令和6年6月5日(水曜日)10時00分~11時30分
文部科学省 17階 研究振興局会議室(傍聴はオンライン会議にて参加)
委員:
合田委員、伊藤公平委員、伊藤宏幸委員、上田委員、梅谷委員、小林主査代理、田浦委員、館山委員、中川委員、福澤委員、藤井主査、朴委員、棟朝委員
塩見局長、松浦審議官、国分参事官、栗原室長、福野参事官補佐、坂下課長、森専門職
(高度情報科学技術研究機構)森センター長、塩原副センター長、齊藤部長、河合部長、草間部長、杉本室長、末安次長
議題1:次世代計算基盤に関する報告書 最終取りまとめ案について
資料1-1、1-2について事務局から説明があった。
【藤井主査】 ありがとうございました。
ただいまの栗原室長からの説明に対して御意見や御質問があればよろしくお願いします。字句の修正と、あと、開発主体の先ほどの赤いところですね。そこが重要になりますが、いかがでしょうか。
【館山委員】 今回の修正に関しては非常に、前回の中間取りまとめから改善されてよかったと思います。私は、資料1-1のほうはもうこの方向でいいのかなと思うんですけども、資料1-2について意見がありまして、全体の取りまとめ、もちろん次世代の計算基盤ということで、ハードウェア寄りにかなり寄った記述になっている印象がありまして、アプリ開発、ソフトウェア側から見ると、それに付随した記述というのがないなという印象をちょっと受けました。もちろんこれはハードウェアのための取りまとめなのかなと思うんですけども、例えば黄色のほうの2番目の「求められる開発・整備の手法」の辺りで、2ポツ目の「適時・柔軟に入れ替え又は拡張可能とし」というところを本文で見ますと、最新の技術動向に対応するためにやるということなので、この5年でAIが出てきて、ハードウェアの対応がソフト、ハード、両方変わっているので、何かアプリ開発、アプリの需要動向とのハードウェアというところを入れ込んだ形で、1枚紙のほうをいただけたらいいかなと思いました。
【藤井主査】 もっともな意見だと思います。今の点、皆さん、いかがでしょうか。本体で言うと、「利用拡大に向けた取組」という括弧づけの記述が5ページにありますよね。ここ、一つ入れ込んでいただくのも手かもしれないですね。先ほど言われたところももちろんですけど。
【栗原室長】 まさに御指摘のとおりだと思います。「柔軟にシステムを入替え、拡張可能とし、進化するシステムとすること」という部分、今のまとめの記載ですと、確かにシステムの話だということも、これだけですと分かりづらくなっていると思います。
また、今、主査もおっしゃいましたアプリケーション開発に関する記載も5ページの利用拡大のところにございまして、特に相互互換性とか水平展開の記載もございますので、そういったソフトウェアの点、アプリケーションの点も、取りまとめのポイントとして示す際にはしっかり資料上も見えるように、各説明の場面でもその点が分かりやすいように取り組んでまいりたいと思います。
【藤井主査】 この場で全ての修正の記述を確認するのは難しいかもしれません。具体的な修正の記述については案をお任せいただいて、皆さんに数日以内に展開するような形で御了解いただければと思います。
【伊藤(宏)委員】 今のに関連して、まさにアプリケーションの辺り、AI for Scienceの話が随分問われているんですが、今までですとCo-designの話をされていて、アプリケーションとハードウェアというか、システムとの関連性が示されていて、そこはあまり記述されていないので、例えば今までベンチマークしてきたいろいろなアプリケーションがあると思うんですが、それに対してAIはこういうものが入ってくるということが前提となったような記述が入っていると、今、求められているものは何で、だからこそこれをやるんだということがもうちょっと明確になるのではないかと思っておりますが。継続性の話をしたときには、今までのアプリケーションが少なくとも5倍から10倍のところで実効性能が上がるということは理解できるんですけど、AIの部分が具体的にどういうものなのか。あまり明確ではないような気がするんですけれども。
【栗原室長】 確かに本文のほうを見ると、4ページ目にはもう少し詳しく記述があり、特に注の部分に、「低精度で大規模な行列演算」ということも書いてあります。前回の会議でも報告がありましたが、大規模な基盤モデルということで、「最先端の基盤モデルを数か月程度で学習可能」といった記載もあります。ポイント資料は、A4の1枚なので、面積的にも記載が難しい部分がありまして。おっしゃることはそのとおりですので、工夫しながら可能な範囲でご指摘の点を反映したいと思います。
【伊藤(宏)委員】 多分、多くの国民はこの一枚だけを見ると思うので。そこに入れると。
【栗原室長】 これだけですと、AI for Science、AI性能といった表現にとどまっており、これでは何か分からないかもしれませんので、見やすくなる範囲で工夫して、また、主査御指摘のとおり、皆様にお伺いしたいと思います。
【藤井主査】 方向性のほうは一番頭に書いてあるわけですけど、それに対応する部分が若干弱いかもしれないですね。おっしゃるとおりだと思います。それでは、よろしければ、先ほど申し上げたとおり、若干字句の細かいところがありますので、ほかも含めて修正案というのを展開いただく。期間は1週間ぐらいでよろしいですかね。
【栗原室長】 はい。
