X線自由電子レーザー利用推進戦略会議(第5回) 議事要旨

1.日時

平成24年1月23日(月曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省 16階 特別会議室

3.議題

  1. 平成24年度予算案及び事後評価について
  2. SACLAの現状及び今後の取組等について
  3. 登録機関の取組等について
  4. X線自由電子レーザー利用推進計画(案)について
  5. X線自由電子レーザー重点戦略研究課題について
  6. 今後のスケジュールについて
  7. その他

4.出席者

委員

石川委員、岩田委員、上田委員、太田委員、大野委員、上村委員、坂田委員、下村主査、腰原委員、濡木委員、若槻委員

文部科学省

柿田基盤研究課長、原量子放射線研究推進室長、阿部量子放射線研究推進室長補佐

5.議事要旨

(議題1 平成24年度予算案及び事後評価について)

事務局より、資料1-1、1-2に基づき説明があった。

 

(議題2 SACLAの現状及び今後の取組等について)

石川委員より資料2に基づきSACLAの現状および今後の予定について説明があった後、主な質疑は下記のとおり。

  • 運転計画や電力事情などあると思うが、このまま現状の10Hzでの運転を続けるつもりか。
  • 最終的には60Hzを目指す。電力事情も勘案しながら現在その準備を進めている。
  • LCLS-2の整備状況を教えてほしい。また、SCSSは今後エネルギーを上げる予定はあるか。
  • LCLS-2はこれまでLCLSで軟X線による研究が多く実施されたことを受けて、軟X線領域での供用のため、既存のLCLSの更に上流に電子銃と加速管を新たに設置し、軟X線用のアンジュレータ等を整備し施設を拡張する計画。また、SCSSで出せる波長領域は現在60nmであるが、ユーザーの要望がでてくれば高いエネルギー領域も検討したい。
  • データのストレージについて、「京」のサイトに設置するのではなく、SACLAに設置するということか。
  • 京へのデータの転送を考慮すると、ある程度ストレージはSACLAのサイトにあったほうがよいと考えている。
  • SACLAで取得したデータを大学等研究機関でダウンロードするにはどうしたらよいか。
  • データを取得したストレージから、転送用のストレージにデータを移し、そこからデータを転送できるように検討している。当初想定していたよりも大容量のデータが利用実験により発生することが分かってきており、ユーザーに責任もって重要なデータをダウンロードしてもらう必要がある。ストレージの容量には限界があるため、全てを長期間保存しきれないのである程度の段階で捨てざるをえない。
  • パソコン間のデータ転送速度の高速化は重要。LCLSではデータの取得だけで1週間かかる。
  • シーディングの整備状況はどうなっているか。
  • 米国は大変うまくいっているようだ。米国は8keVでシーディングを行っているとの事。困難と思われていた硬X線領域のシーディングが、セルフシーディング方式で簡単に実現されてしまった。SACLAにもこれは適用できる。
  • 軟X線の領域は米国と比較して遅れている部分があると思われるので、LCLSが推進する研究分野と住み分けながら早々に立ち上げる必要がある。

 

(議題3 登録機関の取組等について)

大野委員より、資料3に基づき説明の後、主な質疑は下記のとおり。

  • 国外からの申請課題は国内機関と共同で提案されているものか。
  • 国外からの課題はコンタクトパーソンを通じて提案されている。
  • 国内の人間が課題責任者で、海外研究者と手を組んでいる方もいると思うので実際は海外利用者はもう少し多いだろう。
  • LCLSでは2年目以降競争が激しくなっているようなので、SACLAでも同様のことが想定される。
  • マシンタイムはどれくらいになるのか。
  • 7000時間。また、ユーザータイムを3000時間は確保したい。調整が進めばユーザータイムをどんどん増やしていく。
  • SPring-8と同じで、利用実験前に来期の公募に申請しないといけないのは辛い。
  • LCLSでは1年半先のビームタイムを取れた矢先に次の課題に応募しないといけないので、それよりはずっとましである。
  • 成果専有利用は将来的にはやるのか。企業としてゆくゆくは欲しい。
  • もちろん、産業界がお金を払ってでも使いたいと思うようになれば、制度を作っていくものと認識している。

 

(議題4 X線自由電子レーザー利用推進計画(案)について)

事務局より、資料4に基づき説明の後、主な質疑は下記のとおり。

  • 9ページ目「競争的資金や国の他のプロジェクトにおいて、審査・採択された課題については、既に科学技術イノベーション推進の観点から重要性が認められているものと考えられることから、その結果を尊重し、登録機関で行う選定については一定の配慮がなされるべきである」とあるが、この詳細について教えてほしい。
  • 基本的にはSPring-8と同様と考えている。
  • 最終的にビームタイムを配るときに、どのように反映させるかについては再考する必要があるだろう。SPring-8はある程度の経験を積んでいるからこれと同じにしてよいというわけにもいかないだろう。
  • 全てのプロジェクトを対象にして一定の配慮を行うのか、それとも特定のプロジェクトのみ配慮するのか。また、優先枠を事前にとっておくのか、優先利用の人からお金を取るのかなど様々な検討が必要。
  • ユーザータイムは限られており、重点戦略研究課題に採択された課題であっても、希望する全てのビームタイムを上げられるかは別である。一定の枠を定型的に確保するのではなく、審査していく中で柔軟にビームタイムを配分する事が重要。
  • 文章はこの記載のままで良いが、運用は今後検討してきっちりやってもらう必要がある。
  • 利用推進計画(案)の修正について、他にコメント等ございましたら1月31日までに事務局までご連絡いただき、その後のとりまとめについては、主査一任とさせていただいて、後日確定版を共有させていただきたい。

 

(議題5 X線自由電子レーザー重点戦略研究課題について)

 事務局より、資料5-1、5-2、5-3、5-4に基づいて説明があった。

 重点戦略研究課題の推進について、本戦略会議の下に「重点戦略課題推進部会」を設置し、進めて行く旨了解された。

 

(議題6 今後のスケジュールについて)

 事務局より、資料6に基づいて説明があった。

 

今後については、必要に応じて開催することとなった。

 

以上

 

お問合せ先

研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室

(研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室)