むしろ一定の要件を満たしたような案件の場合には、財務大臣との協議が整ったものとして取り扱っていいという包括的な協議をして、ある程度任せてもらえるような形態に持っていかないと物理的に対応できないのではないかという気がするので、その辺もご検討方お願いできればと思う。

【渡邊部長】
 この点は文科省を含めて我々としてぜひ実現したいと考えている。理由の部分について幾つかのパターンでそこから選んでいくというふうにしたいわけだけれども、最近文科省から聞いたところでは、やはりまだ繰り越し事由に当たらないようなものでも大学から出てきてしまう状況の中では、記号だけで形式的に要件を満たしたからといってやれるだけのまだ信頼性が高まっていないというようなことで、財政当局からは、もう少し出てくるものが確からしさが高まるまでは簡素化ができないというような感触を文科省のほうから聞いたことがあるので、すぐには難しいのではないかと思っている状況である。

【石井主査】
 全くそのとおりであって、私などはとにかく今長谷川委員がおっしゃったような形に持っていきたいということで、それを実現するためにはもっとたくさん出てくることが必要なので、それこそ立替払いもない大学だったらどういうことになるのかと、心配し出したら切りがないし、実際にほんとうに研究が予定どおりいって3月31日に全部終わりということ自体がいわば奇跡的なケースかもしれないぐらい研究というのは生き物だから、どんどん大学の先生方が、あるいはそれを大学が受け取り、そしてこちらに上げていただくということをしていただいて、そうやっていろいろ、こういうのはだめだとか、こういうのはできるとかということがお互いに学習でき、かつ、それをまたプレッシャーとして財務当局に持ち込めるというような事態が醸成されなければならないと私は思っていて、まだ2年目だからこれからと思っているのである。

【中村委員】
 結局は、大学から必ずしも正しくない理由が出てくるということだったわけである。それは私もわかるところがあって、東大から前に出たのも、私が見てもこれは通らないだろうというのがあるので、それは学振にいるときに大分勉強したので、大体補助金等適正化法で何が問題になるかわかるので、これで出したら必ずひっかかるだろうなと、で、やはりひっかかったという。これは事務のプロがいないと思うので、どこかでとまらないで行ってしまう。そのようにして、ましてやそれぐらいの事務の人だったら先生方を説得できるだけの知識は多分ない。だから事務方のもっと地道な研修というか、あまりぐるぐる回らないできちんとプロをつくるとかいう機関が、それぞれの分野でプロを持っていないと思う。だから、アマチュアの仕事をそのまま財務省に持っていくようなのはやはり大学の責任だと思う。

【石井主査】
 繰越明許の制度というもの自体がほとんど知られていなかったわけ……。

【中村委員】
 いや、補助金の要件がわかっていないのだと思う。

【石井主査】
 一般には知られていなかったのだから、とにかく3年目はもっと出てくるだろうし、そして大学の中でもそれについての知識の普及が出てくるだろうし、年々増えていって、どこかの時点で長谷川委員がおっしゃったような事態が多分日程に具体的に上ってくるだろうということを私は期待しているわけであるから、ぜひやってほしいというラブレターを各大学に向けても発信していただいたし、これからもそれは一層続けていかなければならないと思っている。
 何かこれに関連して。実はこれから申し上げたいと思うが、次回はどうするかということだが、一応分析の結果報告も一段落したし、早急に議論しなければならない問題も特にないようであるので、しばらくこの検討会はお休みさせていただきたいと思っている。また再開するときには、よろしくご協力のほどお願い申し上げたいと思う。
 そんなことで葦名委員、何かしばらくごぶさたするようになるので、一言言っておきたいことがあるということだったら何か。

【葦名委員】
 おととしからお世話になった。こう言っては失礼なのかもしれないが、大変いい勉強をさせていただいた。一番驚いたのは、感覚というか認識というか、いろいろなところで「一般企業に比べて」というご発言が委員の方からあって、ああ、そんなものかなというような気がした。先ほど必須事項のことについてご発言が活発だったが、そもそも必須事項を分けたときの経緯を思い出していた。特に実施が厳しい事項だとか、整備が難しい事項を除いて、これは公的資金を使うのだから、当然求められる最低限のレベルというものを必須事項にしたわけであるが、それができないものについて、まだどうやって救おうかという感覚というか認識があることを勉強させていただいた。
 先ほど大久保委員のほうからご発言があったところで、前回も私は申し上げたように、教育というような表現がよろしいのか、導入という言葉がよろしいのかわからないけれども、ガイドラインの周知について今年度活発にされるという文科省の方からご説明があったが、ガイドラインの周知についてのプログラムについては、今申し上げたような感覚というか認識というか、そういったガイドラインが研究を阻害するものだというような感覚が研究者のほうにあるとすれば、そこら辺はガイドラインを周知徹底していただくプログラムの中に、ただ説明に終わってしまうだけでなくて、各機関で取り組むべき活動の中にぜひ導入のプログラムとして盛り込んでいただきたい。そういう意味に私は大久保委員の発言を受けとめた、以上である。

【石井主査】
 貴重なご意見をいただいた。
 それでは、しばらく休会ということにさせていただくが、今後のことについて具体的に事務局のほうから。

【清浦競争的資金調整室長】
 続いて事務局から、席上の配付資料で第7回の議事録(案)について説明する。議事録(案)については、1週間後の6月3日までに事務局にご連絡いただき、修正を反映した上で文科省のホームページに会議資料とともに掲載させていただく。

【石井主査】
 それではここで一区切りということで、川原田次長のほうからごあいさつがあるそうである。

【川原田次長】
 ただいま局長は国会関係の業務で来られないので、私のほうから一言お礼を申し上げたいと思う。
 石井先生をはじめ諸先生方におかれては、長い間非常に活発なご議論をいただき感謝申し上げる。ここでご議論いただいた内容あるいは趣旨を踏まえて、これからこのガイドラインの徹底について、ぜひ研究者の方々の意欲を増進させるような意味で徹底を図りたいと思う。一方日本版FDPについても、内閣府を中心として議論が始まっていて、こういうファンディングをするもの、あるいは受けるもの、双方の意向を踏まえたような形のいい制度にしていきたいと思っている。
 と申すのは、とかく行政をやっていると、いろいろな世界のところに案件が出ると、厳しいほうに厳しいほうに動くというきらいがあって、場合によると法律で規制しろだの、どんどん縛れだのという方向に動くことも考えておかなければいけないので、こういう問題についてはプロフェッショナルがルールを決め、運用がスムーズに動くということを、ぜひ確保したいと思う。これからも引き続きご努力させていただきたいと思っている。
 また、いろいろなことがこれから世の中は起こってくると思うので、何かあれば石井先生とご相談しながら、またお願いするということにもなるかもしれないので、そこはひとつ引き続きよろしくお願いいたしたいと思う。どうもありがとう。

【石井主査】
 それでは最後に私からも御礼を申し上げる。甚だふつつかな議長であったが、皆様方の非常に建設的なご議論をちょうだいして、何とか務めを果たせたのではないかと思っている。厚く御礼申し上げたいと思う。どうもありがとう。
 それでは、これで散会する。

‐了‐

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