【藤井主査】 もし追加のコメント等あれば、数日以内に事務局に送っていただければ、また議論させていただきたいと思いますし、それがなければ、先ほどのところの修正案を皆さんに展開して、意見を伺った上で最終案とします。本日の会議としては、以上の修正を踏まえてですが、次世代計算基盤に関する報告書の最終取りまとめを了承いただいたということでよろしいでしょうか。
それでは、議題1については、これで終わりとさせていただきたいと思います。最終的には主査に一任いただくということになりますけど、よろしいですね。
(「異議なし」)
【藤井主査】 ありがとうございます。それでは、最終取りまとめ案についてはそのように取扱いさせていただきたいと思います。今後は、開発主体の理化学研究所から検討状況について適宜ヒアリングを行うという形で、この議論は進めさせていただくことになります。よろしくお願いいたします。
議題2:今後のHPCIの運営業務計画について
資料2についてRIST森センター長から説明があった。
【藤井主査】 ありがとうございました。ただいまの森センター長からの御説明について、御質問や御意見があればよろしくお願いいたします。
【棟朝委員】 12枚目の「富岳」のクラウド的利用の推進というところで、こちらは参画事業者2者が課題を申請された、事業者数は書かれているんですけれども、クラウド的利用なので、その利用者数、もしくは想定する利用者数というのがどれぐらいの方が使われるのかというところがまず1点。
あともう1点は、9プロジェクト(11事業者)が試行されたということで、その中で一部の2社という、ちょっと少ない数の方が実際に申請されたということで、その辺りの理由並びに状況について教えていただけますでしょうか。
【齊藤部長】 どれぐらいの人が使うのかということは多分、課題参加者の人数をお問合せいただいているかと思いますが、現状、課題参加者数は公開しておりませんので、ここでは、申し訳ございませんが、回答せずとさせていただきたいと思います。
5社のうち、利用企業が少ないという話については、これは実際に、上に書いてございますように、材料系ワークショップやCAEワークショップでこういうサービスがあることをアピールさせていただいたというのが昨年の後半からということでございます。問合せは多数受けているとは聞いておりますので、今年度以降、利用が加速していくのではないかと見ております。
【棟朝委員】 ありがとうございます。あとは追加でですけれども、AI for Science、AIになるとさらにクラウド化、クラウド的利用というのは増えるかと思いますけど、この検討の時期からするとクラウド、いわゆるAIというのは含まれていないと思ってよろしいですね。
【齊藤部長】 まず、AIを対象とした支援にするかどうかについては、各事業者様がどのような得意な技術を持ってサービスをされるかということに関わってくるかと思います。恐らく市場ニーズは、AIが高まっているというのは、産業界、我々支援していても感じますので、ニーズがあるというところは多分、事業化されるのではないかと見ております。
【棟朝委員】 今のお話からすると、本格運用フェーズでは、当然ながらAI的なプロジェクトを受け入れるという趣旨でよろしいですかね。
【齊藤部長】 そうですね。恐らく、基本的には事業者様の事業計画上、決められることだと思いますが、ニーズがある以上は多分、事業者様がお考えになるのではないかと見ております。
【棟朝委員】 ありがとうございます。
【朴委員】 11ページの「京」から「富岳」までの企業の利用の累積ですけども、「京」を使っていた人たちはほぼ全部「富岳」に移行したのか、あるいは、「富岳」から、「京」で終わって、「富岳」はまた別なのか。その辺はいかがでしょうか。
【齊藤部長】 正確にお答えできる情報を持ち合わせていないんですが、ざっと確認したところ、「京」で利用を終えた企業様もいらっしゃいますが、大半が「富岳」に移行されていると思います。この202社に対して、現状267社で、差分が今、既に65社あるんですが、これに加えて、先ほど新たに「富岳」を使った企業というのがあると思いますが、裾野が大分広がっているのではないかと見ております。
【朴委員】 分かりました。なぜそんな質問をしたかいうと、11ページを見ると、「京」の最終的な19年度の利用は202社まで増えたけど、「富岳」は115に一旦落ちて、「京」の202に近いところに行くまで3年かかっているんですよね。だからこれはなかなか戻ってこなかったのかなと思ったんですけど。
【齊藤部長】 恐らく「富岳」が初めて出たときに、どういうふうに利用しようかという検討をされている期間がしばらくあったのではないかと思っております。立ち上がりから言うと、「京」の初年度は63社というような形で、翌年度も94社という形ですが、「富岳」は初年度から115社ということで、最初の2年をカバーするぐらいの立ち上がりのよさが私はあると見ております。ただ、朴先生がおっしゃるように、戻るまで3年かかっているというところについては多分、企業が「富岳」を利用するのにどういう形で利用するかというところを御検討されていた期間ではないかなと見ております。
【朴委員】 ただ、「富岳」の非常に大きい特徴の一つは、アーキテクチャは全然違いますけども、「京」のソフトウェア資産とか、使い方としてはかなりシフトがしやすくというのは特にHPCのアプリケーションでも言われていたので、その辺が企業にうまく伝わっていなかったのかなというのがちょっと懸念なのですが。分かりました。
