HPCI計画推進委員会(第67回)議事要旨

1.日時

令和7年12月9日(火曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 17階 研究振興局会議室(傍聴はオンライン会議にて参加)

3.出席者

委員

合田委員、井上委員、上田委員、河合委員、北野委員、小林委員、田浦主査、只熊委員、館山委員、福澤主査代理、朴委員、棟朝委員

文部科学省

淵上局長、坂下審議官、阿部参事官、栗原室長、池田参事官補佐、森専門職、山岸技術参与、瀧技術参与

4.議事要旨

令和7年度補正予算案の概要及びスーパーコンピュータに係る最新動向について
資料1-1、資料1-2について事務局から説明があった後、質疑応答が行われた。
委員からの質疑は以下のとおり。
 
【田浦主査】  ありがとうございました。
 では、ただいまの報告について御意見、御質問ありますでしょうか。順不同で1-1のほうでも1-2のほうでもよろしいと思いますが、いかがでしょう。
【館山委員】  資料1-1の最後の参考資料、AI for Scienceによる科学研究革新プログラムについて、今、事業スキームを説明されたと思いますが、もう少し具体的に、時期的な話は、ここはもし通ったらということだと思いますが、何かありますでしょうか。
【阿部参事官】  まず国会を通ってからということになりますし、例年のこういった補正で事業が立ち上がるときのスピード感からすると、これからいろいろ準備とか手続をしていきますと、公募は大体春頃になることが多いので、春から夏にかけてどこまでいくかなと、そんなところかと思っております。
【館山委員】  分かりました。ありがとうございます。
 
【田浦主査】  よろしいですか。では、朴先生。
【朴委員】  資料1-2のTOP500について2つ補足があって、1つは、上位TOP10、順位は変わらなかったという、そのとおりなのですが、注目すべきは、4位のユーリッヒスーパーコンピュータセンター(JSC)のJUPITER Boosterというのが、LINPACK 1.000エクサという、すごく苦労がしのばれるのですが、とにかくエクサに到達したというので、エクサスケールシステムが4台になりましたというのが、ほぼ唯一のこの上位TOP10のランキング情報です。
 それから、もう一つは、TOP1から500までの総和が大体14エクサなのですけれども、結局、相変わらずTOP10のマシンが、特に4台のエクサシステムがトータルで5エクサフロップスぐらいあるのですね。ということは、全体の35%強が相変わらずエクサのマシンが占めているので、相当上に偏ってトータル14エクサになっていると。
 下のほうのマシンは、やっぱりなかなかGPUを積んでいないものは、先ほど半分ぐらいがGPUを積んでいないという話でしたけれども、それは圧倒的に下のほうにありますので、そういう状況は重要な観測で、とにかくGPUは重要であるということになると思います。
 以上、コメントでした。
 
【田浦主査】  ありがとうございました。それでは、北野委員、お願いします。
【北野委員】  今、NeurIPSが開催されているところですが、NeurIPSへ行っている方から聞いた話では、AI for Scienceのワークショップがあり、大体250件ぐらい論文が出ていますが、日本からは一本もないとのことです。
 それがリアリティなので、AIサイド、アプリケーションサイド、あとは実際にAI for Scienceをやるところをどうやって盛り上げていって、実力をつけるようにするかという事を、きちんと考えないといけません。資金的な支援だけを広範囲に行って、何かやって欲しいというレベルでは、とても太刀打ちできないと思います。アメリカがGenesis Missionを打ち出し、本気でやることになります。アメリカは組むべき相手とは組むので、そこの戦略は相当、力を入れていかないといけません。ハードウェアの部分とAI、実際の各々の領域にアプライするところ、の3つのパッケージできちんと考える必要があるかと思います。よろしくお願いします。
【田浦主査】  ありがとうございました。何かコメントありますか。
【栗原室長】  事務局でございますが、引き続き、この委員会等の検討も含めて、まさにハードウェアだけでない全体での進め方、先ほど御説明したAI for Scienceのように、科学研究革新プログラムをはじめとして、文部科学省として対応を進めてまいりたいと考えます。
 
【田浦主査】  よろしいでしょうか。では、福澤主査代理、お願いします。
【福澤主査代理】  ちょっと質問ですが、資料1-1の最後のページ、参考資料の件ですけれども、こちら、プロジェクト型は3年間で、チャレンジ型は1年間ということですが、この1年間のチャレンジ型は3年継続的に募集するようなものなのでしょうかというのが1つと、あとは、これは個人を対象にしているのでしょうか、チームではなく。
【阿部参事官】  まず、予算としましては、3年間ではなく、1年間になります。事務局の思いとしては、パイロット的にいろいろ試しながら、今後どうするかということも検討したいなと思っていますが、今回の補正予算の関係で言いますと、支援期間1年ということです。
 それから、支援対象につきましては、基本的には個人の方を考えていますが、細かい制度設計はまだ検討中であり、個人と個人の方が2人ぐらいで申し込むようなこともあるかもしれないなと思いながら、詳細については現在検討中という状況です。
【福澤主査代理】  ありがとうございます。
 この金額の中には、これは計算機使用料みたいなのが入って500万円というような予算なのでしょうか。
【阿部参事官】  研究費としてお配りすることを考えておりますが、当然、この中で計算機を使うための経費も見ていただくということなのかと考えています。
【福澤主査代理】  分かりました。ありがとうございます。
 
