X線自由電子レーザー利用推進方針 概要

平成23年1月20日
X線自由電子レーザー利用推進協議会

1.利用推進方針策定の目的

  • X線自由電子レーザー(XFEL)は、「国家基幹技術」として、平成24年3月に共用開始予定。独創的・革新的な成果を創出するために、23年度に行うべきことや供用開始以降の取組に円滑につなげるための方向性について本方針を策定する。

2.利用研究の推進

(1)基本的考え方

  • 当面は、装置開発研究者、設置者、登録機関が中心となって利用方法を確立し、習熟期間(2~3年)を設けて利用環境を整備し、徐々に利用者を取り込みながら一般利用者中心の利用形態へ移行する。

(2)平成23年以降の取組

  • 調整運転期間(平成23年4月~24年2月)を利用して利用推進課題等の開発装置の調整運転を行い、事前に実験・研究を行う「調整運転提案」(仮称)を募集する。
  • 中長期的に新しい科学の発展を目指す「新規実験装置提案」(仮称)を募集する。
  •  「利用装置検討委員会」(仮称)を設置し、公開性・透明性を確保して上記課題の選定にあたる。また、開発装置の利用方策や研究課題の統合等についても検討する。

(3)供用開始後の留意点

  • X線自由電子レーザー利用推進戦略会議(仮称)を設置し、本格的な利用における「XFEL利用推進計画(仮称)」を策定する。

3.推進体制

(1)X線自由電子レーザー利用推進戦略会議(仮称)の役割

  • 利用時間の配分、優先課題等の在り方を検討し、利用研究課題の選定や利用者支援、施設運営等に反映する。
  • SPring-8も含めたXFELユーザーコミュニティーを組織化し、情報共有や合意形成等を図る。産業利用の推進についても検討する。
  • 利用研究の進捗や成果の状況、SPring-8との連携等について検証・評価するとともに、海外施設との技術協力や共同研究の在り方の検討をする。

(2)研究所内外の連携

  • 国内外の施設や研究者等と連携し、装置性能の向上や成果創出の促進が重要であり、SPring-8等他の量子ビーム施設との相互利用や「京」との連携も積極的に推進する。

4.普及・啓発

  • 国、設置者、登録機関、ユーザーは広報・普及啓発に努め、十分な説明責任を果たすことが重要である。

お問合せ先

研究振興局基礎基盤研究課量子放射線研究推進室