【田浦委員】 細かい質問ですけど、4ページの課題参加者数のグラフがありますが、これは「富岳」と比べると随分、HPCI(第2階層)が少ないように見えますけど、応募課題数という、5ページと6ページの応募の課題数という意味ではそんなに変わらないと思うんですけど、何か1課題当たりの人数が全然違うということなんですか。
【塩原副センター長】 「京」とか「富岳」の場合は、アカデミアでもかなり複数の大学が絡む大型の課題、産業課題でもある業界の中で、複数の企業が集まるコンソーシアム型の課題、そういった一つの課題に、例えばコンソ型の場合は数十社が参加するような大きな課題もあり、参加者が例えば100人を超えるような課題もかなりあります。HPCIの課題の場合は、そういう大きな課題はごく僅かという違いがあるのかなと思います。
【朴委員】 今の田浦先生の質問に関連するんですけど、これは私の感触だと、HPCI(第2階層)のユーザーと、「京」、「富岳」のユーザーは結構重複があるのではないかと思うんですけど。それは名寄せはされずに、単純にそれぞれで積み上げている結果なんですか。
【森センター長】 そうだと思います。
【朴委員】 どちらかに吸収されているということはないんですね。
【河合部長】 まず、このグラフの統計ですけれども、先ほどそこの後で示しました課題数は、私どもが公募している課題だけを扱っているんですが、この参加者数は「富岳」の課題全体をグロスで見ておりまして、成果創出加速プログラムとかそういったものも全て含んでいます。特に成果創出加速プログラムは定期募集分とほぼ同数ぐらいの参加者を毎年度持っておられますので、それを言うと、「富岳」の棒グラフの高さは、この半分が一般の公募なんですね。ですから、青い部分が半分だと思うと、それと緑を比べると、それほど大きな差ではないかなと思っています。一般課題の公募の状況で言うと、「富岳」が100課題ぐらい採択すると、HPCのほう、70ぐらい、大体そのような傾向にありますので、それほど統計的に変ではないかなと思っております。お答えになっておりますでしょうか。
【朴委員】 それはすごく重要な点ですよね。成果創出がそれに織り込まれているか、されていないかは、大きい違いだというのは御説明いただきたかったんですが。
【森センター長】 あと、緑とブルーで重複は、両方にまたがっている人は区別してといいますか、それぞれでカウントしているということでよろしいですね。
【河合部長】 その件を言い忘れましたが、これは課題1件ごとに参加している人を全て集計しておりますので、同一人物が複数の課題に入っておられても、全て足し算しています。
【朴委員】 分かりました。だから、HPCI IDで名寄せはしていないということですね。
【河合部長】 この統計では名寄せはしておりません。
【朴委員】 分かりました。
【藤井主査】 今の最初のところは、区別できるようにこのグラフを描くといいですね。
【森センター長】 成果創出加速プログラムとかの区別ですか。
【藤井主査】 そうですね。その部分がうまく後で分かるように。
【森センター長】 はい。そういうことは容易にできますので。
【朴委員】 成果創出、政策課題みたいなことを、少し班分けしたほうがいいかもしれない。
【森センター長】 少しジャンル分けをして。今後の資料にはそういうふうに反映させたいと思います。
【中川委員】 ちょうどこのページで質問したかったんですが、右側の分野別割合を見ますと、情報・計算機科学系のテーマが非常に少ないなと思いました。その理由は何ですかということと、今後、情報・計算機科学系でのユーザーを増やすための施策として、例えば理研でお持ちの量子計算機とか、いろいろな新たなプラットフォームにRISTの募集から門戸が開かれると、個別にアプローチして使いに行くよりもずっといいのではないかなと思ったもので、そういったような量子計算機のポータルとは言わないんですけれども、この募集の中で、「京」、「富岳」、それから、HPCI(第2階層)、それ以外に量子というような選択肢もあるのかというところを教えていただければと思います。
【森センター長】 量子計算機に関係するような研究を「富岳」、HPCI(第2階層)を利用して進める課題も現在の課題種類の中で実施可能です。
【中川委員】 多分、この情報・計算機とかの中に入っているんじゃないかなと思うので。それと、実際に使いに行きたいというときに使えるような、HPCI(第2階層)にプラスして使える量子計算機、リソース、QPUが使えるという可能性があるのかというところ。よろしくお願いします。
【森センター長】 現時点では量子計算機はHPCIで使える計算資源の中には入っていないと理解しています。今後第2階層とかフラッグシップマシンで量子計算機を使えるような状況になってくれば、そういった量子計算機資源を計算資源の中に含める可能性は考えてございます。
先ほど、情報・計算機科学の部分が少ないが、その理由はという質問があったかと思いますが、それについて、河合部長、何か状況を説明できることはありますか。
【河合部長】 申し訳ございませんけれども、そのような分析をしたことがございませんで、ここでは明確なことをお答えできません。ただし、一つの要因といたしまして、計算機科学の部分というのはかなり、RISTが公募している課題ではなく、理研計算科学研究センターの課題で実施されていることもありますので、必ずしも定期募集に申請されていない可能性もございます。我々の取組といたしましては、現在、定期募集の中で募集している重点分野への応募というのがございます。こちらは次世代の計算機に関わるようなところを特別に採択していくという制度を持っておりますので、今後、この辺り、注目いただけるのではないかなとは考えております。