【田浦主査】  そのほか、よろしいでしょうか。
【井上委員】  今回、プログラム委員の運営側からSCを見たのですが、もちろんGPUはすごく大事で、先ほどコメントありましたように盛り上がっています。また、HPC for Machine Learningなども含めトータルでサブミッションが年々すごい数で増えてきている状況なので、日本からの投稿もどんどん増えるような、裾野を広げた形での施策やサポートがより重要になってくるのではないかなという気がしています。
 もちろん量子系もありますし、あとサステナブル系、環境に対する影響をどうするかというセッションもありました。本当に多様化してきているなという印象を持ちました。共有ということで。
【栗原室長】  では、事務局でございますが、まさにそのとおり、研究の論文のほうでも、今般プレス発表もいたしましたが、理化学研究所R-CCSは、Best Paper Award、Best Reproducibility Advancement Award、Best Research Poster Award、3つの賞を日本の理研の研究者が受賞したということをプレス発表させていただいたところですけれども、その他も、日本の大学等の研究者も含めて、多数の成果を上げていただいたと思っております。
 そういった研究の面、論文の面、こういったSC、ISC、またSCAも来年1月に開かれますが、そういった面での研究の存在感という意味でも、日本の研究者の方々の支援も非常に大事だと思っております。御指摘ありがとうございます。
 
【田浦主査】  よろしいでしょうか。
 では、一言だけ。AI for Scienceは、いろんな面での取組が必要です。この科学研究革新プログラムというのもそうですが、HPCIに携わっている私としては、この計算資源の戦略的増強というのも非常に重要なことであって、かつ、これはこれまでのHPCIの歴史を考えると、かなり画期的な、今回頑張っていただいたというふうに思っております。
 HPCIは、基本的にはハードウェアの予算はほぼフラッグシップのみという形でこれまでやってきましたけれども、そんな中、HPCIを構成する各機関との取組というか、かつ、全体的な戦略的な資源配置ということも考えたときに、やはり予算も必要ということもありますので、今回それをAI for Science、もちろんこれが重要だからというのが理由ですが、HPCIを通して公募でやっていただくというのは非常に重要なことかなと思っております。
 それで、今、次世代HPCI環境検討ワーキンググループというところで、HPCIの各機関の資源の連携を次どうしていくかという議論がまさに進んでいるところでありますので、そことこの予算をうまく連携させて、本当にいい方向に改革が進む、言ってみればその梃子に予算というのは使うものですので、そこを進めるためにぜひ使っていただきたいと。
 したがって、公募の中にそういうことがきちんと起こるということをよく書き込んでいただく、そのための公募の中身というのもじっくり検討していただければなというふうに思います。
 1月以降公募開始で、そうすると、応募するほうの時間はどのぐらい残っているのだろうというのもちょっと気になるところでありますので、あまり拙速になり過ぎないようにというようなことも併せてお考えいただければいいのではないかと思っております。
【栗原室長】  事務局でございます。今、HPCI環境検討ワーキンググループについての御指摘もいただきました。まさに有識者の皆様、委員の皆様の御議論をいただいて、しっかり検討して、今拙速にならないようにという御指摘もありましたけれども、しっかりとした検討を進めて、本件の執行を進めていきたいと考えております。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。


議題2:新規ワーキンググループの設置について
資料2について事務局から説明があった。委員からの質疑・意見は特になし。


議題3:次世代HPCI環境検討ワーキンググループからの報告
資料3-1、資料3-2、参考資料1、参考資料2-1、参考資料2-2、参考資料3について事務局から説明があった後、質疑応答が行われた。
委員からの質疑は以下のとおり。

【田浦主査】  ありがとうございました。
 ただいまの報告について御意見、御質問などありますでしょうか。
【井上委員】  最後の地元貢献のところというのは、これからすごく大事になっていくところだと思いますが、具体的に文科省として、こういう施策を打っていこうとか、そういったお考えとかはありますか。
【栗原室長】  事務局でございます。
 例えば、中高生の施設見学というのは、実は日々、今のR-CCSでも行っています。これらの中には、今行っているものもあるかと思いますが、ただ、それらをさらに拡充していくということの地元からの重い御指摘だと理解しています。
 その点では、ぜひ政府として、理化学研究所とともに、これらの取組を前向きに検討して、相談を進めて、理化学研究所にはそういった広報に関する費用の措置等は既にされていて、それで施設見学等も受け入れているわけですが、また先日も報道された様々な「富岳」関係のグッズを作る、様々イベントへの出展等もしておりますが、ただ、こちらの御指摘、10月31日付けの御指摘を見ると、産業振興もそうですし、人材育成もそうですし、情報発信もやはりとても重要な取組だと思います。
 さらには、地域の誇りという非常にすばらしい2ページ目の言葉もありますけれども、それらに向けて、ぜひそういった対応を拡充して、理化学研究所とともに前向きに取り組んでまいりたいと考えます。
【井上委員】  分かりました。
 これはコメントで、どこまで参考になるか分かりませんが、私、半導体人材育成の活動を行っています。中高生を対象とした半導体人材育成のイベントにおいて、半導体の重要な応用先という位置付けで九大のスパコンを見学してもらいました。そうすると、学生さん、スパコンにすごく興味を持ってくれました。いろんなところでテクノロジーでつながっていると思うので、様々な形でリーチすると良いのではないかなと思いました。
【栗原室長】  御指摘ありがとうございます。
 その点では、今年の6月からは量子コンピュータも「富岳」の建物の1階には整備をされて、それをゲートの手前の「富岳」の建物に入ったら、ガラスのショーケース越しに量子コンピュータの、アメリカ大陸外で最大の156量子ビットのIBM Quantum System Twoが見られるという非常に稀有な施設にもなっています。
 今、井上委員がおっしゃったように、スパコンという単独だけではなくて、そこから幅広く普及するような教育効果や広報効果はあるかと思います。ぜひそういったことも政府として、理化学研究所とともに相談して、取組の検討を進めてまいりたいと思います。
【井上委員】  ぜひお願いします。
【棟朝委員】  参考で、今の話ですけれども、各大学、スパコンの見学、うちも高専とか、いろんな学生に来てもらっていると思いますし、たしか以前、札幌の青少年科学館で企画展をやるときに御協力いただいたというのもありまして、あれはかなり理研さんの御協力をいただきました。ですので、多分、各科学館とかサイエンスコミュニケーターとかが企画をされたときに、ぱっとこれで協力するというパッケージとかメニューがあるといいのかなと。
 常設は、なかなか毎回は難しいと思います。情報系の企画展をやりたいというのは、各科学館はあると思います。そういったものはあるといいかなと思いました。
【栗原室長】  御指摘ありがとうございます。
 
【田浦主査】  ほか、いかがでしょうか。
 ちょっと確認の質問ですが、参考資料2-1とか2-2というのは、これはいつ受けた指摘でしたか。正確でなくていいのですが。
【森専門職】  参考資料2-1については、2020年に行われた審査委員会で御指摘をいただいたものでございます。
 参考資料2-2については、2022年に行われた審査委員会で御指摘をいただいたものでございます。
【栗原室長】  その点では、3年前、5年前の指摘に対する検討です。
【田浦主査】  結構前に受けていた指摘なわけですね。
 そのほか、よろしいですか。
 この辺の指摘、改善し続けていただきたいとか、よい方向に導いていただきたいとか、要するに、ちょっと現状がどうなのだろうということに対するやんわりとした表現だと思いますけれども、一言で言えば。それが結構前の指摘だということで、これからやはり、これもHPCI全体の話と同様に、この後どう変わっていくかというのが非常に重要だと思います。
 その中で、このHPC・AI開発支援拠点形成事業というのが行われているのが、やはり一つ、これまでにはなかった話かなと思っておりまして、特に指摘の中でも、計算科学コミュニティを俯瞰した上で必要な取組を自ら提案、実行し、「富岳」の利用をよりよい方向に導いていただきたいという話があって、それはもちろん「富岳」だけではなくて、今後のことに当てはまるわけですけれども、なかなかそういうところに対する、自ら提案しとか、この分野を見据えてどういうことをやっていったらいいのかというところを、自ら取組を起動するというのか、そういうところがやっぱり弱かったのだと思います。
 このたび、この次世代HPC・AI研究開発支援センターというのをつくっていただいて、そのための予算措置をしていただいたので、そういうことができたわけですけれども、そこに、本当にこの分野のリーダーでもある朴先生のような方が入っていっているというのが、やっぱりこれまでにはなかったことだと思うので、そこにきちんと、朴先生一人だけでできるわけではありませんので、そこに、これまでもRISTには一部研究されている方とかも、その分野の有識者の方は行っていたと思いますが、なかなか組織として、そういうところがうまく生かせる体制になかったと思うので、このセンターの下にきちんとその道の方が本当に魅力的な環境だと思って入っていただけるような、そういう組織をつくっていかないといけないと思います。そのための予算も措置されているので。
 ですので、ぜひとも、それがRISTの組織としてうまく機能しないので人が入ってこられない等、そういうことにならないように、このセンターがうまく機能するように、RISTのほうにはぜひ取組を工夫していただきたいと思います。
 朴先生が手を挙げられているようなので。
【朴委員】  ありがとうございます。
 今振られたからというわけではありませんが、本当に私が、今、2か月、RISTに取りあえず非常勤で入って、神戸のセンターとかともいろいろ接する機会がありましたが、現状、今我々のHAIRDESCと名づけた次世代HPC・AI研究開発支援センターは、いわゆる神戸センター、登録機関としてHPCIのいろんな代表的な庶務をやっているところと併設・並行になっています。
 それで、今まではHAIRDESCの立上げに一所懸命で、なかなか神戸センター側と具体的な話というのはまだできていませんが、やはり今、田浦先生からおっしゃっていただいたように、私はスーパーコンピュータのピュアな専門家で、RISTの方々というのは、多くの方はやっぱり原研を背景にしているので、そういう意味では、よりスーパーコンピュータ視点から、もっと魅力的ないろんなプログラムとか、それから、今話のあった人材育成的な話ですね。
 実は、皆さんが思っている以上に、RISTの神戸センター側には、かなり多くの研究ができる人材がいるということは分かってきました。申し訳ないのですけど、中に入ってみたらいろいろ見えてきています。だけど、そういった人たちを、例えば、今は全部「富岳」とかに向けられているわけですけれども、何らかの形でHAIRDESCのほうにも協力してもらいたい。あと、一部、GPU化をRISTの中で、そんなに大々的ではありませんが、進めているところがありますけれども、なかなか限られた人材でやっているというのが横から見ていた正直な感想で、そういうところに対しても、HAIRDESCのほうはいろいろな部分で、別に敵対するわけではなくて、協力関係を築きながらやっていければと思います。
 その際に、人材には当然お金がかかるわけで、人の集め方も、今ちょうど出していただいていますけれども、中核機関3機関、筑波、東大、科学大も、それぞれ人材を今公募したり、もう一部決まりつつあったりしている状況で、そういうところと比肩するような条件で、HAIRDESCにぜひ若い元気な方、そして、GPUに興味のある方々に来ていただいて、RISTの中で計算機、スーパーコンピュータプロパーな研究サイドの人がどんどん増えていくようにしていきたいと思いますので、ぜひ文科省のほうからもバックアップいただければと思います。
 以上です。
【栗原室長】  事務局でございます。まさに文部科学省としても、今の主査からの御指摘、朴委員からの当事者としての御意見ということで、センター長としての御意見だったかと思いますが、重く受け止めたいと思います。
 その点では、今の主査の御発言にありましたとおり、そのための予算措置をしているということを田浦主査からもいただきましたが、まさに文部科学省としても、効果的な事業実施に努めるよう、RISTに対しても、その他の事業全体の立てつけ等、実施に関しても、必要な指摘や指導、また、事業実施に努める上でも、効果的な実施となるように、これまでの登録機関の様々な御知見もございますし、その意味では、RISTには長年にわたる「京」、「富岳」での御経験や人材もいるというお話も、今の朴先生のお話にもありましたので、そういった力を効果的に活用して、国内の限られた人材がGPUの関連するような加速部に関連する人材というのを集約して取り組めるような体制を構築できるように、文部科学省として必要な対応に努めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
【朴委員】  よろしくお願いします。
【田浦主査】  ありがとうございました。
 ほか、よろしいでしょうか。
 ぜひRISTの中で人の配置とかも工夫していただいて、自ら分野を引っ張っていけるという、朴先生とか、そういう方がいらっしゃればこそできることを、RISTとしてもやれるようになっていただければと思います。
【栗原室長】  政府も必要な指導・助言等に努めてまいります。
【朴委員】  頑張ります。ありがとうございます。