【朴委員】 今の点について、2つ補足させてください。まず、中川委員の最初の量子コンピュータのポータルとかという話は、実はFSの中では少し出ていて、特に量子コンピュータのつなぎの部分をやられている天野先生のグループなどは、やはり最終的に国家レベルで量子コンピュータが使いやすくなってきたときには、それをちゃんと取りまとめるような運用の中では、HPCIの役割は大きくなるのではないですかという意見は出ています。それが1つ目の補足情報。
それで2つ目は、私も中川委員も情報屋さんだと思うんですけど、情報・計算機科学が必ずしも大型のスーパーコンピュータが研究で必要かというと、そこは違うんじゃないかなと思うんです。例えば大昔みたいに、次世代のスーパーコンピュータのシミュレーションをするために今のスーパーコンピュータを大量に使って、並列のシミュレーションをするのと、今の計算機科学の研究の進め方がスーパーコンピュータ本体を使ってやらないとうまくいかないということではなくて、やはりスーパーコンピュータは、ほとんどは応用の人たちがプロダクトLANとして扱うというのがこのデータなのではないかなと私は思います。
【田浦委員】 今の続きですけれども、ほかの私の身近なマシンでは、もうちょっと割合は多いと思います。それは、一つには、AIをやられる方が、情報・計算機科学というラベルで分類されると思うので、そこで大きくなっているというのもあると思うので、これがこれだけ少ないというのはやはりその辺のところをうまく取り込めていないということの一つの表れかなと思います。
あと、朴先生がおっしゃった、いわゆる計算機科学屋さんが研究したい場所がこことはちょっと違うというのは、それは全くおっしゃるとおりですけども、フラッグシップみたいな計算機がそういう人にとっても魅力的な場所になってほしいというのはあります。つまり、一旦走り出してしまうとあまりシステムの開発ができるような使い方はさせてくれないという、その辺があると思いますので、一工夫できないかというのは、今後の課題としてはあり得ると思います。
【朴委員】 AIはGPUに流れているんじゃないですかね。
【田浦委員】 そうです。だから、ここで現れるということですよね。
【朴委員】 そういうことです。
【田浦委員】 だから、それはやはり課題ではないかと思います。
【森センター長】 あと、AIを利用した応用研究については恐らく情報・計算機科学ではなく応用研究のほうのジャンルの中に入ってきていると思います。AIを使ったバイオライフとか、そういったのはバイオライフの中に多分仕分されていて、情報・計算機科学の中には入っていないという分類になっていると思いますので、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
【合田委員】 御説明ありがとうございました。最後のところで触れられていた次世代計算基盤も含めて、今後の策定について質問させていただきたいと思います。私が所属しているNIIもHPCIのシステム構成機関の一つでありまして、いろいろRISTの方々にお世話になりながら整備・運用しているところですけども、この次世代計算基盤の取りまとめの中でも、今後、ユーザビリティの向上ですとか、シームレス化の重要性が指摘されているところです。
また、FSのところでも、それに関連して、例えばフラッグシップ、第2階層をもっと密に連携するとか、クラウドの連携もするとか、あとは、これまでありませんでしたけど、今、データ駆動型の研究が重要視されていますので、データ基盤と連携するとか、いろいろな新しいシステムとしての役割というのが議論されているところだと思います。そうしてみたときに、HPCIもこれまでいろいろな機能が付け加えられて変化してきているんですけども、これから先はこれまで以上に劇的、劇的という言い方がいいか分かりませんけども、システムとか運用も変化していくことが予想されると私は考えています。そう見たときに、今までと同じ延長線のやり方だけではなかなか厳しいかなといったような印象は持っていて、その辺についてRISTさんにお考えがありましたらお聞かせいただけますでしょうか。
【森センター長】 まだ具体的にこう変わるという予見をしているわけではなくて、むしろ国で進めています検討状況など今後の進捗もあると思いますので、そこら辺を踏まえて、RISTでどうするべきかということを今後、状況をウオッチしつつ準備をしていくのかなと考えています。RISTでは対応し切れないということが出てくるかもしれませんが、そういった場合にはどこでどういうふうにやっていくのかということもきっと議論されると思いますので、その中でRISTがどういう役割を占めていくのかということを今後検討していく必要があるのかなと考えています。
【合田委員】 ありがとうございます。いわゆるこれは制度面だけではなくて、技術的な話も絡んでくるので、今おっしゃっていましたように、これについて、これはRISTさんへのコメントよりも、この委員会の方々に対する御意見を差し上げたかったんですけども、そういった今後の体制についてもしっかり議論していくことが重要だと私も思いますので、御検討いただければ幸いです。ありがとうございました。
【藤井主査】 大事なところだと思います。利用支援と言われたときには、ユーザーの実際のプログラムサポートとかそういうところも入っているのですよね。
【森センター長】 ええ。我々が実際にプログラムのサポートとか、要望されたものについては対応しております。