議題4:次期フラッグシップを見据えた今後のアプリ開発の展望について
議題5:産業界における今後のHPCIへの期待
資料4について河合委員から、資料5について只熊委員から説明があった後、意見交換が行われた。意見交換の内容は以下のとおり。

【田浦主査】  河合委員、只熊委員、ありがとうございました。
 それでは、先ほどの御発表について、御意見、御質問などありますでしょうか。
 では、小林委員。
【小林委員】  只熊委員の資料の最終ページ、これは5か月を3日程度と、御提案された以上は、多分やればできると思っていらっしゃるから御提案されたと思うのですが、4つポイントを挙げられましたけれども、実際どうなのでしょう。お答えいただくのは、只熊さんだけではなくて、ほかの方でも構わないのですけれども、ちょっと驚いたというか、できればすごいなと思うのですが。
【只熊委員】  ありがとうございます。
 今1週間程度で計算を回すということができると聞いているので、計算を回すこと自体は多分短縮ができるのではないかなというふうに思っています。あとは、事前の選考から計算開始に至るまでのところのどこかにボトルネックがあるはずなので、そこを追求できれば。3日というのは多分言い過ぎかもしれないと思いますが、それぐらいの枠を外して考えるということが大事なのではないかというのを申し上げました。
【棟朝委員】  3日でやる件、多分クラウドサービス的に、もう申請を入れますと、こう流れます。そうすると、審査はクイックリーにリジェクトぐらい。つまり、これはいけないというものだけリジェクトするとか、あとは、過去の申請者の信用履歴じゃないですが、履歴を取っておいて、過去きちんとやっていただいた方ならぱっと認めるとか、そういう根本的なやり方の違いというか、やり方を変える必要があるかなと思います。
【只熊委員】  ありがとうございます。
 
【田浦主査】  合田委員。どうぞ。
【合田委員】  河合委員の御説明について質問させてください。
 最後のデータの共有は、まさに言おうと思っておりまして。それで、データを置けるサーバーが必要ですという話は分かりますが、恐らく数百ペタバイトのデータを公開サーバーに置いても、誰もダウンロードできないという状況で、こういったデータを多くの研究者がどう活用するかという辺りの仕組みも考えていかなければいけないですね。例えば、データ公開サーバーの隣に「富岳」があればいいんですけど、そういった状況もなかなか難しいかもしれないので。その中で、これだけの規模のデータをどう実際共有するかとか、どう計算機の側で持っていくかという辺りの議論がもしありましたら、教えていただけますでしょうか。
【河合委員】  現状では数百ペタバイトは少し言い過ぎかなとは思いますけれども、今でも数百テラバイトぐらいのデータは、海外のサーバーで公開されています。データ自体はサーバーにあるのですが、データをどうダウンロードするかと言ったプリプロセスが一緒に組み込まれた形や、必要なデータを切り抜いてダウンロードできるような、生データだけではなく、そういう仕組みは重要だと思います。
 海外のサーバーだと、今でも結構ジョン・ホプキンス大のデータサーバーがあります。そういうデータサーバーは世界的にも活用され,サイテーションも上がっていますし、皆さん活用されているという現状はあるかと思います。
【合田委員】  例えば、あれば教えていただきたいのですが、生データを触りたい人と、そうではなくて、ある程度加工されて圧縮されたデータを使いたい人というのは、どちらがどれぐらい多いのでしょうか。知っている事例でも構いませんが、恐らく後者のほうが多いと私は思うのですけど。
【河合委員】  その辺について私もはっきりした答えは分かりませんが、この位の規模の生データに触りたい人は、そんなに多くはないとは思います。
 ただ、加工されたデータも、使う方によって、どう加工したいかは変わってくるはずなので、データ加工のプリプロセスは一緒にデータサーバーに組み込んであることが理想とは思います。
【合田委員】  分かりました。ありがとうございます。
 
【田浦主査】  館山委員。
【館山委員】  今データという話が河合先生のほうでも只熊先生のほうでも出ましたけど、私、物質・材料系のいわゆるプロジェクトにおいて、多分文科省でもDxMTのプロジェクトがあって、そこは多分、田浦先生も関係しているmdxがあって、そこはデータをためましょうという話は既に我々のほうではスタートしてはいますが、やっぱりどういうフォーマットにするかとか、容量の問題とかで、今、多分そういうのに直面しているので、そういうところとの知見の連携というのが一つあるかなと思います。
 私、その中にプレーヤーとして入っていて、一つ気になっているのは、小さいデータをたくさんつくるというほうに何となく向きがちで、HPCとどうやって両立させるのかがちょっと。もちろんHPCを使ってどんどん出していくというのはあると思うのですけれども、うまいスキームが何かないかなというふうにちょっと悩んでいたりすることがあるので、そういうところは、御意見というか、何かあればいただければと思うのですが。普通のコンピュータでもたくさんあればできますよねというのと、それにHPCのフレームを加味したいなというだけの。
【河合委員】  例えば、我々の分野ですと、HPCで大規模な計算を実施しないとアクセスできないケースが多々ありまして、世界でも皆が実施できるものではないので、そういったケースはHPCで計算して公開することが、世界のデータベース・知見につながるということが多くあります。分野によるのかもしれません。
【館山委員】  そうですね。材料でいろんなマテリアルを変えてというときは、どちらかというと、比較的小さめのというか、中間というか、そういう形になるかなと思います。でも、どういうイメージでHPCの活用と只熊先生のスキームがうまく融合的に向かうのか。
【只熊委員】  計算済み、もしくは、実験済みの信頼できるデータがたくさんあれば、それをデータベースにしてしまえばいいと思っています。しかし、それがなかなかできていない。
【館山委員】  できていないですね。
【只熊委員】  だとしたら、「富岳」や「富岳NEXT」で数万通りぽんと計算して、それをデータベースにしたほうが、みんな使いやすいと思います。
【館山委員】  そういうイメージで。
【只熊委員】  計算シミュレーションをしていたとしても、最終的には、実験で評価をしないといけない。高精度で高忠実な計算コードを用いることが前提で、実験結果と合う(代替できる)計算を数千通りなどたくさんの量やろうとすると「富岳」の計算性能が要ると思います。それをデータベースにすることが非常に大事なところかなと私は思っています。
 
【田浦主査】  北野委員、続いて朴委員で。
【北野委員】  ありがとうございます。
 資料4の8枚目の図では、まずHPCがあり、反対側にAI・機械学習がありますが、やはりAI・機械学習は、生成AIも含めて、ニューラルネットで全部計算するので、いろいろやってみるのですけど、数値の正確性はすごく苦手です。生成AIを使っても数字に関する部分は相当間違え、全く信用できません。例えば、仮説生成するにしても、仮説を、いわゆる普通のお悩み相談のような適当なことを言ってくれるには別に構わないのですが、サイエンスで使うとすると、出てくる数字の部分が多くのケースで出鱈目になります。日付なども正確ではなく、とにかく数字が苦手です。それは、トランスフォーマーの原理として、そうなるわけです。
 AI for Scienceを本当にやろうとしたら、多分トランスフォーマー的なものは当然使いますし、他にも、いろんなものを使うことになると思います。ただ、そこから出てくるものや、それをドライブするベースとなる数字などハードファクトの部分がきちんとHPCで裏付けできていること、データがあること、または、シミュレーションやバックエンドで次々処理していく仕組みがないと、基本的には使い物にならないと思います。
 最近、生成AIを使っていろいろなことをさせていますけれど、数字が入ってくると、現時点では使い物にならないです。少し話が脱線しますけど、例えば、最近、星座表を作って、それを生成AIに入れる星占いが流行っており、面白そうなのでやってみましたが、数字や日付のシークエンスになると全部駄目です。
 そうすると、ここで今一つ挙げられるのは実験です。HPCでシミュレーションがきちんとできますし、データ分析もできます。それで、データ間の数学的なnumericな制約構造というものが出てきます。その制約構造のモデルは、AIでやらせると結構間違えるので、多分しっかり数理でできるところはやったほうが良いと思います。それで、AI・機械学習がありますが、そこのところは数字が弱いです。また、データとしては、実験をしないといけないので、大規模にきちんと精度の高い実験を行い、その結果をデータ分析にフィードすることになります。今これは2つですが、多分三角形になります。AI・機械学習と、ロボットを使った実験と、データアナリシス及びシミュレーション、の3つのトライアングルで書くようにしたほうがより正確なのではないかなと思います。
 データのところは、実験の実施には結構コストが掛かるので、シミュレーションをたくさん使います。とはいえ、シミュレーションだけというわけにはいかないので実験もやります。
 もう一つ、最近、私が言っているのは、今の実験の仕方は、仮説が1個とか2個とか、せいぜい5~6個ぐらいのときは良いのですが、仮説が1,000個とか出たときに、今の実験では絶対できません。AIを使うと、多分、仮説の数を相当増やすことができると思います。要するに、人間が思っていない仮説も全部生成して一気にチェックするので、今の実験のやり方では多分耐えられないと思います。費用が掛かり過ぎるし、時間がかかり過ぎるので、多分、実験の仕方を変えるということになると思います。
 だから、AI for Scienceは、スパコンだけの話ではなくて、実験のやり方自体が変わるということを我々はきちんと前提として見ておかないといけません。そうしなければ、DXだと言って、今の業務で全部紙をデジタルにしただけのような、その程度のものにしかならないと思います。AI for Scienceは、私が10年前から言っているのもそうなのですけど、サイエンスの仕方が変わるということなので、基本的に今のサイエンスをAIに置き換えるということではありません。そこが非常に重要なポイントです。
 多分、一番影響があるのは実験のところです。また、AIのところも、シミュレーションやデータとAIを密連動させる新しいやり方を考えないと、ほぼnumericが弱いので、そういうことになると思います。
 私からは以上です。
 