【藤井主査】 恐らく次のポスト「富岳」になる、その手前の段階でそこの負担がかなり大きくなると思います。FSが終わって先に進まないと動けないかもしれませんけど、今のうちにある程度早めに準備が必要かなと思います。
【森センター長】 そうですね。ある程度計算機が決まって、どういったようなことが準備できるのかということが少し見えてきた段階ではそれぞれ準備を進めるべきと考えています。端境期をなくした運用といったことも考えておられると思いますので、それへの対応の難しさというのも我々としては認識しつつ、早め早めの準備ができるようにしたいとは考えています。
【藤井主査】 今出ている青いところで、制度といった記述がすごくあります。制度はもちろんですけど、今、実際のところも強調していただきたいなと思って、コメントしました。
【伊藤(公)委員】 私はもともと、「京」及び、その当時はポスト「京」と言われたときに、当時の河野行革担当大臣の下で、いわゆる事業仕分けの延長ですけども、行政レビューという形で、「京」及びポスト「京」、今の「富岳」が対象になったときに、私がなぜか中立的な有識者として参加し、その後、文科省と、理研と河野行革担当大臣の間に入っていろいろと、6回にわたり議論した結果、結果的に予算が切られることもなく、「京」まで、今の「富岳」まで進んだという経験があるので、それを基にRISTの中でしっかりと支援されているだけに、RISTのいわゆる費用対効果的なところをちょっとだけ私はお聞きしたいので伺いたいと思います。
2022年度の収支決算書を拝見すると、おおよそ35億円の経常費で運営されていて、そのうちの半分が国からの補助で、その残りがHPCI運営事業収入と書いてあるんですけども、HPCI運営事業収入というのは、これはユーザーから入ってきた収入なんでしょうか。それとも国からの収入ということになるんでしょうか。まずこれが分からなかったので確認させてください。
【森センター長】 これは我々が答えられるお話か。今、お答えできるだけの知識は持っておりませんが。
【伊藤(公)委員】 お答えいただけないと、私も経営している側でもあるので。
【塩原副センター長】 有償課題の利用者収入という意味であれば、それは違います。
【藤井主査】 そう、違いますね。そんな金額じゃなく小さいですね。
【塩原副センター長】 有償利用の収入なんてごく僅かですので。
【伊藤(公)委員】 そうなんですね。
【塩原副センター長】 それは国からいただいているものだと私は思いますが。
【藤井主査】 センターに払っている分ではないのかな。センター側の利用に。
【朴委員】 いや、センター側のHPCI利用にしても、「富岳」にしても、結局、それは全部国ですから。
【藤井主査】 もちろんそうですが、そういう意味ではなくて、それに相当する分ではないのでしょうか。
【田浦委員】 課題をやっている方々へのサポートですよね。結果的には。普通だったらこのぐらいかかるところを国から出しているという、そういうことですよね。
【藤井主査】 直接的にはお答えいただけないようなので……。
【森センター長】 RISTとしてはユーザーから収入をいただいているということはありません。
【藤井主査】 それはあると思います。
【伊藤(公)委員】 分かりました。そうすると、先ほどの合田委員のコメントにもかかるんですけども、ポスト「富岳」に向けて、実際に何をおやりになったときに、これから新しくなっていく中において、今日発表いただいたような様々な、いわゆる課題を回すような事業というのを今後継続的にやらなきゃいけない部分はあるでしょうし、それプラス、また新しい新システムの設定に応じた様々な工夫も必要になってくる。この2つの階層があるのではないかと思うんですね。
つまり、使うためにどういう支援をするかということと、課題を回すためにどういう事務作業をするかという。この2つの事務作業の部分と技術的な支援という両方が必要とされていると思うんですけども、いずれにせよ、新しい課題、新しいシステムになったときには、事務作業は比較的変わらないとしても、技術的な面では、先ほど合田委員がおっしゃったような様々な新しいチャレンジが出てくると思うので、その中において、このRISTという組織の存在がどういうふうにアップデートされていって、また、国からのそれなりの予算がついているので、それに対してどういうふうな存在意義を示していくのかというのが結構重要なのではないかと私は感じているところでございます。今お答えいただかなくても、今日感じているところでよろしくお願いいたします。
【森センター長】 コメントありがとうございます。今言われたようなことも念頭に一部動いているところもございますけれども、今後の議論の進捗等でRISTがどこの部分をやらないといけないのかということもより明確になってくると思いますので、言われたことを意識しながら整理して、準備していきたいと思っています。
【伊藤(公)委員】 どうぞよろしくお願いいたします。
【藤井主査】 対応する人員とか専門性によってかなり変わってくる可能性はありますね。そういうところを伊藤公平委員は言われていると思います。
【森センター長】 場合によっては増やさないといけないということも生じると思いますが、そのときには、予算的なこともありますので、文科省さんとも御相談させていただきながらということになると思います。