【田浦主査】  ありがとうございました。
 よろしいですか。では、朴先生。
【朴委員】  前半の河合先生のお話で、まず連携はぜひやりたいのですけど、ちょっと確認させていただきたいのは、今、先ほどもちょっと述べました、RISTの神戸センター側で幾つかGPUを若干少人数でいろいろトライしている。多分一番進んでいるのは、望月先生のABNIT-MPですね。FMOの。あれは、そこのグループにいた方をRISTのほうに呼んでやっているので、かなり進んでいると。今手がけている中で、リストの中に河合先生が載っていて、進行中というような説明を先日受けましたが、その状況がどうなっているのかなというのが1点。
 それから、結局、GPU化を進めるに当たって軸が2つあって、1つは横に貫く軸で、要するに、GPUというのは、人によっては全く新しいデバイスで、全然どうやっていいか分からんと。だから、そういう人に対する基礎教育とか、非常に効果的・効率的なカリキュラムをつくるというのが、取りあえず今年度やろうとしている一番重要な話です。
 片や、個々のアプリケーションにどれぐらい手を突っ込んでできるかというところで、当然これはアプリケーション側の方がやっぱりきちんと参加していただく必要があって、先ほどの話だと、HAIRDESC側から人を送ってくださいという、ちょっと一方通行的な話に聞こえてしまったので、当然アプリ側にも、例えば、計算機・GPU屋さんにそれを説明し、一緒に議論できる方がいて、両輪でやらないといけないと思います。
 私は筑波大の計算科学研究センターに今も所属していますけれども、そこで長年、いわゆるCo-designと呼ばれているアプリのほうの状況を知りながら、かつ、システムのほうの説明をしながら、すり合わせて、最適なアルゴリズム、プログラムをつくるという経験を持っていまして。だから、そのCo-design的なアプローチですね。両方からちゃんと歩み寄るというのは絶対に必要だと思います。
 そういう意味で、文科省が今後、来年度からどういうアプリケーション支援の新しいプログラムを始められるのか、よく分かりませんけれども、その中で実際にやる、だけど、人手が足りない、あるいはそのノウハウが足りないというところについて、積極的に組んでいくというのは一つの在り方かと思います。
 ただ、もう一回申し上げますけれども、我々のほうも全然人手がありません。今まだ研究者募集中ですし、先ほど言った中核機関の3大学にも人を配置しますけど、私の印象は、絶対的なGPU人口が足りないと。だから、そこを育てるということをやりつつ、今いるGPU人口を最大限に生かすとなると、なかなか一人送り込んでも、ずっとそれでやっていただくということの選定も大変だし、それは結構難しい話だと思います。
 ただ、もう一個の話にありました、分野横断的に同じGPUの活用という、アルゴリズムとかノウハウが全体でシェアされてできるようにと。だから、横軸のGPUを使うというテクノロジーの基本的な広がりと、それから、縦軸の個々のアプリケーションに手を突っ込むというところのバランスを何とか考えていきたいと思います。
 ちょっと長くなりましたが、今日のお話を聞いて思いました。
【河合委員】  まず2つ目の、これは人を送ってほしいだけかという御指摘ですが、そのようなことは全く考えておらず、この資料にあるとおり、真の共同研究というのがまさにそういうところで、もちろんアプリ側と両輪になって真の共同研究を実施する必要があると考えています。
 私が一番懸念しているのは、ヘルプデスク系に止まってしまうと、真の成果が得られる可能性はかなり低いと思いますので、HAIRDESC側からの人がアプリチームに常駐して、同じチームでお互いに真の共同研究をしてやっていくというのが非常に重要というのがポイントだと思います。
 あと、3つ目が、先ほど、このスライドでは応用先と私は書いていますが、応用先で横断して一緒にやるということも同じ観点で重要だと思います。横串をHAIRDESCが通すという観点も一つあると思いますが、むしろアプリ開発側でも横串が通っている必要があると思っています。
 最初のご質問ですが、共同研究を組んで実施していますとだけここでは回答させて下さい。
【朴委員】  すみません。では、こちらのほうでも調べてみます。ありがとうございます。
 