【栗原室長】 先ほど御質問がございました、RISTの収支予算書や収支決算書を今、事務方でも確認いたしました。確かに事業収益というところにHPCIの運営事業収入ということで、18億円余りの金額がRISTの収支予算書には記載されておりまして、それはいわゆる文部科学省からのHPCIの運営に関する委託費の金額と一致いたします。ですので、この収支予算書に掲げている表現がそれぞれ国の予算書と文言の表現が変わってくるんですけど、運営事業収入と書いている金額が、こちらは国からのHPCI運営事業委託費ということだと思われます。
【伊藤(公)委員】 ありがとうございました。
【小林主査代理】 今回御説明いただいた内容というのは、利用支援によって裾野が広がったとか、あるいは人材育成されたということが示されたと思うんですけど、逆に、こういう運用業務を長年やられて分かった課題なり、問題点なりをまとめていただいて、今後どういうことを委員会として取り組まなきゃいけないか、あるいはRISTがどういう形でそれに関わっていくのかというのを示して、まとめていただけると、議論がより深まるのかなと思いました。
最後のページは、この粒度だと、これは一部やられているものもあるでしょうし、RISTはどうされるのかなというのがよく分からないので、これをやるためにRISTではどういうことを考えているのか、どういう課題があるのか、そういうことをもう一歩踏み込んだ内容にしていただきたいなと思いました。
【福澤委員】 先ほどの議論があった利用件数ですか。先ほどアップしていた。
【藤井主査】 4ページ、5ページぐらいですか。
【福澤委員】 そうですね。この前ですかね。こちらなのですけれども、いわゆる第2階層のHPCIがHPCIに出している部分と独自に運用している部分があると思うんですけれども、ここにカウントされているのはHPCIに出している部分なのかなと思いまして、その場合、どれぐらいの割合をHPCIに出していて、かつ、この人数だというのが、バックアップ資料としてはあったほうがいいのかなと思いました。
【塩原副センター長】 これは、センターの計算資源のうち、HPCIに提供する割合ですか。それはセンターによって異なります。大体20%から、多いところで30%と聞いていますが、多分それも年々変動するものでしょうし、そのデータは今、我々としては把握できていません。
【朴委員】 採択によりますから。結局。あと、プラス採択された分の中で本当に実質使った分しか文科省からお金はもらえないので、微妙に違うと思いますけど。僕の感覚も大体2割ぐらいだと思いますけど。運営している側としては。
【藤井主査】 その辺りは選定委員会のほうで結構議論されていると思います。
【福澤委員】 大体の目安が分かれば可能だという。キャパシティに対してどれぐらいというのが分かりました。ありがとうございます。
【棟朝委員】 今の点、補足しますと、人数にすると、多分、各センター1,000人とか、参加者はいるはずですので、細かいのが多いですので、人数になると、これでも足すと、第2階層だけで万の単位になるかもしれないなという気はします。人数という意味で言えばですけどね。
【朴委員】 僕の頭は金額しかなかったので。
【棟朝委員】 ええ。ここは人数、課題参加者の人数の話でしたので。
【森センター長】 先ほどコメントいただきました最後のページの、今後の検討項目事例ということで出している部分の粒度の問題ですけれども、確かにまだ具体的なことを語る粒度にはなっていません。今後の国で検討される検討状況とか技術的な開発を踏まえた上での事柄ということも出てきますので、むしろこれからこの粒度は徐々に上げていきたいなと思ってございます。
【小林主査代理】 ただ、やはり今まで取り組まれた経験なり。
【森センター長】 はい。これまでの課題ですね。
【小林主査代理】 ええ、そうですね。そこはやっぱり重要かと思いますので。
【森センター長】 それについては。分かりました。
【小林主査代理】 ええ。これに絡めて、もしあればと思いました。
【森センター長】 承知いたしました。
【藤井主査】 この場でも今後また報告していただく機会をつくりたいと思います。小林委員、よろしいでしょうか。
【小林主査代理】 はい。そのようにお願いいたします。
【伊藤(公)委員】 すみません。先ほど決算書とかについて伺ったんですけど、考えたら、センター長がお答えいただいているということで。それはちょっと、質問する先がもしかして違ったかもしれなかったんですけども。理事会の方々に本来伺うべきだったのかもしれないですけど、すぐお答えいただけなかったのは、それは仕方ないのかなとちょっと思った次第でございました。失礼しました。
【藤井主査】 いやいや。ほか、いかがでしょう。
【朴委員】 もう一点だけ。コメントですけれども、最後のページの、特に次の基盤に関して、今、FSでやっている中ではやはり何らかの形の演算加速機というのが入ってきて、これは「京」、「富岳」とも完全に一線を画すわけです。実例を言いますと、筑波大と東大でやっていますJCAHPCというCPU、GPU一体型のシステムが今年末に入ります。それはもう全面的にGPUを使っているシステムで、そのために2年間かけて、ソフトウェアの移行のためのものすごいガイダンスとか、特に外注的にGPUベンダーを全面的に巻き込んで、そういったソフトウェアの開発あるいは組替えをものすごい時間と労力とお金をかけてやっているんです。
恐らくFSが終わって、本格的な設計に入っていった段階で、非常にドラスティックなアーキテクチャの変化というのにユーザーはさらされることになると思います。そういうことに関して、今まで登録機関から始まって、いろいろHPCのことをやられているRISTさんがやられていた話と、多分、作業量とか作業内容については大分変わってくるんじゃないかなと。そうすると、そこで我々として期待するのは、RISTの体制だとここまでしかできませんということではなくて、それを超えたことをできるのか、あるいはRISTが本当にできるのか、もっと何か大きい枠組みで、HPCI全体で、文科省も含めて考えなきゃいけないのかというレベルのことが起きるのではないかというのが今から想像できて、そのときにやはり今までの延長で、さっきから出ていますけど、やれることと、もうそれとは次元の違うことでということが出てくる可能性は十分あると思うんです。ですから、これはRISTさんの課題ではなくて、HPCI全体のここの課題だと思いますので、それぐらいドラスティックなことにも対応するような議論を今後やっていかなきゃいけないなと思いました。
【田浦委員】 伊藤先生が大変大事なことをおっしゃってくださったなと思っています。それで、報告だけ聞いていると、何をこの先の話として言えばいいのかが分からないし、どこまでRISTさんに期待をお願いしていいのかも分からなかったんですけど、やはりかなりのお金を使っているということもあって、もう少し働きを強化していかないとという気はいたします。
それで、今、次の次世代のフラッグシップがという話が割と中心に出てきて、そこはそこで非常に大きい話だと思うんですけれども、やはり第2階層でずっとやっていた身からすると、このHPCIという事業全体がそうとも言えるし、RISTのサポートやら何やらが向く先がという言い方が適切か分かりませんけど、フラッグシップの話がほぼほぼ。第2階層、本当は全体をつなぐとか、ユーザーがいろいろなところを移行できるようにするとか、そういう全体のサポートも常にスコープに入れてやっていただいたほうがいいんじゃないかなと常々思うところで、でも、そこまでもともと期待してはいけない立てつけなのかなとか思いながら、悶々と過ごしてきたというところもあるので。次世代を考えるにあたっては、ぜひフラッグシップのアーキテクチャが変わるからというだけではなくて、そこのHPCI、よく戦略的に整備とか言いますけども、そこの部分でRISTさんとしてどういう役割を果たすかという、そこも考慮に入れてほしいかなと思います。
それで、第2階層は、筑波大学さんに、朴先生のいる前でこの言い方はあれですけど、JHPCNという8大学の共同利用・共同研究拠点というのがあって、そこではかなり似た事業を自立的にやっているんですね。あとは東大と筑波ではがっちりと一つの基盤運用ということでやっていて。では、HPCIの中でやらなきゃいけないのかなと常に思うところがあります。JHPCNのほうでかなり自律的に、JHPCN自体が評価を受けながらやっていますし、課題選定も基本的にやっていますので、第2階層から見るとそういうところがあって、一方で、理研は、理研とRISTというところでがっちりと「富岳」をサポートしていくという立てつけになっていると思うんですけど、多分理研は理研で、何かもう少しスピーディーに理研が思うことを進めたいというようなところもあるのではないかと思っていて。では、RISTがどういうふうに理研だけではできないことを、取組を、あるいは理研にもう少し人をつけるということではできない取組をやっているか。第2階層は、JHPCNプラス筑波大学という、そういう実質的な大学間の連携ではできないところをやってくれているかという、そこを整理していただくのがいいのかなと思います。
【藤井主査】 ここで議論しなければいけないのかもしれませんしね。
【田浦委員】 もちろんそれはRISTにお答えをということよりは、全体の話だと思います。
【森センター長】 最初に言われましたHPCI第2階層と、それから、「富岳」と、ある意味では総合的にということについては、我々の意識としては、それは総合的にやっているつもりです。一体的にやることで効率化を図るという観点もその中に同時に入っていますが、決して何か区別したサービス提供ということは考えていません。なおかつ、例えば、「富岳」に応募されている課題についても第2希望とかを聞いていて、「富岳」で採択できなかった場合に評価が高ければ第2階層のほうで採択するといったようなことをやっており、そういった意味でも、「富岳」と第2階層を総合的に利用促進しています。また、第2階層の資源間でも、第一希望の資源において資源の上限まで来て採用できない状況になったときに、同じアーキテクチャのシステムでの利用を利用者に推薦するというか、そういった形で採択するというようなこともやっていますので、HPCI全体として盛り上げたいという気持ちでやっているということは御理解いただきたいと思います。
【田浦委員】 はい。そこは分かっているところです。
【梅谷委員】 ぜひ第2階層も含めた枠組みで議論できればと思います。特にやはり産業界は、どうしても「富岳」というよりも、やはり第2階層まで含めたところで、どう使っていくか、使えるかみたいなところというのが非常に重要なので、そこを含めた議論をさせていただければと思います。
そういう意味では、まず産業界側の自戒の意味も含めて、利用企業数がKPIでいいのかなと。やはり国のスパコンを使う以上はどれだけ国に還元できているか。どれだけ、ある意味、産業界全体に還元できているかみたいなところをどうKPIに変えていくか。一つの考え方としては、やはり論文数と発表回数とか、RISTで統計を取られていると思いますので、そういうのは一つKPIにしてもいいのかと思っています。