【田浦主査】  上田委員、お願いします。
【上田委員】  ありがとうございます。
 最後のスライドで、アプリとAI・機械学習の関係とかありましたけれども、AI for Scienceとの関連も含めて、コメントです。
 そもそもAI for ScienceでのAIの立場というのは、LLMの応用や、シミュレーションで作成したデータを用いてAIで事前学習するサロゲート的なものは当然ありますけれども、それだけではなくて、最近は、研究面では各ドメインの物理といいますか、真理といいますか、第一原理計算のようなものを深層学習に組み込む技術の研究がかなり進んでいます。その場合、AI研究とドメインが共進化するような形で、どちらかがどちらかを使うという立場ではもはやないわけなのですね。
 そういうふうに考えたときのHPCの在り方というのは、今まではどちらかというと大規模な単一計算をシミュレーションするというような設計といいますか、利用法が多かったと思いますが、先ほど述べたAI for Scienceが加速されると、様々な多様なデータとか、さらにリアルタイムに観測するような情報だとか、そういうものをリアルタイムに多様な計算を超並列で、しかも、すごいメモリを持ってデータ転送するというようなインターフェースを持たないと、革新的なAI for Scienceというのは実現できないと言えます。ですので、そういうところが今後のHPCに求められるのではないかと思います。
 私は、HPCそのものは専門ではなくて、AIを専門としている立場ですが、現状でも十分に対応できているとおっしゃる方がいるかもしれません。一方で、提示されている資料からはその辺が分かりにくいと感じました。特に、資料中に記載されているデータや支援について、何を意味しているのかが明確ではなく、このままでは意図が伝わりにくいと思います。これを踏まえると、今後はそうした点を整理し、明確にしていく必要があるのではないかと思いました。
 それとはちょっと別件で、冒頭、北野委員のほうからNeurIPSのワークショップの話が出ましたけれども、NeurIPSは本会議とは別に、ワークショップって併設されるわけですね。あれは、どちらかというと、ある研究機関がグループになって提案するものなので、ここに日本人が参加していないからといって、日本のAI for Scienceが低迷しているとかというようなことは非常にミスリーディングです。ワークショップはもう膨大な提案が受け入れられて、その機関が自分たち身内でやっているので、私もオンラインでAI for Scienceのワークショップに参加していましたが、研究のリーチとリミテーションを議論しているレベルで、何かすごく先導しているわけではなかったです。
 ただ、一方、MITだとか、OpenAIだとか、イノベーションを取るようなレベルの、気象予測も含め、いろいろやられていますので、そういうような大きなプロジェクトを日本でどういうふうにトップダウンにマネージするかを考えないと、確かに目立たないことは事実ですけれども。ただ、日本でもいろんな分野で、マテリアルも含め、防災もそうですけれども、AI for Scienceの研究が進んでいるので、まだまだこの領域はブルーオーシャンで、日本が全然駄目だというようなことではないということはちょっと補足させていただきます。
 以上です。
 
【田浦主査】  ありがとうございます。
 最後、エンカレッジングな言葉をいただいたので、大変よかったと思います。
 井上委員、どうぞ。
【井上委員】  ありがとうございます。
 まず河合先生のご発表ですが、とても興味深く聞かせていただき、勉強になりました。先ほどの朴先生のコメントにもあったCo-designというのは今後やはり重要になることを感じています。実際に産業応用や社会実装を目指したときに、アプリ探索をどうしていくかというのは大事な課題になると思っています。例えば、有用なデータをどれだけ抽出できるかによって、応用をどこまで広げられるか、どこに適用できるか、が決まってくると思います。今あるアプリはいいけど、新しいアプリを探そう、新しい応用を探そうとなったときに、応用を考える側とシステムを実装する側の密な連携が重要になってくるかなと。
 今のうちから、このような連携の拡大に力を入れていくことが重要になるのではないかと思うのですが、その辺はどうでしょうか。すみません、何か分かりにくい質問で。
【河合委員】  ありがとうございます。
 正確に質問を理解できているか分かりませんが、計算機分野のエキスパートの方とCo-designしていくのは非常に重要だと思います。
 私が専門にしている流体の分野ですと、先月のアメリカ物理学会でも、GPU演算は多く使われていますが、例えば、先ほど資料に示した半精度演算をHPCで使うとか、そういった流れというのは、ほとんどまだ世界的にもないのが現状です。難しいのだとは思うのですが。低精度演算も含めて、今のうちから、格子生成やデータ解析も含めて、一緒くたに扱えるアプリにしておけば、一気に先に行ける可能性はゼロではないと個人的には考えております。
【井上委員】  すみません。私の質問の仕方がちょっと悪かったのですけど、例で飛行機の絵があるじゃないですか。これではない他の応用をどのように探索し、応用を拡大するのか、という観点での質問でした。応用の探索方法を確立できれば、先生の取組みのインパクトはさらに大きくなるのではないかな、と思った次第です。つまり、適用先を広げるにはどうしたらいいか、という点です。
【河合委員】  適用先は……。
【井上委員】  飛行機以外とか。
【河合委員】  例えば、資料に書いたように、プリプロセスとかポストプロセスがシームレスになると、適用先は自然とどんどん広がっていくと思います。例をあげると、我々のアプリではプリプロセスと計算までが自動化されていますが、それだけでも、航空機だけではなくて、様々な分野にアプリケーションは広がっているので、やはり人の手を介さないということが、アプリの適用先を広げていく一番のキーだと個人的には思っています。
【井上委員】  分かりました。ありがとうございます。
 あとは、只熊さんに質問です。共通知化について興味深く聞かせていただきました。例えば我々は、論文を書くことである意味での共通知化しています。そのときに注意しているのは、見えない仮定や前提条件ができるだけないように、できるだけ一般化することに努めます。「富岳」等でのシミュレーション結果等を産業界で再利用しよう、データベース化しよう、と思ったとき、仮定や前提条件などもろもろのことがどの程度分かっていないと、企業としては使えるものにならない、もしくは、これは使える、と判断できるのでしょうか?何かしらの線引きはあるのか、など、その辺りはどうでしょうか。
【只熊委員】  ありがとうございます。
 私は車両の空力開発をずっとやっていたので、車で例えると、本当に車の形っていろいろな形がありますが、ほぼほぼ変わらないじゃないですか。
【井上委員】  なるほど。
【只熊委員】  しかも、長年変わらない。だから、そこで……。
【井上委員】  タイヤは4つだしとか。
【只熊委員】  そうです。タイヤは4つだし。
 そこで、車両形状のいろいろな部位の角度とか、調整するパラメータというのは、そんなに多くはないわけですよね。
【井上委員】  なるほど。
【只熊委員】  いろいろなパターンの車の形状と空力の性能が紐づいていれば、評価としてはまずよくて、ただ、そのデータベースを用いて空力性能を予測するときに、精度を高めようとすると、物理現象の理解が必要なので、そのときに必要なデータを引っ張ってきて、ここはこういう現象だからこの空力性能になっているのね、ということを言えればいい。論文の一般化というのは、確かに気をつけてやることだと思いますが、そういう産業界でやるものでいうと、すごくシンプルなものだと思います。鉄道も船舶も多分同じだと思うのです。そういうふうに思っています。
【井上委員】  そこをうまく協調領域として定めるというところがポイントになるということですね。
【只熊委員】  そうです。
【井上委員】  分かりました。ありがとうございます。
【只熊委員】  ありがとうございます。
 
【田浦主査】  ほか、いかがでしょうか。
 では、最後に私から。幾つも聞きたいことはありますが、もう時間もないので、1つだけ。
 只熊さんの選考後の計算開始までのリードタイムを何か月から3日にするという。これは選考後、もう選考はされて、採択されてから5か月かかっているということですか、今。
【只熊委員】  と聞いていますが。
【田浦主査】  そこは何とかならないのかなって、本当にしますよね。
【栗原室長】  事務局でございますが、恐らく、通称5か月と言われるのは、11月や12月にHPCIの課題に関して申請をして、「富岳」の課題は年2回の応募がございますが、HPCIは特に年1回でございますので、そして、翌年の4月から事業が開始できる、HPCI共用計算資源の、例えばGPU計算資源が利用開始できるということかなと思います。
 一方で、「富岳」に関しては、現状、ファーストタッチオプションであるとか、複数のより柔軟な、早めに資源の利用開始ができる制度がございます。
 HPCIに関しては、そういった制度もないので、その点では、只熊委員御指摘のとおり、5か月程度になってしまっている現状かと思います。
【田浦主査】  だから、申請から利用開始までということですよね。
【栗原室長】  はい。
【田浦主査】  それは、棟朝先生がおっしゃったとおり、やっぱり審査に時間をかけているということだと思います。参考までに、例えば、情報基盤センターとかのマシンを、普通にお金を払って使いますという場合は、審査も非常に簡便なものなので、別に3日で実際使えていると思うのですね。
 だから、それはひとえに審査の厳格さというのと、あともう一つは、全員に1年分のリソースどのぐらい使いますかと言ってもらって、そうすると、それを普通に足し上げると、どうしてもはみ出ちゃうので、それをちょっとずつ削るみたいな、そういうことにやっぱり提案書を読んだ審査というものが必要になるので、そういうことになっていると思うので、そのやり方への強迫観念みたいなものをなくして、もう来た順に、巨大な資源をあげるわけにはいかないので、早い者勝ちで少しずつ資源を出していくと。
 逆に言うと、それで困るのは、1年でこのぐらい物すごく使いたい、通ったからには絶対それを1年間、私のために確保しておいてくださいという、このやり方を諦めれば、私は、かなり来た順に近いもので、すごく軽い審査で、まずはとにかく使ってくださいよと、切れたら、また待っていたらあげますからという、そういうやり方ができると思います。
【栗原室長】  事務局から補足をさせていただきます。その点では、有償ベースでやるというのが、今、田浦主査の御指摘だったかと思います。mdxもそうであると思いますし、また、ABCIをはじめとする様々な計算資源でも、そのように実施されているような、HPCIで今、産業有償が、6機関が対象となっていると存じていますが、それらをベースに、新しい枠組を御検討いただくこともあるでしょうし、また、「富岳」においては、機動的課題であるとかファーストタッチオプションがございますので、それをHPCI、14の機関が今参画していますが、それらの共用計算資源の利用について、拡大するということもあり得るのかという御指摘かと思いました。
 これらの点も含めて、引き続き、本委員会やワーキンググループ等でも御審議いただいて、新しいHPCIの新たな在り方の方向性の議論に反映できればと考えています。
 ありがとうございます。
 
【田浦主査】  それでは、よろしいでしょうか。
【栗原室長】  最後、事務局から。アプリケーションの事業に関する御指摘が多数ございましたので、補足いたします。
 何度か話題になりました新しい事業に関して、今後は、今般の資料2においては、アプリケーション等開発推進を行う新たな公募事業ということが、このワーキンググループの設置の御審議をいただくために御覧いただいた資料にございました。
 こちら、本日、様々な予算の話がございましたけれども、これは政府予算案としてお伝えできているものは、先々週、11月28日に令和7年度の補正予算案として、政府案として閣議決定された、11月28日、2週間前の金曜日に閣議決定をされた370億円であるとか76億円と、そちらはこういった予算の事業の政府案ですよということで御説明をしておりました。
 その点、補足いたしますと、このアプリケーション等の開発推進を行う新たな公募事業に関しましては、年末が想定される令和8年度の政府予算案の策定に向けて、現在、まだ財政当局と議論中でございます。皆様の御指摘等を踏まえて、政府として検討してまいります。


最後に、事務局より事務連絡を行い、田浦主査により閉会。

(研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室)