あと、運用に関しては、もう税金全てで運用するという時代ではなくて、今、個別に利用側が、いわゆるソフトのチューニングをして、それをもってしまっているみたいなところがあって、そういう利用者側の成果と言うんですかね。チューニング成果みたいなものが、RISTで取りまとめて、全体の成果にするみたいなことができないかなとか、あるいは今、パブリッククラウドで言うと、ほぼ、いわゆるサービス業者が入って、各企業、単独でパブリッククラウドを使うケースはあまりないので、その意味では、民間の力をかりて、そこにサービス料を払うことで利用者に使ってもらうだとか、そういう枠組みをつくるだとか、運用の在り方みたいなものを多面的に考えないと、これから先、朴先生がおっしゃるとおり、どんどん複雑になっていくので、もうもたなくなるかなという気がしています。そういう意味では、我々も産業界としてどういうサービスというのがあり得るかみたいなことは一緒に考えさせていただきたいなとは思います。
【藤井主査】 今の枠組みの中で考えるのではなくて、それ自体も含めて考えるということですね。
【梅谷委員】 そうです。今の枠組みだともう、どんどんシステムが複雑になっていくので。
【藤井主査】 さらに複雑になっていきますね。サービスはよくなるんだけど。
【梅谷委員】 もう限界に来ているかなという気はしています。
【藤井主査】 分かりました。あと、言われた中で、各企業がいろいろな工夫をしているものが何らかの形で情報が共有化されて、より幅広い企業がその成果を生かせるみたいな、もちろんオープンにしたくない人もいるでしょうけど、そういうことが何かうまく情報が共有できると確かにいいですよね。
【梅谷委員】 そういう意味では、オープンにしたくなるような仕組みづくりになるんだと思います。
【藤井主査】 RISTさんだけではできないことかもしれませんけど、いろいろな委員会も含めて議論していただくポイントかなと思います。ほかはいかがでしょう。
【朴委員】 すみません。田浦先生、御存じで言っていらっしゃるので、JHPCNに筑波大が入っていないのは戦略的に入っていないので。仲間外れになっているわけではないというので、皆さんに一応申し上げておきます。我々は独自でやるという方針です。
【藤井主査】 JHPCNの存在が事を複雑にしている面もあるので、難しいところですけど。ユーザーから見たら、あれやこれやの仕組みがあったり、そもそも第2階層は別に申請しなきゃいけないこと自体もそれでいいのかとか、そういうことも含めて、梅谷委員は言われたということでよろしいですか。
【伊藤(宏)委員】 1つだけ応援演説しておきますけども。
【藤井主査】 はい、どうぞ。
【伊藤(宏)委員】 スーパーコンピューティング技術産業応用協議会、最近はあまり私は出席していませんが、ここ一、二年は、そこで議論されているのは第2階層の話なんですね。本来は産応協が個別にお願いしなきゃいけないところを、RISTさんに仲介とかで取りまとめをしていただいているので非常に助かっているということをここで申し上げたいと思います。
【藤井主査】 サポート意見。これを見ていると、やはりそれなりに裾野も拡大しているし、やられている努力は評価すべきと思います。今のこのシステムは、「京」を立ち上げたときに、いろいろな方と議論してつくり上げたものです。そもそも国の一番上のスーパーコンピュータを開発するということで、成果をあげなければいけない。したがって、非常に成果を上げられるユーザーを中心に物を考えたり、センターも、大規模な計算センターの人たちがメインで議論してきました。裾野が広がってくると、その枠組み自体ももうちょっと考えて、幅広にやっていかなきゃいけないのかなと。利用の幅も広がっていますし、だから、情報基盤センターの大きいところではない大学の利用者が今どんな状態になっているのかとか、そういう状態も含めて、いろいろな情報を手に入れて、議論していかなければいけないのではないかなと。さらに、先ほどから何人の方も言っておられるように、ポスト「富岳」はさらに大きなアーキテクチャの変更とか利用の形も変わるということもありますので、RISTさん自身にも継続的に考えていただきつつ、この場でも少しいろいろな議論をさせていただきたいと思います。
【栗原室長】 本日はみなさまありがとうございます。本当に貴重な意見交換をされまして、重要な点の御指摘をいただいたと思っております。RISTにおかれましても長年にわたって着実に業務を進めていただいて、主査から御指摘があったように、裾野が拡大してきたところでございます。
本日の御指摘を踏まえまして、森センター長からも、HPCI全体を盛り上げたいというところでございましたが、一方で、また、共用法の枠というのも当然ございます。特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律ということで、全体の共用に関する大枠の登録機関の業務を定められているところでございます。そういったところも踏まえて、事務局としても、主査の御指摘にあったとおり、以後の会議での継続的な議論につなげられるよう、準備を進めてまいりたいと考えます。
【藤井主査】 よろしいでしょうか。それでは、議題2をこれで終わりたいと思います。RISTの皆さん、ありがとうございました。
議題3はその他ですが、全体を通して何かコメントとか御意見があればお聞きして、閉じたいと思います。
事務局より事務連絡を行い、藤井主査により閉会。
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